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米国べいこく会計かいけい基準きじゅん

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会計かいけい
主要しゅよう概念がいねん
簿記ぼき - 時価じか会計かいけい
現金げんきん主義しゅぎ - 発生はっせい主義しゅぎ
環境かんきょう会計かいけい
売上うりあげ原価げんか - 借方かりかた / 貸方かしかた
複式ふくしき簿記ぼき - 単式たんしき簿記ぼき
後入先出あといれさきだしほう - 先入せんにゅうさきほう
GAAP / US-GAAP
概念がいねんフレームワーク
国際こくさい財務ざいむ報告ほうこく基準きじゅん
そう勘定かんじょう元帳もとちょう - 取得しゅとく原価げんか主義しゅぎ
費用ひよう収益しゅうえき対応たいおう原則げんそく
収益しゅうえき認識にんしき - 試算しさんひょう
会計かいけい分野ぶんや
原価げんか - 財務ざいむ - 法定ほうてい
基金ききん - 管理かんり - ぜい
財務諸表ざいむしょひょう
貸借たいしゃく対照たいしょうひょう
損益そんえき計算けいさんしょ
キャッシュ・フロー計算けいさんしょ
持分もちぶん変動へんどう計算けいさんしょ
包括ほうかつ利益りえき計算けいさんしょ
注記ちゅうき - MD&A
監査かんさ
監査かんさ報告ほうこくしょ - 会計かいけい監査かんさ
GAAS / ISA - 内部ないぶ監査かんさ
SOXほう / 日本にっぽんばんSOXほう
会計かいけい資格しかく
JPCPA - ACCA - CA - CGA
CIMA - CMA - CPA - Bcom
税理士ぜいりし - 簿記ぼき検定けんてい
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米国べいこく会計かいけい基準きじゅん(べいこくかいけいきじゅん)とは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく財務ざいむ会計かいけい使用しようされる規則きそくしゅうであり、米国べいこくばんの「Generally Accepted Accounting Principles」(一般いっぱんみとめられた会計かいけい原則げんそく)である。りゃくしてUS-GAAPたんGAAP(ギャープ、ギァープ、ガープ)と表記ひょうきされたりばれることがおお[1] (日本にっぽん企業きぎょう会計かいけい原則げんそくは、JA-GAAP略称りゃくしょうされることもある[2])。米国べいこく証券しょうけん市場いちば上場じょうじょうするにはかなら米国べいこく会計かいけい基準きじゅん準拠じゅんきょした財務諸表ざいむしょひょう作成さくせい公表こうひょうしなければならず、これにかかわる米国べいこく公認こうにん会計士かいけいし(US-CPA)や企業きぎょう経営けいえいしゃ会計かいけい責任せきにんしゃはこの法令ほうれい違反いはんによって刑事けいじ民事みんじ責任せきにんわれることがある。

概要がいよう

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この会計かいけい規則きそくしゅうは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国内こくないでの、公的こうてき企業きぎょう私企業しきぎょう営利えいり企業きぎょう政府せいふふく広範こうはん事業じぎょうたいたいする財務諸表ざいむしょひょう作成さくせい準備じゅんびから作成さくせい過程かてい、その報告ほうこく段階だんかいもちいられる。一般いっぱんにGAAPは、会計かいけいほう規則きそくしゅう会計かいけい基準きじゅん関係かんけいし、地方ちほう適用てきようされる会計かいけい骨組ほねぐみをふくむ。

慣習かんしゅうほうシステムをもちいているほかおおくのくに同様どうように、民間みんかん部門ぶもんほうがより熟知じゅくちしており、手段しゅだんわせているとしんじられていて、合衆国がっしゅうこく政府せいふ直接的ちょくせつてき会計かいけい基準きじゅんっていない。

US-GAAPは明文めいぶんほうではなく、合衆国がっしゅうこく証券しょうけん取引とりひき委員いいんかい(Securities and Exchange Commission、SEC)は上場じょうじょう企業きぎょうはこれに沿って会計かいけい報告ほうこくがなされなければならないとしている。現在げんざい財務ざいむ会計かいけい基準きじゅん審議しんぎかい(Financial Accounting Standards Board、FASB)が私的してき企業きぎょう営利えいり団体だんたい関係かんけいするGAAPをつくうえでの最上級さいじょうきゅう権威けんい機関きかんである。地方ちほうしゅう政府せいふでは、GAAPは私企業しきぎょう環境かんきょう標準ひょうじゅんとはことなる、前提ぜんてい原則げんそく制約せいやくした影響えいきょうおよぼす政府せいふ会計かいけい基準きじゅん審議しんぎかい(Governmental Accounting Standards Board、GASB)によって決定けっていされる。連邦れんぽう政府せいふかく機関きかん会計かいけい報告ほうこく連邦れんぽう会計かいけい基準きじゅん諮問しもん審議しんぎかい(Federal Accounting Standards Advisory Board、FASAB)によって規定きていされる。

US-GAAPは、国際こくさい財務ざいむ報告ほうこく基準きじゅん(International Financial Reporting Standards, IFRS)とはすこことなるため、現在げんざい、これらのルールの統合とうごうけたみがなされているが、国際こくさい基準きじゅんのっとった財務ざいむ報告ほうこくしょ米国べいこく有効ゆうこうかどうか考慮こうりょされなければならない[3]

現在げんざいのGAAPが多種たしゅ多様たよう文書ぶんしょちゅうにさまざまな条文じょうぶんやコメントのかたち分散ぶんさんして存在そんざいしているものを、FASBが中心ちゅうしんとなり、「GAAP Codification」とばれる1つの文書ぶんしょにまとめる計画けいかく進行しんこうしており、すでに2008ねん1がつ基本きほんあん提示ていじされ、1年間ねんかん関係かんけいしゃからの修正しゅうせい意見いけんなどをのちの2009ねん1がつには、公式こうしき確定かくていした文書ぶんしょ完成かんせい目指めざしている。

分類ぶんるい

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US-GAAPはおおくの関連かんれん文書ぶんしょから構成こうせいされており、1つのルールのうらづけもあちこちの文書ぶんしょあたらなければならない。それでも基本きほんてき会計かいけいルールについては明確めいかく規定きていされているが、特殊とくしゅなケースでは適用てきようすべきルールが相反あいはんする場合ばあいがあるなどするために、おも信頼しんらいによって階層かいそう分類ぶんるいおこなわれて、運用うんよう支障ししょうしょうじないようになっている。

米国べいこく公認こうにん会計士かいけいし協会きょうかいAICPA)が1992ねん発行はっこうした監査かんさ基準きじゅんしょ(Statement on Audinting Standards、SASだい69ごうじょうのUS GAAPの定義ていぎでは、以下いかの4つに分類ぶんるいされている。

  • a. AICPAの機関きかん指定していした組織そしき公表こうひょうしたもの: FASB(Financial Accounting Standards Board、財務ざいむ会計かいけい基準きじゅん審議しんぎかい基準きじゅんしょ、FASB解釈かいしゃく指針ししん、APB(Accounting Principles Board)意見いけんしょ、ARB(Accounting Research Bulletin、会計かいけい研究けんきゅう公報こうほう
  • b. 会計かいけい専門せんもん団体だんたいにより発表はっぴょうされ、(a.)の機関きかんにより承認しょうにん(Clear)されたもの(公開こうかい審議しんぎ、ドラフトの公開こうかい前提ぜんてい): FASB技術ぎじゅつ基準きじゅん公報こうほうAICPA業種ぎょうしゅべつ監査かんさ会計かいけいガイド、AICPA意見いけんしょ
  • c. (a.)の機関きかんおよ会計かいけい専門せんもん構成こうせいされた団体だんたいにより発表はっぴょうされ、(a.)の機関きかんにより承認しょうにんされたもの(公開こうかい審議しんぎ前提ぜんてい): AICPAの会計かいけい基準きじゅん執行しっこう委員いいんかい実務じつむ基準きじゅん公報こうほうしん会計かいけい問題もんだい審議しんぎ部会ぶかい合意ごうい事項じこう
  • d. 一般いっぱんみとめられている実務じつむ慣行かんこうまた発表はっぴょうぶん: AICPAの解釈かいしゃくぶん、FASBスタッフ発行はっこうのQ&A、特定とくてい業務ぎょうむ実務じつむ慣行かんこう

a.からd.の順番じゅんばん優先ゆうせんして適用てきようされる。これらでは記述きじゅつされていない会計かいけいじょう問題もんだいについては、以下いか文献ぶんけん参考さんこうとされる。

  • FASBの概念がいねん基準きじゅんしょ(Statement of Financial Accounting Concepts[4], SFAC)
  • AICPAの討議とうぎ報告ほうこく(Issue Paper)
  • 国際こくさい財務ざいむ報告ほうこく基準きじゅん(International Financial Reporting Standards、IFRS
  • 政府せいふ会計かいけい基準きじゅん審議しんぎかい(Governmental Accounting Standards Board)基準きじゅんしょ
  • 専門せんもん協会きょうかい監督かんとく官庁かんちょう公式こうしき見解けんかい
  • AICPAの専門せんもんてき実務じつむ手引てびき(Technical Practice Aids)

など[3]

以下いかに4つのカテゴリを図示ずしする。

4つのカテゴリ
カテゴリ A
もっと信頼しんらいされるもの)
FASB基準きじゅんしょ(FASB Standards)、FASB解釈かいしゃく指針ししん(FASB Interpretations) APB意見いけんしょ(Accounting Principles Board Opinions) AICPA 会計かいけい研究けんきゅう公報こうほう(ARBs、AICPA Accounting Research Bulletins)
カテゴリ B FASB技術ぎじゅつ基準きじゅん公報こうほう(FASB Technical Bulletins) AICPAの業種ぎょうしゅべつ監査かんさ会計かいけいガイド(AICPA Industry Audit and Accounting Guides) AICPA意見いけんしょ(AICPA Statements of Position 、SOPs)
カテゴリ C FASBしん会計かいけい問題もんだい審議しんぎ部会ぶかい合意ごうい事項じこう(FASB Emerging Issues Task Force、EITF) AICPAの会計かいけい基準きじゅん執行しっこう委員いいんかい実務じつむ基準きじゅん公報こうほう(AICPA AcSEC Practice Bulletins)
カテゴリ D
最下位さいかい信頼しんらい
AICPAの解釈かいしゃくぶん(AICPA Accounting Interpretations) FASBスタッフ発行はっこうのQ&A(FASB Implementation Guides (Q and A)) ひろみとめられわたった業界ぎょうかい実務じつむ

カテゴリ AとBは信頼しんらいされ、カテゴリ CとDは興味深きょうみぶか特異とくいなケースではわずかに信頼しんらいされるものの、重要じゅうよう案件あんけんでは全幅ぜんぷく信頼しんらいせられるものではない。カテゴリ CとDは、GAAPの信頼しんらいできるレベルにまでげられる問題もんだいはなわれ結論けつろんみちびかれる途上とじょうにあるといえる。

FASBは、上記じょうきa.-d.分類ぶんるいおおくの基準きじゅんしょ意見いけんしょとう構成こうせいされる現在げんざいのUS GAAPを整理せいりするためにこれらを50の分野ぶんやけて、2008ねん1がつよりWebじょうあらたな「FASB Standards Condification」の原案げんあん公開こうかいし、1ねんには承認しょうにんすることにしている[3]

GAAPのいえ

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上記じょうきの4つのカテゴリは元々もともとは「GAAPのいえコンセプト」という表現ひょうげんで、スティーブン・ルービンが「ジャーナル・オブ・アカウンタンシー」の1984ねん6がつごういた記事きじ由来ゆらい[5]、GAAPを4つの階層かいそう分類ぶんるいして図示ずししたものは、US GAAPを構成こうせいする多種たしゅ意見いけん標準ひょうじゅん同種どうしゅ文書ぶんしょるい階層かいそう明示めいじするのに度々たびたびもちいられている。

歴史れきし

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  • 1938ねん AICPAが会計かいけい手続てつづき委員いいんかい(Committee on Accounting Procedures)が開設かいせつ
  • 1953ねん 会計かいけい研究けんきゅう公報こうほう(Accounting Research Bulletine, ARB)だい43ごう発表はっぴょう
  • 1959ねん 会計かいけい手続てつづき委員いいんかい解散かいさんと、会計かいけい原則げんそく委員いいんかい(Accounting Principles Board, APB)が開設かいせつ
  • 1972ねん 財務ざいむ会計かいけい基準きじゅん審議しんぎかい(Financial Accounting Standards Board, FASB)の開設かいせつ

[3]

監査かんさたずさわるものたち企業きぎょうでのGAAPを発展はってんさせる役割やくわり主導しゅどうした[6]。 2008ねんごろにFASBは、US GAAPのすうせんにもおよ意見いけんさい構築こうちくして、およそ90ほど意見いけんをまとめた「FASB Accounting Standards Codification」を発行はっこうした[7]

基本きほんてき目標もくひょう

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財務諸表ざいむしょひょう以下いか情報じょうほう提供ていきょうする。

  • 潜在せんざいてき投資とうし債権さいけんしゃ利用りようしゃ合理ごうりてき投資とうし(Investment)や貸付かしつけ、その金融きんゆうじょう意思いし決定けってい利用りようきょうする
  • 潜在せんざいてき投資とうし債権さいけんしゃ利用りようしゃ資金しきん収支しゅうし(Cashflow)の合計ごうけいがく時期じき確定かくてい要因よういんかんして判断はんだんたすけになるもの
  • 企業きぎょうの)資産しさん負債ふさい資本しほん、およびそれらの増減ぞうげんかんするもの

基本きほん概念がいねん

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基本きほんてき目標もくひょう基礎きそてき品質ひんしつ達成たっせいするために、GAAPは4つの基本きほんてき前提ぜんてい、4つの基本きほんてき原則げんそく、4つの基本きほんてき制約せいやくつ。

基本きほんてき前提ぜんてい

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(Assumptions)
  • 企業きぎょうかんする会計かいけいであること。個人こじん会計かいけい企業きぎょう会計かいけいとは分離ぶんりされる。
  • 継続けいぞくせいがあること。事業じぎょう期限きげん継続けいぞくされることを前提ぜんていにすることで、資産しさん計上けいじょう減価げんか償却しょうきゃく償却しょうきゃくかんするさまざまな手法しゅほう有効ゆうこうとなる。企業きぎょう整理せいり場合ばあいにのみこの前提ぜんてい除外じょがいされる。
  • 金銭きんせん主義しゅぎであり、貨幣かへい価値かち計量けいりょう出来できるもののみをあつかう。FASBではインフレであっても修正しゅうせいすることなく、記録きろくされる金銭きんせん単位たんいとしてUSドルの額面がくめん価値かち採用さいようする。
  • 時間じかん期間きかん原則げんそくにより、必然ひつぜんてき企業きぎょう経済けいざい活動かつどう社会しゃかいてき時間じかん区切くぎられる

基本きほんてき原則げんそく

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(Principles)
  • コスト原則げんそくにより、資産しさん負債ふさいについては公正こうせい市場いちば価格かかくではなく取得しゅとくコストにもとづいて計算けいさん報告ほうこくすることが、企業きぎょうもとめられる。この原理げんりは(主観しゅかんてきかたよった市場いちば価格かかくをもたらす機会きかい排除はいじょすることで)信頼しんらいできる情報じょうほうあたえるが、今日きょうではそれほど意味いみたなくなっている。結局けっきょく公正こうせい価格かかく使つかうのが一般いっぱんてきであり、なにより負債ふさい有価ゆうか証券しょうけんなどは現在げんざいでは市場いちば価格かかく報告ほうこくされる。
  • 収益しゅうえき原則げんそくもとづき、企業きぎょう収益しゅうえき記録きろくかんして以下いかのルールにしたがう。
  1. 実現じつげん実現じつげん可能かのうになった時点じてん使つかう。
  2. 現金げんきん受領じゅりょう時点じてんではなく販売はんばいやサービスを完了かんりょうしたことで支払しはらいをける権利けんり発生はっせいした時点じてん(稼得時点じてん)を使つかう。
このような会計かいけい方法ほうほう発生はっせい主義しゅぎ会計かいけいばれる。
  • 費用ひよう収益しゅうえき対応たいおう原則げんそくによって、費用ひよう可能かのうかぎ収益しゅうえき対応たいおうさせてあつかわれる。費用ひようは、作業さぎょう完了かんりょうしたり製品せいひん完成かんせいした時点じてんではなく、作業さぎょう製品せいひん実際じっさい収益しゅうえきむすびついたときはじめて認識にんしきされる。収益しゅうえきむすびつかなかったコストにかぎり、当期とうき費用ひようとして計上けいじょうすることが(たとえば、事務じむ給与きゅうよやその管理かんりてき費用ひようなど)ゆるされる場合ばあいがある。この原則げんそくは(収益しゅうえきるのにいくかったのかをしめすことで)実際じっさい収益しゅうえきせい効率こうりつをよりただしく評価ひょうかすることを目的もくてきとしている。減価げんか償却しょうきゃく売上うりあげ原価げんかはこの原理げんり適用てきようしめれいである。
  • 開示かいじ原理げんりによって、開示かいじされる数値すうち情報じょうほう種類しゅるいは、情報じょうほうかるコストよりも用意よういして利用りようする利便りべんほう上回うわまわるようにまさしく損得そんとく勘定かんじょうおこなわれる必要ひつようがある。情報じょうほう合理ごうりてきなコストの範囲はんいない判断はんだんされ、十分じゅうぶんひろ開示かいじされる。情報じょうほう財務ざいむ報告ほうこくしょやその注記ちゅうき添付てんぷ資料しりょうにおいての本体ほんたいとして提供ていきょうされる。

基本きほんてき制約せいやく

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(Constraints)
  • 客観きゃっかんせい原則げんそく (Objectivity principle) :会計士かいけいしつく企業きぎょう財務ざいむ報告ほうこくしょ客観きゃっかんてき証拠しょうこもとづいて構成こうせいされる。
  • 重要じゅうようせい原則げんそく (Materiality principle) :報告ほうこくしょ記載きさいされるときには、1つ1つの項目こうもく重大じゅうだいせい考慮こうりょされる。各々おのおの個別こべつ理由りゆうもとづいて判断はんだんされて、1つの項目こうもく重大じゅうだいせい考慮こうりょされる。
  • 継続けいぞくせい原則げんそく (Consistency principle) :会計かいけい方針ほうしん合理ごうりてき理由りゆうまい会計かいけい年度ねんどごとに頻繁ひんぱん変更へんこうされることはゆるされず、かくつうじた事業じぎょう成績せいせき変化へんか財務ざいむ報告ほうこくしょ一覧いちらんによって容易ようい取得しゅとく出来できるようにつとめられる。
  • 慎重しんちょう原則げんそく (Prudent principle) または保守ほしゅ主義しゅぎ原則げんそく (Conservative principle) :2つの選択肢せんたくしがある場合ばあいは、資産しさん収入しゅうにゅう過大かだい評価ひょうかされないほう負債ふさい損失そんしつ過小かしょう評価ひょうかされないほうつねえらぶ。具体ぐたいてきには、負債ふさい損失そんしつはある程度ていど確実かくじつせいがあれば当期とうき記載きさいされるべきものとなり、資産しさん収入しゅうにゅう確実かくじつとならないかぎりは当期とうき記載きさいしてはいけない。

その原則げんそく

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  • 目的もくてき適合てきごうせい(Relevance):財務ざいむ報告ほうこくしょ利用りようしゃ情報じょうほうによって意思いし決定けってい影響えいきょうおよぼし決定けっていちがいがるほどならば、それは目的もくてき適合てきごうせいがあるといえる。それには将来しょうらい予測よそく過去かこ決定けっていたいする正誤せいご判断はんだん確認かくにんふくまれ、また、利用りようしゃ必要ひつようとする適時てきじ情報じょうほう提供ていきょうされる必要ひつようがある。
  • 信頼しんらいせい(Reliability):あやまりや偏見へんけんがなく、検証けんしょう可能かのうであり、内容ないよう表現ひょうげん一貫いっかんしている。
  • 比較ひかく可能かのうせい(Comparability):複数ふくすう企業きぎょうあいだ財務ざいむ報告ほうこくしょならべることで簡単かんたん業績ぎょうせき優劣ゆうれつ類似るいじてん相違そういてん比較ひかく出来できる。
  • 即時そくじ認識にんしき(Immediate recognition):発生はっせいした費用ひようただちに認識にんしきされ、そのうち記録きろくされる。

GAAPからの逸脱いつだつ行為こうい

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米国べいこく公認こうにん会計士かいけいし組合くみあいであるAICPAの職業しょくぎょう倫理りんり規定きてい 203じょう会計かいけい原則げんそく」によって、「会員かいいん財務ざいむ報告ほうこくしょじょうでの重大じゅうだいあやま表記ひょうきこした場合ばあい虚偽きょぎ記載きさいおこなった場合ばあいにはGAAPを脱会だっかいしなければならない」とされている。脱会だっかい事実じじつともに、もし可能かのうならば、会計かいけい原則げんそくのっとって場合ばあいにどうしてそれが虚偽きょぎ記載きさいとなるのかが公表こうひょうされる。実際じっさいには、203じょう-1 「確立かくりつされた会計かいけい原則げんそくからの逸脱いつだつ」の適用てきようによって脱会だっかい余儀よぎなくされるケースはあまりないが、あたらしい法律ほうりつあらたな売買ばいばい取引とりひき書式しょしき滅多めった重要じゅうようせいかんする場合ばあい業界ぎょうかい特有とくゆうしょう習慣しゅうかんとの衝突しょうとつなどではよくきている。[8]

GAAPの策定さくてい

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以下いか組織そしきがUS-GAAPの策定さくていにおいて影響えいきょうあたえている。

  • 合衆国がっしゅうこく証券しょうけん取引とりひき委員いいんかい(United States Securities and Exchange Commission、US-SEC
    証券しょうけん取引とりひき委員いいんかい世界せかい恐慌きょうこうをきっかけとして設立せつりつされた。当時とうじ会計かいけい基準きじゅん体系たいけいととのえられてはいなかった。証券しょうけん取引とりひき委員いいんかいは、私企業しきぎょう業界ぎょうかいほう適切てきせつ知識ちしき人材じんざい能力のうりょくそなえているとしんじ、AICPAとのFASBをつうじて私企業しきぎょう基準きじゅん主要しゅよう確立かくりつすすめた。証券しょうけん取引とりひき委員いいんかいはさまざまな私的してき組織そしき緊密きんみつ作業さぎょうおこなったがGAAPは完成かんせいしなかった。
    規則きそく S-X によって財務ざいむ情報じょうほうかんして規定きていしており、財務諸表ざいむしょひょう記載きさいすべき情報じょうほう規定きていした日本にっぽんでの「財務諸表ざいむしょひょう規則きそく」にあたる。また、規則きそく S-K によって財務ざいむ情報じょうほう規定きていしている。

財務ざいむ報告ほうこく通牒つうちょう(Financial Reporting Release, FRR)によって財務ざいむ報告ほうこくかんするSECの見解けんかいしめし、スタッフ会計かいけい公告こうこく(Staff Accounting Bulletine, SAB)によって会計かいけいかんするSECの解釈かいしゃくつたえている。

  • 米国べいこく公認こうにん会計士かいけいし協会きょうかい(American Institute of Certified Public Accountants、AICPA
  • 財務ざいむ会計かいけい基準きじゅん審議しんぎかい(Financial Accounting Standards Board、FASB
  • 政府せいふ会計かいけい基準きじゅん審議しんぎかい(Governmental Accounting Standards Board、GASB
  • その影響えいきょうりょく組織そしき
    • アメリカ会計かいけい学会がっかい(American Accounting Association, AAA)
    • 米国べいこく管理かんり会計かいけいじん協会きょうかい(Institute of Management Accountants, IMA)
    • 財務ざいむ担当たんとう経営けいえいしゃ協会きょうかい(Financial Executives Institute, FEI)
    • 政府せいふ会計かいけい担当たんとうしゃ協会きょうかい(Government Finance Officer's Association, GFOA)

GAAP設立せつりつのより上位じょうい権威けんい機関きかん

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合衆国がっしゅうこくでは、GAAPは重要じゅうようおうじて以下いか機関きかんから支援しえんけている。

  1. 発行はっこうぶつはAICPAの審議しんぎかいより指名しめいされた正式せいしき会員かいいん発行はっこうされている。(たとえばFASB公告こうこくしょ(FASB Statements)、AICPA意見いけんしょ(AICPA Opinions)、AICPA 会計かいけい研究けんきゅう公報こうほう(AICPA Accounting Research Bulletins)とうである。)
  1. そののAICPAが発行はっこうするもの。AICPA業種ぎょうしゅべつガイド
  2. 業種ぎょうしゅべつ慣行かんこう そして
  3. 書籍しょせき記事きじかたちでの会計かいけいかんするみじか文章ぶんしょう

他国たこくとの関係かんけい

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日本にっぽん有価ゆうか証券しょうけん取引とりひきほう金融きんゆう商品しょうひん取引とりひきほう)では日本にっぽん企業きぎょう子会社こがいしゃ米国べいこく証券しょうけん市場いちば上場じょうじょうすることでSECにみとめられた様式ようしき20-Fを提出ていしゅつしている場合ばあいには、「特例とくれい」として子会社こがいしゃ財務諸表ざいむしょひょうとして米国べいこく基準きじゅん連結れんけつ財務諸表ざいむしょひょう日本にっぽんでの有価ゆうか証券しょうけん報告ほうこくしょふくめることがみとめられている。2002ねんからは米国べいこく証券しょうけん市場いちば上場じょうじょうしていなくても、SECに登録とうろく様式ようしき20-Fを提出ていしゅつしている場合ばあいには、米国べいこくしき連結れんけつ財務諸表ざいむしょひょう日本にっぽんでの有価ゆうか証券しょうけん報告ほうこくしょふくめることがみとめられている。

EUでは2008ねん12月31にちまでは、米国べいこく基準きじゅん(とカナダ基準きじゅん日本にっぽん基準きじゅん同様どうよう)がEUの会計かいけい基準きじゅんであるIFRSへえなしに会計かいけい報告ほうこく使用しようできる[3]

国際こくさい財務ざいむ報告ほうこく基準きじゅん参照さんしょう

米国べいこく会計かいけい年度ねんど

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日本にっぽんでは4がつ1にちからの1年間ねんかん一般いっぱんてき会計かいけい年度ねんどとなっているが、米国べいこくではとくことわらないかぎりは、1がつ1にちから12月31にちまでを1会計かいけい年度ねんどとしてあつかうのが普通ふつうである。ただ、これは拘束こうそくされたものではなく、会計かいけい年度ねんど期間きかん明記めいきされていれば、いつからの1年間ねんかんであってもかまわない。

米国べいこく基本きほん財務諸表ざいむしょひょう

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米国べいこく基本きほん財務諸表ざいむしょひょう年次ねんじ報告ほうこくしょ、Annual report)は以下いかの7種類しゅるい文書ぶんしょから構成こうせいされ、すべてが必要ひつようとされる。

  • 貸借たいしゃく対照たいしょうひょう
  • 損益そんえき計算けいさんしょ
  • 余剰よじょうきん計算けいさんしょ、または株主かぶぬし持分もちぶん計算けいさんしょ(Statement of retained earnings or changes in shareholders' equity)
  • キャッシュ・フロー計算けいさんしょ
  • 会計かいけい方針ほうしん記述きじゅつ(Description of accunting policies)
  • 財務諸表ざいむしょひょう注記ちゅうき(Notes of financial statements)
  • 付属ふぞく明細めいさいしょおよび説明せつめい資料しりょう(Schedules and explanatory material)

日本にっぽんでの財務諸表ざいむしょひょうくらべて、とく財務諸表ざいむしょひょう注記ちゅうき内容ないよう充実じゅうじつしている。

上場じょうじょう市場いちばによってはかく市場いちばごとのルールとして、1年間ねんかん(Annual)の財務諸表ざいむしょひょうによる報告ほうこくとはべつに、半年はんとしごと(Semiannually)や四半期しはんきごと(Quarterly)での財務諸表ざいむしょひょう(Financial statement)による報告ほうこくもとめられる。

とくにUS-SECがSAB99でしめした解釈かいしゃくによって、監査かんさじん発見はっけんした証券しょうけん取引とりひきほう違反いはんなどの違法いほう行為こういたいして通知つうち義務ぎむがあるとされている。

年度ねんど表示ひょうじでの順序じゅんじょ日本にっぽんでは右側みぎがわふる年度ねんどるが、米国べいこくでは左側ひだりがわふる年度ねんどるように規定きてい変更へんこうされたために、現在げんざいでは逆順ぎゃくじゅんになっている。

米国べいこくではマイナス表示ひょうじ数値すうち全体ぜんたいを(カッコ)でくくることがおおいが、とく規定きていされているわけではなく、"-"でしめしてもかまわない。

関連かんれんほう

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関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん注記ちゅうき

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  1. ^ 米国べいこく以外いがいくにもそれぞれのGAAPが存在そんざいする
  2. ^ GAAP (ギァープ) - コトバンク 2019ねん1がつ15にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d e デロイト・トウシュ・トーマツへん 『米国べいこく財務ざいむ会計かいけい基準きじゅん実務じつむ だい4はん』 中央経済社ちゅうおうけいざいしゃ 2008ねん3がつ20日はつかだい4はんだい1さつ発行はっこう ISBN 978-4-502-28150-1
  4. ^ SFACはUS-GAAPの内容ないよう影響えいきょうあたえるものの、SFAC自体じたいはUS-GAAPの構成こうせい要素ようそではない。SFAC 1に以下いか記述きじゅつがある:"Unlike a Statement of Financial Accounting Standards, a Statement of Financial Accounting Concepts does not establish generally accepted accounting principles"
  5. ^ Accounting - The House of GAAP - Goizueta Business Library
  6. ^ Gauthier, Stephen J.. Governmental Accounting, Auditing, and Financial Reporting 
  7. ^ AICPA (2008-02), AICPA Applauds FASB's Issuance of GAAP Codification, The CPA Letter 
  8. ^ Page 56. "Auditing, an integrated approach" by Alvin Arens and James Loebbecke, published in 1980 by Prentise Hall, ISBN 0-13-051656-2.

外部がいぶリンク

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