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自伝じでん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベンジャミン・フランクリン1793ねん自伝じでん初版しょはん表紙ひょうし

自伝じでん(じでん、えい: autobiography)は、ひと自分じぶん自身じしんから自分じぶん生涯しょうがい人生じんせい記述きじゅつしたものをう。自身じしんによる伝記でんき自叙伝じじょでん(じじょでん)。

概要がいよう

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自伝じでん英語えいご表記ひょうきである autobiography は、ギリシアαあるふぁὐτός (-autos/自分じぶん) + βίος (-bios/生命せいめい) + γράφειν (-graphein/く) から由来ゆらいした言葉ことばである。

一般いっぱんてきな、他者たしゃによる伝記でんき通常つうじょう非常ひじょう広範囲こうはんいにわたる資料しりょう視点してんもとにしている。しかし、自伝じでんは、完全かんぜん執筆しっぴつしゃである本人ほんにん記憶きおく回顧かいこ回想かいそうもとづいており、資料しりょう利用りようするとしても記憶きおく補助ほじょとしてであるというてん一般いっぱん伝記でんきとはことなっている。古代こだいギリシアローマでは、こうした性格せいかくものを、アポロギア(apologia)としょうした。本質ほんしつてきにそれは、内省ないせいというよりも、自分じぶんった政治せいじてき言動げんどうについての自己じこ弁明べんめいしょであったからである。アウグスティヌスは、かれ自伝じでんてき著述ちょじゅつに「告白こくはく」(Confession 、信仰しんこう告白こくはく)という表題ひょうだいをつけた。ジョン・ヘンリー・ニューマン自伝じでんは、まさにかれ人生じんせい自己じこ弁明べんめいであった。ジャン・ジャック・ルソーもまたこのタイトルを踏襲とうしゅうした。自伝じでんというものを一般いっぱんてきひろめたのはベンジャミン・フランクリンである。

漢字かんじけんでは、前漢ぜんかん司馬しばが「史記しき」で最後さいごしょうに「ふとしおおやけ自序じじょ」をき、解説かいせつ自伝じでんねた。つづいてはんかたが「漢書かんしょ」でそれを踏襲とうしゅうし「じょでん」を最後さいごいた。

回顧かいころくとのちが

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マ帝国まていこく時代じだい弁論べんろんリバニウス(Libanius,314-393)は、かれ弁論べんろんのひとつとして、人生じんせい回顧かいころく自伝じでん)をつくったが、それはおおやけにするるいものではなく、自身じしん研究けんきゅううちだけでまれたであろう文芸ぶんげいてきものであった。

回顧かいころく回想かいそうろく)と自伝じでんとは少々しょうしょうことなる。自伝じでんがその人物じんぶつの「人生じんせい生涯しょうがい」に焦点しょうてんてるのにたいして、回顧かいころくは、自身じしん記憶きおく見解けんかいおよび感情かんじょう重点じゅうてんいて、よりせま範囲はんい特定とくてい事象じしょう事件じけん)についてべられる。

近代きんだい回顧かいころくはしばしば、過去かこ日記にっき手紙てがみ写真しゃしんもとにしている。

1980年代ねんだいころまでは、著名ちょめいじん以外いがい回顧かいころくいたり出版しゅっぱんしたりすることはまれだった。しかし、『アンジェラのはい』や『 The Color of Water 』といった回顧かいころく好評こうひょうはくし、おおくをげたことにより、おおくの人々ひとびとがこのジャンルめることとなった。

自伝じでん研究けんきゅう

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20世紀せいき前半ぜんはんドイツ哲学てつがくしゃゲオルク・ミッシュに『自伝じでん歴史れきし』(Geschichte der Autobiographie)という大部たいぶ研究けんきゅうしょがある。1907ねんから刊行かんこう開始かいしで、最後さいごまき1969ねんている。日本語にほんごやくはまだない。そのフィリップ・ルジェンヌの『フランスの自伝じでん 自伝じでん文学ぶんがく主題しゅだい構造こうぞう』(叢書そうしょ・ウニベルジタス 法政大学ほうせいだいがく出版しゅっぱんきょく 1995ねん)、どう自伝じでん契約けいやく』(水声すいせいしゃ 1993ねん)など、かずおおくないが、人間にんげん自己じこ認識にんしき具体ぐたいれいとして自伝じでん研究けんきゅうするうごきがある。

著名ちょめい自伝じでん

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関連かんれん項目こうもく

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