竹下たけした正彦まさひこ

竹下たけした 正彦まさひこ
生誕せいたん	1908年ねん11月15日にち 日本にっぽん 大分おおいた県けん
死没しぼつ	(1989-04-23) 1989年ねん4月がつ23日にち（80歳さい没ぼつ）
所属しょぞく組織そしき	大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん 警察けいさつ予備よび隊たい 保安ほあん隊たい 陸上りくじょう自衛隊じえいたい
軍ぐん歴れき	1930 - 1945（日本にっぽん陸軍りくぐん） 1952（予備よび隊たい） 1952-1954（保安ほあん隊たい） 1954 - 1966（陸自りくじ）
最終さいしゅう階級かいきゅう	中佐ちゅうさ（日本にっぽん陸軍りくぐん） 陸りく将すすむ（陸自りくじ）

竹下たけした 正彦まさひこ（たけした まさひこ、1908年ねん（明治めいじ41年ねん）11月15日にち - 1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）4月がつ23日にち）は、日本にっぽんの陸軍りくぐん軍人ぐんじん・陸上りくじょう自衛じえい官かん。陸士りくし42期き、陸りく大だい51期き（優等ゆうとう）。陸軍りくぐんでは中佐ちゅうさ、陸自りくじでは陸りく将すすむ。

経歴けいれき

竹下たけした平作へいさく陸軍りくぐん中将ちゅうじょう（第だい一いち旅団りょだん長ちょう）の二男じなんとして大分おおいた県けんに生うまれる。陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう（42期き）218名めい中ちゅうを皇すめらぎ王族おうぞく（恒つね德王とくおう・李り鍵かぎ公こう）を除のぞいて14番ばんの成績せいせきで卒業そつぎょうし、近衛このえ歩あゆみ兵へい第だい2連隊れんたい附つけとなる。1938年ねん（昭和しょうわ13年ねん）、陸軍りくぐん大だい学校がっこう51期き卒そつ（恩賜おんし）。1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）頃ごろより、東大とうだい教授きょうじゅ・平泉ひらいずみ澄きよしの直門じきもんとして井田いだ正ただし孝こう、畑中はたなか健二けんじと親交しんこうを深ふかめる。

終戦しゅうせん時じは陸軍りくぐん省しょう軍務ぐんむ局きょく軍務ぐんむ課か内政ないせい班長はんちょう。「宮城みやぎ事件じけん」の原因げんいんとなる「兵力へいりょく使用しよう計画けいかく」と「兵力へいりょく使用しよう第だい二に案あん」を起案きあんした。8月13日にち、陸軍りくぐん大臣だいじん官邸かんていにおいて、陸軍りくぐん省しょうの他ほかの青年せいねん将校しょうこうらとともに阿南あなみ惟幾これちか陸軍りくぐん大臣だいじんからポツダム宣言せんげん受諾じゅだくの報告ほうこくを受うけるがこれに反対はんたいし、徹底てってい抗戦こうせんを主張しゅちょうした。その後ごも首相しゅしょう官邸かんていで陸相りくしょうを突つき上あげ、鈴木すずき貫太郎かんたろう内閣ないかくの閣議かくぎに影響えいきょうを与あたえた。

阿南あなみ陸相りくしょう主導しゅどうによる陸軍りくぐんの「承うけたまわ詔みことのり必謹」の方針ほうしん決定けってい後ご、一いち度どは決起けっきを断念だんねんした。

しかし、上記じょうきの「兵力へいりょく使用しよう第だい二に案あん」に沿そって部下ぶかの畑中はたなか健二けんじ少佐しょうさ（陸士りくし46期き）と椎崎しいざき二郎じろう中佐ちゅうさ（同どう45期き）が8月がつ14日にちにクーデターを引ひき起おこした。(宮城みやぎ事件じけん)

8月がつ15日にち未明みめいには、畑中はたなか少佐しょうさに説とき伏ふせられ、義兄ぎけいの阿南あなん陸相りくしょうに決起けっきを迫せまるため陸相りくしょう官邸かんていに赴おもむく。そこで井田いだ正ただし孝こうとともに阿南あなみ陸相りくしょうの自刃じじんを見届みとどけることになる。

宮城みやぎ事件じけんにおいて、竹下たけしたは制止せいしする機会きかいがあったが止とめず、最終さいしゅう的てきに畑中はたなか、椎崎しいざきはともに自決じけつした。

終戦しゅうせん後ご、1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）に警察けいさつ予備よび隊たい（陸上りくじょう自衛隊じえいたいの前身ぜんしん）に入隊にゅうたいし、陸上りくじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶ学校がっこう研究けんきゅう部長ぶちょう、陸上りくじょう幕僚監部ばくりょうかんぶ第だい5部ぶ副ふく部長ぶちょう、防衛大学校ぼうえいだいがくこう幹事かんじ、第だい9混成こんせい団だん長ちょう、第だい4管区かんく総監そうかん、第だい4師団しだん長ちょう、陸上りくじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶ学校がっこう長ちょう（陸りく将すすむ）を歴任れきにんした。

竹下たけしたは警察けいさつ予備よび隊たいに入隊にゅうたいするにあたって「純粋じゅんすいな兵へい術じゅつ分野ぶんやで応おう分ぶんのご奉公ほうこうをしたいと志こころざしていた」という。陸上りくじょう自衛隊じえいたい幹部かんぶ学がく校長こうちょう時代じだいには、幹部学校かんぶがっこうの教育きょういく方針ほうしんに関かんして自衛隊じえいたい内部ないぶでは「旧きゅう軍ぐん的てき手法しゅほうに、積極せっきょく的てきに米べい軍ぐん的てき手法しゅほうを摂取せっしゅしようという考かんがえ方かた」と、反対はんたいに「米べい軍ぐん式しきを否定ひていして旧きゅう軍ぐん式しきに戻もどそう」とする考かんがえ方かたの二ふたつがあり論争ろんそうとなっていたが、竹下たけしたは基本きほん的てきには後者こうしゃの立場たちばに立たちつつも、『「われわれの愛あいする旧きゅう陸軍りくぐんは、有史ゆうし未曾有みぞうの大戦たいせん争そうを闘たたかって」敗やぶれはしたものの、「今こん再ふたたび起たち上あがらんと」しているのであり、米べい軍ぐん式しきの戦法せんぽう戦術せんじゅつから「採とるべきものは採とって、旧来きゅうらいのものに付加ふかしてはどうか」』として折衷せっちゅう案あんを主張しゅちょうし、最終さいしゅう的てきに幹部かんぶ学校がっこうの教育きょういく方針ほうしんは旧きゅう軍ぐん式しきと米べい軍ぐん式しきの折衷せっちゅうになったとされる。

宮城みやぎ事件じけんの顛末てんまつを含ふくむ1945年ねん8月がつ9日にちから15日にちまでの動静どうせいを『大本営だいほんえい機密きみつ日誌にっし』として執筆しっぴつ、文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう社員しゃいんだった半藤はんどう一利かずとしに閲覧えつらんを許可きょかし、半藤はんどうはこれをベースとして『日本にっぽんのいちばん長ながい日ひ』で宮城みやぎ事件じけんを描えがいた。竹下たけしたは半藤はんどうの著書ちょしょを原作げんさくとして1967年ねんに公開こうかいされた岡本おかもと喜八きはち監督かんとくの映画えいが『日本にっぽんのいちばん長ながい日ひ』のパンフレットに「阿南あなん陸相りくしょうと三船みふね」という文章ぶんしょうを寄稿きこうし、その中なかで過去かこの終戦しゅうせん秘話ひわを描えがいた映画えいがにおける青年せいねん将校しょうこうの描写びょうしゃに不満ふまんを抱だいていたことを記しるしている。

1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）4月がつ23日にち死去しきょ。叙じょ・従したがえ四よん位い。

親族しんぞく

• 竹下たけした宣彦のぶひこ：兄あに、陸軍りくぐん中佐ちゅうさ
• 竹下たけした光彦みつひこ：弟おとうと、陸軍りくぐん中佐ちゅうさ
• 阿南あなみ惟幾これちか：義兄ぎけい、終戦しゅうせん時じの陸軍りくぐん大臣だいじん、陸軍りくぐん大将たいしょう
• 奥田おくだ千里せんり：義兄ぎけい、陸軍りくぐん大佐たいさ
• 中西なかにし良介りょうすけ：義兄ぎけい、中将ちゅうじょう（終戦しゅうせん時じの第だい5航空こうくう軍ぐん参謀さんぼう長ちょう）

栄典えいてん

• 勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょう - 1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）4月がつ29日にち

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの降伏ごうぶく