(Translated by https://www.hiragana.jp/)
蛇行 - Wikipedia コンテンツにスキップ

蛇行だこう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
平野へいやを流ながれて自由じゆう蛇行だこうする川かわと、流りゅう路ろが変化へんかするごとに新あらたに形成けいせいされてきた数すう多おおくの三日月みかづき湖こ、および、古ふるい時代じだいの三日月みかづき湖この痕跡こんせき／ロシアはシベリア北部ほくぶのヤマル半島はんとう付近ふきん。
ヘビが這はう様子ようす
蛇行だこうの進行しんこう

蛇行だこう（だこう、英えい: meandering[1]）とは、蛇へびが這はう姿すがたのように曲まがりくねって進すすむことを指さす。また、川かわや気流きりゅうが曲まがりながら流ながれることを指さす。

川かわの流ながれがカーブの内側うちがわとなる場所ばしょは、流ながれが遅おそく、土砂どしゃが堆積たいせきされるが、外側そとがわとなる場所ばしょでは、流ながれが急きゅうで、水深すいしんも深ふかい。

川かわは地形ちけいの低ひくい場所ばしょに水みずを流ながすため、自然しぜん状態じょうたいでは通常つうじょう蛇行だこうする。なお、ドイツの流体りゅうたい力学りきがく者しゃテオドール・シュベンク（英語えいご版ばん）は「蛇行だこうの原因げんいんは河川かせんの断面だんめん方向ほうこうにある二ふたつの螺旋らせん流りゅうである」と[2]著書ちょしょ "Das sensible Chaos. Strömendes Formenschaffen in Wasser und Luft "[3]（原著げんちょ1962年ねん刊かん。日本語にほんご題だい：カオスの自然しぜん学がく）の中なかで述のべている[2]。 また、蛇行だこうは洪水こうずいの原因げんいんとなるため、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごの日本にっぽんでは河川かせん改修かいしゅうが進すすんで直線ちょくせん化かし、「元もと-川かわ」「旧きゅう-川かわ」といった場所ばしょに、蛇行だこうを残のこすだけのことが多おおい。逆ぎゃくに自然しぜんを取とり戻もどすために、一度いちど直線ちょくせん化かした河かわ道どうをふたたび蛇行だこうさせる試こころみもある。

河川かせんの蛇行だこう[編集へんしゅう]

河川かせんの蛇行だこうは大おおきく自由じゆう蛇行だこう（free meander）と穿ほじ入にゅう蛇行だこう（incised meander）に分わけられる[4]。

自由じゆう蛇行だこう[編集へんしゅう]

自由じゆう蛇行だこうとは、低地ていち部ぶにおいて河川かせんの流りゅう路ろが自由じゆうに変更へんこう可能かのうな蛇行だこうのことであり[4]、攻撃こうげき斜面しゃめんでの侵食しんしょくと滑走かっそう斜面しゃめん（英語えいご版ばん）での堆積たいせきによって流りゅう路ろ変更へんこうがなされる[5]。自由じゆう蛇行だこうの両側りょうがわにおいて自然しぜん堤防ていぼうが発達はったつし、堤防ていぼうの外側そとがわでは低湿ていしつ地ちが見みられる[6]。

河川かせんが台地だいちなどを掘割ほりわりって流ながれ平地ひらちへ出でた後のち、自由じゆう蛇行だこうが発達はったつする場合ばあいがある[7]。

穿ほじ入にゅう蛇行だこう[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「穿ほじ入にゅう蛇行だこう」を参照さんしょう

穿ほじ入にゅう蛇行だこうとは、河谷こうだににおける蛇行だこうのことであり、掘削くっさく蛇行だこう（intrenched meander）と生育せいいく蛇行だこう（ingrown meander）に大おおきく分わけられる[8]。掘削くっさく蛇行だこうは、自由じゆう蛇行だこうの河川かせんにおいて、侵食しんしょく作用さようが活発かっぱつ化かし下刻げこくが起おこることで地形ちけいが形成けいせいされる[9]。一方いっぽう側がわ刻こくは小ちいさいため、河谷こうだにの断面だんめんは左右さゆう対称たいしょうとなる[9]。生育せいいく蛇行だこうでは、下刻げこくに限かぎらず側がわ刻こくも行おこなわれ、蛇行だこうの振幅しんぷくも増大ぞうだいさせ、河谷こうだにの断面だんめんも非対称ひたいしょうになる[10]。攻撃こうげき斜面しゃめんでは植生しょくせいに乏とぼしく岩石がんせきが露出ろしゅつしており、侵食しんしょくの進行しんこうにより谷たに壁かべの傾斜けいしゃが大おおきく、斜面しゃめん崩壊ほうかいも起おこりやすい[11]。一方いっぽう滑走かっそう斜面しゃめんでは緩なる傾斜けいしゃであり災害さいがいも起おこりにくい[12]。

なお、穿ほじ入にゅう蛇行だこうの大だい多数たすうは生育せいいく蛇行だこうであり[10]、掘削くっさく蛇行だこうはあまり存在そんざいしない[8]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 文部省もんぶしょう・土木どぼく学会がっかい 1991.
  2. ^ a b シュベンク 2005, p. 98.
  3. ^ Schwenk 1962.
  4. ^ a b 日本にっぽん地形ちけい学がく連合れんごう 2017, p. 502.
  5. ^ 日本にっぽん地形ちけい学がく連合れんごう 2017, p. 365.
  6. ^ 鈴木すずき 1998, p. 252.
  7. ^ 例たとえば、渡良瀬川わたらせがわの海老瀬えびせ地区ちく、矢上川やかみがわの加瀬かせ地区ちくなど。
  8. ^ a b 日本にっぽん地形ちけい学がく連合れんごう 2017, p. 465.
  9. ^ a b 日本にっぽん地形ちけい学がく連合れんごう 2017, p. 209.
  10. ^ a b 日本にっぽん地形ちけい学がく連合れんごう 2017, p. 431.
  11. ^ 鈴木すずき 2000, p. 697.
  12. ^ 鈴木すずき 2000, p. 698.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • テオドール・シュベンク 著しる、赤井あかい敏夫としお 訳やく『カオスの自然しぜん学がく―水みず・大気たいき・音おと・生命せいめい・言語げんごから』（新装しんそう版ばん）工作こうさく舎しゃ、2005年ねん4月がつ1日にち（原著げんちょ1962年ねん）。ISBN 978-4-87502-384-5。 
  • 鈴木すずき隆介りゅうすけ『低地ていち』古今ここん書院しょいん〈建設けんせつ技術ぎじゅつ者しゃのための地形ちけい図ず読図どくず入門にゅうもん 第だい2巻かん〉、1998年ねん5月がつ1日にち。ISBN 978-4-7722-5007-8。 
  • 鈴木すずき隆介りゅうすけ『段丘だんきゅう・丘陵きゅうりょう・山地さんち』古今ここん書院しょいん〈建設けんせつ技術ぎじゅつ者しゃのための地形ちけい図ず読図どくず入門にゅうもん 第だい3巻かん〉、2000年ねん5月がつ26日にち。ISBN 978-4-7722-5015-3。 
  • 日本にっぽん地形ちけい学がく連合れんごう（編集へんしゅう）、鈴木すずき隆介りゅうすけ・砂すな村むら継夫つぐお・松倉まつくら公憲きみのり（責任せきにん編集へんしゅう） 編へん『地形ちけいの辞典じてん』朝倉書店あさくらしょてん、2017年ねん1月がつ20日はつか。ISBN 978-4-254-16063-5。 
  • 文部省もんぶしょう、土木どぼく学会がっかい 編へん『学術がくじゅつ用語ようご集しゅう 土木どぼく工学こうがく編へん』（増ぞう訂てい版ばん）土木どぼく学会がっかい、1991年ねん1月がつ。ISBN 978-4-8106-0073-5。http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi。 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

ウィキメディア・コモンズには、曲きょく流りゅうに関連かんれんするカテゴリがあります。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

スタブアイコン

この項目こうもくは、地理ちり用語ようごに関連かんれんした書かきかけの項目こうもくです。この項目こうもくを加筆かひつ・訂正ていせいなどしてくださる協力きょうりょく者しゃを求もとめています（プロジェクト:地理ちり／Portal:地理ちり学がく・Portal:地理ちり）。

「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=蛇行だこう&oldid=100583156」から取得しゅとく