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ステンレス鋼 - Wikipedia コンテンツにスキップ

ステンレスこう

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ステンレスから転送てんそう
ステンレスこう使つかった、カトラリー食器しょっきなべワイン醸造じょうぞうタンク、アーチ鉄道てつどう車両しゃりょうすりえき

ステンレスこう(ステンレスこう、えい: stainless steel)とは、てつ一定いっていりょう以上いじょうクロムふくませた腐食ふしょくたいするたいせい合金ごうきんこうである。規格きかくなどでは、クロム含有がんゆうりょうが 10.5 %(質量しつりょうパーセント濃度のうど以上いじょう炭素たんそ含有がんゆうりょうが 1.2 % 以下いかはがね定義ていぎされる。たんステンレスともばれ、かつては不銹鋼ふしゅうこう(ふしゅうこう)とばれていた。1910年代ねんだい前半ぜんはんごろに発明はつめい実用じつようされた

ステンレスこう腐食ふしょくたいするたいせい耐食性たいしょくせい)のみなもと含有がんゆうされているクロムで、このクロムによってはたらけたい皮膜ひまくばれるかずナノメートルきわめてうす皮膜ひまく表面ひょうめん形成けいせいされて、金属きんぞく素地そじ腐食ふしょくから保護ほごされている。はたらけたい皮膜ひまくきずついても一般いっぱんてき環境かんきょうであればすぐに回復かいふくし、一般いっぱんてき普通ふつうこうであればびるような環境かんきょうでもステンレスこうびることはない。ただし、万能ばんのう耐食性たいしょくせいつわけではなく、とくあなしょくすきま腐食ふしょく応力おうりょく腐食ふしょくといった局部きょくぶてき腐食ふしょく問題もんだいとなりる。とく塩化えんかぶつイオン環境かんきょうには注意ちゅういようする。また、ステンレスこう高温こうおん腐食ふしょくたいしてもたいせいたかく、たいねつこうとしても位置いちづけられる。

一口ひとくちにステンレスこうっても、実際じっさいには多様たようなステンレスこう種類しゅるい存在そんざいしており、耐食性たいしょくせいがよりたかはがねしゅこう強度きょうどはがねしゅ磁性じせいはがねしゅ磁性じせいつね磁性じせい)のはがねしゅごく低温ていおんでももろしないはがねしゅなどがある。とく主要しゅよう金属きんぞく組織そしきをもとにして「オーステナイトけいステンレスこう」「フェライトけいステンレスこう」「マルテンサイトけいステンレスこう」「オーステナイト・フェライトけいステンレスこう」「析出せきしゅつ硬化こうかけいステンレスこう」の5つで大別たいべつされている。クロム以外いがいにも、ニッケル筆頭ひっとうに、特性とくせい向上こうじょうのために様々さまざま元素げんそ添加てんかされる。

ステンレスこう製造せいぞうじょうは、炭素たんそ効率こうりつてき除去じょきょとく重要じゅうようなポイントとなる。成形せいけい溶接ようせつ切削せっさくといった加工かこうじょうも、普通ふつうこうとはいくらかことなるめんがある。にち用品ようひんから産業さんぎょうよういた幅広はばひろ分野ぶんやでステンレスこう使つかわれており、耐食性たいしょくせいにより金属きんぞく素地そじ露出ろしゅつして利用りよう可能かのうなため、意匠いしょうてき利用りようおおい。

定義ていぎ名称めいしょう[編集へんしゅう]

ステンレスこうとは、てつクロム一定いっていりょう以上いじょう添加てんかされたびにくい合金ごうきん一種いっしゅといえる[1]鉄鋼てっこう材料ざいりょうなかでは、こう合金ごうきんこうまたは特殊とくしゅこう位置いちづけられる[2]後述こうじゅつのように、ふくまれるクロムがステンレスこう耐食性たいしょくせいしゅたるみなもとで、現在げんざい国際こくさいてき定義ていぎでは、ステンレスこうは「クロム含有がんゆうりょうが 10.5 % 以上いじょう炭素たんそ含有がんゆうりょうが 1.2 % 以下いか合金ごうきんこう」とさだめられている[3]

このステンレスこう定義ていぎは、国際こくさい統一とういつのために1988ねん世界せかい税関ぜいかん機構きこうによって導入どうにゅうされ、現在げんざいいたっている[4][5]国際こくさい標準ひょうじゅん規格きかく (ISO) や 日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく (JIS) でも、同様どうよう定義ていぎ現在げんざいでは採用さいようされている[6][7]以前いぜんは、クロム含有がんゆうりょうやく 12 %以上いじょう十分じゅうぶん耐食性たいしょくせい発揮はっきされると認識にんしきされており、ステンレスこう必要ひつようなクロムの最低さいてい含有がんゆうりょうやく 13 % ややく 12 % などとされていた[8]技術ぎじゅつ向上こうじょうによって炭素たんそ窒素ちっそ硫黄いおうなどの耐食性たいしょくせい低下ていかさせる元素げんそ含有がんゆうらせるようになったため、定義ていぎじょうのクロムの最低さいてい含有がんゆうりょうが 10.5 % で十分じゅうぶんとなった[9]

「ステンレスこう」というは、英語えいご名称めいしょう "stainless steel" の音訳おんやく由来ゆらいする[10]。stainless steel というは、ステンレスこう最初さいしょ実用じつようした一人ひとりであるイギリスのハリー・ブレアリーによって[11]、より正確せいかくには、ブレアリーのはがね耐食性たいしょくせい確認かくにんした刃物はもの技師ぎしのアーネスト・スチュアートによって名付なづけられた[12][13]。1914ねんにスチュアートがブレアリーが開発かいはつしたはがねを「より変色へんしょくしにくい (stains less)」とひょうした記録きろくのこっており、それがステンレスこうたいして「ステンレス」という言葉ことば使つかわれた最初さいしょだと推定すいていされる[12]

日本語にほんごでは、かつては「不銹鋼ふしゅうこう(ふしゅうこう)」というでもばれていた[14]現在げんざいでは、みじかく「ステンレス」とぶこともおお[15]業界ぎょうかい用語ようごとして、さらに省略しょうりゃくして「ステン」とんだり、ステンレスこうのJISの材料ざいりょう記号きごうがSUSであることから「サス」とんだりもする[16]

歴史れきし[編集へんしゅう]

イギリスで発明はつめいされたステンレスこうについてつたえる、1915ねん1がつ31にちづけニューヨークタイムズ記事きじ

ステンレスこう発明はつめい実用じつようされたのは、20世紀せいき初頭しょとうの1910年代ねんだいのことである。18世紀せいき元素げんそとしてのクロムが発見はっけんされ、19世紀せいきちゅうにステンレスこう発明はつめいにつながるおおくの重要じゅうよう基礎きそ研究けんきゅう成果せいかがあり、それらをもとにステンレスこう発明はつめい達成たっせいできたといえる[17]。1900年代ねんだいには、フランスのレオン・ギレやドイツのフィリップ・モンナルツがてつ・クロム合金ごうきんについての特筆とくひつすべき学術がくじゅつてき成果せいかをまとめ、ステンレスこう発明はつめい土台どだいととのいつつあった[18]

後述こうじゅつのように、ステンレスこう金属きんぞく組織そしきべつおおきく5つに分類ぶんるいされる。1912ねんオーステナイトけいステンレスこうがドイツのベンノ・シュトラウスドイツばんエドゥアルト・マウラードイツばんによって発明はつめいされた[19]。そして1913ねんマルテンサイトけいステンレスこうが、上述じょうじゅつのイギリスのハリー・ブレアリーによって発明はつめいされた[20][21]フェライトけいステンレスこうもこのころ発明はつめいされたが、フェライトけいステンレスこう場合ばあいだれ発明はつめいしゃとするかはがた[22]。フランスのアルバート・ポートヴァンドイツばん米国べいこくクリスチャン・ダンチゼン米国べいこくエルウッド・ヘインズ英語えいごばんなどがフェライトけいステンレスこう発明はつめいしゃとしてげられる[23][21]以上いじょうのようにステンレスこうにはおおくの発見はっけんしゃ発明はつめいしゃたが、ステンレスこう発明はつめいしゃとして一人ひとりげるときにはハリー・ブレアリーのげることがおお[24][13]

実用じつようから、ステンレスこう耐食性たいしょくせいおよびその特性とくせいかして、産業さんぎょうようから家庭かていようまで様々さまざま用途ようと需要じゅようばしてきた[25]あらたな機能きのう特性とくせいったはがねしゅ開発かいはつおこなわれ、ステンレスこう種類しゅるい豊富ほうふえていった[26]オーステナイト・フェライトけいステンレスこうは1930年代ねんだいに、析出せきしゅつ硬化こうかけいステンレスこうは1940年代ねんだい実用じつようされた[27]同時どうじに、ステンレスこう量産りょうさん生産せいさん技術ぎじゅつ向上こうじょうすすめられてきた[26]とくに、1940年代ねんだい酸素さんそだつすみほうのステンレスこう製造せいぞうへの適用てきよう、さらに1960年代ねんだい後半こうはんVODほうAODほう発明はつめいは、ステンレスこう生産せいさんせい品質ひんしつおおきく向上こうじょうし、製造せいぞうコストを低下ていかさせた[28]。1950ねんから2019ねんまでの統計とうけいによれば、ステンレスこうぜん世界せかい生産せいさんりょう平均へいきん 5.8 % で増加ぞうかつづけてきた[29]近年きんねんでも、製造せいぞうほう改良かいりょう開発かいはつ耐食性たいしょくせい強度きょうど加工かこうせい改良かいりょうあるいは兼備けんびしたはがねしゅ開発かいはつしょうエネやしょう資源しげん目指めざしたはがねしゅ開発かいはつなどがつづけられている[30]

基本きほん金属きんぞく組織そしき合金ごうきん元素げんそ関係かんけい[編集へんしゅう]

ステンレスこう添加てんかされる合金ごうきん元素げんそは、定義ていぎのようにクロム必須ひっすとする。さらに、各種かくしゅ特性とくせい向上こうじょうのためにニッケルモリブデンどうケイ素けいそ窒素ちっそアルミニウムなどのほか元素げんそ添加てんかされる[31]。また、リン硫黄いおう場合ばあいによっては有効ゆうこう含有がんゆうぶつだが、基本きほんてき有害ゆうがい不純物ふじゅんぶつ元素げんそであり、普通ふつうはこれらは製造せいぞうじょうできるだけのぞかれる[32]炭素たんそは、ステンレスこう耐食性たいしょくせいとす不純物ふじゅんぶつであるが、一方いっぽうで、強度きょうど向上こうじょう寄与きよする有用ゆうよう元素げんそでもある[33][34]一部いちぶ種類しゅるいのぞいて、ステンレスこうは0.01けた%–0.001けた%といったひく炭素たんそ含有がんゆうりょうとなるよう製造せいぞうされている[35]

フェライト(αあるふぁ)とオーステナイト(γがんま)の結晶けっしょう格子こうし様子ようす。マルテンサイト(αあるふぁ′)の結晶けっしょう格子こうしαあるふぁ とほぼおなじで、わずかに立方体りっぽうたいから直方体ちょくほうたいとなる[36]

ステンレスこう金属きんぞく組織そしきをミクロに観察かんさつすると、金属きんぞく組織そしきおもめているそう種類しゅるいには、からだこころ立方りっぽう構造こうぞうフェライトからだこころ正方まさかた構造こうぞうマルテンサイトめんこころ立方りっぽう構造こうぞうオーステナイトの3つが存在そんざいする[37]。こういった合金ごうきん金属きんぞく組織そしきは、含有がんゆうする化学かがく成分せいぶん種類しゅるい濃度のうど組成そせい)、加熱かねつ冷却れいきゃく一定いってい温度おんど保持ほじなどの材料ざいりょうけたねつ履歴りれき、および加工かこう履歴りれきなどによってまる[38]。フェライト、マルテンサイト、オーステナイトは結晶けっしょう構造こうぞうがそれぞれことなっており、結晶けっしょう構造こうぞうちがいがステンレスこう材料ざいりょう特性とくせいちがいとなってあらわれる[39][40]とく物理ぶつりてき性質せいしつ機械きかいてき性質せいしつが、金属きんぞく組織そしき種類しゅるいによって変化へんかする[41]

フェライト、マルテンサイト、オーステナイトという3つのそうはがね全般ぜんぱん存在そんざいするそうだが、てつ炭素たんその2つから単純たんじゅんはがねでは、オーステナイトは高温こうおんのみであらわれるそうであり、常温じょうおん組織そしきがオーステナイトになることは普通ふつうはない[42][43]常温じょうおんでオーステナイトを主要しゅようそうとするはがねしゅがあることは、ステンレスこう特徴とくちょうひとつといえる[44]

てつ・クロムけい2げん状態じょうたいたてじく温度おんどよこじくがクロム濃度のうどで、ちゅうには静的せいてき変化へんかさせたときのその温度おんどとクロム濃度のうどにおけるそうしめしている。αあるふぁがフェライト、γがんまがオーステナイトを意味いみしており、左端ひだりはしじた γがんま存在そんざい領域りょういきγがんま ループ。

ステンレスこう基礎きそとなるのが、てつクロムけい状態じょうたいである[45]。2成分せいぶんけい合金ごうきん状態じょうたいとは、たてじく温度おんどり、よこじくに2つの元素げんそ質量しつりょうり、温度おんど質量しつりょうによってまるねつ力学りきがくてき平衡へいこう状態じょうたい金属きんぞく組織そしきしめである[46]てつ・クロムけい2げん状態じょうたいによると、クロム濃度のうど 0 % のときやく 900–1400 °C の範囲はんい組織そしきはオーステナイトとなる[47]。クロム濃度のうどを 0 % からやすと、オーステナイトが存在そんざいする温度おんどいきせまくなっていき、ついにはオーステナイトは存在そんざいしなくなり、組織そしき融点ゆうてんまでフェライトたんしょうとなる[47]。このように、濃度のうどやすとフェライトが生成せいせいするほう寄与きよする元素げんそを「フェライト生成せいせい元素げんそ」「フェライト形成けいせい元素げんそ」「フェライト安定あんてい元素げんそ」などと[48]。クロムのほかにも、フェライト形成けいせい元素げんそにはモリブデンチタンニオブケイ素けいそなどがある[49]

一方いっぽうてつ・クロムけい2げん状態じょうたい図上ずじょうでは、高温こうおんでクロム濃度のうどひく範囲はんいまではオーステナイトが存在そんざいする。この高温こうおんいきにあるオーステナイト(γがんま)の存在そんざい領域りょういきを「γがんま ループ」などと[50]てつ・クロムけい炭素たんそもわずかにくわわったような場合ばあい想定そうていすると、γがんま ループよりひく温度おんどでは、オーステナイトはきょう析反おうでフェライトと炭化物たんかぶつへと分解ぶんかいされる[51]。しかし、γがんま ループから組織そしき急冷きゅうれいした場合ばあい組織そしきはマルテンサイトにわる[52]。すなわち、急冷きゅうれいによってきょう変態へんたい阻止そしされてマルテンサイト変態へんたいわりにこる[51]生成せいせいされたマルテンサイトには炭素たんそ過飽和かほうわかた溶されており、組織そしきちゅう転位てんい高密度こうみつど存在そんざいした状態じょうたいとなる[53]。これによって、マルテンサイトはたか強度きょうど硬度こうど組織そしきとなる[53]

てつ・ニッケルの2げん合金ごうきん状態じょうたい。ニッケル濃度のうどがるにつれて γがんま領域りょういきひろがる。

フェライト生成せいせい元素げんそとはぎゃくに、濃度のうどやすとオーステナイトが生成せいせいするほう寄与きよする元素げんそを「オーステナイト生成せいせい元素げんそ」「オーステナイト形成けいせい元素げんそ」「オーステナイト安定あんてい元素げんそ」などと[48]。ステンレスこうくわえられるオーステナイト生成せいせい元素げんそ代表だいひょうれいニッケルである[54]てつ・ニッケル2げんけい状態じょうたいると、ニッケル濃度のうどたかいほどオーステナイトの領域りょういきひろがっていく[55]てつ・クロム・ニッケルの3げんけいかんがえると、γがんま ループの領域りょういきおおきくなっておく[56]。このようなオーステナイト生成せいせい元素げんそ利用りようし、ステンレスこう特定とくてい種類しゅるいでは常温じょうおんでもオーステナイト組織そしきのままとすることができる[57]。オーステナイトの組織そしきは、たか延性えんせい磁性じせいなどの特徴とくちょう[58]。ニッケルのほかには、炭素たんそ窒素ちっそコバルトマンガンどうなどがオーステナイト生成せいせい元素げんそである[54]

シェフラーの組織そしきドイツばんいちれい。A はオーステナイト、F はフェライト、M はマルテンサイトを意味いみする。

以上いじょうのようなフェライト生成せいせい元素げんそとオーステナイト生成せいせい元素げんそりょうが、ステンレスこう組織そしきおもめている[59]。フェライト生成せいせい元素げんそとオーステナイト生成せいせい元素げんそりょうからまる主要しゅようしょう図示ずししたのがシェフラーの組織そしきドイツばんである[60]。これは、よこじくをクロムとうりょう(フェライト生成せいせい元素げんそ)、たてじくをニッケルとうりょう(オーステナイト生成せいせい元素げんそ)として組成そせい組織そしき関係かんけいしめしたもので、クロムとうりょう (Creq) とニッケルとうりょう (Nieq) とは、

Creq = %Cr + %Mo + 1.5 × %Si + 0.5 × %Nb
Nieq = %Ni + 30 × %C + 0.5 × %Mn

のようなかたちで、クロムのフェライト生成せいせいのうあるいはニッケルのオーステナイト生成せいせいのうおなじになるようにおもけし、各々おのおの元素げんそ含有がんゆうりょうわせたものである[61]。ここで、%X で元素げんそ X の質量しつりょうパーセント濃度のうど意味いみする。シェフラーの組織そしきは、元々もともと溶接ようせつ溶着ようちゃく金属きんぞく組織そしきたいするものだったが、組成そせいからステンレスこうそう予測よそくするのに実用じつようじょう有効ゆうこうである[60]とうりょうからステンレスこう組織そしき予測よそくする手法しゅほうについては、シェフラーの組織そしき以外いがいにも様々さまざま手法しゅほう提案ていあんされている[62]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

ステンレスこうには、現在げんざいではおおくの種類しゅるい存在そんざいしている[63]用途ようと目的もくてきおうじて、適当てきとうはがねしゅ選択せんたくすることが重要じゅうようである[64]大別たいべつ分類ぶんるいとしては、主要しゅよう成分せいぶんべつ金属きんぞく組織そしきべつがある[65]。さらにこまかくは、規格きかく分類ぶんるい指定していされている[66]

主要しゅよう成分せいぶんによる大別たいべつ[編集へんしゅう]

ステンレスこうふくまれる合金ごうきん元素げんそとしてはクロムかせない。さらに、ニッケル主要しゅよう合金ごうきん元素げんそとしてふくむステンレスこう主流しゅりゅうである[67]主要しゅよう合金ごうきん元素げんそがクロムのみであるステンレスこう主要しゅよう合金ごうきん元素げんそがクロムとニッケルのステンレスこう、これら2つを

  • クロムけいステンレスこうCrけいステンレスこう
  • クロム・ニッケルけいステンレスこうCr-Niけいステンレスこう

という[67]。クロムけいステンレスこうとクロム・ニッケルけいステンレスこうの2種類しゅるいが、主要しゅよう成分せいぶんによる大別たいべつ分類ぶんるいとして定着ていちゃくしている[59]

ただし、主要しゅよう合金ごうきん元素げんそわせとしては、クロムけいとクロム・ニッケルけい以外いがいもありる。かつて日本にっぽん産業さんぎょう規格きかくにあった SUS200 番台ばんだいのステンレスこうなどはニッケルをらしてマンガン主要しゅよう成分せいぶんとしているので、Cr-Ni-Mnけいのステンレスこうといわれる[68]。ステンレスこう主要しゅよう成分せいぶん金属きんぞく組織そしき決定けってい直結ちょっけつし、後述こうじゅつ組織そしきべつ分類ぶんるいにもかかわってくる[69]

金属きんぞく組織そしきによる大別たいべつ[編集へんしゅう]

前記ぜんきのように、金属きんぞく組織そしき状態じょうたい材料ざいりょう特性とくせいとく影響えいきょうする。そのため、金属きんぞく組織そしきべつにステンレスこう大別たいべつするのが学問がくもんてきにも順当じゅんとうで、材料ざいりょう特性とくせい理解りかいしやすい[70]常温じょうおんにおける金属きんぞく組織そしきによって大別たいべつすると、ステンレスこう以下いかの5つに分類ぶんるいされる[7][71]

このなか析出せきしゅつ硬化こうかけいステンレスこう主要しゅようそうではなく組織そしき析出せきしゅつ硬化こうか有無うむによる分類ぶんるいなので、そのははしょうにもとづき「マルテンサイトけい析出せきしゅつ硬化こうかがたステンレスこう」「オーステナイトけい析出せきしゅつ硬化こうかがたステンレスこう」のようにさらに細分さいぶんもされる[59]

以下いかとくことわりがないかぎり、「マルテンサイトけい」「フェライトけい」「オーステナイトけい」「オーステナイト・フェライトけい」「析出せきしゅつ硬化こうかけい」という表記ひょうき上記じょうきの5種類しゅるいす。

マルテンサイトけいステンレスこう[編集へんしゅう]

マルテンサイトけいステンレスこう AISI 420 の金属きんぞく組織そしき写真しゃしん

マルテンサイトけいステンレスこうとは、常温じょうおんマルテンサイト主要しゅよう組織そしきとするステンレスこうである[72]高温こうおんではオーステナイト単一たんいつ組織そしき、またはフェライトがすこじったオーステナイト組織そしきで、その状態じょうたいから急冷きゅうれいして焼入やきいおこなうことによってマルテンサイト変態へんたいこしてマルテンサイト組織そしきにする[73]焼入やきいは、残留ざんりゅう応力おうりょく除去じょきょうつぼせい回復かいふくおこなうために通常つうじょう焼戻やきもどおこな[74]

マルテンサイトけいのクロム含有がんゆうりょう一般いっぱんてきに 11 % から 18 % 程度ていどで、クロムけいステンレスこう一種いっしゅ分類ぶんるいされる[52]。また、のステンレスこうことなり炭素たんそ積極せっきょくてきふくむのがマルテンサイトけい特徴とくちょうで、0.15 % から最大さいだい 1.2 % の炭素たんそがマルテンサイトけい含有がんゆうされる[35]。ステンレスこうなかでは、クロム含有がんゆうりょう比較的ひかくてきすくなく炭素たんそ含有がんゆうりょう比較的ひかくてきおおいという組成そせいとなっている[75]。「13Crこう」や「13クロムステンレス」などばれるクロムりょうやく 13 % のはがねしゅが、マルテンサイトけい代表だいひょうてきはがねしゅである[76][1]焼入やきいれではなく完全かんぜんしょうなましほどこした場合ばあいのマルテンサイトけい組織そしきは、炭化物たんかぶつおおふくむフェライト組織そしきとなる[77]

フェライトけいステンレスこう[編集へんしゅう]

フェライトけいステンレスこう AISI 430 の金属きんぞく組織そしき写真しゃしん

フェライトけいステンレスこうとは、常温じょうおんフェライト主要しゅよう組織そしきとするステンレスこうである[78]高温こうおんではフェライト単一たんいつ組織そしきまたはオーステナイトがすこじったフェライト組織そしきで、焼入やきい処理しょりをしてもあい変態へんたいきない[79]

フェライトけいのクロムりょうにはおよそ 12 % から 30 % 程度ていどまでの種類しゅるいがある[80]。マルテンサイトけいおなじくニッケルを主要しゅよう合金ごうきん元素げんそとしてふくまず、クロムけいステンレスこう分類ぶんるいされる[81]。「18%Crこう」や「18クロムステンレス」などばれるクロムりょうやく 18 % のはがねしゅが、フェライトけい代表だいひょうてきはがねしゅである[82][1]とくに、炭素たんそおよび窒素ちっそ含有がんゆうりょうを 0.03 % 以下いかのようなごくていりょうまで低減ていげんし、さらにチタンニオブなどの炭化物たんかぶつ安定あんてい元素げんそ添加てんかし、性能せいのうたかめたフェライトけいこうしゅは「こう純度じゅんどフェライトけいステンレスこう」とばれる[83]

オーステナイトけいステンレスこう[編集へんしゅう]

オーステナイトけいステンレスこう 304 けい金属きんぞく組織そしき写真しゃしん

オーステナイトけいステンレスこうとは、常温じょうおんオーステナイト主要しゅよう組織そしきとするステンレスこうである[84]上記じょうきべたとおり、通常つうじょう常温じょうおんではオーステナイトは残存ざんそんしないが、オーステナイト生成せいせい元素げんそ添加てんかすることでオーステナイトが安定あんていして常温じょうおん存在そんざい可能かのうになる[85]通常つうじょう高温こうおん材料ざいりょう全体ぜんたいをオーステナイト合金ごうきん元素げんそ十分じゅうぶんかた溶させ、急冷きゅうれいして完全かんぜんなオーステナイト組織そしきにする[86]

オーステナイトけいは、主要しゅよう合金ごうきん元素げんそとしてクロムとニッケルをふくむクロム・ニッケルけいステンレスこう一種いっしゅである[87]。「18-8(じゅうはちはち)ステンレス」などばれるクロムやく 18 % ・ニッケルやく 8 % のはがねしゅが、オーステナイトけい代表だいひょうてきはがねしゅである[1][88]。オーステナイトけいはステンレスこう全体ぜんたいなかでもっともひろ使つかわれているはがねしゅで、使用しようりょう種類しゅるいおお[89][90]

オーステナイトけい常温じょうおんでも主要しゅよう組織そしきをオーステナイトとするが、添加てんかされる合金ごうきん元素げんそ組成そせいによって存在そんざいするオーステナイトの安定あんていことなる[91]。オーステナイト安定あんていひく場合ばあいは、塑性そせい加工かこうほどこされたり、低温ていおんかれたりすると、一部いちぶのオーステナイトがマルテンサイトに変態へんたいする[92]。このようなはがねしゅは「じゅん安定あんていオーステナイトけいステンレスこう」とばれる[93]一方いっぽう、オーステナイト安定あんていたか場合ばあい加工かこうなどをほどこしてもあい変態へんたいきず、このようなはがねしゅを「安定あんていオーステナイトけいステンレスこう」と[94]

オーステナイト・フェライトけいステンレスこう[編集へんしゅう]

オーステナイト・フェライトけいステンレスこう UNS S32205 の金属きんぞく組織そしき写真しゃしん

オーステナイト・フェライトけいステンレスこうとは、常温じょうおんでオーステナイトとフェライトの両方りょうほう並存へいそんする組織そしきのステンレスこうである[95]。2つのそうからるので「そうステンレスこう」などともばれる[59]実際じっさいのフェライト・オーステナイトの割合わりあい成分せいぶんねつ履歴りれきによってわるが、一般いっぱんてきには、それぞれの存在そんざい割合わりあいがおおよそおなじとなるように製造せいぞうする[96]

オーステナイト生成せいせい元素げんそとフェライト生成せいせい元素げんそ調整ちょうせいによって、オーステナイトとフェライトを並存へいそんさせる[97]たとえば、ニッケルを 8 % ふくむものがクロムを 22 % 以上いじょうふくむようになると、常温じょうおんそう組織そしきることができるようになる[95]。オーステナイトけいおなじくニッケルも主要しゅよう合金ごうきん元素げんそとしてふくむため、オーステナイト・フェライトけいはクロム・ニッケルけいステンレスこう一種いっしゅ分類ぶんるいされる[59]。オーステナイト・フェライトけい代表だいひょうてきこうしゅ場合ばあいで、クロムやく 25 %、ニッケルやく 4.5 %、モリブデンやく 2 % を主要しゅよう合金ごうきん元素げんそとする[69]

析出せきしゅつ硬化こうかけいステンレスこう[編集へんしゅう]

析出せきしゅつ硬化こうかけいステンレスこうとは、どうアルミニウムといった元素げんそ添加てんかしてははしょう析出せきしゅつさせ、析出せきしゅつ硬化こうかばれる材質ざいしつ硬化こうか現象げんしょうこしてもちいるステンレスこうである[98]一般いっぱんてき使つかわれている析出せきしゅつ硬化こうかけいははしょう種類しゅるいは、オーステナイトとマルテンサイトの2つである[99]硬化こうかこす微細びさい析出せきしゅつぶつははしょうちゅう分散ぶんさん現出げんしゅつさせて、析出せきしゅつ硬化こうかこす[100]析出せきしゅつぶつ自体じたいは、光学こうがく顕微鏡けんびきょうでは視認しにんできず、電子でんし顕微鏡けんびきょうなどを使つかって確認かくにんできるレベルのおおきさである[101]

ニッケルも主要しゅよう合金ごうきん元素げんそとしてふくむため、析出せきしゅつ硬化こうかけいはクロム・ニッケルけいステンレスこう一種いっしゅ分類ぶんるいされる[68]析出せきしゅつ硬化こうかけい代表だいひょうれいが「17-4PH」とばれるマルテンサイトをははしょうとするはがねしゅで、クロムやく 17 %、ニッケルやく 4 % をふくみ、析出せきしゅつ硬化こうかせい元素げんそとしてどうやく 4 % をふく[102]析出せきしゅつ硬化こうかけいははしょう種類しゅるい性質せいしつおうじて細分さいぶんされ、「マルテンサイトけい析出せきしゅつ硬化こうかがたステンレスこう」「セミオーステナイトけい析出せきしゅつ硬化こうかがたステンレスこう」「オーステナイトけい析出せきしゅつ硬化こうかがたステンレスこう」の3つが一般いっぱんてきである[103]

規格きかくによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

ステンレスこう種類しゅるいは、世界せかい各国かっこく国家こっか規格きかく団体だんたい規格きかく、および国際こくさい規格きかく規定きていされている[104]。2010年版ねんばんISO規格きかくではぜん191しゅのステンレスこう規定きていされており、そのうち、オーステナイトけいが98しゅ、フェライトけいが34しゅ、マルテンサイトけいが33しゅ、オーステナイト・フェライトけいが15しゅ析出せきしゅつ硬化こうかけいが11しゅとなっている[105]。こういった規格きかくで、化学かがく組成そせい指定していのほか、機械きかいてき性質せいしつ耐食性たいしょくせいなどの品質ひんしつ要求ようきゅうが、かくはがねしゅたいしてさだめられている[66]

ステンレスこう規格きかく分類ぶんるい最初さいしょ規定きていしたのはアメリカ鉄鋼てっこう協会きょうかい英語えいごばん(AISI)で、3けた数字すうじ末尾まつび記号きごうでステンレスこう種類しゅるい体系たいけいけした[106]。マルテンサイトけいとフェライトけいには400だいを、オーステナイトけいには300だいてている[107]。もっとも使用しようされている18-8ステンレスには「304」という記号きごうてられている[108]。AISI規格きかく命名めいめい体系たいけいはアメリカのみならず世界せかい各国かっこくでも採用さいようされ、カナダ、メキシコ、日本にっぽん韓国かんこく、イギリス、ブラジル、オーストラリアなどがAISI規格きかく体系たいけいもとにした国家こっか規格きかく制定せいていしている[109]一方いっぽうで、国際こくさい規格きかくであるISO規格きかく欧州おうしゅう統一とういつ規格きかくであるEN規格きかくは、ドイツのDIN規格きかく命名めいめい体系たいけい採用さいようしている[110]。アメリカではAISIははがねしゅ規格きかく活動かつどうを1960年代ねんだい終了しゅうりょうしており、アメリカ国内こくないでは、AISI規格きかくアメリカ試験しけん材料ざいりょう協会きょうかいアメリカ自動車じどうしゃ技術ぎじゅつしゃ協会きょうかい規格きかく採用さいようされたかたちのこっている[111][112]。さらに、金属きんぞく合金ごうきんコードの統一とういつ目指めざユニファイド・ナンバリング・システム英語えいごばん(UNS)でもステンレスこうについてはAISI規格きかく体系たいけいをベースにしている[112][113]

18-8ステンレスこう(JIS SUS304 と同等どうとうはがねしゅ)をれいにして、おも規格きかく材料ざいりょう記号きごう下記かきひょうしめす。このうち、イギリス、ドイツ、フランスなどの規格きかくは、現在げんざいではEN規格きかく統合とうごうされている[114]

おも規格きかくにおける18-8ステンレスこう[115][116][117][118]
くに地域ちいき 規格きかく 記号きごう
アメリカ AISI 304
アメリカ UNS S30400
イギリス BS 304S11 / 304S15 / 304S31
フランス AFNOR Z6CN18-09 / Z7CN18-09
ドイツ DIN X5CrNi189 (1.4301 / 1.4350)
イタリア UNI X5CrNi1810
スペイン UNE F.3541 / F.3551 / F.3504
スウェーデン SS 2332 / 2333
ロシア GOST 08Ch18N10
インド IS 04Cr18Ni11
中国ちゅうごく GB S30408 (OCr18Ni9)
日本にっぽん JIS SUS304
韓国かんこく KS STS304
ヨーロッパ EN 1.4301 / 1.4350
国際こくさい規格きかく ISO X5CrNi18-10 (4301-304-00-I)


JISをれいにすると、ステンレスこう指定してい以下いかのような具合ぐあいである。まず、あたまおおまかな分類ぶんるい記号きごう[119]。「SUS」がステンレス鋼材こうざい全般ぜんぱんぼうざいせんざいかんざい板材いたざいおびざいかたちこうなど)を意味いみしており、には鋳鋼ちゅうこうしな意味いみする「SCS」や、溶接ようせつようワイヤを意味いみする「SUSY」などがある[120][121][122]つぎに、はがねしゅ指定していする記号きごうつづ[123]。これはAISI規格きかく由来ゆらいする3けた数字すうじからり、さらに意味いみづけされたアルファベットが数字すうじのちつづくこともある[123]。「SUS304L」であれば SUS304 をよりてい炭素たんそにしたはがねしゅ意味いみする[123]鋳鋼ちゅうこうについては独自どくじ体系たいけい整理せいりされている[121]

このような具合ぐあいめられた一連いちれん記号きごうによって、たすべき化学かがく組成そせいおよび機械きかいてき性質せいしつ範囲はんいなどが指定していされる[124][114]。さらに必要ひつようであれば、製品せいひん形状けいじょうしめ記号きごう末尾まつびける[123]。「SUS304-B」であれば SUS304 のぼうざい意味いみし、「SUS304-HS」であれば SUS304 のねつあいだ圧延あつえんたいざい意味いみする[125][126]

耐食性たいしょくせい[編集へんしゅう]

ステンレスこう耐食性たいしょくせいは、化学かがく組成そせい組織そしき状態じょうたいねつ履歴りれきによって変動へんどうする[127]すぐれた耐食性たいしょくせいち、「さびない材料ざいりょう」のイメージを一般いっぱんたれるステンレスこうだが、実際じっさい耐食性たいしょくせいはがねしゅによって幅広はばひろ[128]海水かいすいでもびないこうたいしょくなものから、野外やがい放置ほうちすると数日すうじつすものまで存在そんざいする[128]

とくに、耐食性たいしょくせい度合どあいの決定けっていには化学かがく組成そせい影響えいきょうおおきく、各々おのおののステンレスこう実際じっさい耐食性たいしょくせいおも化学かがく組成そせいによってまるといえる[129][130]。ステンレスこう耐食性たいしょくせい向上こうじょうさせるには、有効ゆうこう合金ごうきん元素げんそ添加てんか不純物ふじゅんぶつとなる元素げんそ減少げんしょう有効ゆうこうである[131]

主要しゅよう組織そしきべつ分類ぶんるいでいえば、オーステナイトけい耐食性たいしょくせいすぐれ、マルテンサイトけい耐食性たいしょくせいわるいと、おおまかにひょうされる[127]。ただし、このように主要しゅよう組織そしきべつ分類ぶんるい耐食性たいしょくせいおおまかに評価ひょうかできるのは、主要しゅよう組織そしき化学かがく組成そせいねつ履歴りれきによってまっているからである[127]。マルテンサイトけいれいでいえば、マルテンサイトけいはマルテンサイト組織そしきるために、耐食性たいしょくせい有効ゆうこうなクロムをやすことと耐食性たいしょくせいじょう不純物ふじゅんぶつとなる炭素たんそらすことが両立りょうりつしない[132]結果けっかてきに、マルテンサイトけい耐食性たいしょくせいのステンレスこうよりも一般いっぱんてきおと[132]

湿しめしょく[編集へんしゅう]

ステンレスこうかかわる腐食ふしょくには、おおきくけて「湿しめしょく」と「いぬいしょく」という2つの形態けいたいがある[129]湿しめしょく水溶液すいようえき腐食ふしょくともばれ、水溶液すいようえき作用さようこる腐食ふしょくである[133]いぬいしょく気体きたい腐食ふしょくともばれ、高温こうおん気体きたい作用さようこる腐食ふしょくである[133]湿しめしょく典型てんけいてき腐食ふしょく現象げんしょうで、地球ちきゅうじょう金属きんぞく腐食ふしょくのほとんどが湿しめしょくきている[133]

はたらけたい[編集へんしゅう]

炭素たんそこう中性ちゅうせいみずひたされると、すぐにさび発生はっせいし、腐食ふしょくすす[134]一般いっぱんてきに、電気でんき化学かがくてき見地けんちから、腐食ふしょくアノード反応はんのうカソード反応はんのうわせによる化学かがく反応はんのう理解りかいされる[135]酸素さんそ溶存ようぞんする中性ちゅうせいみず炭素たんそこうれると、局所きょくしょてき以下いかのアノード反応はんのうとカソード反応はんのうきる[136]

  • アノード反応はんのうてつ酸化さんか): Fe → Fe2+ + 2 e
  • カソード反応はんのう酸素さんそ還元かんげん): 1/2 O2 + H2O + 2 e → 2 OH

このように、アノード反応はんのういきてつが Fe2+イオンとしてることで、通常つうじょう腐食ふしょくすす[136]

一方いっぽう、ステンレスこう同種どうしゅ環境かんきょうにおいても一般いっぱん腐食ふしょくすることはない[137]。ステンレスこう表面ひょうめんには「はたらけたい皮膜ひまく」とばれる特殊とくしゅ皮膜ひまく形成けいせいされており、金属きんぞくがイオンとなって上記じょうき反応はんのうをこの皮膜ひまくふせいでいる[134]はたらけたい皮膜ひまく化学かがくてき安定あんていかつ緻密ちみつ表面ひょうめんおおっており、かりにステンレスこう表面ひょうめんきずつき皮膜ひまく破壊はかいされたとしても、通常つうじょう瞬時しゅんじあらたなはたらけたい皮膜ひまく破壊はかいめんしょうじる[138]。このように、ねつ力学りきがくてきには腐食ふしょくした状態じょうたいほう安定あんてい化学かがく組成そせいであるにもかかわらず、動態どうたい皮膜ひまく存在そんざいによって腐食ふしょくいちじるしくおそくなり、実質じっしつてき腐食ふしょくしなくなることを「はたらけたい」と[139]。また、この状態じょうたい構造こうぞうを「はたらけたい」と[140]特殊とくしゅ環境かんきょうであれば、はたらけたい普通ふつうてつでもきる[141]たとえば、普通ふつうてつ一定いってい以上いじょう濃度のうど硝酸しょうさん水溶液すいようえきにおいてはたらけたいして、溶解ようかい反応はんのう停止ていしする[141]。ステンレスこう普通ふつうてつことなるてんは、はたらけたいがより一般いっぱんてき環境かんきょうでもきるということである[142]。これが、ステンレスこうたか耐食性たいしょくせいしめ理由りゆうである[142]

はたらけたいする合金ごうきん分極ぶんきょく曲線きょくせんしき[143]青色あおいろ実線じっせんがアノード分極ぶんきょく曲線きょくせん赤色あかいろ点線てんせんがカソード分極ぶんきょく曲線きょくせん交点こうてんAが活性かっせいたいまる場合ばあいで、交点こうてんBがはたらけたいする場合ばあい

はたらけたい様子ようすは、金属きんぞくの「アノード分極ぶんきょく曲線きょくせん」からることができる[144]。アノード分極ぶんきょく曲線きょくせんとは、ある電解でんかいしつ溶液ようえき対象たいしょう金属きんぞく電極でんきょく(アノード; 陽極ようきょくまたはきょくとしてひたしたときに電極でんきょくながれる電流でんりゅう密度みつど電極でんきょく電圧でんあつ関数かんすうとしてあらわした曲線きょくせんであり、この電流でんりゅう密度みつどおおきさは対象たいしょう金属きんぞく腐食ふしょく速度そくど等価とうかである[145]。アノード(対象たいしょう金属きんぞく)の電圧でんあつ平衡へいこう電位でんいからげていくと、電流でんりゅう密度みつど上昇じょうしょうしていく[146]。アノードがはたらけたいこす金属きんぞくである場合ばあい、ある電位でんいたっした時点じてん電流でんりゅう密度みつど頭打あたまうちになり、その電位でんい以上いじょう電圧でんあつをかけると電流でんりゅう密度みつどぎゃく急激きゅうげきがりはじめ、やがて電流でんりゅう密度みつどひくいち定値ていちしめすようになる[140]。この電流でんりゅう密度みつどひく状態じょうたいはたらけたいである[142]はたらけわざとなる直前ちょくぜん電流でんりゅう密度みつどさい高値たかねを「臨界りんかいはたらけたい電流でんりゅう密度みつど」、このときの電位でんいを「はたらけたい電位でんい」とび、また、はたらけたいしたのちひく電流でんりゅう密度みつどは「はたらけたい維持いじ電流でんりゅう」とばれる[147]はたらけわざとなったのちに、さらに電位でんい上昇じょうしょうさせると、ある電位でんい以上いじょう電流でんりゅう密度みつど再度さいどえる[148]。これは、たかすぎる電位でんいはたらけたい皮膜ひまく溶解ようかいしてしまい、アノードの表面ひょうめん活性かっせい状態じょうたいもどるためである[148]

この臨界りんかいはたらけたい電流でんりゅう密度みつどは、金属きんぞくはたらけたい検討けんとうするうえで重要じゅうよう特性とくせいである[149]一般いっぱんに、金属きんぞくはたらけたいするには、臨界りんかいはたらけたい電流でんりゅう密度みつど以上いじょう電流でんりゅうが、たいになるカソード反応はんのうによって供給きょうきゅうされる必要ひつようがある[149]。カソード反応はんのうたいする「カソード分極ぶんきょく曲線きょくせん」も、アノード分極ぶんきょく曲線きょくせんとほぼ同様どうよう測定そくていしてることができ、カソード分極ぶんきょく曲線きょくせん対象たいしょう環境かんきょうによってさだまる[150]はたらけたいこるには、はたらけたい電位でんいいたるまでカソード分極ぶんきょく曲線きょくせんがアノード分極ぶんきょく曲線きょくせんつね上回うわまわつづけて、はたらけたいいきまで自発じはつてき電位でんいがった平衡へいこう状態じょうたいになる必要ひつようがある[150]。よって、臨界りんかいはたらけたい電流でんりゅう密度みつどひく金属きんぞくほど、はたらけたいしやすい[145]てつにクロムを添加てんかすると、クロム含有がんゆうりょう増加ぞうかにともなって臨界りんかいはたらけたい電流でんりゅう密度みつどはたらけたい電位でんいひくくなり、はたらけたいいきひろがることがられている[151]。すなわち、クロムの添加てんかにより、あまり酸化さんかせいつよくない環境かんきょうでもはたらけたいしやすくなる[151]。さらに、クロムの添加てんかによりはたらけたい維持いじ電流でんりゅうちいさくなり、はたらけたいはより安定あんていする[152]。これらのクロムの効果こうかでステンレスこう耐食性たいしょくせい発揮はっきしており、これがステンレスこう定義ていぎにおいてクロムの一定いってい以上いじょう含有がんゆう必須ひっす事項じこうとしている理由りゆうである[153]てつ添加てんかして有効ゆうこうはたらけたい皮膜ひまく発生はっせいさせることができるクロム以外いがい元素げんそは、現在げんざいまでのところつかっていない[9]

電界でんかい放出ほうしゅつがた走査そうさ電子でんし顕微鏡けんびきょう撮影さつえいされた SUS304 のはたらけたい皮膜ひまく断面だんめん。"Substrate" が素地そじで、沈着ちんちゃくされた白金はっきん炭素たんそとのあいだに 3.8 nmはたらけたい皮膜ひまく確認かくにんできる[154]

ステンレスこうつくはたらけたい皮膜ひまく詳細しょうさい現在げんざい様々さまざま手段しゅだんによる解析かいせきおこなわれており、まだ正確せいかくには解明かいめいできていないめんもある[155][156]はたらけたい皮膜ひまくあつさは、組成そせい環境かんきょうにもよるが、1–3 nm ないし 1–5 nm ときわめてうす[156][157]。そのため、はたらけたい皮膜ひまく有無うむ肉眼にくがんではからない[134]

ステンレスこうはたらけたい皮膜ひまく構造こうぞうは2そう構造こうぞうとなっており、外層がいそうがわ水酸化物すいさんかぶつ内層ないそうがわ酸化さんかぶつ構成こうせいされている[156][158]内層ないそう酸化さんかぶつでは3のクロムイオン (Cr3+) が濃縮のうしゅくされており、ステンレスこう素地そじ皮膜ひまくは、酸化さんかぶつイオン (OH) をかいして結合けつごうしているとかんがえられている[159]。この内層ないそう酸化さんかぶつが、動態どうたい皮膜ひまく耐食性たいしょくせいおもしているとかんがえられている[156]解析かいせき結果けっかからのいちれいだが、みずオキシ水酸化すいさんかクロム (Cr-O-OH-H2O) とばれる化合かごうぶつ主体しゅたいとして皮膜ひまく構成こうせいしているというモデルがかんがえられている[155]。また、動態どうたい皮膜ひまく化学かがくりょうろんてき化合かごうぶつであり、明確めいかく結晶けっしょう構造こうぞうたないものとみられている[156]。クロムのりょうおおいほど、あきらしつてき性質せいしつをよりしめ[156]

ステンレスこう弾性だんせい変形へんけいしても、はたらけたい皮膜ひまくもそれによく追従ついしょうして破壊はかいされることはない[160]上記じょうきでもべたとおり、もしステンレスこう表面ひょうめんきずついて皮膜ひまく機械きかいてき破壊はかいされても、瞬時しゅんじ再生さいせいする性質せいしつ[161]。また、ステンレスこうはたらけたい皮膜ひまく半導体はんどうたいかたバンド構造こうぞうゆうし、クロム 20 % 程度ていどまでではnがた半導体はんどうたい、それ以上いじょうではpがた半導体はんどうたいとなることもかっている[162]

てつとクロムの2げん合金ごうきんたいして、さらにニッケルモリブデンなどのほか元素げんそくわわえても、耐食性たいしょくせい向上こうじょう効果こうかがある。ニッケルは臨界りんかいはたらけたい電流でんりゅう密度みつどはたらけたい維持いじ電流でんりゅうちいさくし[152]、モリブデンも臨界りんかいはたらけたい電流でんりゅう密度みつどちいさくすることがられている[152]。しかし、いずれの元素げんそはたらけたい電位でんいたかくしてしまう[152]。モリブデンははたらけたい皮膜ひまくちゅうには存在そんざいしないとされるが、はたらけたい皮膜ひまく再生さいせいたすけるはたらきをするとかんがえられている[9]

全面ぜんめん腐食ふしょく[編集へんしゅう]

腐食ふしょく形態けいたい進行しんこう範囲はんいおおきさでけると「全面ぜんめん腐食ふしょく」と「局部きょくぶ腐食ふしょく」の2つにかれる[163]全面ぜんめん腐食ふしょくは、表面ひょうめん全体ぜんたいがおおむね均一きんいつ腐食ふしょくしてうしなわれていく形態けいたいで、局部きょくぶ腐食ふしょくは、材料ざいりょう一部分いちぶぶん腐食ふしょく局部きょくぶてき進行しんこうする形態けいたいである[163]。ステンレスこうは、そのはたらけたい能力のうりょくによって全面ぜんめん腐食ふしょくたいしては比較的ひかくてきつよ[164]。ステンレスこう腐食ふしょくによる事故じこ事例じれいなかでは、全面ぜんめん腐食ふしょくによるものの割合わりあいすくない[165]全面ぜんめん腐食ふしょく発生はっせい予測よそくがしやすいため、腐食ふしょく現象げんしょうなかでは危険きけんせいちいさいほうである[166]

ステンレスこう全面ぜんめん腐食ふしょくは、表面ひょうめんはたらけたいできず、全面ぜんめん活性かっせい状態じょうたいとなる環境かんきょうきる[167]。アノード分極ぶんきょくきょく線上せんじょうでいえば、はたらけたいうつまえ電位でんい比例ひれいして電流でんりゅう急増きゅうぞうしていく領域りょういきのことを「活性かっせいたい」といい、この活性かっせいたい全面ぜんめん腐食ふしょくきる[168]一度いちどはたらけたいになった金属きんぞくたいして酸化さんかざいpHがっていくと、あるところの pH 以下いかはたらけたい維持いじできなくなる[169]。この pH のを「だつはたらけたいpH」といい、SUS304 の場合ばあいで 2 前後ぜんこうである[170]。ステンレスこう全面ぜんめん腐食ふしょくは、一般いっぱんてきに pH = 2 以下いかさん環境かんきょうきる[170]だつはたらけたいpH をさらにげるには、クロム、モリブデン、ニッケルの添加てんか有効ゆうこうである[170]おもさんたいするおおまかな全面ぜんめん腐食ふしょく耐食性たいしょくせい傾向けいこう以下いかしめ[171]

おもさんたいする全面ぜんめん腐食ふしょく耐食性たいしょくせい目安めやす[171]
さん種類しゅるい 濃度のうど
(%)
温度おんど
(°C)
13Crこう 18Crこう 18Cr-8Niこう 18Cr-12Moこう
塩酸えんさん 1 20 × ×
10 20–35 × × × ×
硫酸りゅうさん 0.5 20 ×
50 20–30 × × × ×
98 30
硝酸しょうさん 1 20–50
5 85–沸点ふってん
65 沸点ふってん × ×
酢酸さくさん 1 沸点ふってん
50 20–50 ×
100 沸点ふってん × × ×
〇:浸食しんしょく 0.1 mm/とし 以下いか、△:浸食しんしょく 0.1–1.0 mm/とし、×:浸食しんしょく 1.0 mm/とし 以上いじょう

ステンレスこう塩酸えんさんたいするたいせいは、ひょうにもしめすようにとぼしい[172]塩酸えんさんはステンレスこうはたらけたいさせるほど十分じゅうぶん酸化さんかりょくがなく、全面ぜんめん腐食ふしょくこす[173]。ステンレスこうがもっとも苦手にがてとする環境かんきょう塩酸えんさんだといえる[172]希塩酸きえんさんたいして使つかわれる場合ばあいもあるが、塩酸えんさん濃度のうどひく場合ばあいでも後述こうじゅつあなしょく応力おうりょく腐食ふしょく可能かのうせいがある[174]

硫酸りゅうさんたいしては、ちゅう濃度のうどでは全面ぜんめん腐食ふしょくきる[172]十分じゅうぶんこう濃度のうどまたはてい濃度のうど硫酸りゅうさんたいしてのみ、ステンレスこう使用しよう許容きょようされる[173]高温こうおんした硫酸りゅうさんたいしても全面ぜんめん腐食ふしょくきる可能かのうせいがあり、0.5 % 硫酸りゅうさんでも温度おんどが 100 °C で腐食ふしょくすす[175]硝酸しょうさんについては、ちゅう濃度のうどおよびそれ以下いかであればステンレスこう良好りょうこう耐食性たいしょくせい[176]一方いっぽうで、こう濃度のうどこう温度おんど硝酸しょうさんたいしてはおおきな腐食ふしょくきる[176]代表だいひょうてき有機ゆうきさんである酢酸さくさんたいしては、沸点ふってん温度おんどになると腐食ふしょくしないためにこうたいしょくステンレスこう必要ひつようとなる[177]。ただし、実際じっさい酢酸さくさんには不純物ふじゅんぶつ共存きょうぞん成分せいぶんじり、それらが腐食ふしょく促進そくしんする[178]

アルカリ性あるかりせい環境かんきょうについては、希薄きはくなアルカリ水溶液すいようえきたいしてははたらけたいして良好りょうこう耐食性たいしょくせいしめ[179]。ステンレスこう実際じっさい問題もんだいとなるのは苛性かせいソーダによる腐食ふしょくである[173]苛性かせいソーダにたいしてはニッケルが有効ゆうこうで、ニッケル含有がんゆうりょうおおいほど耐食性たいしょくせい向上こうじょうする[180]。クロム・ニッケルけいステンレスこうの SUS304 の場合ばあいで、濃度のうど 50 % 以下いか温度おんど 80 °C 以下いかであれば腐食ふしょくえ、それ以上いじょう条件じょうけんになると全面ぜんめん腐食ふしょくすす[181]

あなしょく・すきま腐食ふしょく[編集へんしゅう]

ステンレスこう場合ばあい全面ぜんめん腐食ふしょくよりも、材料ざいりょうちゅう一部分いちぶぶん腐食ふしょくすす局部きょくぶ腐食ふしょくほう実用じつようじょう問題もんだいとなることがおお[182]とくにステンレスこう問題もんだいとなる局部きょくぶ腐食ふしょくは「あなしょく」「すきま腐食ふしょく」「つぶかい腐食ふしょく」「応力おうりょく腐食ふしょく」などがある[182]

あなしょく試験しけんのオーステナイト・フェライトけい出来できあなしょく様子ようす写真しゃしん高温こうおん暴露ばくろ影響えいきょう調しらべており、(a)はかた溶化熱処理ねつしょり試験しけんへん、(b)(c)(d)はそれぞれ 350 °C、450 °C、500 °C で5500あいだ時効じこうされたもの[183]

あなしょくとは、全体ぜんたいてきには腐食ふしょくすすんでいない状況じょうきょうにもかかわらず材料ざいりょうちゅう一部分いちぶぶんあなじょう浸食しんしょくする形態けいたい腐食ふしょくである[184]具体ぐたいてき破壊はかいモデルは種々しゅじゅ提案ていあんされているが、はたらけたい皮膜ひまく電気でんき化学かがくてきあるいは機械きかいてき局所きょくしょてき破壊はかいされると、そこからあなしょく発生はっせいする[185]ハロゲンイオンふく水溶液すいようえき環境かんきょうちゅうあなしょくこりやすく、とくにステンレスこう場合ばあい塩化えんかぶつイオン(Cl)をふく水溶液すいようえきちゅうあなしょくこりやすい[186]外部がいぶとのえき交換こうかんむずかしいピット(あなちゅうでは、ピットちゅう溶存ようぞん酸素さんそ消費しょうひされて、ピットちゅう溶解ようかい金属きんぞくイオンが過剰かじょう状態じょうたいとなる[187]電気でんき的中てきちゅうせいたもつために、外部がいぶの Cl電気でんきおよげどうでピットちゅうせられ、ピットない金属きんぞく塩化えんかぶつができる[187]金属きんぞく塩化えんかぶつはすぐに加水かすい分解ぶんかいして、ピット内部ないぶの pH はさらに低下ていかし、ピット内部ないぶ腐食ふしょくすす[187]塩化えんかぶつイオンの場合ばあいはこのような機構きこうによってあなしょくすすむとかんがえられている[187]

あなしょくたいする耐食性たいしょくせい向上こうじょうには、クロムモリブデン窒素ちっそケイ素けいそタングステンレニウムなど添加てんか有効ゆうこうである[188]とくに、クロムとモリブデンがたいあなしょくせい向上こうじょう元素げんそとしてげられる[189]合金ごうきん元素げんそりょうからたいあなしょくせい指標しひょう計算けいさんするものとして、たいあな食指しょくしすう (Pitting Resistance Equivalent Number, PREN または Pitting Resistance Equivalent, PRE) がられている[190]。よく使つかわれる PREN のしき

PREN = %Cr + 3.3 × %Mo + n × %N

あらわされる[191]窒素ちっそ(N)の影響えいきょうりょく意味いみする係数けいすう n の研究けんきゅうしゃによってことなり、n = 16 がよく使つかわれる[191]。ただし、オーステナイトけいには n = 30 のほうがより適当てきとうともいわれる[192]。フェライトけい場合ばあいは n = 0 で計算けいさんする[192]。PREN が40以上いじょうはがねしゅを「スーパーステンレスこう」と[193]

304けいステンレスこうじょう非金属ひきんぞく介在かいざいぶつから形成けいせいされたあなしょく様子ようす塩酸えんさん酸性さんせい塩化えんかだいてつ溶液ようえきによる浸漬しんせき試験しけんのもので、縦列じゅうれつ浸漬しんせき時間じかんしめす。横列おうれつ(a)(b)(c)は非金属ひきんぞく介在かいざいぶつ種類しゅるいべつ[194]

また、ステンレスこうちゅう非金属ひきんぞく介在かいざいぶつは、あなしょく発生はっせいかくとなり、有害ゆうがいであることがられる[195]とく硫化りゅうかマンガン(II) (MnS) の介在かいざいぶつ有害ゆうがいである[196]。このため、組成そせい制御せいぎょ表面ひょうめん処理しょりによる MnS の除去じょきょ耐食性たいしょくせい改善かいぜん有効ゆうこうである[197]使用しようじょう対策たいさくとしては、できるだけ Cl 濃度のうどおよび温度おんどひく環境かんきょう使用しようすることがのぞましい[198]日常にちじょう生活せいかつれいでいえば、台所だいどころまわりでステンレスこう付着ふちゃくしたしお醤油じょうゆなどを放置ほうちすると、あなしょく発生はっせい進行しんこうするおそれがある[128]

すきま腐食ふしょくとは、だいたい 0.01 mm 程度ていど微小びしょうなすきまでこる腐食ふしょくで、すきま内部ないぶ局所きょくしょてき腐食ふしょくすす[199]。ステンレスこう表面ひょうめん付着ふちゃくした異物いぶつしたから、あるいはボルトナット締結ていけつフランジ継手つぎてのような構造こうぞうじょうのすきまから、すきま腐食ふしょくきる[200]

すきま腐食ふしょくでは閉鎖へいさ環境かんきょうとして機能きのうするすきまが最初さいしょから存在そんざいするてんあなしょくことなるが、すきま腐食ふしょく腐食ふしょく進行しんこう機構きこうあなしょく本質ほんしつてきにはおなじである[201]対策たいさく同様どうように、クロムやモリブデンの合金ごうきん元素げんそ添加てんかてい Cl 濃度のうど環境かんきょうでの使用しよう有効ゆうこうである[202]。また、構造こうぞうじょうのすきまができるだけないように配慮はいりょすることも必要ひつようである[203]

つぶかい腐食ふしょく[編集へんしゅう]

オーステナイトけい発生はっせいしたつぶかい腐食ふしょく様子ようす

つぶかい腐食ふしょくとは、結晶けっしょうたいちゅう個々ここ結晶けっしょう境目さかいめである結晶けっしょうつぶかい局部きょくぶてき腐食ふしょくすす現象げんしょうである[204]。ステンレスこうつぶかい腐食ふしょくは、つぶかい付近ふきんにクロムが欠乏けつぼうした領域りょういき存在そんざいすることによってきる[204]つぶかいでは、結晶けっしょうつぶうち比較ひかくして析出せきしゅつ進行しんこうしやすい[205]。また、炭素たんそはクロムと結合けつごうしやすい性質せいしつっている[206]。そのため、ステンレスこう高温こうおん加熱かねつされると、ステンレスこうちゅう炭素たんそとクロムが結合けつごうしてつぶかいクロム炭化物たんかぶつ (Cr23C6) ができる[206]生成せいせいしたクロム炭化物たんかぶつ周辺しゅうへんではステンレスこうちゅうのクロムは欠乏けつぼうする[206]。クロム欠乏けつぼうたいでは 10 % を下回したまわるようなていクロム濃度のうどになっており、耐食性たいしょくせいとぼしく、そのためつぶかい腐食ふしょくきる[207]つぶかい腐食ふしょくがひどく進行しんこうすると結晶けっしょうつぶ脱落だつらくき、強度きょうどにも悪影響あくえいきょうおよぼし[187]

いちじるしく鋭敏えいびんした304けい組織そしき写真しゃしん一般いっぱんてきに、鋭敏えいびんしたステンレスこうではクロム炭化物たんかぶつ析出せきしゅつによってつぶかいふとえる[208]

クロム欠乏けつぼうたい発生はっせいのように、つぶかい腐食ふしょくきやすい材質ざいしつになることを「鋭敏えいびん」という[205]。オーステナイトけい場合ばあい、およそ 400 °C から 800 °C の温度おんどいきでクロム欠乏けつぼうたいによる鋭敏えいびんきる可能かのうせいがある[209]。この温度おんどいき短時間たんじかんでも保持ほじされるとクロム炭化物たんかぶつ析出せきしゅつするため、この温度おんどいきじょひやでゆっくり通過つうかしても鋭敏えいびん可能かのうせいがある[209]一方いっぽうで、フェライトけいではやく 900 °C 以上いじょうからの急冷きゅうれい鋭敏えいびんこる[209]。オーステナイトけいとフェライトけい温度おんど条件じょうけんちがいは、組織そしきちゅうにおけるクロムの拡散かくさん速度そくど炭素たんそ拡散かくさん速度そくど炭素たんそかた溶量がことなることによる[210]。ただし、フェライトけい鋭敏えいびん比較的ひかくてき軽微けいびで、とく問題もんだいとなるのはオーステナイトけい鋭敏えいびんといえる[211]

ステンレスこう素材そざい状態じょうたいでは、適切てきせつ熱処理ねつしょりほどこすことによってクロム炭化物たんかぶつ素地そじけて、クロム欠乏けつぼうたいつくらずに[212]。しかし溶接ようせつおこな場合ばあい高温こうおん上昇じょうしょうする溶接ようせつ箇所かしょねつ影響えいきょう鋭敏えいびん[189]上記じょうき温度おんど条件じょうけんちがいにより、オーステナイトけいでは溶接ようせつ金属きんぞくからすこはなれたところで、フェライトけいでは溶接ようせつ金属きんぞく直近ちょっきん鋭敏えいびん可能かのうせいたか[213]。このように溶接ようせつねつ影響えいきょうきるつぶかい腐食ふしょくは「ウェルドディケイ (weld decay)」とばれる[214]

ステンレスこう鋭敏えいびんたいする材料ざいりょうがわ対策たいさくとしては、クロム炭化物たんかぶつもととなる炭素たんそ低減ていげん有効ゆうこうとなる[215]。また、ニオブチタンのような、優先ゆうせんてき炭素たんそ安定あんてい化合かごうぶつつく合金ごうきん元素げんそ添加てんか有効ゆうこうである[215]溶接ようせつじょう対策たいさくは、できるだけいれねつちいさい溶接ようせつ条件じょうけん選定せんていすることである[216]変形へんけい危険きけんもあるが、溶接ようせつ再度さいどかた溶化熱処理ねつしょり実施じっしすることも対策たいさくとなる[216]

応力おうりょく腐食ふしょく[編集へんしゅう]

UNS S31603 の人工じんこう海水かいすい環境かんきょう応力おうりょく腐食ふしょく試験しけんきた[217]

応力おうりょく腐食ふしょくとは、腐食ふしょく環境かんきょうちから応力おうりょく)がかさなったときにれがきる現象げんしょうである[218]引張ひっぱつよまん応力おうりょくであっても腐食ふしょく作用さようくわわることでれが発生はっせいし、最終さいしゅうてきには破断はだんにまでいた可能かのうせいもある[219]広義こうぎ応力おうりょく腐食ふしょくれは、アノード反応はんのう溶解ようかいれを助長じょちょうする「活性かっせい経路けいろ腐食ふしょくがた応力おうりょく腐食ふしょくれ」と、材料ざいりょうちゅう水素すいそ原子げんし原因げんいんとなる「水素すいそ脆性ぜいせいがた応力おうりょく腐食ふしょくれ」にかれる[220]応力おうりょく腐食ふしょくれの事例じれい全体ぜんたいなかでも発生はっせい事例じれいおおいのが、ステンレスこう応力おうりょく腐食ふしょくれ、とく塩化えんかぶつ環境かんきょうきるオーステナイトけい活性かっせい経路けいろ腐食ふしょくがた応力おうりょく腐食ふしょくれである[221]。オーステナイトけい使用しようじょうおおきな問題もんだいてんひとつが、応力おうりょく腐食ふしょくれといえる[203]

塩化えんかぶつ環境かんきょうでの応力おうりょく腐食ふしょくれの場合ばあい塩化えんかぶつ濃度のうど溶存ようぞん酸素さんそ温度おんどたかいほどれが発生はっせいしやすくなる[222]高温こうおんだかあつ塩化えんかぶつ水溶液すいようえきあつかねつ交換こうかんなどできるものが、オーステナイトけい応力おうりょく腐食ふしょくれの代表だいひょうれいである[223]実際じっさい環境かんきょうきたステンレスこう応力おうりょく腐食ふしょくれの事例じれいによると、おおくは 70 °C 以上いじょう環境かんきょう温度おんどきている[224]塩化えんかぶつ以外いがいでは、苛性かせいソーダなどの高温こうおんアルカリ水溶液すいようえきでステンレスこう応力おうりょく腐食ふしょくれはきる[225]

かた溶化熱処理ねつしょりされたステンレスこうであれば、結晶けっしょうつぶうちれがすすむ「つぶないれ」が塩化えんかぶつ環境かんきょう活性かっせい経路けいろ腐食ふしょくがた応力おうりょく腐食ふしょくれの形態けいたいとなることがおお[226]。ステンレスこうこる応力おうりょく腐食ふしょくれのおおくはつぶないれである[227]一方いっぽうで、ステンレスこう鋭敏えいびんしていると、結晶けっしょうつぶかいれがすすむ「つぶかいれ」がしょう[228]つぶかいがた応力おうりょく腐食ふしょくれの場合ばあいは、200 °C から 300 °C のこう純度じゅんどだか温水おんすいでも発生はっせいする[229]つぶかいがた応力おうりょく腐食ふしょくれをふせぐためにも、材料ざいりょう鋭敏えいびんふせぐことが重要じゅうようとなる[230]

フェライトけいとオーステナイト・フェライトけいは、オーステナイトけい比較ひかくすると応力おうりょく腐食ふしょくれがしょうじづらい[231]。ステンレスこうなか材料ざいりょうえらぶならば、対応たいおうさくとしてはフェライトけいやオーステナイト・フェライトけい選択肢せんたくしとなる[232]。オーステナイトけい場合ばあいは、ニッケル含有がんゆうりょうを 40 % ちかくまでやすと実用じつようてきなレベルまでたい応力おうりょく腐食ふしょくせいたかまるが、コストのめんからこのようなはがねしゅ選択せんたくむずかしい[233]引張ひっぱ応力おうりょくおおきいほど応力おうりょく腐食ふしょくれはきやすくなるので、引張ひっぱ応力おうりょくができるだけくわわらない設計せっけい施工しこうのぞまれる[234]

水素すいそ脆性ぜいせいがた応力おうりょく腐食ふしょくれは、たんに「水素すいそもろ」や「水素すいそ脆性ぜいせい」ともばれる[235]通常つうじょう腐食ふしょく起因きいんした水素すいそ侵入しんにゅう原因げんいんとする水素すいそ脆性ぜいせい場合ばあいは、その耐食性たいしょくせいによって炭素たんそこうなどよりもステンレスこう水素すいそ脆性ぜいせいきづらい[236]水素すいそ燃料ねんりょう機器きき材料ざいりょうとして、オーステナイトけいステンレスこうもちいられることがおお[237]。しかし、ステンレスこうであって、腐食ふしょく起因きいんした水素すいそ侵入しんにゅうではないため高圧こうあつ水素すいそガス環境かんきょうでは水素すいそ脆性ぜいせい可能かのうせいがある[236]こうあつ水素すいそちゅう水素すいそ脆性ぜいせい評価ひょうかによると、オーステナイトけい SUS316L やオーステナイトけい析出せきしゅつ硬化こうかがたステンレスこう A-286 などのオーステナイト安定あんていたかはがねしゅもろしづらく、オーステナイトけい SUS304L やマルテンサイトけいステンレスこうもろしめ[236]。ただし、ステンレスこう水素すいそ脆性ぜいせい機構きこう自体じたいがまだ解明かいめいで、結論けつろんられていない[237]

異種いしゅ金属きんぞく接触せっしょく腐食ふしょく[編集へんしゅう]

異種いしゅ金属きんぞく接触せっしょく腐食ふしょくとは、ことなる種類しゅるい金属きんぞく接触せっしょくするときに電池でんち形成けいせいされ、電極でんきょく電位でんいひくくなるかた(卑なほう)の金属きんぞく腐食ふしょくすす現象げんしょうである[238]はたらけたいしたステンレスこうは、海水かいすいちゅう腐食ふしょく電位でんいれつ代表だいひょうされるように、はがね鋳鉄ちゅうてつどう合金ごうきんといったほか実用じつよう構造こうぞう材料ざいりょうたいして電極でんきょく電位でんいたかがわがわ)となりやすい[239]。そのため、異種いしゅ金属きんぞく接触せっしょく腐食ふしょくこる場合ばあいも、ステンレスこうがわ腐食ふしょくよりも相手あいて材料ざいりょうがわ腐食ふしょく問題もんだいとなることが実用じつようじょうおお[240]

異種いしゅ金属きんぞく接触せっしょく腐食ふしょくへの影響えいきょう要素ようそとしては、りょう金属きんぞく腐食ふしょく電位でんいれつじょう関係かんけい面積めんせき比率ひりつ電解でんかいしつ溶液ようえき電気でんき伝導でんどうりつ流速りゅうそく関係かんけいする[240]とく重要じゅうようなのが面積めんせき比率ひりつで、接触せっしょくするりょう金属きんぞくうちの卑な金属きんぞく面積めんせきが、とうと金属きんぞく面積めんせきよりもちいさければちいさいほど腐食ふしょく進展しんてんしやすくなる[241]。よくあるれいはステンレス鋼板こうはん普通ふつうこうボルト締結ていけつしたような事例じれいで、ステンレス鋼板こうはんがわとうとかつ面積めんせきだい状態じょうたいで、普通ふつうこうボルトがわが卑かつ面積めんせきしょう状態じょうたいであるため、ボルトのいちじるしい腐食ふしょくこり[167]

いぬいしょく[編集へんしゅう]

高温こうおん気体きたい作用さようこる腐食ふしょく現象げんしょういぬいしょく、あるいは高温こうおんこる腐食ふしょく現象げんしょう全般ぜんぱん高温こうおん腐食ふしょくについても、汎用はんよう金属きんぞく材料ざいりょうなかではステンレスこう優秀ゆうしゅうたいせい材料ざいりょうだといえる[242]いぬいしょくは、発電はつでんしょ石油せきゆ化学かがくプラント、自動車じどうしゃはいガス装置そうちなどの高温こうおん装置そうち関係かんけいし、おもに「高温こうおん酸化さんか」と「高温こうおんガス腐食ふしょく」に分類ぶんるいされる[243]

高温こうおん酸化さんか[編集へんしゅう]

高温こうおん酸化さんかしたステンレスこう(S32654)の表面ひょうめん様子ようす。(a)(d)が1あいだ暴露ばくろ、(b)(e)が3あいだ暴露ばくろ、(c)(f)が5あいだ暴露ばくろ状態じょうたいしめ[244]

鉄鋼てっこう材料ざいりょう高温こうおん大気たいきちゅう長時間ちょうじかんさらすと、ぼろぼろの表面ひょうめんとなることがある[245]。このような現象げんしょう高温こうおん酸化さんかという[245]高温こうおん大気たいき環境かんきょうちゅうしょうじる酸化さんか現象げんしょうで、空気くうきなか酸素さんそなかほか水蒸気すいじょうきなか二酸化炭素にさんかたんそなかでもしょうじる[246]。ステンレスこう高温こうおん酸化さんかにもすぐれたたいせいしめ[247]。ステンレスこうたい酸化さんかせいみなもとおもにクロムによるもので、クロム含有がんゆうりょうおおいほど高温こうおん酸化さんかへのたいせい向上こうじょうする[248]高温こうおん酸化さんかはげしくなって使用しよう困難こんなんになる温度おんど炭素たんそこうでは 500 °C 程度ていどといわれるのにたいして、ステンレスこうでははがねしゅにもよるが 1000 °C 程度ていどとなる[249]

高温こうおんでのたい酸化さんかせい耐食性たいしょくせいみなもとは、表面ひょうめん形成けいせいされる保護ほご皮膜ひまくによる[250]。この皮膜ひまく保護ほごせいてんでははたらけたい皮膜ひまくおなじだが、組成そせいことなりあつみもおおきく、はたらけたい皮膜ひまくとは別物べつものである[245]。ステンレスこうのクロムが 20 % 以上いじょうこう含有がんゆうりょうになると、酸化さんかクロム(III)(Cr2O3)で出来でき保護ほごせいのある酸化さんかぶつ皮膜ひまく表面ひょうめん緻密ちみつおお[251]。この酸化さんかぶつ皮膜ひまくちゅうでは金属きんぞくイオンや酸素さんそイオンの拡散かくさん非常ひじょうおそく、ステンレスこうたかたい酸化さんかせいられる[252]。ただし、18 % 未満みまん程度ていどのクロム含有がんゆうりょうひく場合ばあいは、緻密ちみつ連続れんぞくした Cr2O3 皮膜ひまく形成けいせいされず、FeCr2O4 や Fe(Fe,Cr)2O4皮膜ひまく形成けいせいされるにまる[253]。しかし実用じつようてきには、SUS410 のような11%クロムステンレスこうや SUS430 のような17%クロムステンレスこうも 800 °C ないし 850 °C を使用しよう限度げんど温度おんどとして高温こうおん酸化さんか環境かんきょう使つかわれている[254]

1あいだ・900 °Cの高温こうおん酸化さんかけたステンレスこう(S32654)の断面だんめん写真しゃしんあかるい灰色はいいろ部分ぶぶん素地そじで、くら灰色はいいろ部分ぶぶん高温こうおん酸化さんかでできた酸化さんかぶつ皮膜ひまく[244]

保護ほごせいの Cr2O3 皮膜ひまく欠損けっそん剥離はくりこした場合ばあいでも、クロム含有がんゆうりょうたかければただちに Cr2O3 皮膜ひまく再生さいせいできる[255]合金ごうきん元素げんそとしては、ケイ素けいそたい酸化さんかせいいちじるしく改善かいぜんする[256]添加てんかされたケイ素けいそ皮膜ひまくそうははざい界面かいめん二酸化にさんかケイ素けいそとして塊状かいじょうまたは連続れんぞくそうとして存在そんざいし、Cr2O3 皮膜ひまく形成けいせい助力じょりょくする[257]アルミニウムにもおおきな改善かいぜん効果こうかがあるが、クロムとアルミニウムの含有がんゆうりょうによって効果こうかことなり、その挙動きょどう複雑ふくざつである[258]たとえば クロム 14 % をふくむものにたいして 0.8 % から 2.0 % のアルミニウムを添加てんかすると、酸化さんかアルミニウム(Al2O3)の皮膜ひまくが Cr2O3 皮膜ひまくした形成けいせいされる[258]。Al2O3 皮膜ひまく自体じたい緻密ちみつ保護ほごせいたかいが、この場合ばあい皮膜ひまく剥離はくり誘発ゆうはつして酸化さんか速度そくどがむしろおおきくなる[259]。さらにアルミニウム濃度のうどたかくなれば、さい外層がいそうに Al2O3 皮膜ひまく形成けいせいされるようになり、酸化さんか速度そくどいちじるしくちいさくなる[258]ぎゃくにアルミニウム含有がんゆうりょうが 0.3 % 程度ていど場合ばあいも、Al2O3 粒子りゅうしが Cr2O3 皮膜ひまくした分散ぶんさん内部ないぶ酸化さんかそうとなって、酸化さんか速度そくど減少げんしょうさせる[258]

上述じょうじゅつのように、高温こうおん酸化さんか水蒸気すいじょうき雰囲気ふんいきちゅうでもしょうじる。水蒸気すいじょうきちゅうこる高温こうおん腐食ふしょくとくに「水蒸気すいじょうき酸化さんか」と[260]火力かりょく発電はつでんのボイラーで 500 °C から 650 °C の高温こうおん蒸気じょうきさらされる管内かんないめんなどで問題もんだいとなる[261]水蒸気すいじょうき酸化さんか進行しんこうは、水蒸気すいじょうき解離かいりによって発生はっせいした酸素さんそ分子ぶんしによって、または水蒸気すいじょうきてつ直接ちょくせつ反応はんのうによって進行しんこうするといわれる[262]水蒸気すいじょうき酸化さんかでは、同時どうじ発生はっせいする水素すいそ皮膜ひまく欠陥けっかんつくり、さらに、そこまで温度おんどたかくないため保護ほご皮膜ひまく一様いちよう生成せいせいされにくいことや酸素さんそ供給きょうきゅう不十分ふじゅうぶんなことによって、水蒸気すいじょうき酸化さんかちゅうでの酸化さんか皮膜ひまく不完全ふかんぜん保護ほごせいひくくなりやすい[263]水蒸気すいじょうき酸化さんかせいおおきな影響えいきょう合金ごうきん元素げんそはクロムで、多量たりょう添加てんかによって水蒸気すいじょうき酸化さんかへのたいせい向上こうじょうできる[264]

高温こうおんガス腐食ふしょく[編集へんしゅう]

大気たいき環境かんきょう以外いがいしょうじるいぬいしょく高温こうおんガス腐食ふしょくばれる[251]。ステンレスこうかかわる代表だいひょうてき高温こうおんガス腐食ふしょくが、高温こうおん硫化りゅうか浸炭しんたん、窒化、ハロゲンガス腐食ふしょくなどである[251]

高温こうおん硫化りゅうかは、硫化りゅうか水素すいそガスや亜硫酸ありゅうさんガスなどの雰囲気ふんいきちゅうこる[265]高温こうおん硫化りゅうか挙動きょどうは、高温こうおん酸化さんかおなじように、表面ひょうめんにできる皮膜ひまく生成せいせい成長せいちょう支配しはいされる[266]高温こうおん硫化りゅうかにおける皮膜ひまく硫化りゅうかぶつによって形成けいせいされるが、格子こうし欠陥けっかんおおくてイオンが拡散かくさんしやすいため、この硫化りゅうかぶつ皮膜ひまくには高温こうおん酸化さんかにおける酸化さんかぶつ皮膜ひまくのような保護ほごりょくはない[267]実用じつよう合金ごうきん全般ぜんぱん見渡みわたしても、硫化りゅうか水素すいそガス雰囲気ふんいきちゅうでの最大さいだい耐用たいよう温度おんどは 600 °C が限界げんかいといわれる[268]。クロムの添加てんか硫化りゅうか抑制よくせいする効果こうかがあるため、ステンレスこうたい高温こうおん硫化りゅうかせい炭素たんそこうよりはすぐれている[269]。クロムのほかにはアルミニウムやケイ素けいそ添加てんか有効ゆうこうで、硫化りゅうか速度そくど減少げんしょう効果こうかしめ[270]

浸炭しんたんは、一酸化いっさんか炭素たんそ二酸化炭素にさんかたんそ炭化たんか水素すいそなどの高温こうおんガス雰囲気ふんいきちゅうこる現象げんしょうで、炭素たんそ原子げんし内部ないぶ拡散かくさんして炭化物たんかぶつ形成けいせいする[249][271]窒化は、アンモニア雰囲気ふんいきなどの窒素ちっそふく高温こうおん雰囲気ふんいきちゅうこる現象げんしょうで、窒素ちっそ原子げんし内部ないぶ拡散かくさんして固溶体こようたい窒化ぶつ形成けいせいする[272]浸炭しんたんも窒化も材質ざいしつもろさせたり、クロム欠乏けつぼうたいをつくり異常いじょう酸化さんか原因げんいんとなったりする[273]浸炭しんたん有効ゆうこう合金ごうきん元素げんそには、保護ほごせいのある酸化さんかぶつ形成けいせいするクロムとケイ素けいそ炭化物たんかぶつ形成けいせいしないニッケルがげられる[274]。窒化の場合ばあいは、とく有効ゆうこう合金ごうきん元素げんそはニッケルで、ニッケル含有がんゆうりょうおおいほどたい窒化せい[275]

ハロゲンガス腐食ふしょく塩素えんそガスや塩化えんか水素すいそガスちゅうこる腐食ふしょくで、はげしい腐食ふしょくせいしめ[276]塩素えんそガスや塩化えんか水素すいそガスとの反応はんのう生成せいせいされる塩化えんかぶつてい融点ゆうてん容易ようい昇華しょうかするため、ハロゲンガス腐食ふしょく腐食ふしょく速度そくどおおきい[277]。SUS304のれいで、塩素えんそガスちゅうでの耐用たいよう温度おんどやく 310 °C、塩化えんか水素すいそガスちゅうでの耐用たいよう温度おんどやく 400 °C である[278]

強度きょうど機械きかいてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

ステンレスこう機械きかいてき性質せいしつも、その組織そしき状態じょうたい組成そせいによって様々さまざまわる[279]おおくの種類しゅるいのステンレスこう存在そんざいするように、ステンレスこう機械きかいてき性質せいしつ幅広はばひろ[280]一般いっぱんに、鉄鋼てっこう材料ざいりょう強度きょうど硬度こうどたかめる原理げんりには、つぎの5つがある[281]

かた溶強
添加てんかされた元素げんそ原子げんし材料ざいりょうちゅうかたされることにより、ははざい格子こうしにゆがみがこり、転位てんい運動うんどう妨害ぼうがいされて強度きょうどたかまる機構きこう[282]
加工かこう硬化こうか
転位てんい強化きょうかともいい、塑性そせい加工かこうによって組織そしきちゅう転位てんい意図いとてき増大ぞうだいさせ、転位てんい同士どうしがその運動うんどう妨害ぼうがいすることで強度きょうどたかまる機構きこう[283]
析出せきしゅつ硬化こうか
分散ぶんさん強化きょうかともいい、合金ごうきん炭化物たんかぶつ金属きんぞくあいだ化合かごうぶつだい2そう微細びさい分散ぶんさんしてははしょうちゅう析出せきしゅつすることで、転位てんい運動うんどう障害しょうがいとなって強度きょうどたかまる機構きこう[284]
つぶかい強化きょうか
ほそつぶ強化きょうかともいい、結晶けっしょうたいちゅう結晶けっしょうつぶサイズをちいさくすることで強度きょうどたかまる機構きこう[285]降伏ごうぶく応力おうりょく上昇じょうしょうさせ、延性えんせい-脆性ぜいせい遷移せんい温度おんどひくくする[286]
マルテンサイト変態へんたいによる強化きょうか
基礎きそてき強化きょうか機構きこうというより、うえの4つがかさわさった強化きょうか機構きこうである[287]。マルテンサイト変態へんたいきることで、上記じょうき4つの強化きょうか機構きこう同時どうじ実現じつげんし、こう強度きょうどされる[287]とく炭素たんそ過飽和かほうわ含有がんゆうすることによるかた溶強おおきい[287]

いずれの強化きょうか機構きこうも、塑性そせい変形へんけいもととなる転位てんい運動うんどうさまたげることで材質ざいしつこう強度きょうどさせる[53]。ステンレスこう強度きょうども、これらの強化きょうか機構きこう基礎きそとする[53]一方いっぽう材質ざいしつこう強度きょうどすると、一般いっぱんてき延性えんせいうつぼせい低下ていかする[288]延性えんせいうつぼせい低下ていかすると、材料ざいりょう破壊はかいされるときに脆性ぜいせい破壊はかいとなる[289]機械きかい構造こうぞうぶつ安全あんぜん使用しよう観点かんてんからは、強度きょうどたかいことだけでなく、うつぼせいおおきいことものぞましい[290]

常温じょうおんにおける機械きかいてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

ステンレスこう機械きかいてき性質せいしつ評価ひょうかするのにもちいられる指標しひょうは、0.2%たいりょく引張ひっぱつよしぼかた衝撃しょうげきつよなどである[291]。これらのうちの0.2%たいりょく引張ひっぱつよさ、びは引張ひっぱ試験しけん測定そくていできる代表だいひょうてき材料ざいりょう特性とくせいで、0.2%たいりょく材料ざいりょう降伏ごうぶくてん代表だいひょうする 0.2 % の塑性そせいひずみこす応力おうりょくを、引張ひっぱつよさは材料ざいりょうつよさを代表だいひょうする最終さいしゅうてき破断はだんこす応力おうりょくを、びは材料ざいりょう延性えんせい代表だいひょうする破断はだんまでに材料ざいりょうびる変形へんけい程度ていどあらわ[292]常温じょうおんにおけるステンレスこうかく代表だいひょうてきこうしゅの0.2%たいりょく引張ひっぱつよさ、びのれい下記かきしめす。

機械きかいてき性質せいしつれい
大別たいべつ はがねしゅ状態じょうたい 0.2%たいりょく
(MPa)
引張ひっぱつよ
(MPa)

(%)
出典しゅってん
オーステナイトけい AISI 304
かた溶化熱処理ねつしょり
290 579 55 [293]
AISI 304
圧延あつえんりつ 50 % ひやあいだ加工かこう
1000 1102 10 [294]
フェライトけい AISI 430
やきなまし
345 517 25 [295]
マルテンサイトけい AISI 410
焼入やきいれ・648 °C 焼戻やきもど
586 759 23 [295]
AISI 410
焼入やきいれ・204 °C 焼戻やきもど
1000 1310 15 [295]
オーステナイト・フェライトけい UNS S32205
かた溶化熱処理ねつしょり
450 655 25 [296]
析出せきしゅつ硬化こうかけい 17-4PH
496 °C・4あいだ時効じこう処理しょり
1207 1310 14 [297]


ステンレスこうなか引張ひっぱつよさ 1000 MPaえるこう強度きょうどはがねしゅには、マルテンサイトけい析出せきしゅつ硬化こうかけい加工かこう硬化こうかさせたオーステナイトけいの3つがある[298]。マルテンサイトけいでは、焼入やきいでマルテンサイト組織そしきとなり、つよかた組織そしきとなっている[132]通常つうじょう焼入やきい焼戻やきもどおこない、マルテンサイトけい最終さいしゅうてき機械きかいてき性質せいしつ焼戻やきもど温度おんどによってわる[299]こう炭素たんそこうしゅ AISI 440C のれいでは、2000 MPa ちか引張ひっぱつよさをることもできる[295]析出せきしゅつ硬化こうかけいは、時効じこう処理しょりによって微細びさいだい2そう分散ぶんさん析出せきしゅつさせる析出せきしゅつ硬化こうか機構きこうによってたか強度きょうど硬度こうどている[300]。マルテンサイトけい比較ひかくすると、含有がんゆう炭素たんそりょうらせるので、耐食性たいしょくせいうつぼせいをそれほどとさずに[300]。オーステナイトけい加工かこう硬化こうかおおきく、さらにじゅん安定あんていオーステナイトけいでは塑性そせい変形へんけいくわわると加工かこうさそえおこりマルテンサイト変態へんたいこるため、圧延あつえん加工かこうくわえることでこう強度きょうどこう硬度こうど特性とくせいられる[301]加工かこう硬化こうかこう強度きょうどさせたのちでも十分じゅうぶん延性えんせいうつぼせいたもっているのも、加工かこう硬化こうかさせたオーステナイトけい特徴とくちょうである[302]

フェライトけい、オーステナイトけい、オーステナイト・フェライトけいの3つには、熱処理ねつしょりによる硬化こうかせいがない[303]。フェイライトけいやきなまし状態じょうたい使用しようされ、オーステナイト・フェライトけい加工かこう硬化こうかさせない場合ばあいのオーステナイトけいかた溶化熱処理ねつしょり状態じょうたい使用しようされる[304]てい炭素たんそこう比較ひかくすると、フェライトけい降伏ごうぶく応力おうりょく引張ひっぱつよさはすこたかめである[305]。フェライトけい比較ひかくすると、オーステナイトけい降伏ごうぶく応力おうりょくひくめで、引張ひっぱつよさがたかめである[306]。オーステナイト・フェライトけい引張ひっぱつよさと降伏ごうぶく応力おうりょくは、フェイライトけいとオーステナイトけいよりもたかめである[307]。これは、含有がんゆう元素げんそ影響えいきょうと、オーステナイト・フェライトけい結晶けっしょうつぶサイズが微細びさいなためきるつぶかい強化きょうかによるものである[308]。ステンレスこうなかでは、きなまし状態じょうたいのフェライトけいのみが応力おうりょく-ひずみ曲線きょくせんうえ明確めいかく降伏ごうぶくてんしめし、はがねしゅ明確めいかく降伏ごうぶくてんしめさない[309]

ステンレスこう延性えんせいうつぼせいについては、オーステナイトけいとくすぐれている[310]炭素たんそこうやフェライトけいびが 20–30 % 程度ていどであるのにたいし、かた溶化熱処理ねつしょり状態じょうたいのオーステナイトけいびは 45–55 % というしめ[311]うつぼせい指標しひょうである衝撃しょうげきつよさにおいても、オーステナイトけいすぐれたしめ[312]

高温こうおんにおける機械きかいてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

金属きんぞく高温こうおん環境かんきょうかれると、一般いっぱんてき変形へんけい抵抗ていこう低下ていかする[313]。しかし、ステンレスこう高温こうおんでも比較的ひかくてきたか強度きょうどたもつことができ、上述じょうじゅつのように高温こうおん環境かんきょうでのたい酸化さんかせい耐食性たいしょくせいすぐれることから、たいねつ用途ようと幅広はばひろ利用りようされる[314]JISでもいくつかのステンレスこうはがねしゅをそのままたいねつこうはがねしゅとして規定きていしており、ステンレスこうたいねつこう一種いっしゅでもある[315][316]

オーステナイトけいとフェライトけいの2つが、たいねつようきょうされるステンレスこう主流しゅりゅうとなっている[317]代表だいひょうてきたいねつステンレスこうでいえば、常温じょうおんでの降伏ごうぶく応力おうりょくはオーステナイトけいよりもフェライトけいほうたかいが、およそ 600 °C 以上いじょう降伏ごうぶく応力おうりょくはフェライトけいよりもオーステナイトけいほうたかくなる[317]。そのため、より高温こうおん使用しようする場合ばあいはオーステナイトけいが、それ以外いがいではフェイライトけい重宝ちょうほうされる[317]

オーステナイト・フェライトけいは、600 °C 以上いじょうでは、オーステナイトけいとフェイライトけいなかあいだてき強度きょうどしめ[318]高温こうおん強度きょうど向上こうじょうさせる場合ばあいニオブ窒素ちっそケイ素けいそモリブデンどうタングステンなどのかた溶強元素げんそ添加てんかおこなわれる[319]。マルテンサイトけいにもモリブデン、バナジウム、タングステンなどの添加てんか高温こうおん強度きょうどたかめたはがねしゅがあり、限定げんていてきながらも強度きょうど必要ひつよう個所かしょ使用しようされる[320]

低温ていおんにおける機械きかいてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

一般いっぱん炭素たんそこう同様どうように、フェライトけい、マルテンサイトけい低温ていおん環境かんきょうかれるとうつぼせい低下ていかし、脆性ぜいせい破壊はかいこすようになる[321]うつぼせいいちじるしく低下ていかする温度おんど延性えんせい-脆性ぜいせい遷移せんい温度おんどといい、フェライトけい 430 のれいでは、室温しつおんからやく −70 °C までのあいだ衝撃しょうげきつよ急激きゅうげき低下ていかする[322]。しかし、オーステナイトけいはこのような低温ていおんにもたかうつぼせいたも[323]はがねしゅにもよるが、オーステナイトけいは −200 °C 以下いかきょく低温ていおんでも使用しようできる[324]。オーステナイト・フェライトけいは、低温ていおん脆性ぜいせい破壊はかいこすが、フェライトけいよりは延性えんせい-脆性ぜいせい遷移せんいゆるやかにきる傾向けいこうにある[325]

物理ぶつりてき性質せいしつ[編集へんしゅう]

ステンレスこう物理ぶつりてき性質せいしつ金属きんぞく組織そしき種類しゅるいによってほぼまり、さらに合金ごうきん元素げんそ添加てんかりょう影響えいきょうする[326]。フェライトけいとマルテンサイトけい類似るいじした物理ぶつりてき性質せいしつっており、オーステナイトけい物理ぶつりてき性質せいしつはそれらとはことなる傾向けいこう[327]析出せきしゅつ硬化こうかけいも、最終さいしゅうてきははしょうがマルテンサイト組織そしきとなるはがねしゅであれば物理ぶつりてき性質せいしつはフェライトけいとマルテンサイトけい類似るいじする[327]。オーステナイト・フェライトけい物理ぶつりてき性質せいしつは、オーステナイトけいとフェライトけいのおおむね中間ちゅうかん位置いちする[328]。ステンレスこう物理ぶつりてき性質せいしつれいを、下記かきひょうしめす。

物理ぶつりてき性質せいしつれい
はがねしゅ オーステナイトけい
JIS SUS304 
フェライトけい
JIS SUS430 
マルテンサイトけい
JIS SUS410 
オーステナイト・
フェライトけい
UNS S32205 
析出せきしゅつ硬化こうかけい
JIS SUS630
密度みつど
(kg/m3)
8.03 × 103 7.75 × 103 7.75 × 103 7.80 × 103 7.75 × 103
比熱ひねつ
(0–100 °C)
(kJ/(kg·K)
0.50 0.46 0.46 0.50 0.46
ねつ伝導でんどうりつ
(100 °C)
(W/(m·K)
16.3 23.9 24.9 17.0 18.4
せん膨張ぼうちょう係数けいすう
(K−1)
17.2 × 10−6
(0–100 °C)
10.4 × 10−6
(0–100 °C)
9.9 × 10−6
(0–100 °C)
13.0 × 10−6
(20–100 °C)
10.8 × 10−6
(0–100 °C)
電気でんき抵抗ていこう
(Ωおめが·m)
720 × 10−9 600 × 10−9 570 × 10−9 800 × 10−9 800 × 10−9
ヤングりつ
(GPa)
193 200 200 200 196
磁性じせい じゃく磁性じせい磁性じせい つよ磁性じせい つよ磁性じせい つよ磁性じせい つよ磁性じせい
出典しゅってん [329] [329] [329] [330] [329]


質量しつりょう体積たいせきである密度みつどは、ステンレスこう種類しゅるいなかちがいはちいさく、各々おのおの組成そせいでほとんどまる[331]軟鋼なんこう比較ひかくすると、ニッケルおおふくむオーステナイトけい密度みつどがややおおきい[327]。ニッケルをおも合金ごうきん元素げんそとしないフェライトけいとマルテンサイトけいは、軟鋼なんこうよりもややちいさい[327]モリブデンのようなおも元素げんそ合金ごうきん元素げんそとしてふくめばふくむほど、密度みつどおおきくなっていく[332]

ねつつたわったときの温度おんど変化へんか程度ていどしめ比熱ひねつも、ステンレスこう種類しゅるいあいだちがいはちいさい[333]。クロムけいステンレスこう比熱ひねつ軟鋼なんこうとほぼ同等どうとうで、クロム・ニッケルけい軟鋼なんこうよりもややおおきい[334]

ねつつたわりやすさをしめねつ伝導でんどうりつについては、金属きんぞく材料ざいりょう全般ぜんぱんなかでもステンレスこうねつ伝導でんどうりつちいさいといえる[335]。フェライトけいとマルテンサイトけいねつ伝導でんどうりつ炭素たんそこうよりちいさく、オーステナイトけいねつ伝導でんどうりつはさらにちいさい[336]一般いっぱん金属きんぞくねつ伝達でんたつ自由じゆう電子でんしつうじておこなわれるため、金属きんぞくちゅう不純物ふじゅんぶつ存在そんざいすると、電子でんし運動うんどう阻害そがいしてねつ伝導でんどうりつ低下ていかさせる[337]。したがって、添加てんか元素げんそおおいほどねつ伝導でんどうりつ低下ていかする[338]。ステンレスこう場合ばあい含有がんゆうするクロムやニッケルによってねつ伝導でんどうりつちいさくなっている[339]

温度おんど上昇じょうしょう体積たいせき膨張ぼうちょう割合わりあいであるせん膨張ぼうちょう係数けいすうは、おも結晶けっしょう構造こうぞうによってまる[340]。フェライトけいとマルテンサイトけい軟鋼なんこうちかしめすが、めんこころ立方りっぽう構造こうぞうであるオーステナイトけいはそれらのやく1.5ばいせん膨張ぼうちょう係数けいすうしめ[340]。オーステナイト・フェライトけいせん膨張ぼうちょう係数けいすうは、フェライトけいとオーステナイトけいなかあいだ程度ていどとなる[332]

物質ぶっしつ電気でんき抵抗ていこうおおきさをしめ電気でんき抵抗ていこうについても、その原理げんりねつ伝導でんどうりつおなじで、含有がんゆう元素げんそおおくなると抵抗ていこうおおきなる[338]金属きんぞく材料ざいりょう全般ぜんぱんなかでもステンレスこう電気でんき抵抗ていこうおおきいといえる[341]。このため、ステンレスこうしるべでん用材ようざいりょうにはかない[334]電気でんき抵抗ていこうはおおよそねつ伝導でんどうりつ反比例はんぴれい関係かんけいにあるが、析出せきしゅつ硬化こうかけい析出せきしゅつ硬化こうか熱処理ねつしょりによって組織そしき複雑ふくざつした影響えいきょう電気でんき抵抗ていこうがややおおきくなる[342]

弾性だんせい変形へんけいたいする抵抗ていこうおおきさをしめヤングりつは、ステンレスこう全般ぜんぱんてき軟鋼なんこうとおおむねおなじである[327]組成そせい組織そしきちがいよるヤングりつへの影響えいきょうちいさく、ステンレスこうなかでのはがねしゅあいだちがいはちいさい[343]非鉄ひてつ金属きんぞく材料ざいりょう比較ひかくすると、ステンレスこうのヤングりつたか部類ぶるいはい[327]

一般いっぱんてき鉄鋼てっこう材料ざいりょうつよ磁性じせい材料ざいりょうで、いわゆる磁石じしゃくにひっつく材料ざいりょうであるが、めんこころ立方りっぽう格子こうし構造こうぞうであるオーステナイトはつね磁性じせい材料ざいりょうで、つよ磁場じばちゅうでもごくわずかにしか磁化じかしない[344]。このため、オーステナイトけい磁性じせい材料ざいりょうである[345]一方いっぽう、フェライトけいやマルテンサイトけいは、一般いっぱんてき鉄鋼てっこう材料ざいりょう同様どうようつよ磁性じせい材料ざいりょうである[346]。ただし、オーステナイトけいも、加工かこうさそえおこりマルテンサイト変態へんたいこると磁性じせいびるようになる[347]。オーステナイト・フェライトけいは、磁性じせいつよさはフェライトりょう比率ひりつによってわるものの、基本きほんてきつよ磁性じせい材料ざいりょうである[68]

また、機械きかいてき性質せいしつ同様どうように、温度おんどによって物理ぶつりてき性質せいしつ変化へんかする。低温ていおんになるほど、電気でんき抵抗ていこうねつ膨張ぼうちょう係数けいすうねつ伝導でんどうりつ比熱ひねつちいさくなる[348]密度みつどとヤングりつは、低温ていおんになるほどおおきくなる[349]

製造せいぞう[編集へんしゅう]

原料げんりょう[編集へんしゅう]

フェロクロム

ステンレスこう原料げんりょうには、てつほかに、合金ごうきん元素げんそとして大量たいりょうクロム必要ひつようとし、さらにニッケルモリブデンマンガンチタンなども使つか[2]おも合金ごうきん元素げんそであるクロムとニッケルは、おもフェロクロムフェロニッケルとして、またはスクラップとして供給きょうきゅうされる[350]。フェロクロムとフェロニッケルは合金ごうきんてつ一種いっしゅで、採掘さいくつされたクロム鉱石こうせきまたはニッケル鉱石こうせきから製造せいぞうされる[351]合金ごうきんてつは、不純物ふじゅんぶつである炭素たんそのぞかれているてい炭素たんそなものほど価格かかくたかくなる[352]。しかし、後述こうじゅつする精錬せいれん技術ぎじゅつ発達はったつにより、廉価れんかこう炭素たんそフェロクロムとこう炭素たんそフェロニッケルも、現在げんざいではステンレスこう原料げんりょうとして多量たりょう利用りよう可能かのうになっている[353]。クロムもニッケルも資源しげん世界せかい偏在へんざいしており、需要じゅよう供給きょうきゅうバランス、産出さんしゅつこく経済けいざい情勢じょうせい国際こくさい紛争ふんそう為替かわせレート変動へんどうなどによって原料げんりょう価格かかくおおきく変動へんどうするため、これら原料げんりょう安定あんてい確保かくほとコストダウンがステンレスこうメーカーにとっての課題かだいである[353][354]

つぶされたステンレスこうスクラップ

ステンレスこうリサイクルしやすい材料ざいりょうであり、ステンレスこうスクラップの回収かいしゅうりつたか[355]。2006ねん調査ちょうさによると、生産せいさんされたやく2800まんトンのステンレスこううち、その原料げんりょうやく 60 % がステンレスこうスクラップを利用りようできている[355]市場いちばから回収かいしゅうされたスクラップのほかに、ステンレスこう製造せいぞう過程かていしょうじたスクラップも回収かいしゅう利用りようされている[355]とくにオーステナイトけいは、高価こうか合金ごうきん元素げんそおおふくみ、磁性じせいつため分別ふんべつしやすいため、スクラップ活用かつようすすんでいる[356][357]

原料げんりょうとしてのてつには、ステンレスこうスクラップのほかに、普通ふつうこうのスクラップも活用かつようされている[358]あつめられたスクラップは使用しようまえ成分せいぶん検査けんさ放射能ほうしゃのう探知たんち検査けんさおこなわれる[359]。スクラップは割安わりやすだが、価格かかく変動へんどうおおきく、供給きょうきゅう不安定ふあんていといっためんもある[352]

高炉こうろずくこう一貫いっかん製鉄せいてつしょがステンレスこう製造せいぞうする場合ばあいは、高炉こうろ銑鉄せんてつ製造せいぞうし、予備よび処理しょりしたうえ銑鉄せんてつをステンレスこう原料げんりょうとしてもちいる場合ばあいもある[360]。また、フェロクロムではなく、安価あんかなクロム鉱石こうせき直接ちょくせつ原料げんりょうにして製鋼せいこうする方法ほうほう開発かいはつ実用じつようされている[361]

溶解ようかい予備よび精錬せいれん[編集へんしゅう]

アーク概略がいりゃく

原料げんりょうはまず溶解ようかいされる[362]。ステンレスこう製造せいぞうもちいる溶解ようかいは、電気でんきアーク一般いっぱんてきである[363]。ステンレスこうスクラップ、フェロクロム、フェロニッケルなどのしゅ原料げんりょう電気でんきそういれされて溶解ようかいされる[353]電気でんきない強力きょうりょくアーク発生はっせいし、原料げんりょう溶解ようかいする[364]。アークねつは 3000 °C から最大さいだい 3500 °C にたっし、原料げんりょうはおよそ 1550 から最大さいだい 1800 °C までのぼりあつしされて溶解ようかいされる[365]電気でんきおおきさは、一回いっかいのチャージたり 30 トンのものから最大さいだいで 160 トンのものまである[357]

高炉こうろずくこう一貫いっかん製鉄せいてつしょがステンレスこう製造せいぞうする場合ばあいは、電気でんきではなく、高炉こうろ溶銑ようせんつくり、ステンレスこう製造せいぞうする[360]高炉こうろによる製造せいぞう大量たいりょう生産せいさんいている[354]。しかし、電気でんきによるステンレスこう製造せいぞうがクロムけいにもクロム・ニッケルけいにも利用りようされているのにたいして、高炉こうろによるステンレスこう製造せいぞうはクロムけいかぎられている[366]高炉こうろほうではニッケルの溶解ようかいむずかしく、クロム・ニッケルけいでは電気でんきほうよりも効率こうりつわる[361]高炉こうろ溶銑ようせんかず%のレベルで炭素たんそ含有がんゆうしているような状態じょうたいであるため、「溶銑ようせん予備よび処理しょり」とばれる工程こうてい本格ほんかくてき精錬せいれんまえおこな[354]溶銑ようせん予備よび処理しょりでは、炭素たんそくわえてリン硫黄いおう除去じょきょおこな[354]。ステンレスこうでは、リンがクロムのかつりょう低下ていかさせるため、溶銑ようせん段階だんかいだつリンしておくことが溶銑ようせん予備よび処理しょり重要じゅうよう意義いぎひとつといえる[367]

精錬せいれん[編集へんしゅう]

AODほう概略がいりゃく
VODほう概略がいりゃく

溶解ようかいのちには、化学かがく組成そせい調整ちょうせいする精錬せいれんばれる工程こうていおこなわれる[368]精錬せいれん工程こうていでは不純物ふじゅんぶつ除去じょきょするが、ステンレスこうにとっての最大さいだい不純物ふじゅんぶつ炭素たんそである[33]効率こうりつてきだつすみすることがステンレスこう製造せいぞうにおける重要じゅうようなポイントで、このための技術ぎじゅつ開発かいはつ過去かこからおこなわれてきた[369]。ステンレスこう基本きほんてきだつすみは、おおまかに以下いかのような過程かていから[370]

  1. 酸素さんそガスを溶鋼にみ、はがねちゅうクロム酸化さんか反応はんのうこす
  2. 生成せいせいされたクロム酸化さんかぶつはがねちゅう炭素たんそ反応はんのうこし、一酸化いっさんか炭素たんそガスの生成せいせいとクロムのさい生成せいせいきる
  3. 一酸化いっさんか炭素たんそガスを除去じょきょし、溶鋼ちゅうからの炭素たんそ除去じょきょ達成たっせいする

しかし、ステンレスこう特有とくゆうこう濃度のうどのクロムによって、溶鋼ちゅう炭素たんそかつりょうがっており、一般いっぱんてき炭素たんそこうくらべてだつすみすすまない[371]とくてい炭素たんそいきではクロムは炭素たんそ優先ゆうせんして結合けつごうし、だつすみ反応はんのう阻害そがいされる[369][357]普通ふつうだつすみすすめると、クロムが多量たりょう酸化さんかしてスラグなかはいってしまう[372]。クロムをスラグから回収かいしゅうするために、高価こうかフェロシリコンようすることになる[372]。このような事態じたいけ、効率こうりつだつすみすすめる方法ほうほうとして、だつすみ反応はんのうしょうじる一酸化いっさんか炭素たんそガスの圧力あつりょくぶんあつ)をげることで、クロムの酸化さんか抑制よくせいしながらだつすみ反応はんのうすすめる手法しゅほう現在げんざいでは採用さいようされている[373]。この原理げんりにもとづく精錬せいれんほうが、AODほうVODほう、またはこれらをわせた方法ほうほうである[369]

AODほうは、Argon Oxygen Decarburization のりゃくで、大気たいきちゅうの溶鋼にアルゴン酸素さんそ混合こんごうガスを下部かぶからみ、アルゴンガスによる希釈きしゃくによってだつすみ一酸化いっさんか炭素たんそガスぶんあつげてだつすみする方法ほうほうである[374]。AODほう長所ちょうしょは、溶鋼の炭素たんそ含有がんゆうりょうたかくてもだつすみ可能かのうてんである[369]。これによって安価あんか原料げんりょう使用しよう可能かのうで、生産せいさんせいたか[369]。VODほうは、Vacuum Oxygen Decarburization のりゃくで、溶鋼を真空しんくう減圧げんあつうつして酸素さんそガスをみ、だつすみ一酸化いっさんか炭素たんそガスぶんあつげてだつすみする方法ほうほうである[374]。VODほう場合ばあいは、ある程度ていどひくいレベルの炭素たんそ含有がんゆうりょうにしてから適用てきようする必要ひつようがあるが、一方いっぽう最終さいしゅうてき炭素たんそ含有がんゆうりょうをよりひくいレベルにすることができる[375]かく精錬せいれん過程かていでは、だつすみのほかに、窒素ちっそ水素すいそ硫黄いおう酸素さんそ、リンなどの不純物ふじゅんぶつ除去じょきょ介在かいざいぶつ制御せいぎょおこなわれる[376]。ステンレスこうにAODほうまたはVODほう適用てきようしたときの、おおよそ精錬せいれんレベルの目安めやす以下いかひょうしめ[377]

AODほうとVODほうにおける、おおよその精錬せいれんレベルの目安めやす[377]
不純物ふじゅんぶつ成分せいぶん AODほう VODほう
炭素たんそ 0.01 % 以下いか 0.005 % 以下いか
窒素ちっそ 0.01 % 以下いか 0.007 % 以下いか
酸素さんそ 0.003 % 以下いか 0.003 % 以下いか
硫黄いおう 0.0005 % 以下いか 0.001 % 以下いか
リン 0.01 % 以下いか 0.01 % 以下いか


具体ぐたいてき工程こうていとしては、溶解ようかいされた原料げんりょうてん精錬せいれんされ、そのAODやVODなどでがい精錬せいれん実施じっしされる[378]。ただし、電気でんきほう溶解ようかいされた場合ばあいは、ある程度ていど精錬せいれんがすでに完了かんりょうしているのでてんでの精錬せいれん省略しょうりゃくすることがおお[379]。VODほう採用さいようするときには、VODほう適用てきようまえに溶鋼の炭素たんそ含有がんゆうりょうをある程度ていどのレベルまでげる必要ひつようがあるため、電気でんきほうでもてんでの精錬せいれん工程こうていくわえることがある[380]高炉こうろほう溶解ようかいした場合ばあいは、ほぼかならてんでの精錬せいれんおこな[354]がい精錬せいれんでのだつすみ完了かんりょうには、「仕上しあ精錬せいれん」とばれるおなのまま所望しょもう組成そせい調整ちょうせいする作業さぎょうおこなわれる[381]

鋳造ちゅうぞう[編集へんしゅう]

連続れんぞく鋳造ちゅうぞう基本きほんてき概略がいりゃく。溶鋼はなべ(1)からタンディッシュ(2)へ一旦いったんうつされ、モールド(3)にながまれ、やしかためられながらローラー(7)でかれる[382]

精錬せいれんえた溶鋼は、鉄鋼てっこうメーカーから出荷しゅっかされる最終さいしゅう製品せいひん形状けいじょうてきしたかたちやしかためられる[383]。この段階だんかいやしかためられたものをはん製品せいひんび、あつばん圧延あつえんざい生産せいさんようのスラブ、かたちこう生産せいさんようのブルーム、ぼうざいせんざいやパイプ生産せいさんようのビレットがある[384]。この工程こうてい鋳造ちゅうぞうといい、おおきくけてみやつこかたまりほう連続れんぞく鋳造ちゅうぞうほうの2つがある[385]みやつこかたまりほうは、インゴットばれるかたに溶鋼を注入ちゅうにゅうしてかため、さい加熱かねつ圧延あつえんしてはん製品せいひんつく方法ほうほうである[386]過去かこのステンレスこうおもみやつこかたまりほうつくられていたが、生産せいさん効率こうりつたか連続れんぞく鋳造ちゅうぞうほう実現じつげんされてからは、一部いちぶ特殊とくしゅはがねしゅのぞいてほとんどのステンレスこう連続れんぞく鋳造ちゅうぞうほう製造せいぞうされている[387]

連続れんぞく鋳造ちゅうぞう過程かていことなるステンレスこう特有とくゆう要素ようそはないが、表面ひょうめん品質ひんしつとく要求ようきゅうされるステンレスこうでは品質ひんしつ重視じゅうし操業そうぎょう特徴とくちょうといえる[388]連続れんぞく鋳造ちゅうぞうでは、なべれられて精錬せいれんから供給きょうきゅうされる溶鋼が、タンディッシュとばれる容器ようき一旦いったんうつされる[389]。タンディッシュでは、溶鋼ちゅう有害ゆうがい非金属ひきんぞく介在かいざいぶつかびがらせて除去じょきょする[390]。タンディッシュからた溶鋼は、冷却れいきゃくされた鋳型いがたとおされ、さらに冷却れいきゃくスプレーをびせられ凝固ぎょうこする[391]凝固ぎょうこしたステンレスこうを、そのした配置はいちされているローラーが連続れんぞくてきき、切断せつだんまでおく[392]切断せつだん所定しょていながさに切断せつだんして、長方おさかたたい角材かくざいかたちはん製品せいひんとなる[382]

圧延あつえん鋼板こうはん[編集へんしゅう]

圧延あつえん概念がいねん
ステンレスの鋼板こうはんとコイル(おびこう

ステンレスこういたおび生産せいさんする場合ばあい、スラブを圧延あつえんすることによってつくられる[393]。ステンレスこう生産せいさんなかでも、鋼板こうはんおよびはがねたい生産せいさんりょう圧倒的あっとうてきおお[394]圧延あつえんとは、回転かいてんする2つの円柱えんちゅう(ロール)に材料ざいりょうはさみながらうすばす工程こうていで、材料ざいりょうさい結晶けっしょう温度おんど以上いじょう加熱かねつする圧延あつえんするねつあいだ圧延あつえんと、さい結晶けっしょう温度おんど以下いか通常つうじょう常温じょうおん)で圧延あつえんするひやあいだ圧延あつえんがある[395]

スラブは通常つうじょう 100 mm 以上いじょうあつみがある[396]ひやあいだ圧延あつえん加工かこうひんあついと圧延あつえんできないため、スラブはまずねつあいだ圧延あつえんされる[396]。ステンレスこう場合ばあい、スラブ表面ひょうめん欠陥けっかんねつあいだ圧延あつえんのこってしまうので、ねつあいだ圧延あつえんまえにはグラインダーとうでスラブ表面ひょうめん研削けんさくして表面ひょうめん欠陥けっかんまえもって除去じょきょする[397]きずりされたスラブは加熱かねつされ、圧延あつえんとおされる[397]ねつあいだ圧延あつえんには、タンデムミルステッケルミルもちいられている[398]。タンデムミルは生産せいさんせいたかく、普通ふつうこう兼用けんようする場合ばあいなどに使つかわれる[398]。ステッケルミルは初期しょきコストがちいさい長所ちょうしょがあり、ステンレスこう専用せんよう生産せいさんする場合ばあいなどに使つかわれる[398]

ねつあいだ圧延あつえんえると、はがねしゅおうじた適当てきとう熱処理ねつしょりほどこされ、さらにスケールを除去じょきょするためにさんあらいおこなわれる[399]。このときの熱処理ねつしょりは、組織そしきさい結晶けっしょう炭化物たんかぶつかた溶化などを目的もくてきとする[400]。この状態じょうたい製造せいぞう完了かんりょうとして出荷しゅっかする場合ばあいもある[399]#圧延あつえん仕上しあ参照さんしょう)。ねつあいだ圧延あつえん可能かのう最小さいしょうばんあつしは 3 mm 程度ていど限度げんどで、さらにうすくする場合ばあいや、表面ひょうめん美麗びれい仕上しあげる場合ばあいひやあいだ圧延あつえんおこなわれる[401]ひやあいだ圧延あつえん問題もんだいとなるがステンレスこう変形へんけい抵抗ていこうたかさで、とくにオーステナイトけいいちじるしい加工かこう硬化こうかこす[402]。このため、20段式だんしきゼンジミアミルがステンレスこうひやあいだ圧延あつえんもちいられる[398]。ゼンジミアミルは、ワークロールを小径しょうけいにしておおきなあつりょくによって圧延あつえん可能かのうとし、中間ちゅうかんロールがワークロールのたわみをおさえ、強固きょうこなハウジングで多段ただんロールをささえる構造こうぞう[403]。フェライトけいなどにたいしては普通ふつうこうようひやあいだ圧延あつえん設備せつび使用しようする場合ばあいもある[404]

ひやあいだ圧延あつえんは、熱処理ねつしょりさんあらいをまたおこない、必要ひつようおうじて表面ひょうめん仕上しあようひやあいだ圧延あつえん再度さいどおこな[393]ひやあいだ圧延あつえん熱処理ねつしょりおも目的もくてき圧延あつえん組織そしきさい結晶けっしょうである[400]表面ひょうめん光沢こうたく製品せいひんにするために、光輝こうきしょうなましばれるさん活性かっせい雰囲気ふんいきちゅうでの熱処理ねつしょりおこな場合ばあいもある[405]。この場合ばあいはスケールの発生はっせいふせげるので、さんあらい省略しょうりゃくして圧延あつえんままの光沢こうたく維持いじできる[406]#圧延あつえん仕上しあ参照さんしょう)。これらの工程こうていのち研磨けんま形状けいじょう修正しゅうせい脱脂だっし検査けんさ裁断さいだん梱包こんぽうなどを製品せいひん出荷しゅっかされる[407]。ステンレスこう場合ばあい外観がいかんたいする要求ようきゅう水準すいじゅんたかいため、メーカーと購入こうにゅうしゃあいだ外観がいかん限度げんど見本みほんわすこともある[406]

かんぼうせんざいかたちこう鋳造ちゅうぞう・クラッド[編集へんしゅう]

ステンレス溶接ようせつ鋼管こうかん

鋼板こうはん以外いがいのステンレスこう製品せいひん形状けいじょうには、鋼管こうかんはがねぼうせんざいかたちこうなどがある。鋼管こうかんには、なしのシームレス鋼管こうかん鋼板こうはん溶接ようせつしてつくる溶接ようせつ鋼管こうかんがあるが、どちらも基本きほんてき普通ふつうこうおな製法せいほうつくられている[408]。シームレス鋼管こうかんはがねぼうせんざいは、ブルームまたはビレットからねつあいだ圧延あつえんひやあいだ圧延あつえん引抜ひきぬきでつくられる[406]かたちこうもブルームのねつあいだ圧延あつえんからつくられるが、まとまった需要じゅようすくないため溶接ようせつつくることもおお[409]

特殊とくしゅなものとしては、鋳造ちゅうぞうひんクラッドこうがある。鋳造ちゅうぞうは、溶鋼を鋳型いがたながんで直接ちょくせつそのかたちやしかためる製法せいほうで、複雑ふくざつ形状けいじょう部品ぶひんなどにたいしてもちいられる[410]。ステンレスこう鋳造ちゅうぞう使つかわれる溶鋼自体じたいは、いたなどをつくる溶鋼とほとんどおなじである[410]鋳造ちゅうぞうほう基本きほんてきかんがかた炭素たんそこうてい炭素たんそ合金ごうきんこう鋳鋼ちゅうこうおなじだが、溶鋼の流動りゅうどうせいわるてん合金ごうきんりょうおおさによって融点ゆうてんことなるてんなどを考慮こうりょする必要ひつようがある[411]。クラッドこうは、ある材料ざいりょうべつ材料ざいりょう全面ぜんめんてきおおって接合はぎあわさせるふくあい材料ざいりょう一種いっしゅで、単体たんたい材料ざいりょうではられない特性とくせいあたえたり、単体たんたい材料ざいりょうよりもていコストさせるためなどにもちいられる[412]。クラッドこうははざい炭素たんそこうてい合金ごうきんこうとすることがおおく、それをおおわせざいにはステンレスこうどう、チタン、ニッケルが使つかわれているが、とくにステンレスこうわせざいとするクラッドこう市場いちばでも主流しゅりゅうである[413]

加工かこう[編集へんしゅう]

切断せつだん[編集へんしゅう]

金属きんぞく加工かこうおこな第一歩だいいっぽとして、おおきな素材そざいからのぞましいおおきさやかたち切断せつだん加工かこう通常つうじょう最初さいしょおこな[414]ねつエネルギーを利用りようして材料ざいりょうかして切断せつだんする方法ほうほう溶断ようだんといい、ガス切断せつだんもっと代表だいひょうてき溶断ようだん方法ほうほうである[415]。しかし、一般いっぱんてきもちいられている酸素さんそ・アセチレンによるガス切断せつだんではステンレスこう溶断ようだんできず、適用てきよう不可ふかといえる[416]。ステンレスこうちゅう多量たりょうふくまれるクロムは燃焼ねんしょう温度おんどたかく、さらに燃焼ねんしょう生成せいせいされる酸化さんかクロムも溶融ようゆう温度おんどたか[417]。これらが酸素さんそアセチレン切断せつだんによる燃焼ねんしょうさまたげて、ステンレスこう酸素さんそアセチレン切断せつだん不可能ふかのうにしているとかんがえられている[417]。ステンレスこうよう発達はったつしたガス切断せつだんほうが、パウダ切断せつだんばれる溶断ようだん方法ほうほうである[418]。パウダ切断せつだんでは、てつ切断せつだん酸素さんそ混入こんにゅうさせて、そのてつ酸化さんか反応はんのうねつ利用りようして切断せつだんする[418]いたあつ 600 mm までならば、そこまでの技術ぎじゅつようせずにパウダ切断せつだんでステンレスこう切断せつだん可能かのうである[419]

10 mm ばんあつステンレス鋼板こうはんプラズマ切断せつだんれいおくがわみずプラズマ切断せつだん手前てまえがわがドライプラズマ切断せつだん

ステンレスこう適用てきようされるほか溶断ようだん方法ほうほうには、アーク切断せつだんプラズマ切断せつだんレーザー切断せつだんがある。アーク切断せつだんは、アーク発生はっせいさせてアークねつ材料ざいりょう溶融ようゆうする切断せつだんほうである[420]。アーク切断せつだんはステンレスこう切断せつだんほうとして発達はったつしたものだが、切断せつだんめん品質ひんしつがよくなく、イナートガスアーク溶接ようせつ応用おうようした方式ほうしきのアーク切断せつだんのぞいて利用りようかぎられている[421]。プラズマ切断せつだんは、プラズマガス気流きりゅう機械きかいてきなエネルギーとアークのねつエネルギーを利用りようする切断せつだん方法ほうほうで、ステンレスこう主要しゅよう切断せつだん方法ほうほうひとつである[422]使用しようガスにはアルゴン水素すいそ使用しようすると切断せつだんめん品質ひんしつもっともよく、ステンレスこうでもアルゴン・水素すいそ主流しゅりゅうである[423]。プラズマ切断せつだん場合ばあい、100 mm をえるいたあつまで切断せつだん可能かのうである[424]レーザー熱源ねつげんとするのがレーザー切断せつだんで、適用てきようばんあつしちいさいが、こう精度せいど切断せつだん可能かのうである[425]。ステンレスこうのレーザー切断せつだん場合ばあいはアシストガスに窒素ちっそがよく使つかわれ、切断せつだんめん酸化さんかこさずに金属きんぞく光沢こうたくのある断面だんめんられる[426]

溶断ようだんのほかには、一対いっついはさんでせんだんメカニズムにもとづいて素材そざいとすせんだん加工かこうがある[427]鉄鋼てっこうメーカーが生産せいさんしたコイルをさらにはばちいさなコイルや平板へいばんにするシャーリングや、プレス機械きかいいた加工かこうがせんだん加工かこう該当がいとうする[428]。ステンレスこうのせんだん加工かこう場合ばあい材料ざいりょう強度きょうどたかめのため、普通ふつうこう軟鋼なんこうよりもおおきなちからようし、十分じゅうぶん能力のうりょくった機器きき選定せんていがた管理かんりがより重要じゅうようとなる[429]。せんだん加工かこうでは、良好りょうこう切断せつだんのために、刃先はさきのクリアランス(すきま)を材質ざいしついたあつおうじて適切てきせつ設定せっていする必要ひつようがある[427]。ステンレスこうでも種類しゅるいおうじた設定せっていクリアランスの傾向けいこうがある[430]

機械きかいてき切断せつだん方法ほうほうにはウォータージェット切断せつだんがある[431]高速こうそく噴射ふんしゃされたちょう高圧こうあつすい素材そざい切断せつだんする方法ほうほうで、ねつ影響えいきょう加工かこうひずみがないという長所ちょうしょがあり、精密せいみつ切断せつだんなどにもちいられている[432]

プレス成形せいけい[編集へんしゅう]

プレスしぼ加工かこう製造せいぞうされたステンレスせい食材しょくざい容器ようき

プレス成形せいけいは、ステンレスこう板材いたざい様々さまざまかたち変形へんけいするためによく利用りようされる[433]。ステンレス製品せいひん利用りよう促進そくしんには、プレス成形せいけい技術ぎじゅつ発展はってん寄与きよおおきいといわれる[434]加工かこうふかしぼ加工かこう加工かこう加工かこうロール成形せいけいコイニング加工かこうエンボス加工かこうなど、ほとんどすべての成形せいけい加工かこうがステンレスこう可能かのうである[435]とく塑性そせい変形へんけいのうたかいオーステナイトけいは、180密着みっちゃくげのようなきびしい成形せいけいや、複数ふくすう種類しゅるい成形せいけいからるような複雑ふくざつなプレス成形せいけいにも対応たいおうできる利点りてんがある[436]

ただし、普通ふつうこうなどとくらべると、ステンレスこう一般いっぱんてき強度きょうどたかいため加工かこう負荷ふかおおきく、かねがた異常いじょう摩耗まもう焼付やきつきやすい[437]。そのため、かねがた材料ざいりょう表面ひょうめん処理しょり潤滑油じゅんかつゆ選定せんていがよりきびしくなる[437]。ステンレスこうでは、プレスをはなしたのち弾性だんせい変形へんけいぶんだけもともどろうとするスプリングバックがおおきく、とく加工かこう所定しょてい角度かくどねらうときはこのおおきなスプリングバックの考慮こうりょ必要ひつようである[438]一般いっぱんてきに、オーステナイトけいおおきな加工かこう硬化こうかこすためスプリングバックがおおきく、オーステナイト・フェライトけい降伏ごうぶく応力おうりょくたかめのためスプリングバックがおおきい[439]

ステンレスこうとく問題もんだいとなる成形せいけい欠陥けっかんが、オーステナイトけい時期じき、フェライトけいたてれやリジングである[440]成形せいけいせい向上こうじょうさせる場合ばあい、オーステナイトけい場合ばあい重要じゅうようなのが加工かこう硬化こうか特性とくせいである[441]。オーステナイト安定あんてい調整ちょうせいして適切てきせつ度合どあいの加工かこう硬化こうかこるようにすると、成形せいけいせい向上こうじょうする[441]。フェライトけい場合ばあいは、炭素たんそりょう窒素ちっそりょうらすこう純度じゅんどとチタンなどの合金ごうきん元素げんそ添加てんか成形せいけいせい向上こうじょう有効ゆうこうである[442]

また、ステンレスこう場合ばあい、その表面ひょうめん美麗びれいさを商品しょうひん価値かちとすることがおお[437]。そのため、成形せいけい加工かこうちゅう表面ひょうめん損傷そんしょうしないようにとく注意ちゅういようする[443]。ステンレスこう成形せいけい加工かこうでは、潤滑油じゅんかつゆ塗布とふのほか、表面ひょうめん保護ほごのために樹脂じゅしけいのフィルムを表面ひょうめんけてプレス成形せいけいすることもある[444]

鍛造たんぞう[編集へんしゅう]

鍛造たんぞうは、はがねかたまりにハンマやプレスでおおきなちからくわえてかたちつく加工かこうほうで、同時どうじ材料ざいりょう内部ないぶ欠陥けっかんしつぶし、結晶けっしょうつぶ微細びさいなども実現じつげんする[445]一般いっぱんてきには、鍛造たんぞうまえはがねかたまり加熱かねつおこない、ねつあいだまたはゆたかあいだ鍛造たんぞうする[412][446]。オーステナイトけいは、そのいちじるしい加工かこう硬化こうかのため、一般いっぱんてきにはひやあいだ鍛造たんぞうされない[446]せんざいでは、炭素たんそ窒素ちっそごくていりょうして軟質なんしつにし、ニッケルやどう添加てんかして加工かこう硬化こうかおさえたはがねしゅのオーステナイトけい使つかってひやあいだ鍛造たんぞうすることもある[447]

また、ステンレスこうやききをこしやすいので鍛造たんぞうには注意ちゅういようする[446]ゆたかあいだ加工かこうも、炭素たんそこうなどでは表面ひょうめん酸化さんかぶつやききを防止ぼうしする機能きのうたすが、ステンレスこうではこう耐食性たいしょくせいのため表面ひょうめん酸化さんかしづらい[446]。そのため、なんらかの表面ひょうめん皮膜ひまく処理しょりおこなって潤滑じゅんかつせいたかめることがのぞましい[446][448]

切削せっさく[編集へんしゅう]

不要ふよう部分ぶぶんりくずとしてのぞきながら、所望しょもう形状けいじょうつくげるのが切削せっさく加工かこうである[449]切削せっさく加工かこうにおいては、ステンレスこう一般いっぱんてきなん切削せっさく材料ざいりょうといわれる[450]すべての切削せっさく加工かこう自体じたいはステンレスこう適用てきよう可能かのうだが、普通ふつうこうどう、アルミニウムなどと比較ひかくすると切削せっさくしづらい[451]。フェライトけいやきなまし状態じょうたいのマルテンサイトけい炭素たんそこう切削せっさく特性とくせいといえるが、加工かこう硬化こうかせいつよいオーステナイトけい切削せっさくせいとくおと[452]かいそぎせい硫黄いおうこう AISI B1112 を100 とするそぎせい指数しすうれい以下いかしめ[453]

そぎせい指数しすうれい[453]
種類しゅるい はがねしゅ そぎせい指数しすう
硫黄いおうかいそぎこう AISI B1112 100
ていちゅう炭素たんそこう JIS S25C 70
オーステナイトけい代表だいひょうてきこうしゅ JIS SUS304 35
オーステナイトけいかいそぎこう JIS SUS340 60
マルテンサイトけい代表だいひょうてきこうしゅ硬化こうか処理しょりまえ JIS SUS410 50
マルテンサイトけいかいそぎこう硬化こうか処理しょりまえ JIS SUS416 65
フェライトけい代表だいひょうてきこうしゅ JIS SUS430 50
フェライトけいかいそぎこう JIS SUS430F 80

溶接ようせつ[編集へんしゅう]

直流ちょくりゅう被覆ひふくアーク溶接ようせつによるステンレスこう溶接ようせつビードの様子ようす
TIG溶接ようせつによるステンレスこう溶接ようせつビードの様子ようす

材料ざいりょうかして接合せつごうする溶接ようせつには、アーク溶接ようせつ筆頭ひっとうおお種類しゅるい溶接ようせつほう存在そんざいする[454]基本きほんてきにはステンレスこうでもおな溶接ようせつほうもちいられる[454]はがねしゅによる差異さいはあるが、ステンレスこう溶接ようせつして接合せつごうすること自体じたい特段とくだん困難こんなんはない[455]。ただし、ステンレスこうはがねことなる特性とくせいっているめんもあるため、それらの特性とくせいてきした溶接ようせつほう選択せんたくしないと種々しゅじゅ溶接ようせつ欠陥けっかんむなどの不具合ふぐあい原因げんいんとなる[456]。その意味いみでは、ステンレスこう溶接ようせつなんたかいといえる[457]

ステンレスこう炭素たんそこう物理ぶつりてき性質せいしつがかなりことなるめんもあるため、溶接ようせつじょうもこれらの性質せいしつちがいに配慮はいりょ必要ひつようである[458]電気でんき抵抗ていこうについてはつぎのような影響えいきょうがある。被覆ひふくアーク溶接ようせつでは、たか電気でんき抵抗ていこうのために溶接ようせつ電流でんりゅうたかいと発熱はつねついちじるしくなり、溶接ようせつぼうけるおそれがある[459]。そのため、通常つうじょう溶接ようせつ電流でんりゅう普通ふつうこうよりもややひくくする[460]一方いっぽう電気でんき抵抗ていこうによる発熱はつねつ利用りようして溶接ようせつする抵抗ていこう溶接ようせつでは、このたか電気でんき抵抗ていこう利点りてんとしてはたらき、抵抗ていこう溶接ようせつ必要ひつよう電流でんりゅうちいさくて[461]。ステンレスこう薄板うすいた接合せつごうには、抵抗ていこう溶接ようせつ利用りようすることがおお[462]

ねつ伝導でんどうりつせん膨張ぼうちょう係数けいすうについては、とくにオーステナイトけい炭素たんそこうおおきくことなるため溶接ようせつじょう注意ちゅういようする[458]ねつ伝導でんどうりつちいさいため溶接ようせつによるねつげにくく、そのうえせん膨張ぼうちょう係数けいすうおおきいためねつはいった箇所かしょおおきくびようとするため、溶接ようせつ対象たいしょうぶつ変形へんけいこりやすい[457]。また、このような溶接ようせつ変形へんけい拘束こうそくされた結果けっか比較的ひかくてきおおきな残留ざんりゅう応力おうりょくのこり、応力おうりょく腐食ふしょくれの原因げんいんとなることもおお[463]溶接ようせつじょう対策たいさくとしては、固定こていもちいる、溶接ようせつ順序じゅんじょ工夫くふうする、ねつ伝導でんどうりつ金属きんぞくうらてしてねつがすとうおこな[464]

上述じょうじゅつのように溶接ようせつねつによる鋭敏えいびんも、ステンレスこう特有とくゆう溶接ようせつ施工しこう注意ちゅういてんである。その溶接ようせつじょう問題もんだいてんとしては、オーステナイトけい高温こうおん、フェライトけい475°Cもろ、マルテンサイトけい低温ていおん、オーステナイト・フェライトけいオーステナイトりょう変化へんかなどがげられる[465]。フェライトけいやマルテンサイトけいでは、れなどをふせぐために溶接ようせつまえ溶接ようせつ対象たいしょうぶつにある程度ていどねつくわえる予熱よねつ処理しょりおこな[466]一方いっぽうで、オーステナイトけい延性えんせいみ、予熱よねつ処理しょりがかえって有害ゆうがいになることもおおいため、通例つうれい予熱よねつ処理しょりおこなわない[466]溶接ようせつねつくわえるのち熱処理ねつしょりについても、耐食性たいしょくせい確実かくじつにしたいなどの事情じじょうがないかぎりオーステナイトけいでは通例つうれいおこなわない[467]。マルテンサイトけいとフェライトけいでは延性えんせい回復かいふくてんからこう熱処理ねつしょりおこな[468]

また、ステンレスこう金属きんぞく材料ざいりょう溶接ようせつする異種いしゅ金属きんぞく溶接ようせつおこなわれることもある[469]実際じっさい設計せっけいでは、経済けいざいせい考慮こうりょしてそれぞれの使用しよう場所ばしょおうじて必要ひつよう材料ざいりょう選定せんていするので、必然ひつぜんてきことなる材料ざいりょうとの接合せつごう必要ひつようとなる[469]ははざい溶接ようせつざいことなる場合ばあい溶着ようちゃく金属きんぞくははざい組成そせいによって希釈きしゃくされ、溶着ようちゃく金属きんぞく組成そせいわってくる[470]異種いしゅ金属きんぞく溶接ようせつではこのてん考慮こうりょする必要ひつようがあり、予想よそうされる希釈きしゃく組成そせいをもとに上述じょうじゅつシェフラーの組織そしきから溶着ようちゃく金属きんぞく組織そしき予測よそくし、適切てきせつ溶接ようせつざい選択せんたくする[470]。ステンレスこう異種いしゅざい溶接ようせつ可能かのうなのは、おおくのほかはがね、ニッケルおよびニッケル合金ごうきんどうおよびどう合金ごうきんなどである[471]。フェライトけいとマルテンサイトけい溶接ようせつする場合ばあいは、フェライトけい溶接ようせつ材料ざいりょうもちいるのが、オーステナイトけいとフェライトけいあるいはオーステナイトけいとマルテンサイトけい溶接ようせつする場合ばあいは、オーステナイトけい溶接ようせつ材料ざいりょうもちいるのがのぞましいとされる[472]

熱処理ねつしょり[編集へんしゅう]

熱処理ねつしょりは、ステンレスこう製造せいぞう過程かてい最終さいしゅう工程こうていあるいは中間ちゅうかん工程こうていとしておこなわれる[473]とくにステンレスこう場合ばあい、その金属きんぞく組織そしき最終さいしゅうてきめるというてんにおいて熱処理ねつしょり工程こうてい重要じゅうようである[474]熱処理ねつしょり耐食性たいしょくせい機械きかいてき性質せいしつ、さらには物理ぶつりてき性質せいしつにも影響えいきょうするてんでも重要じゅうようせい[473]

かた溶化熱処理ねつしょりは、おもにオーステナイトけいおよびオーステナイト・フェライトけいほどこされる熱処理ねつしょりである[475]具体ぐたいてき温度おんどはがねしゅによってことなるが、おおよそ 950 °C から 1150 °C まで加熱かねつしたのち急冷きゅうれいする[475]かた溶化熱処理ねつしょりによってそれぞれの目的もくてき金属きんぞく組織そしきにし、さらに耐食性たいしょくせい機械きかいてき性質せいしつ回復かいふくさせる[476]とくかた溶化熱処理ねつしょりには、クロム炭化物たんかぶつや窒化ぶつかた溶させ、鋭敏えいびんふせいで耐食性たいしょくせい確実かくじつにする効果こうかがある[477]析出せきしゅつ硬化こうかけいぜん処理しょりとしてもおこなわれる[478]

焼入やきい焼戻やきもどは、おもにマルテンサイトけいほどこされる[479]焼入やきいれは、加熱かねつして組織そしきオーステナイトにしたのち冷却れいきゃくして組織そしきマルテンサイトにする熱処理ねつしょりで、マルテンサイトけいには必須ひっす熱処理ねつしょりといえる[480]。JIS SUS420J2 のれいで、おおよそ 920 °C から 950 °C まで加熱かねつしてあぶらひやする[477]焼戻やきもどしは、うつぼせい回復かいふくするために焼入やきいつづいておこなわれる熱処理ねつしょりで、やく 600–750 °C に加熱かねつして冷却れいきゃくする高温こうおん焼戻やきもどしと、やく 150–200 °C に加熱かねつして冷却れいきゃくする低温ていおん焼戻やきもどしがある[481]

やきなましは、フェライトけいやマルテンサイトけいなどにほどこされる[481]。 おおよそ 780 °C から 900°C に加熱かねつし、空冷くうれいまたはじょひやする[481]。 フェライトけい場合ばあいは、やきなましそのまま使用しようきょうされる[482]やきなましによって、うつぼせい向上こうじょう加工かこうひずみ除去じょきょおこな[479]一方いっぽう、マルテンサイトけい場合ばあいは、成形せいけい切削せっさくぜん段階だんかいとしてやきなまし状態じょうたいにすることがおお[483]。マルテンサイトにしたのちではかたくて成形せいけい切削せっさく困難こんなんになるため、やきなましによってマルテンサイトけい組織そしき一旦いったんフェライト組織そしきにする[483]。その成形せいけい切削せっさくし、それから焼入やきいれ・焼戻やきもどしする[483]。また、有害ゆうがい残留ざんりゅう応力おうりょく除去じょきょする応力おうりょく除去じょきょしょうなましなどをオーステナイトけいほどこすこともある[484]

時効じこう硬化こうか処理しょり析出せきしゅつ硬化こうかけい特有とくゆう熱処理ねつしょりで、かた溶化熱処理ねつしょり材料ざいりょう加熱かねつ一定いってい時間じかん保持ほじし、析出せきしゅつ硬化こうかこさせる[485]高温こうおん時効じこう硬化こうか処理しょりおこなえば保持ほじ時間じかんみじかくできるが、達成たっせい可能かのう強度きょうどひくくなる[486]。マルテンサイトけい析出せきしゅつ硬化こうかがたの 630 のれいでは、470 °C で1あいだ保持ほじして空冷くうれいという条件じょうけんや 630 °C で4あいだ保持ほじして空冷くうれいという条件じょうけん規定きていされている[487]

ステンレスこう熱処理ねつしょり上気じょうきけるべきてんとしては、フェライトけい475°C脆性ぜいせいσしぐまあいもろ、マルテンサイトけい焼戻やきもど脆性ぜいせいなどがあり、適切てきせつ温度おんど制御せいぎょもとめられる[488]。また、加熱かねつによる結晶けっしょうつぶ粗大そだい注意ちゅういてんである[489]

表面ひょうめん仕上しあ[編集へんしゅう]

ステンレスこう金属きんぞく表面ひょうめんさらして利用りよう可能かのうなため、様々さまざま意匠いしょう用途ようと使つかわれてきた[490]。このため、ステンレスこうにはおおくの表面ひょうめん仕上しあ方法ほうほう開発かいはつされている[490]あたらしい表面ひょうめんをつくるために、複数ふくすう表面ひょうめん処理しょり方法ほうほうわすこともある[491]

仕上しあ表面ひょうめん状態じょうたいは、のみならず耐食性たいしょくせいにも影響えいきょうし、このてんでも表面ひょうめん仕上しあげは重要じゅうようとなる[492]一般いっぱんてきには、表面ひょうめんなめらかであるほど腐食ふしょくきにくくなるといえる[493]たとえば、グラインダーされたままの表面ひょうめん状態じょうたいでは、おな環境かんきょう比較ひかくして本来ほんらい発揮はっきできるはずの耐食性たいしょくせいよりもあなしょくなどの局部きょくぶ腐食ふしょくきやすいといったことがある[494]

圧延あつえん仕上しあ[編集へんしゅう]

独立どくりつひゃく周年しゅうねん記念きねんしててられたメキシコ・トルーカにあるとうのモニュメント。304Lの2B仕上しあざい使つかわれている[495]

ステンレスこう板材いたざいは、基本きほんてきには圧延あつえん仕上しあげで製造せいぞうされ、市場いちば供給きょうきゅうされる[496]。ステンレスこう場合ばあい金属きんぞく表面ひょうめんのまま利用りよう可能かのうなので、追加ついか表面ひょうめん仕上しあげをおこなわない圧延あつえん仕上しあげのままでも意匠いしょうようとして利用りようできる[497]仕上しあ内容ないようしめ記号きごう規格きかくてられている。JISまたはASTM制定せいていされているステンレスこう代表だいひょうてき圧延あつえん仕上しあげについて以下いかしめす。

No.1
あらめの表面ひょうめんで、ぎん白色はくしょくまたは白色はくしょくをした光沢こうたく仕上しあ[498][499]ねつあいだ圧延あつえん完了かんりょう熱処理ねつしょりおこない、さんあらいでスケール除去じょきょおこなった状態じょうたいで、この表面ひょうめん状態じょうたいとなる[498][499]おもに、表面ひょうめん光沢こうたくもとめられない用途ようと使つかわれる[500][501]
No.2D
にぶ灰色はいいろまたはぎん白色はくしょくで、光沢こうたくすくなく、つや調ちょう仕上しあ[498][501]ひやあいだ圧延あつえんのちに、熱処理ねつしょりさんあらいおこなった状態じょうたい[498]。あるいは、ダルロールでかる圧延あつえんしても、この表面ひょうめん状態じょうたいることもできる[499]幅広はばひろ用途ようと使つかわれている仕上しあげである[500][501]とくに、よわめの光沢こうたくもとめられる用途ようと使つかわれ、屋根やねなどの建材けんざいおお利用りようおお[493]
No.2B
No.2Dよりもなめらかな表面ひょうめんで、ぎん白色はくしょくのやや光沢こうたくがある仕上しあ[498][501]。No.2Dざい鏡面きょうめんロールでかる圧延あつえんすることでられる[498][501]一般いっぱん用途ようとけの仕上しあげで、ステンレス鋼材こうざいだい部分ぶぶんはこの仕上しあげで市販しはんされている[499][501][493]
BA
No.2Bよりもなめらかな表面ひょうめんで、光沢こうたくありの仕上しあ[499][501]ひやあいだ圧延あつえんに、熱処理ねつしょり光輝こうき熱処理ねつしょりおこなった状態じょうたい表面ひょうめん[499][501]。さらに、鏡面きょうめんロールによるかる圧延あつえんおこなうこともある[500][501]装飾そうしょくひん家電かでん自動車じどうしゃ部品ぶひん台所だいどころ用品ようひんなどで使つかわれる[500][501]。さらに鏡面きょうめん仕上しあげをおこな場合ばあいも、BA仕上しあげの素材そざい使つかわれる[493]

のステンレスこうけの圧延あつえん仕上しあげとしては、ダル仕上しあげやエンボス仕上しあげがある[497]。どちらも表面ひょうめん凹凸おうとつ圧延あつえんロールで圧延あつえんすることで、その凹凸おうとつ素材そざい表面ひょうめん転写てんしゃする仕上しあ方法ほうほうで、ダル仕上しあげは不規則ふきそく凹凸おうとつ模様もようあたえ、エンボス仕上しあげは規則きそくてき凹凸おうとつ模様もようあたえる[502]。ダル仕上しあげの場合ばあいは、にぶ光沢こうたくおさえたいたになる[503]。エンボス仕上しあげは、ファッションてき模様もようにする[503]

研磨けんま仕上しあ[編集へんしゅう]

ゴベット・ブリュースター美術館びじゅつかん英語えいごばんのレン・ライ・センターのファサードそとばん。316Lの鏡面きょうめん仕上しあざい使つかわれている[504]

ステンレスこう表面ひょうめん仕上しあげによく使つかわれているのが、研磨けんまほどこした仕上しあげである[505]研磨けんま仕上しあざいおも外観がいかん装飾そうしょくする用途ようと使つかわれ、普段ふだんにするステンレスこうせい装飾そうしょく金物かなもの台所だいどころ用品ようひんおおくは研磨けんま仕上しあげがされている[506]

研磨けんま仕上しあげの場合ばあい市場いちば流通りゅうつうしている研磨けんま素材そざい使用しようする場合ばあいほかに、プラントのタンクなどのように設備せつび施工しこう研磨けんまする場合ばあいもある[507]研磨けんま仕上しあげのおも手法しゅほうは、研磨けんまのこらせるベルト研磨けんま鏡面きょうめん仕上しあげることを目的もくてきとするバフ研磨けんまの2種類しゅるいである[508]硫黄いおうけい研磨けんまは、研磨けんまにステンレスこう表面ひょうめん硫化りゅうかぶつ生成せいせいし、耐食性たいしょくせい劣化れっかさせることがあるので注意ちゅういようする[509]研磨けんま仕上しあげも、規格きかく仕上しあ内容ないようしめ記号きごうてられている。JISまたはASTMで制定せいていされている代表だいひょうてき研磨けんま仕上しあげについて以下いかしめす。

No.4
光沢こうたくがあり、こまかな研磨けんまのこされた表面ひょうめん仕上しあ[498]。JISでは#150から#180のとぎつぶ研磨けんまベルト研磨けんまして仕上しあげる[498]。ASTMでは#120から#150をもちいる[499]
HL
連続れんぞくしたせんじょうこまかい研磨けんまいた表面ひょうめん仕上しあ[498]。#150から#240程度ていど研磨けんまベルトで仕上しあげられる[498]建材けんざい用途ようと一般いっぱんてき仕上しあげで、建物たてもの内装ないそう外装がいそう使つかわれる[510]
No.6
光沢こうたくひくい、つや梨地なしじ(サテン)の仕上しあ[500][499]仕上しあ方法ほうほうは、No.4仕上しあざいをタンピコブラシで研磨けんまするのが典型てんけいてき方法ほうほう[500]
No.8
光沢こうたくたかく、研磨けんま除去じょきょされ、たか反射はんしゃりつ鏡面きょうめんじょう仕上しあ[498]。いわゆる鏡面きょうめん仕上しあげに相当そうとうする[511][501]こまかい研磨けんまざい研磨けんましたのち鏡面きょうめんようバフで最終さいしゅう研磨けんまして仕上しあげる[499]装飾そうしょくよう反射はんしゃきょう使つかわれる[501]

研磨けんま方法ほうほうとしては、小物こもの研磨けんまもちいるバレル研磨けんま電解でんかいえきひたして表面ひょうめん電解でんかいさせる電解でんかい研磨けんま英語えいごばんがある[512]。ステンレスこう電解でんかい研磨けんまには、リンさん硫酸りゅうさん硝酸しょうさん電解でんかいえきとしてよく使つかわれる[513]電解でんかい研磨けんまとぎつぶによる機械きかいてき研磨けんまふくあわさせた手法しゅほうもあり、よりたか平滑へいかつ表面ひょうめんられる[514]

化学かがく発色はっしょく皮膜ひまく[編集へんしゅう]

化学かがく発色はっしょく皮膜ひまくによる発色はっしょくをさせたステンレスこうコースター[515]
化学かがく発色はっしょくさせたステンレスこう使つかったサウスウエストオレゴン地域ちいき空港くうこう外壁がいへき[516]

ステンレスこう金属きんぞく素地そじ露出ろしゅつさせて使つかうのが一般いっぱんてきだが、ニーズの多様たようこたえるかたち近年きんねんでは着色ちゃくしょくしたステンレスこう利用りようされている[517]用途ようとによっては銀色ぎんいろ金属きんぞく光沢こうたくつめたい印象いんしょうきら場合ばあいもあり、そういっためんからも着色ちゃくしょくもとめられる[518]

ステンレスこう着色ちゃくしょく方法ほうほうには、後述こうじゅつ塗装とそうのほかに、表面ひょうめん酸化さんか皮膜ひまくつくり、ひかり干渉かんしょうしょく利用りようする方法ほうほうがある[519]酸化さんか皮膜ひまくあつさをえることで、干渉かんしょうしょくえることができる[519]。この方法ほうほうには様々さまざまなものが存在そんざいするが、実用じつようてきにはインコほう主流しゅりゅうである[497]

インコほうは、硫酸りゅうさん酸化さんかクロムのよく浸漬しんせきして発色はっしょくさせる工程こうていと、さらに硫酸りゅうさんとリンさんよく浸漬しんせき電解でんかいし、酸化さんか皮膜ひまく強固きょうこにする工程こうていから[519]。できあがる酸化さんか皮膜ひまくは「化学かがく発色はっしょく皮膜ひまく」とばれる[520]化学かがく発色はっしょく皮膜ひまく組成そせいはクロムにゆたかみ、あつみはステンレスこう元来がんらいはたらけたい皮膜ひまくよりもいちじるしくおおきい[519]。ただし、化学かがく発色はっしょくほうによる酸化さんかまくは、元来がんらいはたらけたい皮膜ひまくことなりきずついたら回復かいふくしない[521]浸漬しんせき時間じかんおうじて化学かがく発色はっしょく皮膜ひまくあつみがわり、あつみがすにしたがって発色はっしょくが「ブロンズ → あお金色きんいろあかみどり」とわる[497][521]化学かがく発色はっしょく皮膜ひまくあつさは、ブロンズのときに 0.02 μみゅーm 程度ていどみどりのときに 0.36 μみゅーm 程度ていどである[516]現在げんざいでは発色はっしょく硬化こうかけずに、おな工程こうていいちおこな技術ぎじゅつ実用じつようされている[522]以前いぜん化学かがく発色はっしょくほう発色はっしょく均一きんいつさを克服こくふくできなかったが、現在げんざいではぜん処理しょり技術ぎじゅつ向上こうじょうなどによって均一きんいつ発色はっしょく可能かのうとなっている[523]

塗装とそう[編集へんしゅう]

白色はくしょく塗装とそうされたステンレスこうでつくられた野外やがい彫刻ちょうこく[516]ジャウメ・プレンサの「ノマド」。

かつては、ステンレスこう使つかうときにはその耐食性たいしょくせい金属きんぞくてき外観がいかんこのまれ、ステンレスこう塗装とそうすることはほとんどなかった[524]。しかし、近年きんねんでは塗装とそうがなされたステンレスこうおお利用りようされており、「塗装とそうステンレスこう」とばれる[525][497]

塗装とそうされたステンレスこう自体じたいは、普通ふつうこう塗装とそうしたものとわらない[497]。ステンレスこう塗装とそうおこな理由りゆうとしては、装飾そうしょくのためにカラフルなにしたいことのほかに、腐食ふしょく保護ほご信頼しんらいせいたかさがある[526]普通ふつうこう塗装とそうしたものだと、塗膜とまく欠損けっそんしたときにそこからあらわれる地肌じはださびしょうじるが、ステンレスこう塗装とそうした場合ばあいあらわれる地肌じはだ耐食性たいしょくせいたかいためはつさびしょうじにくい[527]着色ちゃくしょくほうよりも、塗装とそう加工かこうコストが廉価れんかという長所ちょうしょもある[501]。また、金属きんぞくてき外観がいかんかしつつも、よごれや指紋しもんきにくくするために、クリア塗装とそうやカラークリア塗装とそうもステンレスこう塗装とそう利用りようされている[528]

ステンレスこう塗装とそう使つかわれている塗料とりょうは、耐食性たいしょくせい向上こうじょう観点かんてん重視じゅうしするときは、たいこうせいたかいシリコン変成へんせいポリエステル、シリコン変成へんせいアクリル樹脂じゅしフッ素ふっそ樹脂じゅし利用りよう一般いっぱんてきである[529]。ステンレスこう表面ひょうめん活性かっせいはたらけたい皮膜ひまくおおわれているため、一般いっぱんてき有機ゆうき皮膜ひまくとの密着みっちゃくせいくない[525]脱脂だっしして表面ひょうめんよごれや油分ゆぶんのぞく、ショットブラストやさんあらい方面ほうめん適度てきどあらくして塗料とりょういつきをくする、といった適当てきとうぜん処理しょりおこなえば、一般いっぱんてき鋼板こうはんおなじように塗装とそうできる[530]

めっき[編集へんしゅう]

溶融ようゆう亜鉛あえんめっきステンレスを使つかったかわら[531]鳴門なるとトリーデなると

めっきもステンレスこう使つかわれている表面ひょうめん処理しょりである[532]耐食性たいしょくせい装飾そうしょくせい導電性どうでんせい向上こうじょうといった目的もくてきから、めっきがステンレスこうにも利用りようされている[532]電気でんきめっき溶融ようゆうめっきもステンレスに施工しこう可能かのうだが、めっきの密着みっちゃく確実かくじつにするじょうでステンレスこうはたらけたい皮膜ひまく問題もんだいとなる[533]。そのため、電気でんきめっきではストライクめっきなどのぜん処理しょり必要ひつようとなる[534]。ガス還元かんげんほうによる溶融ようゆうめっきでも、ぜん処理しょりとしてべつのめっきをおこな[535]

耐食性たいしょくせい目的もくてきとしたステンレスこうへのめっきとしては、溶融ようゆうアルミニウムめっきのれいられる[536]。アルミニウムは自然しぜん電位でんいがステンレスこうよりも卑であるため、犠牲ぎせい陽極ようきょくとしてはたらき、ステンレスこう素地そじあなしょく防止ぼうしなどの効果こうかがある[537]自動車じどうしゃ排気はいきけい部品ぶひんたいねつようフェライトけいステンレスこう溶融ようゆうアルミニウムめっきすることで、304けいみの耐食性たいしょくせい付与ふよさせたれいなどがある[538]

装飾そうしょくようには、きむめっきやぎんめっきがふるくからもちいられている[539]いぶしかわら色合いろあいをすことをねらった、溶融ようゆう亜鉛あえんメッキステンレスせいかわられいなどがある[540]導電性どうでんせい向上こうじょう観点かんてんからは、ニッケルめっきやきむめっきがほどこされる[541]電気でんきニッケルめっきをほどこして導電性どうでんせい耐食性たいしょくせい両立りょうりつさせたステンレスこうが、ボタン電池でんちなどで使つかわれている[540]

その表面ひょうめん処理しょり[編集へんしゅう]

ほかにも、ブラスト処理しょりエッチングはたらけたい処理しょり物理ぶつり蒸着じょうちゃくほう(PVD)など、ステンレスこう適用てきようされる様々さまざま表面ひょうめん仕上しあげが存在そんざいする。

ブラスト処理しょりは、適当てきとう材質ざいしつちいさなつぶ表面ひょうめん高速こうそくでたたきつけてスケールの除去じょきょ素地そじ調整ちょうせいおこな処理しょり[542]表面ひょうめん仕上しあげとしては、ビーズブラストなどで方向ほうこうせいたないてい光沢こうたく表面ひょうめんるのに使つかわれている[496]。エッチングは、表面ひょうめん部分ぶぶんてきかし、文字もじをステンレスこう表面ひょうめんにつくる処理しょりである[543]はたらけたい処理しょりは、はたらけたい程度ていど意識いしきてき向上こうじょうさせたいときにおこな処理しょりで、硝酸しょうさんなどに浸漬しんせきしておこなわれる[544]。PVDは、近年きんねん発達はったつしてきたドライプロセスによる表面ひょうめん処理しょり一種いっしゅで、ステンレスこう場合ばあいうすいセラミックそう蒸着じょうちゃくさせて色付いろづけや耐久たいきゅうせい向上こうじょうのために使つかわれている[516]

用途ようと[編集へんしゅう]

ステンレスこうは、その耐食性たいしょくせいかして、にち用品ようひん業務ぎょうむよう機器きき建設けんせつ自動車じどうしゃ鉄道てつどう電気でんき機器きき産業さんぎょう機械きかいなど、様々さまざま分野ぶんや幅広はばひろ使つかわれている[545]使用しよう分野ぶんやとくかたよりはなく、用途ようと多種たしゅ多様たようといえる[546]。2019ねん統計とうけいによると、金属きんぞく製品せいひん全般ぜんぱんが 37.5 %、機械きかいるいが 29.1 %、建設けんせつ関連かんれんが 12.2 %、自動車じどうしゃ関連かんれんが 8.5 %、電気でんき機器ききが 7.7 %、その輸送ゆそう機器ききが 4.9 % という使用しよう割合わりあいとなっている[547]

耐食性たいしょくせいくわえて、高温こうおん環境かんきょう低温ていおん環境かんきょうへのたいせいがあり、はがねしゅによって物理ぶつりてき性質せいしつ機械きかいてき性質せいしつことなるため、ステンレスこう多様たようかたち利用りようされる[548]。ステンレスこう競合きょうごうする材料ざいりょうには、塗装とそうめっきホーローなどの表面ひょうめん処理しょりほどこしたはがねポリプロピレンのような樹脂じゅし材料ざいりょうアルミニウムチタンなどの金属きんぞく材料ざいりょうなどがあり、要求ようきゅう特性とくせいとコストのバランスのなか材料ざいりょう選択せんたくされる[549]

食卓しょくたく厨房ちゅうぼう食品しょくひん産業さんぎょう[編集へんしゅう]

ステンレスこうせいのスプーンと食卓しょくたくナイフ

フォーク、スプーン、ナイフなどのカトラリーるいでは、ステンレスこう多量たりょう使つかわれており、ステンレスせいカトラリーのシェアは圧倒的あっとうてきといってもいいほどおおきい[550]ふるくはステンレスこう実用じつようされたときから、ステンレスこう有用ゆうよう使つかみちとしてステンレスせいカトラリーが使つかわれてきた[551]一般いっぱんてきなカトラリーにはオーステナイトけいもちいられ、高級こうきゅう食卓しょくたくようナイフにはこう硬度こうどなマルテンサイトけい利用りようされている[552]。また、ステンレスせいはし韓国かんこくでは利用りよう浸透しんとうしている[553]

調理ちょうり器具きぐでは、ステンレスせい包丁ほうちょう主流しゅりゅうである[554]刃物はものるいには、こう炭素たんそのマルテンサイトけい焼入やきいもどざい使用しようして、ロックウェルかたが 50 から 60 のこう硬度こうど実用じつようきょうされる[555]刃先はさきとなるしんざいにはマルテンサイトけい使つかい、それをフェライトけいはさんだ構造こうぞう包丁ほうちょうなどもある[556]には、トレイ、ボウル、おたまなどの調理ちょうり器具きぐもステンレスせいおお[550]

ステンレスこうせい台所だいどころながだい

台所だいどころながだいも、現在げんざいではステンレスせい定番ていばんとなっている[557]。ホーローや人工じんこう大理石だいりせきなどのほか材料ざいりょう比較ひかくすると、ステンレスせいながだい耐久たいきゅうせいがあり、メンテナンスしやすい[557]。ステンレスせいながだい本体ほんたいは、板材いたざいからプレス成形せいけいつくられる[558]台所だいどころてんばんでも、ステンレスこう選択肢せんたくしひとつで、エンボス仕上しあげや着色ちゃくしょく処理しょりによる外観がいかんくしたものも採用さいようされている[558]

ステンレスせい外輪がいりんなべそこがIH調理ちょうり対応たいおうとなっている。

なべフライパンなどでもステンレスせい使つかわれている[550]。ただし、ステンレスこうねつ伝導でんどうがあまりよくないので、ステンレスこうでアルミをはさんださんそう構造こうぞうクラッドこうなどにして対策たいさくされる[550]IH調理ちょうりようには、磁性じせいのあるフェライトけい普通ふつうこうふくあわさせた、ステンレスクラッドこう使つかわれる[559]業務ぎょうむよう厨房ちゅうぼうは、ながだい、テーブル、ケースるいいたるまで、清潔せいけつさをたもつために清浄せいじょうしやすいステンレスこう全面ぜんめんてき使つかわれている[560]魔法瓶まほうびん水筒すいとうもステンレスこう使つかった製品せいひんで、ステンレス鋼管こうかんのプレス成形せいけいつくられる[561]魔法瓶まほうびん水筒すいとう場合ばあいは、ステンレスこうねつ伝導でんどうわるさをぎゃく有効ゆうこう活用かつようしている事例じれいといえる[561]

食品しょくひん産業さんぎょうでは、食品しょくひん接触せっしょくする部分ぶぶんおおくがステンレスされている[562]清潔せいけつだいいちとする食品しょくひん機器ききでは、むかしからステンレスこう多量たりょう使つかわれてきた[563]食品しょくひん産業さんぎょうのステンレスこう特徴とくちょうは、食品しょくひん接触せっしょくする部分ぶぶんには研磨けんま仕上しあげを標準ひょうじゅんとしているてんである[564]。これによって、もし食品しょくひん接触せっしょくめんにかききず微小びしょうあながあったときに、そこに食品しょくひんはいみ、清掃せいそうにものこってしまうような事態じたいこらないようにしている[564]はがねしゅおもに304けい使つかわれており、より耐食性たいしょくせいようする箇所かしょには316けい使つかわれている[565]

電気でんき機器きき電子でんし機器きき[編集へんしゅう]

ステンレスせい冷蔵庫れいぞうこ

電気でんき製品せいひんでは、製品せいひん主部しゅぶから小物こもの部品ぶひんまで幅広はばひろくステンレスこう使つかわれている[566]消費しょうひしゃ高級こうきゅう志向しこうもあり、電気でんき製品せいひんへのステンレスこう適用てきよう増加ぞうか傾向けいこうにある[566]しろぶつ家電かでんでは、冷蔵庫れいぞうこしょくあらい炊飯すいはん電子でんしレンジなどでステンレスこう使つかわれており、たい指紋しもんせい抗菌こうきんせいのためにクリア塗装とそうほどこすこともある[567]洗濯せんたくでは清潔せいけつかんさから洗濯せんたくそうのステンレスすすんでおり、とくにドラムしき洗濯せんたくのドラムはステンレスせい標準ひょうじゅんてきである[568]電気でんきポット内部ないぶ容器ようき電気でんき給湯きゅうとうのタンクでもステンレスこう採用さいようしており、ステンレスせい給湯きゅうとうタンクではあなしょく応力おうりょく腐食ふしょくれへの対策たいさくとしてこうたいしょくフェライトけいの444けい使つかわれている[569][570]

電子でんし機器ききるいでもステンレスこう使つかわており、おおくは小物こもの部品ぶひん使つかわれている[571]電子でんし機器きき使用しよう環境かんきょうはオフィスや家庭かていといった腐食ふしょくきびしい環境かんきょうではないため、耐食性たいしょくせい問題もんだいとなることは比較的ひかくてきすくない[571]携帯けいたい電話でんわ部品ぶひんハードディスクドライブなどでは、磁性じせい要求ようきゅうからステンレスこう使つか場合ばあいもある[567]

輸送ゆそう機器きき[編集へんしゅう]

ステンレス車両しゃりょうれいハンブルク地下鉄ちかてつはしるDT5。加工かこう硬化こうかされた AISI 301 LN(EN 1.4318)を使用しよう[572]

現在げんざい鉄道てつどう車両しゃりょうは、車体しゃたい構体)がステンレスせいであるステンレス車両しゃりょう車体しゃたいアルミニウム合金ごうきんせいであるアルミ車両しゃりょう、この2種類しゅるい主流しゅりゅうである[573]。ステンレス車両しゃりょうでは、以前いぜん普通ふつうこうせい車体しゃたい車両しゃりょうくらべると塗装とそう省略しょうりゃくすることができ、保守ほしゅ手間てますくない[573]。さらに、塗装とそう腐食ふしょくだい省略しょうりゃくできるため軽量けいりょう可能かのうとなっている[573]鉄道てつどう車両しゃりょう車体しゃたいようには、オーステナイトけいてい炭素たんそ耐食性たいしょくせいたかめたはがねしゅ使つかわれており、さらに加工かこう硬化こうかによるこう強度きょうどほどこされて使つかわれている[574]。ステンレス車両しゃりょうのコストは普通ふつうこうせいよりもたかいが、アルミ車両しゃりょうよりはやすく、通勤つうきん車両しゃりょう中心ちゅうしんにステンレス車両しゃりょう多用たようされている[575]。ステンレス構体の組立くみたてには抵抗ていこうスポット溶接ようせつもちいられており、近年きんねんでは、ひずみがちいさく溶接ようせつ速度そくどはやレーザー溶接ようせつもちいられている[576][577]

ステンレスせいのボディをつデロリアン・DMC-12

自動車じどうしゃでは、エンジンで発生はっせいした燃焼ねんしょうガスが排気はいきされるまでの排気はいきけいで、ステンレスこうがもっとも利用りようされている[578]エキゾーストマニホールドからマフラーいた排気はいきけい部品ぶひんのほとんどでステンレスこう使用しようしており、はがねしゅねつ膨張ぼうちょう係数けいすうひくくコストが比較的ひかくてきやすいフェライトけいおも使つかわれている[579]排気はいきけい部品ぶひんでステンレスこう利用りよう一般いっぱんした背景はいけいとしては、はいガス規制きせい強化きょうかがある[580]。この規制きせい強化きょうかまもるために、エンジン燃焼ねんしょう温度おんど上昇じょうしょう必要ひつようとなり、排気はいきけい部品ぶひんへのステンレスこう適用てきようすすんだ[580]。より高温こうおんのエンジンちかくの部品ぶひんには、たい熱性ねっせい重視じゅうししたはがねしゅ選択せんたくされ、比較的ひかくてき低温ていおんのマフラーがわ部品ぶひんには、耐食性たいしょくせいすぐれたはがねしゅ選択せんたくされる[581]排気はいきけい以外いがいでステンレスこう使用しよう一般いっぱんしているものとしては、外装がいそう装飾そうしょくモールやエンジンで使用しようされているメタルガスケットなどがある[582]反面はんめん、ボディにステンレスこうもちいられたれいきわめてすくなく、2021ねん現在げんざいではデロリアン・DMC-12およテスラ・サイバートラック採用さいようした程度ていどとどまっている[583]

自転車じてんしゃようのステンレスせいディスクブレーキローター

二輪車にりんしゃ分野ぶんやでは、オートバイマウンテンバイク使つかわれるディスクブレーキローター(ブレーキディスク)に、ステンレスこう常用じょうようされている[584]自動車じどうしゃではローター材料ざいりょう炭素たんそこう鋳鉄ちゅうてつおおいのにたいして、二輪車にりんしゃでは外見がいけんさも重要じゅうようなことからステンレスこう主流しゅりゅうとなっている[585][586]。ローターにはつよ摩擦まさつりょくはたらき、摩耗まもう問題もんだいとなるため、ローターの硬度こうどがある程度ていど以上いじょうたかいことがのぞましい[587]一方いっぽうで、ブレーキ摩擦まさつねつ発生はっせいするためたい熱性ねっせいもとめられる[586]。そのため、こう硬度こうどたい熱性ねっせい耐食性たいしょくせいのバランスがいいマルテンサイトけいが、ローターの材料ざいりょうとしてひろ実用じつようされている[588]

耐食性たいしょくせいたかいステンレスこうだが、船舶せんぱく分野ぶんやでは使用しようはそれほどおおくない[589]下記かき#海洋かいよう海水かいすい環境かんきょう参照さんしょう)。船舶せんぱくにおけるステンレスこうおも使用しよう箇所かしょげられるのは、ケミカルタンカーLNGタンカーにおけるタンク用材ようざいりょうで、ステンレスこう耐食性たいしょくせい低温ていおん特性とくせいかして使用しようされる[590]。ケミカルタンカーでは、国際こくさい海事かいじ機関きかんさだめた国際こくさい規則きそく一部いちぶ化学かがく薬品やくひんようのタンクにはステンレスこう使用しよう義務ぎむづけている[591]天然てんねんガスを −162 °C に冷却れいきゃくした液化えきか天然てんねんガス(LNG)をはこぶLNGタンクには、ニッケル合金ごうきんほかに、304 や 304L などのオーステナイトけいステンレスこうもちいられる[592][593]こう強度きょうど腐食ふしょく疲労ひろうたいせいもとめて、スクリュープロペラにステンレス鋳鋼ちゅうこう採用さいようされる場合ばあいもある[594]

航空機こうくうき分野ぶんやでは、機体きたい材料ざいりょう全体ぜんたいてき傾向けいこうとして、鉄鋼てっこう材料ざいりょう自体じたいがチタン合金ごうきん、アルミニウム合金ごうきんふくあい材料ざいりょうなどにってわられつつある[595]航空機こうくうきでステンレスこうとく使つかわれている箇所かしょは、強固きょうこ特性とくせいもとめられる機械きかい部品ぶひんるいおお[596]あし油圧ゆあつ機器きき、ラッチ、ロッド、ヒンジるいなどで、ステンレスこうもちいられている[597]

ロケット宇宙船うちゅうせん用途ようとでは、スペースXスターシップ・スーパーヘビーロケットで300だい(オーステナイトけい)のステンレスこうもちいられている[598]高温こうおんでも低温ていおんでもたか強度きょうどたもてることが理由りゆうとされてる[598]

建築けんちく土木どぼく[編集へんしゅう]

クライスラー・ビルディングだんがた尖塔せんとう外装がいそうはステンレスこう使用しようしている。

建築けんちくぶつでは、そのさを理由りゆう外装がいそうよう内装ないそうようともにステンレスこう使つかわれている[599]外装がいそうようとしては、とく屋根やねようファサードようにステンレスこうふるくから使つかわれてきた[600]ニューヨーククライスラー・ビルディングは、外装がいそうにステンレスこう採用さいようした最初さいしょ著名ちょめい建築けんちくぶつとしてられる[601]。クライスラー・ビルディングの尖塔せんとう外装がいそうにオーステナイトけい使つかわれており、1930年代ねんだいてられて海岸かいがん地帯ちたい存在そんざいするにもかかわらず、今日きょうかがやきをたもっている[602]一方いっぽう建築けんちくぶつ荷重かじゅうささえる構造こうぞう材料ざいりょうでは普通ふつうこう主流しゅりゅうである[603]近年きんねんでは鉄筋てっきんコンクリート使つかわれるステンレスせい異形いぎょう鉄筋てっきん実用じつようされており、構造こうぞうざい用途ようとけのステンレスこう適用てきよう拡大かくだい検討けんとうされている[604]

建物たてもの内部ないぶでは、ドアノブ蝶番ちょうつがい換気かんきこうまどわく、クレセント、カーテンレールすりなど、様々さまざま建築けんちく金物かなものにステンレスこう使つかわれている[605]普通ふつうこう表面ひょうめん処理しょりこうむかし使つかわれていたが、腐食ふしょく対策たいさく高級こうきゅう志向しこうから、ドアノブのような目立めだ箇所かしょにはステンレスこう使つかわれるようになった[606]。ビルの内装ないそうざいとしてはヘアライン仕上しあげのステンレスこうおももちいられるが、くちやエレベーター周辺しゅうへんでは鏡面きょうめん仕上しあげのステンレスこうもアクセントとしてもちいられることもある[599]

ステンレスせい高欄こうらん

土木どぼく分野ぶんやでは、水門すいもんとびらたいあたり、橋梁きょうりょう高欄こうらんすり)で、美観びかん維持いじとメンテナンスフリーのためにステンレスこう使つかわれている[607]公共こうきょう施設しせつ公園こうえんにある案内あんないばんといったものも、保全ほぜんコストの削減さくげんのためにステンレスこうすすんでいる[608]

ドーム球場きゅうじょうコンベンション・センターのような大型おおがた建造けんぞうぶつ屋根やねも、メンテナンスフリーや美観びかん向上こうじょうのために、ステンレスこう使用しよう浸透しんとうしている[609]屋根やね日射にっしゃ気温きおんによる温度おんど変化へんかこるため、大型おおがた屋根やねではねつ膨張ぼうちょうりつひくいフェライトけい使用しようのぞましい[610]海浜かいひん地区ちくなどの腐食ふしょくきびしい場所ばしょてられる場合ばあいは、こうたいしょくステンレスこう塗装とそうステンレスこう適用てきようされる[611]

化学かがく工業こうぎょう[編集へんしゅう]

硝酸しょうさん工業こうぎょうでは、きょうにえ濃度のうど以下いか硝酸しょうさんであれば304けいのステンレスこう十分じゅうぶん耐用たいようでき、304L が硝酸しょうさんあつか器具きぐ装置そうち材料ざいりょうとしてひろ利用りようされている[612]歴史れきしてきにも、ステンレスこう実用じつよう最初さいしょ大量たいりょう使用しようひとつが硝酸しょうさんあつか用途ようとであった[613]

硫酸りゅうさん幅広はばひろもちいられている基礎きそ化学かがく原料げんりょうひとつだが、かぎられた硫酸りゅうさん濃度のうど範囲はんいでしかステンレスこうはたらけたいしないため、硫酸りゅうさんあつかうのにステンレスこう使用しよう範囲はんいかぎられている[614]窒素肥料ちっそひりょうとなる硫安りゅうあん製造せいぞうでは、硫安りゅうあん腐食ふしょく作用さよう緩和かんわするため結晶けっしょうかんに 316 などをもちいている[615]

石油せきゆ精製せいせいでは、高温こうおん耐食性たいしょくせい高温こうおん強度きょうどといったニーズからステンレスこう適用てきようおお[616]。300 °C から500 °C の高温こうおん、3 MPa から 20 MPa のこうあつ硫黄いおうぶん除去じょきょする水素すいそ脱硫だつりゅう装置そうちでは、たいつぶかい腐食ふしょくせいたかめた安定あんていオーステナイトけいの 321 や 347 が使つかわれている[616][617]つねあつ蒸留じょうりゅう装置そうちでは、原油げんゆを 300 °C 前後ぜんごまで加熱かねつして原油げんゆ分留ぶんりゅうしており、装置そうちきびしい高温こうおん腐食ふしょく環境かんきょうさらされる[616]日本にっぽんでは、劣化れっか防止ぼうしまではできていないものの、応力おうりょく腐食ふしょくれの懸念けねんすくないフェライトけい SUS405 クラッドこうつねあつ蒸留じょうりゅう装置そうち材料ざいりょうもちいられている[618]

製紙せいしぎょう腐食ふしょくつね問題もんだいとなってきた分野ぶんやで、ステンレスこう実用じつよう初期しょきからステンレスこう活用かつようされてきた[619]。よく使つかわれているはがねしゅはオーステナイトけいで、パルプ製造せいぞう連続れんぞくふけかいがまでは内側うちがわを 304L にしたクラッドこう使つかわれ、二酸化にさんか塩素えんそ使つかうパルプ漂白ひょうはくのより腐食ふしょくきびしい工程こうていではスーパーステンレスこう必要ひつようになる[620]。パルプからかみをつくるしょう工程こうていでは、圧搾あっさく脱水だっすいおこなうサクションロールに耐食性たいしょくせい疲労ひろう強度きょうど考慮こうりょしてオーステナイト・フェライトけいおも使つかわれている[620]

海洋かいよう海水かいすい環境かんきょう[編集へんしゅう]

塩化えんかぶつイオン多量たりょうふく海水かいすい環境かんきょうは、ステンレスこうにとってこのましくない環境かんきょうといえる[621]海水かいすい環境かんきょう問題もんだいとなるのは全面ぜんめん腐食ふしょくよりも局部きょくぶ腐食ふしょくで、はがねしゅによって程度ていど大小だいしょうはあるが、海水かいすい環境かんきょうではほとんどのステンレスこうにすきま腐食ふしょくあなしょく可能かのうせいがある[622]海洋かいようちゅう付着ふちゃく生物せいぶつ存在そんざいもすきま腐食ふしょく原因げんいんとなる[623]。316けいはステンレスこうなか耐食性たいしょくせいたかほうであるが、316けいであっても海水かいすい環境かんきょうへの耐食性たいしょくせいつとえず、利用りよう範囲はんい限定げんていされる[624]

羽田空港はねだくうこうのD滑走かっそう桟橋さんばし支持しじ滑走かっそうささえる円柱えんちゅうくいは、飛沫しぶきから干満かんまんにかけてこう耐食性たいしょくせいステンレスこうおおわれ、防食ぼうしょく対策たいさくされている[625]

港湾こうわん海洋かいよう構造こうぞうぶつでは、経済けいざいてき理由りゆうもあり、海水かいすいさらされる箇所かしょ構造こうぞう材料ざいりょう塗装とそう電気でんき防食ぼうしょく対策たいさくした炭素たんそこうてい合金ごうきんこう主体しゅたいとしている[626]。ただし、海水かいすいちゅうから大気たいきちゅうにかけての海水かいすい飛沫しぶきける箇所かしょしお干満かんまんによって海水かいすいひたされたり外気がいきさらされたりする箇所かしょでは電気でんき防食ぼうしょくができず、また、塗装とそうには経年けいねん劣化れっか損傷そんしょう問題もんだいがある[625]。そのため、日本にっぽんでは、鋼管こうかん構造こうぞう採用さいようした海洋かいよう構造こうぞうぶつたいして、SUS312L のようなスーパーステンレスこう薄板うすいた海水かいすい飛沫しぶき干満かんまんおおって防食ぼうしょくする手法しゅほう開発かいはつされ、1997ねんごろから実用じつようされている[625]

海水かいすい淡水たんすい設備せつびでは、コストをげる観点かんてんからも、ステンレスこう活用かつようされている[621]海水かいすい淡水たんすい装置そうちにはおも蒸発じょうはつしきぎゃく浸透しんとうしきがあるが、いずれの方式ほうしきでもかく構成こうせい機器ききにステンレスこう利用りようされている[627]おも使つかわれているのはオーステナイトけいの316けいや317けいで、蒸発じょうはつにはこう強度きょうどかつ応力おうりょく腐食ふしょくれへのたいせいたかいオーステナイト・フェライトけいの S2205 も使つかわれている[627][628]

発電はつでんしょ[編集へんしゅう]

現代げんだい火力かりょく発電はつでんしょちょう臨界りんかいあつまたはちょう臨界りんかいあつ蒸気じょうき条件じょうけん運転うんてんされており、このようなこうあつ高温こうおんにともなってボイラー材料ざいりょうとしてステンレスこう利用りようえている[629]。ボイラーの過熱かねつさいねつねつ交換こうかん配管はいかんなどにステンレスこう使つかわれており、一般いっぱんてきには、金属きんぞく温度おんどが 600 °C をえると、高温こうおん強度きょうどたい酸化さんかせいのためにステンレスこう経済けいざいてきにも有利ゆうりといわれる[630]

蒸気じょうきのエネルギーを回転かいてん運動うんどうエネルギーに変換へんかんする蒸気じょうきタービンでは、強度きょうど耐食性たいしょくせい必要ひつようどうつばさしずつばさにマルテンサイトけい析出せきしゅつ硬化こうかけい使つかわれている[631]。ローターやケーシングでは、より高温こうおんきびしい運転うんてん条件じょうけんになると、ステンレスこう必要ひつようとされる[632]ガスタービンでは、金属きんぞく融点ゆうてんレベルの高温こうおん燃焼ねんしょうガスをあつかうため、タービン本体ほんたい燃焼ねんしょうにはちょうたいねつ合金ごうきんおも使つかわれるが、圧縮あっしゅくやタービンディスクなどでステンレスこう使つかわれることもある[633]

原子力げんしりょく発電はつでんしょにおける軽水炉けいすいろでは、おおくのステンレス鋼管こうかんやステンレスこうあつばんもちいられている[634]炉心ろしん発生はっせいした蒸気じょうきをそのままタービンにおく沸騰水ふっとうすいがた軽水炉けいすいろでは原子げんし圧力あつりょく容器ようき配管はいかんけいでステンレスこう使つかわれており、応力おうりょく腐食ふしょくへの対策たいさくのために鋭敏えいびんこうしゅへとえられてきた歴史れきしがある[635]加圧水かあつすいがた軽水炉けいすいろの1冷却れいきゃくけいでもステンレスこう利用りようしているが、沸騰水ふっとうすいがたとは条件じょうけんことなることもあって応力おうりょく腐食ふしょくれが問題もんだいとなったケースはすくない[636]使用しようかく燃料ねんりょうさい処理しょり施設しせつでは、さい処理しょり多量たりょう硝酸しょうさんもちいるため、ステンレスこう多量たりょう使つかわれる[637]

医療いりょう[編集へんしゅう]

ステンレスこうせい外科げか手術しゅじゅつ器具きぐ

医療いりょう分野ぶんやでも、手術しゅじゅつ器具きぐから検査けんさ機器ききいたるまで、ステンレスこうおお使つかわれている[638]薬品やくひん消毒しょうどくえき血液けつえき体液たいえきなどにたいして耐食性たいしょくせい必要ひつようなため、ステンレスこうてきしており、衛生えいせいめんからもこのまれる[639]種々しゅじゅ検査けんさ機器ききたいしては、磁性じせいであることも利点りてんとなる[640]メス鉗子などの手術しゅじゅつ器具きぐにはマルテンサイトけいステンレスこう使つかわれている[550]

人工じんこう関節かんせつようなど、人体じんたいない使用しようするインプラント用材ようざいりょうとしても使つかわれる[641]体液たいえき海水かいすい同等どうとう組成そせいであるため、これらの用途ようとにはこう耐食性たいしょくせいはがねしゅ利用りようされている[641]血管けっかんきもかん食道しょくどうなどをひろげるステントでは、コバルト合金ごうきんなどの使用しよう材料ざいりょう存在そんざいするが、加工かこうせい溶接ようせつせい良好りょうこうであることや廉価れんかであることからステンレスこうこう耐食性たいしょくせいこうしゅ使つかわれている[642][643]。ただし、ステンレスこうちゅうふくまれるクロムとニッケルには金属きんぞくアレルギー問題もんだいもあり、すぐれた生体せいたい適合てきごうせいち、さらに軽量けいりょうであるチタンなどのほか生体せいたい材料ざいりょうへのえもすすんでいる[638][644]とく近年きんねんでは毒性どくせい金属きんぞくアレルギーが懸念けねんされるニッケル生体せいたい材料ざいりょうから排除はいじょするうごきがつよまっており、ステンレスこうでもニッケルをふくまない、窒素ちっそなどのほかのオーステナイト生成せいせい元素げんそわりにもちいた生体せいたい材料ざいりょうようオーステナイトけいステンレスこう開発かいはつ実用じつようすすめられている[645][646]

美術びじゅつひん[編集へんしゅう]

ステンレスせい野外やがい彫刻ちょうこくれい。スコットランドの「ザ・ケルピーズ英語えいごばん」。あつさ 6 mm の 316L あつ延板のべいた No.8 研磨けんまざいやく 150 トン使用しよう[647]

じつ用品ようひん以外いがい分野ぶんやでは、モニュメントオブジェといった美術びじゅつ作品さくひん素材そざいとして利用りようされている[648][649]。ステンレスこう彫刻ちょうこく素材そざい使用しようする利点りてんには、金属きんぞく同様どうよう可塑かそせいがあり加工かこうしやすく丈夫じょうぶであること、耐食性たいしょくせいたかくメンテナンスせいすぐれていること、光輝こうき現代げんだいてき材質ざいしつかんられることがげられる[650][651]

ステンレスざい各種かくしゅ研磨けんま仕上しあげや表面ひょうめん処理しょりほどこすことで、多様たよう肌合はだあいを表現ひょうげんすることもできる[652]こまかいあなけて透明とうめい表現ひょうげんする、インコほうでグラデーションをつくってにじ表現ひょうげんする、モアレを利用りようしてさん次元じげんてき奥行おくゆきを表現ひょうげんする、といったステンレスこうによる表現ひょうげんはばひろげるこころみもなされている[653]石材せきざい木材もくざいてつ、プラスチックなど素材そざいわせるれいもある[652]はがねしゅとしては、オーステナイトけいの 304 がよく使つかわれるが、沿岸えんがんのような場所ばしょではこうたいしょくな 316 も使つかわれる[654]

リサイクル[編集へんしゅう]

ステンレスこうリサイクル可能かのう材料ざいりょうであり、さい融解ゆうかいしてステンレスこう製品せいひん原料げんりょうにできる[655]。ステンレスこうふくまれるクロムニッケルモリブデンなどの合金ごうきん元素げんそ枯渇こかつせい資源しげんであり、ステンレスこうリサイクルの重要じゅうようせいおおきい[656]現状げんじょうでは、使つかわったステンレスこう製品せいひんのおよそ 80 % がスクラップとして回収かいしゅうされ、リサイクルされていると推定すいていされる[355][657]くにからの補助ほじょなどしで、経済けいざいてきにリサイクルが成立せいりつできている[657]

とくに、オーステナイトけい(クロム・ニッケルけいステンレスこう)は磁性じせいであるため、てつスクラップと分別ふんべつしやすい長所ちょうしょがある[356]一方いっぽうで、フェライトけいやマルテンサイトけい(クロムけいステンレスこう)は磁性じせいがあり、分別ふんべつしづらいという短所たんしょがある[356]。また、クロムけい場合ばあい、ステンレスこうスクラップとフェロクロム価格かかくちいさいため、回収かいしゅう費用ひようたいしてわりわないといった課題かだいもある[658]

これらの理由りゆうから、クロムけい大半たいはん分別ふんべつされずに、普通ふつうこうスクラップとして回収かいしゅうされたり、クロム・ニッケルけいとまとめて回収かいしゅうされたりしている[659][658]。2003ねんから2005ねんまでの日本にっぽんのステンレスこう市場いちば対象たいしょうおこなわれたマテリアルフロー解析かいせき結果けっかによると、クロム・ニッケルけいステンレスこうとして回収かいしゅうできたスクラップ回収かいしゅうりつは 75 % から 98 % であったが、クロムけいステンレスこうとして回収かいしゅうできたスクラップ回収かいしゅうりつは 12 % から 34 % にとどまっていた[660]

クロムけいなかでもフェライトけい利用りようりょうは、オーステナイトけいいでおり、利用りようのさらなる拡大かくだい予測よそくされている[661]。そのため、フェライトけい分別ふんべつ回収かいしゅう確立かくりつし、含有がんゆうされているクロムをさらに有効ゆうこう活用かつようすることが期待きたいされている[662]。クロムけいスクラップの回収かいしゅうりつ向上こうじょうが、ステンレスこうリサイクルにおける今後こんご課題かだいひとつとなっている[663]

生産せいさんりょう統計とうけい[編集へんしゅう]

1950ねんごろのステンレスこう粗鋼そこう生産せいさんりょうは、世界せかいでおよそ 1,000,000 トンであった[29]。それからとし平均へいきん成長せいちょうりつ 5.8 % で生産せいさんりょうつづけ、2019ねん世界せかいのステンレスこう粗鋼そこう生産せいさんりょうは 52,218,000 トンとなっている[664]鉄鋼てっこう材料ざいりょう全般ぜんぱんにおける2019ねん世界せかい粗鋼そこう生産せいさんりょうは、1,869,000,000 トンで[665]、ステンレスこう生産せいさん割合わりあいは 2.8 % である。

くにべつ地域ちいきべつのステンレスこう生産せいさんりょうについては、2019ねん実績じっせきでは、1中国ちゅうごく生産せいさんりょうの 56.3% をめている[666]いで、2インド、3日本にっぽんというじゅんになっている[667]以下いかに、2001ねんから2019ねんまで世界せかいのステンレスこう生産せいさんりょうのグラフと、2018ねんくに地域ちいきべつ生産せいさんりょう順位じゅんいのグラフをしめす。

2001ねん–2019年間ねんかんのステンレスこうぜん世界せかい生産せいさんりょう変移へんい[668][667]
2018ねんくに地域ちいきべつステンレスこう年間ねんかん生産せいさんりょう[667]
くに地域ちいき 生産せいさんりょう(1,000トン
中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく
26,706
インド
3,740
日本にっぽん
3,283
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
2,808
韓国かんこく
2,407
フィンランド/スウェーデン/イギリス
2,285
ベルギー/オーストリア
1,754
イタリア
1,484
台湾たいわん
1,172
スペイン
969
みなみアフリカ
550
ドイツ
433
ブラジル
386
フランス
310
そのヨーロッパ
151
ロシア
96

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参照さんしょう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

とく文献ぶんけんない複数個ふくすうこしょわたって参照さんしょうしたものをしめす。

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外部がいぶリンク[編集へんしゅう]