社会しゃかい鍋なべ

社会しゃかい鍋なべ

社会しゃかい鍋なべ（しゃかいなべ）は、救世きゅうせい軍ぐんが年末ねんまつなどに行いっている生活せいかつ困窮こんきゅう者しゃ支援しえん等とうの為ための街頭がいとう募金ぼきん運動うんどう、及およびそこで用もちいられ通行人つうこうにんから慈善じぜん募金ぼきんを入いれてもらうために街頭がいとうに設置せっちする鉄てつ鍋なべのこと。慈善じぜん鍋なべ（じぜんなべ）とも。全ぜん世界せかいの救世きゅうせい軍ぐんが活動かつどう展開てんかいする国くにや地域ちいきでは同様どうようのスタイル（鍋なべを三脚さんきゃくに吊つるすという形態けいたい）で行おこなわれている。呼称こしょうのオリジナルは英語えいごの「クリスマス・ケトル（en:Christmas kettle）」であり「社会しゃかい鍋なべ」は日本にっぽんにおいて定着ていちゃくした呼称こしょうである。

概略がいりゃくと歴史れきし

はっきり言いっておく。
わたしの兄弟きょうだいであるこの最もっとも小ちいさい者ものの一人ひとりにしたのは、わたしにしてくれたことなのである。 — マタイによる福音ふくいん書しょ25：40

19世紀せいき末すえの不ふ況きょう期きである1894年ねんに、アメリカの救世きゅうせい軍ぐんサンフランシスコ小隊しょうたいで、連隊れんたい長ちょうウィリアム・マッキンタイヤ中将ちゅうじょうの指示しじにより小隊しょうたい長ちょうジョセフ・マクフィー大尉たいいが始はじめた、失業しつぎょう困窮こんきゅう者しゃの救済きゅうさい活動かつどうのための、「スープ鍋なべを三脚さんきゃくに吊つるしてその中なかへ街頭がいとう募金ぼきんの投入とうにゅうを依頼いらいするというスタイル」が全ぜん世界せかいの救世きゅうせい軍ぐん部隊ぶたいに伝つたわった。

現地げんち各国かっこくで伝統でんとう的てきに使つかわれる鍋なべが上記じょうきのスタイルで利用りようされたので、日本にっぽんにおいては「和風わふうの鉄てつ鍋なべが三脚さんきゃくに吊つるされている」という明治めいじ時代じだいの救世きゅうせい軍ぐんが始はじめた形態けいたいが現在げんざいにまで伝承でんしょうされている。

日本にっぽんでは1906年ねんに「慰問いもんかご」という名称めいしょうで開始かいしされた慈善じぜん事業じぎょうが始はじまりである。これは餅もちやミカンを入いれたかごを貧まずしい家庭かていに配くばったものである。その後ご、1909年ねんに山室やまむろ軍平ぐんぺいらが日本にっぽんでもクリスマス・ケトルを開始かいしした。当初とうしょは「集金しゅうきん鍋なべ」と称しょうされていたが、大正たいしょう時代じだいには「慈善じぜん鍋なべ」と呼よばれるようになり、1921年ねん以降いこうは「社会しゃかい鍋なべ」の呼称こしょうが使用しようされるようになった。

以来いらい、毎年まいとし年末ねんまつの街まちを彩いろどる風物詩ふうぶつしとして親したしまれるようになり、俳句はいくの季語きご（冬ふゆ）としても定着ていちゃくしている。

しかし近年きんねんでは、都心としん部ぶで街頭がいとう募金ぼきんのための道路どうろ使用しよう許可きょかが降ふりにくくなり、社会しゃかい鍋なべも一部いちぶで規模きぼが縮小しゅくしょうされている。

救世きゅうせい軍ぐんでは、11月30日にちを「社会しゃかい鍋なべの日ひ」と定さだめ、2015年ねん11月20日にち、一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽん記念きねん日び協会きょうかいに登録とうろくされた。

関連かんれん項目こうもく

• 慈善じぜん事業じぎょう
• 募金ぼきん
• 炊たき出だし

外部がいぶリンク

• 救世きゅうせい軍ぐん社会しゃかい鍋なべ物語ものがたり