田中たなか長ちょう茂しげる

田中たなか 長ちょう茂しげる（たなか ながしげ、1891年ねん6月11日にち - 1969年ねん9月14日にち）は、日本にっぽんの農林のうりん官僚かんりょう、政治せいじ家か。宮崎みやざき県知事けんちじを1期き務つとめた。

来歴らいれき・人物じんぶつ

宮崎みやざき県けん南那珂みなみなか郡ぐん福島ふくしま町まち（現げん・串間くしま市し）出身しゅっしん。宮崎みやざき県立けんりつ宮崎みやざき中学校ちゅうがっこう、第だい五ご高等こうとう学校がっこう、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ・農学部のうがくぶ卒そつ。1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）農のう商務省しょうむしょうに入省にゅうしょう。戦前せんぜんは革新かくしん官僚かんりょうとして、産業さんぎょう組合くみあいの創立そうりつや農地のうち改革かいかく（当時とうじは実現じつげんせず）などに携たずさわり、水産すいさん局長きょくちょう、山林さんりん局長きょくちょうを経へて退官たいかん。

1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）4月がつ1日にち、第だい2回かい宮崎みやざき県知事けんちじ選挙せんきょに出馬しゅつば。吉見よしみ房ぼう見み共ともに法廷ほうてい得票とくひょう数すうに達たっせず、決選けっせん投票とうひょう。同年どうねん5月がつ18日にち、宮崎みやざき県知事けんちじ選せん決選けっせん投票とうひょうで当選とうせん、宮崎みやざき県知事けんちじとなる。

1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）に郵政省ゆうせいしょうは宮崎みやざき県けんに新あたらしい民放みんぽう局きょくの周波数しゅうはすうを割わり当あてたがものの、当初とうしょ地元じもとでは民放みんぽう設立せつりつの動うごきが全まったくなく、鹿児島かごしま県けんの南日本放送みなみにほんほうそうがこの機会きかいを利用りようし宮崎みやざき市しに中継ちゅうけい局きょくをつくろうと運動うんどうを始はじめていた。田中たなかはこの動うごきに待まったをかけるべく、自みずから「ぜひ宮崎みやざき県民けんみんの手てで民放みんぽうを」と宮崎みやざき商工しょうこう会議かいぎ所しょの有馬ありま美よし利り会頭かいとうなど地元じもと有力ゆうりょく者しゃに呼よびかける。盛もり上あがる世論せろんを受うけて翌年よくねんには宮崎みやざき県けん初はつの民放みんぽう局きょく「ラジオ宮崎みやざき（現げんMRT宮崎放送みやざきほうそう）の開局かいきょくにこぎつけ、初代しょだい社長しゃちょうには有馬ありまが就任しゅうにんすることになる。

他ほかにも電源でんげん開発かいはつを中心ちゅうしんとする総合そうごう開発かいはつ（綾あや第だい1・第だい2発電はつでん所しょ、奥地おくち林道りんどう、細島ほそじま臨海りんかい工業こうぎょう市区しく、えびの高原こうげん）、農のう山やま漁村ぎょそんの振興しんこう、防災ぼうさい対策たいさく（企画きかく局きょくの設置せっち、災害さいがい予防よぼう事業じぎょう）などに着手ちゃくしゅしたものの、再選さいせんを目指めざした1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）の知事ちじ選せんでは元もと宮崎みやざき市長しちょうの二見ふたみ甚郷に敗やぶれ知事ちじを退任たいにんした。当時とうじの全国ぜんこく的てき地方ちほう財政ざいせい窮乏きゅうぼう化かのなか、財政ざいせいの健全けんぜん化かを図はかり、これを切きり抜ぬけたことは高たかく評価ひょうかされている。1958年ねんの第だい28回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょと1960年ねんの第だい29回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょに宮崎みやざき県けん第だい2区くから出馬しゅつばするが、ともに落選らくせん。

晩年ばんねんは、都心としんで新しん生活せいかつ運動うんどう協会きょうかいの理事りじなどを務つとめた。生涯しょうがいを農のう山やま漁村ぎょそんの振興しんこうと地方ちほう自治じちの発展はってんに尽つくした功績こうせきは大おおきい。78歳さいで病没びょうぼつ。宮崎みやざき県けん串間くしま市しの累代るいだいの墓はかに眠ねむる。

参考さんこう文献ぶんけん・出典しゅってん

• 宮崎日日新聞社みやざきにちにちしんぶんしゃ『宮崎みやざき県けん大だい百科ひゃっか事典じてん』1983年ねん
• 串間くしま市し『串間くしま市し史し』1996年ねん

関連かんれん項目こうもく

• 宮崎みやざき県知事けんちじ一覧いちらん
• 農地のうち改革かいかく
• 串間くしま市し
• 石黒いしぐろ忠篤ただあつ

公職こうしょく
先代せんだい 安中あんなか忠雄ただお	宮崎みやざき県知事けんちじ 公選こうせん第だい2代だい:1951年ねん-1955年ねん	次代じだい 二見ふたみ甚郷