卵白らんぱく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
鶏卵けいらん構造こうぞう
鶏卵けいらん卵白らんぱくせい
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 216 kJ (52 kcal)
0.73 g
糖類とうるい 0.71 g
食物しょくもつ繊維せんい 0 g
0.17 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 0 g
一価いっか飽和ほうわ 0 g
あたい飽和ほうわ 0 g
10.9 g
トリプトファン 0.125 g
トレオニン 0.449 g
イソロイシン 0.661 g
ロイシン 1.016 g
リシン 0.806 g
メチオニン 0.399 g
シスチン 0.287 g
フェニルアラニン 0.686 g
チロシン 0.457 g
バリン 0.809 g
アルギニン 0.648 g
ヒスチジン 0.29 g
アラニン 0.704 g
アスパラギンさん 1.22 g
グルタミン酸ぐるたみんさん 1.55 g
グリシン 0.413 g
プロリン 0.435 g
セリン 0.798 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(0%)
0.004 mg
リボフラビン (B2)
(37%)
0.439 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.105 mg
パントテンさん (B5)
(4%)
0.19 mg
ビタミンB6
(0%)
0.005 mg
葉酸ようさん (B9)
(1%)
4 µg
ビタミンB12
(4%)
0.09 µg
コリン
(0%)
1.1 mg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(0%)
0 mg
ビタミンK
(0%)
0 µg
ミネラル
ナトリウム
(11%)
166 mg
カリウム
(3%)
163 mg
カルシウム
(1%)
7 mg
マグネシウム
(3%)
11 mg
リン
(2%)
15 mg
鉄分てつぶん
(1%)
0.08 mg
亜鉛あえん
(0%)
0.03 mg
マンガン
(1%)
0.011 mg
セレン
(29%)
20 µg
成分せいぶん
水分すいぶん 87.57 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース英語えいご

卵白らんぱく(らんぱく)は、鳥類ちょうるいなどゆうひつじまくるいたまごにおいて卵黄らんおうまく卵殻らんかくまくあいだにあるゾルじょう物質ぶっしつ。90%ちかくが水分すいぶんで、のこりはおもタンパク質たんぱくしつである[1]はい発生はっせい必要ひつよう水分すいぶん保持ほじしつつ供給きょうきゅうし、くわえてはい卵黄らんおう物理ぶつりてき化学かがくてき保護ほごする役割やくわりつ。

概要がいよう[編集へんしゅう]

卵黄らんおう受精卵じゅせいらん細胞さいぼう由来ゆらいするが、卵白らんぱくおよび卵殻らんかくははとり輸卵管ゆらんかん付加ふかされる。構造こうぞうじょう濃度のうどからみずさませい卵白らんぱく濃厚のうこう卵白らんぱくけられる[1]。さらにカラザやカラザそう卵白らんぱく一部いちぶである[1]。カラザは卵黄らんおう卵白らんぱく中央ちゅうおう浮遊ふゆうさせ、ささえている。

蛋白質たんぱくしつの「蛋白たんぱく」とは「蛋」、つまりとりたまごの「しろい」部分ぶぶん意味いみし、元来がんらい卵白らんぱく言葉ことばである。卵白らんぱくタンパク質たんぱくしつ主成分しゅせいぶんアルブミンであり、これは卵白らんぱく意味いみする Albumen の語尾ごびを、タンパク質たんぱくしつめい慣用かんようとして -in に変化へんかさせたものである。このたまごアルブミンにたいし、アレルギー反応はんのうこすひともいる。

そのほか、リゾチームばれる加水かすい分解ぶんかい酵素こうそふくまれており、この酵素こうそ細菌さいきん細胞さいぼうかべ構成こうせいするペプチドグリカン加水かすい分解ぶんかいして溶菌ようきんこすことにより、たまごへの細菌さいきん感染かんせんふせいでいる。鶏卵けいらん卵白らんぱくはリゾチームの含有がんゆうりょうは0.3%で、医薬品いやくひん食品しょくひん保存ほぞんりょうけのリゾチームはほとんどが鶏卵けいらん由来ゆらいのものである[1]。また、トランスフェリン一種いっしゅであるオボトランスフェリン英語えいごばんばれるとうタンパク質たんぱくしつふくまれており、雑菌ざっきんからキレート作用さようによって鉄分てつぶんうばい、その繁殖はんしょく抑制よくせいしている。人体じんたいないでは、鉄分てつぶん吸収きゅうしゅうたかめるはたらきもゆうする。

卵白らんぱくには、てつつよ結合けつごうするコンアルブミン英語えいごばんが12%ふくまれており、病原菌びょうげんきんてつ利用りようできないようにして抗菌こうきんせいがある。たまご全体ぜんたいでは卵黄らんおうてつ保存ほぞんされている[2]

卵白らんぱくは、じゃくアルカリ性あるかりせいである。まれたてのときのpHは、7.6~7.9くらいである。卵白らんぱくふくまれていた炭酸たんさんガスがけていくため、まれてから日数にっすう経過けいかするにつれて徐々じょじょにpHは上昇じょうしょうしていく。

膨張ぼうちょう[編集へんしゅう]

卵生らんせいゆうひつじまくるい系統的けいとうてきには本来ほんらい卵白らんぱくつものであるが、トカゲヘビのようなゆううろこるいたまごてき卵白らんぱく退化たいかし、発生はっせい必要ひつよう水分すいぶんたまごけられた土壌どじょうのような外界がいかいから吸収きゅうしゅうする。そのため、たまご発生はっせい進行しんこうともなって水分すいぶんって膨張ぼうちょうすることがられている。この性質せいしつゆううろこるい祖先そせんがいったんたまご胎生たいせい性質せいしつ獲得かくとくしたのちてき卵生らんせいもどったからではないかとするせつ提唱ていしょうされている。

呼称こしょう[編集へんしゅう]

日常にちじょうてきには白身しろみ(しろみ)とばれ、卵黄らんおう黄身きみばれる。もっとも身近みぢか卵白らんぱく鶏卵けいらんのものであり、淡雪あわゆきメレンゲしゅ材料ざいりょうとなる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d エラー 404 おさがしのページは存在そんざいしません。/ かながわ畜産ちくさんまめ知識ちしき”. 神奈川かながわけん. 2020ねん1がつ9にち閲覧えつらん[リンク]
  2. ^ 吉田よしだたかよし『宇宙うちゅう生物せいぶつがくく「人体じんたい」の不思議ふしぎ講談社こうだんしゃ講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ 2226〉、2013ねんISBN 9784062882262NCID BB13442851全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:22306909https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024816373-00 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]