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学習がくしゅう

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練習れんしゅうから転送てんそう
神経しんけい言語げんごプログラミング(NLP理論りろん)の代表だいひょうであるVARKモデル。
V(Visual、視覚しかく
A(Auditory、聴覚ちょうかく
reading & writing(き)
K(Kinestic、触覚しょっかく)。
自分じぶん感覚かんかくった学習がくしゅうほうつけるのが効果こうかてきとされる[1]

学習がくしゅう(がくしゅう)とは、知識ちしき行動こうどうスキル能力のうりょく)、価値かちかん選考せんこうきらい)を、あたらしく獲得かくとくしたり、修正しゅうせいしたりすることである[2]生理学せいりがく心理しんりがくにおいては、経験けいけんによって動物どうぶつ人間にんげんふくめ)の行動こうどう変容へんようすることをす。かえおこな学習がくしゅう練習れんしゅう(れんしゅう)という。また一度いちどった学習がくしゅうをもういちど学習がくしゅうすることを、復習ふくしゅうという。さきばしは、学習がくしゅうにおいて克服こくふくすべき最大さいだい問題もんだいである[3]

一般いっぱんてき学習がくしゅう

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一般いっぱんてきには、経験けいけんつうじて行動こうどう持続じぞくてき変化へんかしょうじる、ないし行動こうどうパターンが変化へんかする現象げんしょうのことを学習がくしゅう定義ていぎする[4]まなばれることもある。学校がっこうにおける学習がくしゅうは、ひろ明示めいじされた教育きょういく目的もくてき教育きょういく目標もくひょうなどにもとづいて教員きょういん支援しえんするものであり、学習がくしゅうしゃ主体しゅたいとなってすすめられる。

行動こうどうパターンの変化へんかには、学習がくしゅう以外いがいにも、疲労ひろう動機どうきづけによる一過いっかせい行動こうどう変化へんか成熟せいじゅくによる発達はったつによる行動こうどう形成けいせいなどがあり、学習がくしゅうはそれらと分別ふんべつされる[4]

学習がくしゅう教育きょういく

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学校がっこうにおける学習がくしゅうは、教師きょうし視点してんかられば教育きょういくであるが、学生がくせい生徒せいと視点してんかられば学習がくしゅうである。 独学どくがく場合ばあい学習がくしゅうである。

教育きょういくについては教育きょういくがくという学問がくもん確立かくりつされている。それにたいして、近年きんねん認知にんち科学かがく認知にんち心理しんりがく)やのう科学かがくをベースにした学習がくしゅう科学かがくという分野ぶんやこりつつある。

集団しゅうだんレベルでの学習がくしゅう

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ローマクラブ(1970ねん設立せつりつ)のだい6報告ほうこくしょ限界げんかいなき学習がくしゅう」(1980ねん刊行かんこう学習がくしゅう個人こじん単位たんいのものだけでなく、集団しゅうだん社会しゃかい国家こっかなどの単位たんいでもおこなわれる活動かつどうであるというかんがえがひろまっている。集団しゅうだんでも過去かこ失敗しっぱい先例せんれいから学習がくしゅうすることがあるし、また、学習がくしゅうできるはずであり、国際こくさいてき民族みんぞく国家こっかあいだ紛争ふんそう経済けいざい支援しえんたがいにその原因げんいん背景はいけいまなぶことにより解決かいけつ方途ほうとさぐることができるとかんがえられるようになってきた。今日きょう国際こくさい連合れんごうOECDなどの報告ほうこくなかには、この意味いみもちいられた教育きょういく学習がくしゅうという単語たんご散見さんけんされるようになっている。こうした見方みかたは、国際こくさい理解りかい教育きょういく(World Studies)という名前なまえ小中学校しょうちゅうがっこう教育きょういく活動かつどうにも一部いちぶまれている。

心理しんりがくにおける学習がくしゅう

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心理しんりがくにおける学習がくしゅうは、一般いっぱんてき学習がくしゅうという言葉ことばよりもひろ意味いみつ。学校がっこうじゅくおこなわれる勉強べんきょうだけでなく、自転車じてんしゃをこげるようになったり、料理りょうりつくれるようになること心理しんりがくにおける学習がくしゅうにはふくまれる。練習れんしゅうりょう反応はんのう時間じかん関係かんけい学習がくしゅう曲線きょくせんによってあらわされる。なお、このようなかんがかたは、教育きょういく現場げんばでももちいられる。

集中しゅうちゅう学習がくしゅう分散ぶんさん学習がくしゅう

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時間じかん間隔かんかくかずに学習がくしゅうすること集中しゅうちゅう学習がくしゅう(massed learning)という。時間じかん間隔かんかくいて学習がくしゅうすること分散ぶんさん学習がくしゅう(spaced learning)や間隔かんかく反復はんぷく(spaced repetition)という。ハーバード大学だいがく医学部いがくぶによると、2021ねん6がつ8にち発表はっぴょうされた研究けんきゅうでは、練習れんしゅうセッションの合間あいまみじか休憩きゅうけいることも、あたらしいスキルを習得しゅうとくするために不可欠ふかけつであることをしめしている。記憶きおく学習がくしゅう最大さいだいするためにみじか休憩きゅうけいることは大事だいじであり、10秒間びょうかん学習がくしゅうして、つづいて10秒間びょうかん休憩きゅうけいり、というきわめて短時間たんじかん間隔かんかく反復はんぷく非常ひじょう重要じゅうようである[5]

つぎのような理由りゆうで、一般いっぱんてきには分散ぶんさん学習がくしゅうのほうが効率こうりつてきだとわれている。

  • 分散ぶんさん学習がくしゅうでは、休憩きゅうけいちゅう学習がくしゅうした内容ないようリハーサルすること可能かのうである。
  • 分散ぶんさん学習がくしゅうほうが、学習がくしゅう対象たいしょう注意ちゅうい集中しゅうちゅうしやすい。
  • 分散ぶんさん学習がくしゅうほうが、様々さまざま視点してんから学習がくしゅう対象たいしょう符号ふごうおこないやすい。

全体ぜんたいほう部分ぶぶんほう

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はじめからわりまでまるごと学習がくしゅうすること全体ぜんたいほうという。全体ぜんたいほうぜん習法ともばれる。 一般いっぱんてきには、全体ぜんたいほうほう効率こうりつてきだとわれている。 部分ぶぶん分割ぶんかつして、部分ぶぶんごとに学習がくしゅうすること部分ぶぶんほうという。部分ぶぶんほうぶん習法ともばれる。

知能ちのうたかひと年長ねんちょうしゃ学習がくしゅうすすんだ状態じょうたいではぜん習法のほう効率こうりつてきである。 知能ちのうたかくないひと年少ねんしょうしゃ学習がくしゅうすすんでいない状態じょうたいではぶん習法のほう効率こうりつてきである。

連合れんごう学習がくしゅう

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連合れんごう学習がくしゅう(associative learning)とは、 ひと動物どうぶつが2つの刺激しげきやイベントについて、その関連かんれん学習がくしゅうするプロセスである[6]古典こてんてき条件じょうけんづけでは、中性ちゅうせい刺激しげきによって希望きぼうする応答おうとうされるようになるまで、中立ちゅうりつ刺激しげき反射はんしゃ誘発ゆうはつ刺激しげきかえたいにして実施じっしする。オペラント条件じょうけんけでは、刺激しげきによって強化きょうかもしくは弱化じゃっかされる行動こうどうが、その刺激しげきおおかれすくなかれ発生はっせいするようになる。

オペラント条件じょうけんづけ

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オペラント条件じょうけんづけにおいては、頻度ひんど形態けいたい変更へんこうさせたい行動こうどうのちに、強化きょうか報酬ほうしゅう)もしくは弱化じゃっかあたえられる。行動こうどう/結果けっかしょうじたときにあらわれる刺激しげきによって、これら行動こうどう変化へんかをコントロールする。

古典こてんてき条件じょうけんづけ

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古典こてんてき条件じょうけんづけ(classical conditioning)の典型てんけいてきなパラダイムでは、無条件むじょうけん刺激しげき必然ひつぜんてき反射はんしゃてき応答おうとうこす)を、べつ中性ちゅうせい刺激しげき通常つうじょう応答おうとう誘発ゆうはつしない)とかえしセットにしてあたえる。

典型てんけいてきれいパブロフのいぬである[7]かれいぬ肉粉にくふんべると、自然しぜん唾液だえき反射はんしゃ刺激しげきとして分泌ぶんぴつされる。肉粉にくふん無条件むじょうけん刺激しげき(US)であり、唾液だえき分泌ぶんぴつ無条件むじょうけん応答おうとう(UR)である。パブロフは肉粉にくふんあたえるまえにベルをらした。最初さいしょにパブロフがベルをらしたとき(中立ちゅうりつ刺激しげき)はいぬ唾液だえきしておらず、いぬくちなか肉粉にくふんれたのちにはじめて唾液だえきした。ベルと食物しょくもつ数々かずかずわせていったのち、ようやくいぬは、ベルはものちかづいてきたことをげると学習がくしゅうし、ベルをいたときに唾液だえきすようになった。これがこると、ベルは条件じょうけん刺激しげき(CS)となり、かねへの唾液だえき分泌ぶんぴつ調整ちょうせい応答おうとう(CR)となった[8] It was recently also demonstrated in garden pea plants.[9]

観察かんさつ学習がくしゅう

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観察かんさつ学習がくしゅう(observational learning)とは、他人たにん行動こうどう観察かんさつすることによってしょうじる学習がくしゅうである。それは様々さまざまなプロセスにもとづいて多様たようかたちをとる、社会しゃかい学習がくしゅういち形態けいたいである。人間にんげんにおいてはこのような学習がくしゅうほうかならずしも強化きょうか必要ひつようとしないが、わりにおや兄弟きょうだい友人ゆうじん、または教師きょうしなどの社会しゃかいモデルが必要ひつようとなる。

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(Priming)とは、特定とくてい発達はったつ段階だんかい発生はっせいする学習がくしゅう一種いっしゅであり、行動こうどう結果けっかから迅速じんそくかつあきらかに独立どくりつしている。幼体ようたいにおけるみでは、わか動物どうぶつ(とりわけとく鳥類ちょうるい)やべつ個体こたいがある場合ばあいには、対象たいしょうとなる物体ぶったいとの関連かんれん学習がくしゅうし、それらはおや場合ばあい同様どうよう反応はんのうする。

コンピュータ

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コンピュータによるかい探索たんさくなどにおいて、直接ちょくせつにその解法かいほうあたえられるのではなく、試行錯誤しこうさくごとその結果けっかフィードバックすることによってよりよい解法かいほうちかづいていくシステムなどの動作どうさして学習がくしゅうなどとうことがある。

コンピュータの分野ぶんや学習がくしゅうとしては、日本語にほんご入力にゅうりょくシステム変換へんかん結果けっか学習がくしゅうニューラルネットワーク学習がくしゅう などがげられる。

スキーマと学習がくしゅう

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あたらしいスキーマ一般いっぱんに、物事ものごと理解りかいしたり、一連いちれん行動こうどうをとったりするさい利用りようされる体系たいけいてき知識ちしきのことを、スキーマとんでいる)をつくることを構造こうぞうという。もともとのスキーマにあたらしい知識ちしきくわえることをつけくわえという。もともとのスキーマをあたらしい目的もくてきうように変形へんけいすることを同調どうちょうという。プログラムとして学習がくしゅう組織そしきする場合ばあい以上いじょうのような一連いちれんのスキーマの形成けいせい変形へんけいおこなわれるようにする。

出典しゅってん

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  1. ^ 村上むらかみ (2017ねん5がつ30にち). “VARKで自分じぶん勉強べんきょうほうろう / Anatomy 今日きょう明日あした”. Anatomy. 群馬大学ぐんまだいがく. 2023ねん4がつ2にち閲覧えつらん
  2. ^ Richard Gross, Psychology: The Science of Mind and Behaviour 6E, Hachette UK, ISBN 978-1-4441-6436-7.
  3. ^ Introduction to Procrastination and Memory - Procrastination and Memory”. Coursera. 2023ねん7がつ31にち閲覧えつらん
  4. ^ a b はじめて出会であ心理しんりがく・210ぺーじ
  5. ^ Godman, Heidi (2021ねん9がつ1にち). “Take short breaks to maximize memory and learning” (英語えいご). Harvard Health. 2021ねん10がつ22にち閲覧えつらん
  6. ^ Plotnik, Rod; Kouyomdijan, Haig (2012). Discovery Series: Introduction to Psychology. Belmont, CA: Wadsworth Cengage Learning. pp. 208. ISBN 9781111347024 
  7. ^ Galizia, Giovanni; Lledo, Pierre-Marie (2013). Neurosciences - From Molecule to Behavior: a university textbook. Heidelberg: Springer Spektrum. pp. 578. ISBN 9783642107689 
  8. ^ Bitterman (1983). “Classical Conditioning of Proboscis Extension in Honeybees (Apis mellifera)”. J. Comp. Psychol. 97 (2): 107–119. doi:10.1037/0735-7036.97.2.107. 
  9. ^ Gagliano, Monica; Vyazovskiy, Vladyslav V.; Borbély, Alexander A.; Grimonprez, Mavra; Depczynski, Martial (2016-12-02). “Learning by Association in Plants” (英語えいご). Scientific Reports 6 (1): 38427. doi:10.1038/srep38427. ISSN 2045-2322. PMC 5133544. PMID 27910933. オリジナルの2017-06-23時点じてんにおけるアーカイブ。. http://www.nature.com/articles/srep38427. 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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一般いっぱんてき学習がくしゅう

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指導しどうしゃがわのスキル

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コンピュータと学習がくしゅう

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