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藤田ふじた一郎いちろう (実業じつぎょう家か)

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藤田ふじた 一郎いちろう（ふじた いちろう、1886年ねん（明治めいじ19年ねん）5月5日にち[1] - 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）9月19日にち[2]）は、日本にっぽんの実業じつぎょう家か。土木どぼく建築けんちく請負うけおい業ごう[3][4][5]。藤田ふじた組ぐみ（現げん・フジタ）初代しょだい社長しゃちょう。広島ひろしま県けん多額たがく納税のうぜい者しゃ[3][4][6][7]。東亜とうあ木材もくざい防腐ぼうふ社長しゃちょう[3][8][9]。広島ひろしま商工しょうこう会議かいぎ所しょ顧問こもん[3]。族ぞく籍せきは広島ひろしま県けん平民へいみん[10]。参議院さんぎいん議長ぎちょうを務つとめた藤田ふじた正明まさあきは甥おい。

経歴けいれき

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広島ひろしま県けん賀茂かも郡ぐん中ちゅう黒瀬くろせ村むら字じ大多田おおただ（現げん・東広島ひがしひろしま市し黒瀬くろせ町まち）の農家のうかに生うまれた[11][注ちゅう 1]。藤田ふじた次つぎ助すけの二男じなん[3][10][12][13]。高等こうとう小学校しょうがっこうを卒業そつぎょう[11]。

郷里きょうりで百姓ひゃくしょうのまま埋うずもれたくなかったため[11]、広島ひろしま市しで請負うけおい業ぎょうをやっていた母方ははかたのおじに当あたる森もり信正のぶまさ市しの店みせで小僧こぞうとして働はたらく[14]。17歳さいの時とき、アメリカへの密航みっこうを企くわだてたが、失敗しっぱいに終おわり再ふたたび森もり信しん方かたに連つれ戻もどされた[11]。

19歳さいで独立どくりつしたが、未成年みせいねんなので請負うけおい事業じぎょうに携たずさわることができず、将来しょうらい斯業しぎょうで立たつ準備じゅんびとして材木ざいもく商しょうを選えらんで、広島ひろしま市し大手町おおてまち九きゅう丁目ちょうめ鷹野橋たかのばし下流かりゅうの河岸かわぎしに開店かいてんした[14]。

1910年ねん12月、24歳さいの頃ころ、弟おとうとの定てい市しとともに広島ひろしま市し台たい屋や町まち[注ちゅう 2]で土木どぼく建築けんちく請負うけおい業ぎょうを始はじめた[16]。分家ぶんけして一家いっかを創立そうりつする[10][注ちゅう 3]。

1916年ねん、小倉こくらの陸軍りくぐん第だい十じゅう二に師団しだんの兵舎へいしゃの受注じゅちゅうを果はたした[16]。正式せいしきに「藤田ふじた組ぐみ」を名乗なのり、一郎いちろうが組長くみちょうに、弟おとうとの定てい市しが副ふく組長くみちょうになった[16]。1937年ねん、「株式会社かぶしきがいしゃ広島ひろしま藤田ふじた組ぐみ」設立せつりつ、取締役とりしまりやく社長しゃちょうに就任しゅうにん[16]。1944年ねん、一郎いちろうは社長しゃちょうを辞任じにん､会長かいちょうに就任しゅうにん、弟おとうとの定てい市しが社長しゃちょうに就任しゅうにん[16][18]。

広島ひろしま商工しょうこう会議かいぎ所しょ会頭かいとう、日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい中国ちゅうごく支部しぶ理事りじ長ちょうなどを歴任れきにん[2]。

人物じんぶつ

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1945年ねん8月がつ6日にちの広島ひろしま市しへの原子げんし爆ばく弾だん投下とうかの時とき、一郎いちろうは佐伯さいき郡ぐんの別荘べっそうにいたので、難なんを免まぬかれた[11]。

『商工しょうこう資産しさん信用しんよう録ろく 第だい33回かい 中国ちゅうごく四国しこく版ばん』によると、藤田ふじた一郎いちろう（調査ちょうさ年月としつき・1932年ねん7月がつ）は「正せい身み身代しんだい・L、信用しんよう程度ていど・A、職業しょくぎょう・土木どぼく建築けんちく請負うけおい」である[19]。『商工しょうこう人名じんめい録ろく 昭和しょうわ8年ねん』には「営業えいぎょう種目しゅもく・セメント建築けんちく材料ざいりょう請負うけおい業ぎょう、区別くべつ・卸おろし」とある[5]。

宗教しゅうきょうは仏教ぶっきょう[3][12]、真宗しんしゅう[4][17]。処世しょせいの信条しんじょうは、信義のぶよし[8]。貴族きぞく院いん多額たがく納税のうぜい者しゃ議員ぎいん選挙せんきょの互選ごせん資格しかくを有ゆうした[1][20]。住所じゅうしょは広島ひろしま市し平野ひらの町まち[4][17]、同市どうし針屋はりや町まち[7][10][13]、同市どうし南竹屋みなみたけや町まち[3][8][20]。事務所じむしょは大手町おおてまち[4][17]。

家族かぞく・親族しんぞく

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藤田ふじた家か
親戚しんせき

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 藤田ふじた家かについて、『建設けんせつ界かいの新あたらしい波なみ 藤田ふじた組ぐみ（企業きぎょうの現代げんだい史し26）』によると「家いえは水田すいでん3町まち歩ふ、山林さんりん5町歩ちょうぶの地所じしょ持もちだったというから中農ちゅうのうである」という[11]。
  2. ^ 現在げんざいの町まちの区域くいきは、南みなみ区く京橋きょうばし町まち、的場まとば町まち1丁目ちょうめである[15]。
  3. ^ 分家ぶんけした年としは、『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい14版はん 下か』では1910年ねん（明治めいじ43年ねん）[17]、『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい7版はん』では1912年ねん（明治めいじ45年ねん）[10]である。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 『貴族きぞく院いん多額たがく納税のうぜい者しゃ名鑑めいかん』467頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2020年ねん9月がつ14日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b 藤田ふじた 一郎いちろうとはコトバンク。2015年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b c d e f g 『大衆たいしゅう人事じんじ録ろく 第だい12版はん 近畿きんき・中国ちゅうごく・四国しこく・九州きゅうしゅう篇へん』広島ひろしま25-26頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2019年ねん1月がつ2日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c d e f 『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい13版はん 下か』フ62頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2015年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b 『商工しょうこう人名じんめい録ろく 昭和しょうわ8年ねん』166頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2017年ねん10月がつ4日にち閲覧えつらん。
  6. ^ 『日本にっぽん紳士録しんしろく 第だい37版はん附録ふろく 多額たがく納税のうぜい者しゃ名簿めいぼ』63頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2018年ねん9月がつ24日にち閲覧えつらん。
  7. ^ a b 『日本にっぽん紳士録しんしろく 第だい31版はん』付録ふろく 全国ぜんこく多額たがく納税のうぜい者しゃ 広島ひろしま県けん60頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2019年ねん1月がつ3日にち閲覧えつらん。
  8. ^ a b c 『広島ひろしま県けん紳士録しんしろく 昭和しょうわ8年版ねんばん』67頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2017年ねん9月がつ21日にち閲覧えつらん。
  9. ^ a b 『日本にっぽん紳士録しんしろく 第だい41版はん』広島ひろしまヒ、フの部ぶ22頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2018年ねん5月がつ8日にち閲覧えつらん。
  10. ^ a b c d e f g h 『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい7版はん』ふ17頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2015年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  11. ^ a b c d e f 『建設けんせつ界かいの新あたらしい波なみ 藤田ふじた組ぐみ（企業きぎょうの現代げんだい史し26）』32、33、43頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2023年ねん9月がつ29日にち閲覧えつらん。
  12. ^ a b c d e f 『大衆たいしゅう人事じんじ録ろく 第だい14版はん 近畿きんき・中国ちゅうごく・四国しこく・九州きゅうしゅう篇へん』広島ひろしま34頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2020年ねん9月がつ13日にち閲覧えつらん。
  13. ^ a b c d e 『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい8版はん』フ59頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2019年ねん1月がつ3日にち閲覧えつらん。
  14. ^ a b 『我が等とうが先輩せんぱい』1 - 6頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2023年ねん9月がつ29日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “廃止はいし町名ちょうめいと現在げんざいの町まちの区域くいき”. 広島ひろしま市し (2019年ねん10月がつ21日にち). 2024年ねん3月がつ16日にち閲覧えつらん。
  16. ^ a b c d e 広島ひろしまから東京とうきょうへ - 戦前せんぜんの歩あゆみ『フジタ百ひゃく年ねんのあゆみ』1-2頁ぺーじ。2015年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  17. ^ a b c d 『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい14版はん 下か』フ59頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2020年ねん1月がつ19日にち閲覧えつらん。
  18. ^ （株）かぶしきがいしゃ藤田ふじた組ぐみ『藤田ふじた組ぐみの五ご十じゅう年ねん』（1960. 04）渋沢しぶさわ社しゃ史しデータベース。2015年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  19. ^ 『商工しょうこう資産しさん信用しんよう録ろく 第だい33回かい 中国ちゅうごく四国しこく版ばん』広島ひろしま県けんふ之の部ぶ38頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2022年ねん11月30日にち閲覧えつらん。
  20. ^ a b 『全国ぜんこく貴族きぞく院いん多額たがく納税のうぜい者しゃ議員ぎいん互選ごせん人名じんめい総覧そうらん』67頁ぺーじ（国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション）。2017年ねん9月がつ21日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい7版はん』人事じんじ興信所こうしんじょ、1925年ねん。
  • 織田おだ正ただし誠まこと編へん『貴族きぞく院いん多額たがく納税のうぜい者しゃ名鑑めいかん』太ふとし洋よう堂どう出版しゅっぱん部ぶ、1926年ねん。
  • 交詢社こうじゅんしゃ編へん『日本にっぽん紳士録しんしろく 第だい31版はん』交詢社こうじゅんしゃ、1927年ねん。
  • 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい8版はん』人事じんじ興信所こうしんじょ、1928年ねん。
  • 『我が等とうが先輩せんぱい』春秋しゅんじゅう社しゃ、1929年ねん。
  • 『商工しょうこう資産しさん信用しんよう録ろく 第だい33回かい 中国ちゅうごく四国しこく版ばん』商業しょうぎょう興信所こうしんじょ、1932年ねん。
  • 『全国ぜんこく貴族きぞく院いん多額たがく納税のうぜい者しゃ議員ぎいん互選ごせん人名じんめい総覧そうらん』銀行ぎんこう信託しんたく通信つうしん社しゃ出版しゅっぱん部ぶ、1932年ねん。
  • 交詢社こうじゅんしゃ編へん『日本にっぽん紳士録しんしろく 第だい37版はん附録ふろく 多額たがく納税のうぜい者しゃ名簿めいぼ』交詢社こうじゅんしゃ、1933年ねん。
  • 『広島ひろしま県けん紳士録しんしろく 昭和しょうわ8年版ねんばん』西日本にしにほん興信所こうしんじょ、1933年ねん。
  • 広島ひろしま商工しょうこう会議かいぎ所しょ編へん『商工しょうこう人名じんめい録ろく 昭和しょうわ8年ねん』広島ひろしま商工しょうこう会議かいぎ所しょ、1933年ねん。
  • 交詢社こうじゅんしゃ編へん『日本にっぽん紳士録しんしろく 第だい41版はん』交詢社こうじゅんしゃ、1937年ねん。
  • 帝国ていこく秘密ひみつ探偵たんてい社しゃ編へん『大衆たいしゅう人事じんじ録ろく 第だい12版はん 近畿きんき・中国ちゅうごく・四国しこく・九州きゅうしゅう篇へん』帝国ていこく秘密ひみつ探偵たんてい社しゃほか、1938年ねん。
  • 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい13版はん 下か』人事じんじ興信所こうしんじょ、1941年ねん。
  • 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい14版はん 下か』人事じんじ興信所こうしんじょ、1943年ねん。
  • 帝国ていこく秘密ひみつ探偵たんてい社しゃ編へん『大衆たいしゅう人事じんじ録ろく 第だい14版はん 近畿きんき・中国ちゅうごく・四国しこく・九州きゅうしゅう篇へん』帝国ていこく秘密ひみつ探偵たんてい社しゃ、1943年ねん。
  • 『建設けんせつ界かいの新あたらしい波なみ 藤田ふじた組ぐみ（企業きぎょうの現代げんだい史し26）』フジ・インターナショナル・コンサルタント出版しゅっぱん部ぶ、1963年ねん。
  • 佐藤さとう朝ちょう泰たい『豪ごう閥ばつ 地方ちほう豪族ごうぞくのネットワーク』立たて風ふう書房しょぼう、2001年ねん。
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