王おう士し

王おう 士し（おう し、? - 225年ねん）は、中国ちゅうごく後こう漢かん末期まっきから三さん国こく時代じだいの武将ぶしょう。字じは義よし彊つよし。益えき州しゅう広こう漢かん郡ぐん郪県の人ひと。従弟じゅうていは王おう甫はじめ。

概要がいよう

従弟じゅうていの王おう甫はじめは劉りゅう備が益えき州しゅうを平定へいていするまでは劉りゅう璋あきらに仕つかえていたが、王おう士しは劉りゅう備と共ともに蜀しょく入いりしたことが書かかれているため、劉りゅう備の蜀しょく入いりより前まえに仕つかえていたと考かんがえられる。

益えき州しゅう入いり後ご孝こう廉かどに推挙すいきょされ、符節ふせつの長ちょうに任命にんめいされ、牙きば門もん将軍しょうぐんに任命にんめいされる。その後ご宕渠太守たいしゅ・犍為太守たいしゅと郡ぐん太守たいしゅを歴任れきにんした。

諸しょ葛かずら亮あきらの南みなみ征ただしと共ともに益えき州しゅう郡ぐん太守たいしゅに転任てんにんになったが、赴任ふにん前まえに異い民族みんぞくによって殺害さつがいされた（『華陽かよう国こく志こころざし』によると高こう定じょうの兵へいに殺ころされたとされている）。

楊戯の『季き漢かん輔臣賛さん』では、龔禄・王おう士しは「士気しき勇壮ゆうそうであった」と評価ひょうかし、「心こころ映はえ良よく、蜀しょく漢かんの誉ほまれとなる人物じんぶつであった」と述のべられている。

また『華陽かよう国こく志こころざし』「先賢せんけん志こころざし」では広こう漢かん郡ぐんの優秀ゆうしゅうな人材じんざいとして、従弟じゅうていの王おう甫はじめ、そして李り氏しの三さん龍りゅうと謳うたわれた李り朝ちょう・李り邵らと並ならべ取とり上あげられている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 「正史せいし 三国志さんごくし 5 蜀しょく書しょ」（陳ちん寿ひさし 著しる、裴松之の 注ちゅう、井波いなみ律子りつこ 訳やく）ちくま学芸がくげい文庫ぶんこ ISBN 4-480-08045-7

• 「完訳かんやく 華陽かよう国こく志こころざし」（常つね璩 著ちょ、中林なかばやし史朗しろう 訳やく） 志学しがく社しゃ ISBN 4909868097　ISBN-13 978-4909868091