源みなもと明子あきこ

源みなもと明子あきこ（みなもと の めいし/あきこ）は、平安へいあん時代じだいの女性じょせい。

• 源みなもと高明こうめい女おんな。藤原ふじわら道長みちなが室しつ。
• 源みなもと信明のぶあき女おんな。『源氏物語げんじものがたり』の源みなもと典侍てんじのモデルか。

源みなもと明子あきこ（源みなもと高明こうめい女おんな）

源みなもと 明子あきこ（康かん保たもつ2年ねん（965年ねん） - 永なが承うけたまわ4年ねん7月がつ22日にち（1049年ねん8月がつ23日にち））は、左大臣さだいじん源みなもと高明こうめいの娘むすめ。母ははは藤原ふじわら師し輔女おんなの愛あい宮みや。同母どうぼ弟おとうとに経けい房ぼう。

安和あわの変へんによる父ちちの失脚しっきゃく後ご、叔父おじ盛もり明あきら親王しんのうの養女ようじょとなる。盛もり明あきらの没後ぼつごは東三条ひがしさんじょう院いんの庇護ひごを受うけ、藤原ふじわら道長みちながと結婚けっこんして高松たかまつ殿どのと呼よばれた。子女しじょは頼よりゆき宗むね、顕信あきのぶ、能のう信しん、寛子ひろこ（小しょう一条院いちじょういん女御にょうご）、尊子たかこ（源みなもと師し房ぼう室しつ）、長ちょう家か。

通説つうせつでは、道長みちながが源みなもと倫子ともこと結婚けっこんした翌年よくねんの永えい延のべ2年ねん（988年ねん）に明子あきこと結婚けっこんしたとされているが、異説いせつとして倫子ともこと結婚けっこんする以前いぜん（永えい延のべ元年がんねん春はるごろ）にすでに明子あきこと結婚けっこんしていたという説せつが出だされている。だが、いずれにせよ、倫子ともこの父ちち・源みなもと雅信まさのぶは当時とうじ現職げんしょくの一いち上じょうであり、かつ道長みちながを自分じぶんの土御門つちみかど殿どのに居住きょじゅうさせたことにより倫子ともこが嫡妻とみなされ、明子あきこは「妾わらわ妻つま」とみなされていた。

倫子ともこは道長みちながの最初さいしょの妻つまであると同時どうじに当時とうじの現職げんしょく大臣だいじんの娘むすめで道長みちながの出世しゅっせへの助たすけになったのに対たいし、明子あきこの父ちち源みなもと高明こうめいはかつての権力けんりょく者しゃながらもすでに故人こじんで、しかも安和あわの変へんで流罪るざいになった人物じんぶつであった。そのため、倫子ともこ所生しょせいの子女しじょは嫡子ちゃくしとして2人ふたりの関白かんぱくと3人にんの皇后こうごうを輩出はいしゅつするめざましい立身りっしんを遂とげたのに対たいして、明子あきこ所生しょせいの息子むすこたちは頼よりゆき宗むねの右大臣うだいじんが最高さいこう位いで、娘むすめたちも天皇てんのうに入内じゅだいすることはなかった。それでも明子あきこの子女しじょは嫡兄・藤原ふじわら頼通よりみちと協調きょうちょうして自己じこの出世しゅっせを図はかろうとしたが、能のう信しんのみはそれを拒絶きょぜつし公然こうぜんと頼通よりみちと口論こうろんして父ちち道長みちながの怒いかりを買かうことすらあったという（それでも父ちちの威光いこうで権けん大納言だいなごんまで昇進しょうしんしている）。能のう信しんは頼通よりみちと敵対てきたいしていた東宮とうぐう尊みこと仁じん親王しんのう（のち後ご三条さんじょう天皇てんのう）とその母はは陽明ようめい門もん院いんを強つよく庇護ひごし、そのことはやがて院政いんせいによる摂関せっかん政治せいじの凋落ちょうらくに繋つながっていく。

尊子たかこの孫娘まごむすめ藤原ふじわら賢子さとこは白河天皇しらかわてんのうの皇后こうごうとして堀河ほりかわ天皇てんのうの母ははとなった。また頼よりゆき宗むねの孫娘まごむすめ藤原ふじわら全子まさこが頼通よりみちの孫まご藤原ふじわら師し通どおり（尊子たかこの孫まごでもある）に嫁とついで嫡男ちゃくなん忠実ちゅうじつを生うんだ。そのため女系じょけいながらも、明子あきこの血筋ちすじは皇族こうぞく、および五摂家ごせっけに繋つながっている。

長ちょう家かからは御子みこ左ひだり家かとして俊成としなり・定家さだいえらが出でて、冷泉れいせん家かとして今日きょうまで続つづく。また俊成しゅんぜいの師しにして古今ここん伝授でんじゅの祖そたる藤原基俊ふじわらのもととしは頼よりゆき宗むねの孫まごであり、明子あきこの血筋ちすじは文化ぶんか的てきにも大おおきな役割やくわりを果はたした。

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• 『光ひかる君きみへ』（2024年ねん、NHK大河たいがドラマ、演えんじ：瀧たき内ない公美くみ）

源みなもと明子あきこ（源みなもと信明のぶあき女おんな）

源みなもと 明子あきこ（生なま没年ぼつねん未み詳しょう）は、源みなもと信明のぶあきの娘むすめ。母ははは典侍てんじ紀きの頼子よりこ。源みなもと典侍てんじと呼よばれた。

紫式部むらさきしきぶの義姉ぎし（夫おっと藤原ふじわら宣せん孝こうの兄あに説せつ孝こうの妻つま）で、『源氏物語げんじものがたり』に登場とうじょうする源みなもと典侍てんじのモデルとの説せつがある。