藤原ふじわら親ちかし兼けん

凡例はんれい 藤原ふじわら親ちかし兼けん
時代じだい	平安へいあん時代じだい末期まっき - 鎌倉かまくら時代ときよ前期ぜんき
生誕せいたん	承うけたまわ安やす2年ねん（1172年ねん）
死没しぼつ	寛ひろし元もと4年ねん5月27日にち（1246年ねん7月がつ11日にち）
別名べつめい	水無瀬みなせ親おや兼けん
官位かんい	正せい二に位い、権けん中納言ちゅうなごん、右みぎ衛門えもん督とく
主君しゅくん	高倉天皇たかくらてんのう→安徳天皇あんとくてんのう→後鳥羽ごとば天皇てんのう→土御門天皇つちみかどてんのう→順徳天皇じゅんとくてんのう→仲恭天皇ちゅうきょうてんのう
氏族しぞく	水無瀬みなせ家か
父母ちちはは	父ちち：藤原ふじわら親ちかし信しん、母はは：官女かんじょ半はん物ぶつ阿古あこ丸まる
兄弟きょうだい	二条にじょう定輔ていすけ、仲なか経けい、親おや兼けん、忠ちゅう遍へん、信弘のぶひろ、源みなもと通とおる宗むね室しつ、藤原ふじわら朝ちょう経けい室しつ、源みなもと通とおる宗室そうしつ、藤原ふじわら朝ちょう定じょう室しつ、藤原ふじわら教成のりなり室しつ
妻つま	足利あしかが義兼よしかねの娘むすめ、宜むべ秋あき門もん院いん女房にょうぼう備前びぜん
子こ	信成のぶなり、親忠ちかただ、坊門ぼうもん親おや仲なか、信弘のぶひろ、顕あらわ親おや、全ぜん親おや、久我くが通とおる光こう室しつ

藤原ふじわら 親ちかし兼けん（ふじわら の ちかかね）は、平安へいあん時代じだい末期まっきから鎌倉かまくら時代ときよ前期ぜんきにかけての公卿くぎょう。水無瀬みなせ親おや兼けんとも。坊門ぼうもん中納言ちゅうなごん・藤原ふじわら親ちかし信しんの三男さんなん。官位かんいは正せい二に位い・権けん中納言ちゅうなごん、右みぎ衛門えもん督とく。琵琶びわで名高なだかい二条にじょう定輔ていすけの同母どうぼ弟おとうと。

後鳥羽ごとば院いんの仰おおせによって坊門ぼうもん忠信ちゅうしんの養子ようしとなっていた息いき男おとこの信成のぶなりが後鳥羽ごとば院いんの置おけ文ぶんによって水無瀬みなせ殿どののあった広瀬ひろせ村むらを伝つて領りょうし、結果けっか的てきに水無瀬みなせ家か嫡流ちゃくりゅうとして現在げんざいに至いたるまで続つづくことになった。隆たかし家か流りゅう坊門ぼうもん一門いちもんの中なかで断絶だんぜつせずに続つづいたのは水無瀬みなせ家かのみである。

経歴けいれき

以下いか、『公卿くぎょう補任ほにん』と『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく』の内容ないように従したがって記述きじゅつする。

• 養和ようわ元年がんねん（1181年ねん）12月29日にち、叙爵じょしゃく。
• 寿ことぶき永ひさし2年ねん（1183年ねん）8月がつ16日にち、阿波あわ守もりに任にんぜられる。
• 文治ぶんじ3年ねん（1187年ねん）1月がつ23日にち、右みぎ兵衛ひょうえ佐さを兼かねる。
• 文治ぶんじ5年ねん（1189年ねん）1月がつ5日にち、従したがえ五ご位い上うえに昇叙しょうじょ。
• 建たて久ひさ3年ねん（1192年ねん）1月がつ5日にち、正せい五ご位い下したに昇叙しょうじょ。
• 建たて久ひさ4年ねん（1193年ねん）12月9日にち、左ひだり兵衛ひょうえ佐さに転任てんにん。
• 建たて久ひさ7年ねん（1196年ねん）1月がつ6日にち、従したがえ四よん位い下したに昇叙しょうじょ。
• 正治しょうじ元年がんねん（1199年ねん）1月がつ5日にち、従したがえ四よん位い上じょうに昇叙しょうじょ。同年どうねん3月がつ23日にち、右みぎ馬頭めずに任にんぜられる。
• 建たて仁ひとし元年がんねん（1201年ねん）1月がつ6日にち、正せい四よん位い下したに昇叙しょうじょ。その後ご、息いき男おとこ親忠ちかただに譲ゆずり右みぎ馬頭めずを辞じした。
• 元久もとひさ元年がんねん（1204年ねん）10月がつ26日にち、従したがえ三さん位いに叙じょされる。
• 承うけたまわ元もと2年ねん（1208年ねん）12月9日にち、正せい三さん位いに昇叙しょうじょ。
• 承うけたまわ元もと3年ねん（1209年ねん）1月がつ13日にち、右みぎ衛門えもん督とくに任にんぜられる。
• 建けん暦れき元年がんねん（1211年ねん）1月がつ18日にち、参議さんぎに任にんぜられる。右みぎ衛門えもん督とくは元もとの如ごとし。
• 建けん暦れき2年ねん（1212年ねん）1月がつ13日にち、備前びぜん権守ごんもりを兼かねる。
• 建けん暦れき3年ねん（1213年ねん）5月がつ22日にち、母ははの喪もが明あけて復ふく任にん。
• 建たて保たもつ2年ねん（1214年ねん）1月がつ13日にち、権けん中納言ちゅうなごんに任にんぜられる。右みぎ衛門えもん督とくは元もとの如ごとし。10月28日にち、従したがえ二に位いに昇叙しょうじょ。12月1日にち、権けん中納言ちゅうなごんと右みぎ衛門えもん督とくを辞じした。
• 建けん保ほ5年ねん（1217年ねん）1月がつ6日にち、正せい二に位いに昇叙しょうじょ。
• 承うけたまわ久ひさし元年がんねん（1219年ねん）10月がつ9日にち、本ほん座ざを許ゆるされる。
• 承うけたまわ久ひさし3年ねん（1221年ねん）8月がつ8日にち、子息しそく3人にんと共ともに召取とられ、12日にちに出家しゅっけした。9月には放免ほうめんされた。
• 寛ひろし元もと4年ねん（1246年ねん）5月がつ27日にち、薨去こうきょ。享年きょうねん75。

系譜けいふ

• 父ちち：藤原ふじわら親ちかし信しん
• 母はは：官女かんじょ半はん物ぶつ阿古あこ丸まる
• 妻つま：足利あしかが義兼よしかね娘むすめ
• 妻つま：宜むべ秋あき門もん院いん女房にょうぼう備前びぜん - 源みなもと盛親もりちかの娘むすめ。『尊卑そんぴ文脈ぶんみゃく』では源みなもと盛もり保たもつの娘むすめ。
  • 男子だんし：水無瀬みなせ信成のぶなり
• 生母せいぼ不明ふめい
  • 男子だんし：親忠ちかただ
  • 男子だんし：坊門ぼうもん親おや仲なか
  • 男子だんし：信弘のぶひろ
  • 男子だんし：顕あきら親おや
  • 男子だんし：全ぜん親おや
  • 女子じょし：久我くが通とおる光こう室しつ - 後のちに入道にゅうどう大炊おおい助じょ親おや秀しゅうに嫁かした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『公卿くぎょう補任ほにん』（新しん訂てい増補ぞうほ国史こくし大系たいけい）吉川弘文館よしかわこうぶんかん 黒板こくばん勝美かつみ、国史こくし大系たいけい編集へんしゅう会かい（編へん） ※ 元久もとひさ元年がんねん（1204年ねん）に親おや兼けんが非ひ参議さんぎ従したがえ三さん位いとなった時とき以降いこうの記事きじ。
• 『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく』（新しん訂てい増補ぞうほ国史こくし大系たいけい）吉川弘文館よしかわこうぶんかん 黒板こくばん勝美かつみ、国史こくし大系たいけい編集へんしゅう会かい（編へん） ※「藤原ふじわら親ちかし兼けん」および「水無瀬みなせ信成のぶなり」の項こう。