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突撃とつげき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
鳥羽とば伏見ふしみたたかで、援護えんご射撃しゃげきのもと、やりかたなけん小銃しょうじゅうるって敵陣てきじんかってみぎ)に突撃とつげきする桑名くわなはん歩兵ほへい同左どうさからなか
1942ねん撮影さつえいされた、ドイツ陸軍りくぐんグロースドイッチュラント師団しだん歩兵ほへい突撃とつげき動作どうさ訓練くんれんにおいて、人間にんげんした標的ひょうてき銃剣じゅうけん小銃しょうじゅうとげ突する場面ばめん

突撃とつげき(とつげき、えい: charge)は、おも歩兵ほへいおこな戦術せんじゅつで、てき陣地じんちなどに突入とつにゅうし、てき撃破げきはしつつ占領せんりょうする戦術せんじゅつをいう。騎兵きへいおこな場合ばあいおおく、うま巨大きょだいうまたいかしててきらす。

概要がいよう

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突撃とつげきは、戦争せんそうというだい人数にんずうどうしであらそ形態けいたい発生はっせいして以降いこう歩兵ほへいによってになわれてきた基本きほんてき戦術せんじゅつ行動こうどうひとつで、拠点きょてん最終さいしゅうてき制圧せいあつ決定けっていけるものである。これは兵器へいき発達はったつともにその形態けいたい変化へんかしていったが、最終さいしゅうてきてき陣営じんえい制圧せいあつするために、素早すばや移動いどうするという趣旨しゅしにおいてはおおきな変化へんかい。その意味いみにおいて、戦闘せんとうにおける攻撃こうげき場合ばあい散発さんぱつてき斥候せっこう同士どうし接触せっしょくともなうものもふくまれるが、戦術せんじゅつてき意味合いみあいにいては戦術せんじゅつろんにおける)攻撃こうげき最終さいしゅう段階だんかいである。

ただ、突撃とつげき防衛ぼうえいがわからのはげしい攻撃こうげき陣営じんえいさらされることを意味いみし、その損耗そんこう負傷ふしょう戦死せんしなど)は防衛ぼうえいがわの2ばいおよぶ。この被害ひがい非対称ひたいしょうせいをカバーするじょう突撃とつげきまえ相手あいて陣営じんえい戦力せんりょくぐことは当然とうぜん戦略せんりゃくである。

さい装填そうてん時間じかんのかかるぜんそうしき単発たんぱつじゅう主流しゅりゅうであっただいいち世界せかい大戦たいせんよりもまえ時代じだいには、突撃とつげきといえば小銃しょうじゅうによる一斉いっせい射撃しゃげきおこなったのちさい装填そうてんしないまま前進ぜんしんし、銃剣じゅうけんけた小銃しょうじゅうやりとしてもちいててき陣営じんえい吶喊とっかんしてんでいたが、ボルトアクション登場とうじょうによりさい装填そうてんがすばやくおこなわれるようになると、この戦法せんぽうはよりおおくの犠牲ぎせい攻撃こうげきがわむようになった。機関きかんじゅうなど自動じどう火器かき発達はったつして以降いこうは、少数しょうすう防御ぼうぎょがわ陣地じんちけられた火器かきによって攻撃こうげきがわだい部隊ぶたい足止あしどめされるまでになっていったため、後方こうほうからの砲撃ほうげき航空機こうくうき爆撃ばくげきなどの支援しえん攻撃こうげきけて突撃とつげきするかたち変化へんかしている。また初期しょき戦車せんしゃ塹壕ざんごう陣地じんちもうけられた整地せいち踏破とうはして、歩兵ほへい突撃とつげき支援しえんすることを主眼しゅがんとしていた。現代げんだい戦術せんじゅつろんにおいては、攻撃こうげき最終さいしゅう段階だんかいにおいて近接きんせつ戦闘せんとう部隊ぶたいによっておこなわれ、地形ちけいにより強襲きょうしゅう上陸じょうりく空挺くうてい強襲きょうしゅう突撃とつげき渡河とか分類ぶんるいされる。

現代げんだい戦闘せんとうにおける突撃とつげき

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突撃とつげき先立さきだって装備そうび突撃とつげき必要ひつよう交通こうつう整備せいび確認かくにんなどの「突撃とつげき作業さぎょう」がおこなわれる。ここで障害しょうがいぶつ破壊はかい制圧せいあつ地雷じらい確認かくにん撤去てっきょさらに突撃とつげき部隊ぶたい突撃とつげき発起ほっき合図あいず突入とつにゅう前後ぜんこう行動こうどう支援しえんするためにおこなわれる計画けいかくてき射撃しゃげき突撃とつげき支援しえん射撃しゃげき(assault support fire)」が準備じゅんびされる。そして部隊ぶたい突撃とつげき発起ほっき位置いち(AP, Assault Position)に配備はいびし、突撃とつげき支援しえん射撃しゃげき合図あいずとうによって一斉いっせい突入とつにゅうはかる。

突撃とつげきにあたっては支援しえん射撃しゃげきけながら迅速じんそく障害しょうがいぶつ障害しょうがいとなるものをできるかぎ工兵こうへい支援しえんなしで独力どくりょく処理しょりし、さらにてき防御ぼうぎょ火力かりょく制圧せいあつ当初とうしょ突撃とつげき目標もくひょう制圧せいあつする。

突撃とつげき火器かき

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現代げんだい戦闘せんとういては、これに使つかわれる兵器へいきもその必要ひつようおうじて変化へんかしている。アサルトライフル軽量けいりょう携帯けいたいせいがよく、速射そくしゃせいがあり、また部品ぶひん点数てんすうすくなく整備せいびせいすぐれることから信頼しんらいせいたかい。

ただし、突撃とつげきさい突入とつにゅうさき目掛めが作為さくい連射れんしゃする行為こうい弾薬だんやく多大ただい浪費ろうひまねき、また携行けいこう火器かきのフルオート射撃しゃげきにおける命中めいちゅう精度せいどいちじるしい低下ていかは、近代きんだい戦闘せんとう想定そうていされる様々さまざま局面きょくめん悪化あっかさせる要因よういんとなりる。これはアサルトライフルが人間にんげんあつかへいそうである以上いじょうまぬかれない問題もんだいであり、現代げんだい主流しゅりゅうめる戦闘せんとうのレベルでかんがえれば携行けいこう火器かきのフルオート射撃しゃげき機能きのうは、きよし歩兵ほへい戦意せんい高揚こうようさせる程度ていど意味いみしかいとする評価ひょうかすくなからず存在そんざいする。このため近代きんだいすすめられた比較的ひかくてき設計せっけいあたらしいアサルトライフルは、無駄むだ乱射らんしゃによる弾薬だんやく消費しょうひおさえるためバースト射撃しゃげきなど速射そくしゃ機能きのう制限せいげんくわえられているものもおおい。

分隊ぶんたい支援しえん火器かき移動いどうする歩兵ほへい援護えんごするために速射そくしゃ機能きのう強化きょうかはかられているが、こちらははん固定こてい状態じょうたい制圧せいあつ射撃しゃげきおこなうことを前提ぜんていとしており、アサルトライフルとはへいそうとしての運用うんよう目的もくてきことなる。機関きかんじゅうぞくする火器かき移動いどうしながらのゆうげき射撃しゃげきおこなわず、戦車せんしゃヘリコプターなどに固定こていされた状態じょうたい突撃とつげきしてくるてきへい迎撃げいげきする任務にんむ利用りようされる。またじゅう本体ほんたいもより大型おおがたになるため、通常つうじょう場合ばあい兵士へいし武装ぶそうとして携行けいこうすることはほとんどい。

参考さんこう書籍しょせき

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  • しん戦争せんそうのテクノロジー』(ジェイムズ・F・ダニガン / やくおか芳輝よしき ISBN 4-309-24135-2

関連かんれん項目こうもく

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