海難かいなん救助きゅうじょ

法律ほうりつ用語ようごとしての海難かいなん救助きゅうじょ（かいなんきゅうじょ）は、船舶せんぱくや積荷つみにが海難かいなんに遭遇そうぐうした場合ばあいにおいてこれを救助きゅうじょする行為こういであって、救助きゅうじょ料りょうの発生はっせい原因げんいんとなるものをいう。

日本にっぽん法ほう上じょうの海難かいなん救助きゅうじょ

日本にっぽん法ほう上じょうは、船舶せんぱくまたは積荷つみにの全部ぜんぶ又または一部いちぶが海難かいなんに遭遇そうぐうした場合ばあいにおいて義務ぎむなくしてこれを救助きゅうじょすることをいうものとされ、その結果けっかに対たいして相当そうとうの救助きゅうじょ料りょうを請求せいきゅうすることができる。商法しょうほう800条じょう以下いかに規定きていがあり、これらは商船しょうせんにのみ適用てきようがあるが、船舶せんぱく法ほう35条じょうにより商船しょうせん以外いがいの船舶せんぱく（官かん公有こうゆう船せんを除のぞく。）にも準用じゅんようされる。「義務ぎむなくして」と規定きていされているが、公法こうほう上じょうの義務ぎむ履行りこうは海難かいなん救助きゅうじょの成立せいりつを妨さまたげるものではない。

その法的ほうてき性質せいしつについては争あらそいがあり、かつては民法みんぽう上うえの事務じむ管理かんりの一種いっしゅとして理解りかいされていたが、現在げんざいでは事務じむ管理かんりとは目的もくてき、要件ようけんおよび効果こうかを異ことにすることから、独自どくじの債権さいけん発生はっせい原因げんいんであるとして理解りかいされている。

もっとも、抵触ていしょく法ほう上じょうは、「事務じむ管理かんり」として法ほうの適用てきように関かんする通則つうそく法ほう14条じょうが適用てきようされ、原因げんいん発生はっせい地ち法ほうが適用てきようされる。

船員せんいん法ほう

次じ掲のとおり、船員せんいん法ほう第だい14条じょうでは、第三者だいさんしゃである船舶せんぱくや航空機こうくうきの遭難そうなんにその船舶せんぱくが際さいした場合ばあいは、その船長せんちょうは遭難そうなん者しゃの救助きゅうじょ手段しゅだんを尽つくす義務ぎむがあるが、その具体ぐたい的てき義務ぎむは判例はんれいによる。

（遭難そうなん船舶せんぱく等とうの救助きゅうじょ） 第だい一いち四よん条じょう　船長せんちょうは、他たの船舶せんぱく又または航空機こうくうきの遭難そうなんを知ちつたときは、人命じんめいの救助きゅうじょに必要ひつような手段しゅだんを尽つくさなければならない。但ただし、自己じこの指揮しきする船舶せんぱくに急迫きゅうはくした危険きけんがある場合ばあい及および国土こくど交通こうつう省令しょうれいの定さだめる場合ばあいは、この限かぎりでない。

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