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分解能ぶんかいのう

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すみ分解能ぶんかいのうから転送てんそう

分解能ぶんかいのう(ぶんかいのう、Optical resolution)は、装置そうちなどで対象たいしょう測定そくていまたは識別しきべつできる能力のうりょく顕微鏡けんびきょう望遠鏡ぼうえんきょう回折かいせつ格子こうしなどにおける能力のうりょく指標しひょうのひとつである。

光学こうがく顕微鏡けんびきょうにおける定義ていぎ

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光学こうがく顕微鏡けんびきょうでの分解能ぶんかいのうは、2てん分解能ぶんかいのうをもって定義ていぎされる。干渉かんしょうせい直進ちょくしん並行へいこうこう理想りそう光源こうげん照射しょうしゃされていること前提ぜんていとしたうえで、目視もくし分解能ぶんかいのうすためには550nm(緑色みどりいろこう)で計算けいさんしレイリーとアッベの定義ていぎしたがうとされるが、照明しょうめいこう開口かいこうすうによって分解能ぶんかいのうちがいが[1]

レイリー(Rayleigh)の分解能ぶんかいのう (レーリーの基準きじゅん

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レイリー定義ていぎにおける2つのてん光源こうげん分解能ぶんかいのうδでるたは、ひかり波長はちょうλらむだ対物たいぶつレンズ開口かいこうすうNA物体ぶったい対物たいぶつレンズのあいだ媒質ばいしつ屈折くっせつりつn物体ぶったいから対物たいぶつレンズ入射にゅうしゃする光線こうせんひかりじくたいする最大さいだい角度かくどθしーたとしたとき、

となる。

アッベ(Abbe)の分解能ぶんかいのう

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1873ねんエルンスト・アッベによりしめされた。

ホプキンス(Hopkins)の分解能ぶんかいのう

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より現実げんじつてきかんがえれば、照明しょうめい状態じょうたいKによって変化へんかする定数ていすう必要ひつようで、

となる。

可視かしこうてはめると、K=0.5 のとき[2]

可視かし光線こうせんあぶらひた倍率ばいりつ100ばい対物たいぶつレンズをもちいれば0.2μみゅーm程度ていどかいぞうできるとされる。しかし、厳密げんみつには照明しょうめい条件じょうけん、レンズ性能せいのう試料しりょう影響えいきょうによってかいぞう極限きょくげん変化へんかするので、これが限界げんかいではない。レンズの回折かいせつ限界げんかい分解能ぶんかいのう同等どうとう意味いみもちいられることもあるが、分解能ぶんかいのう定義ていぎとしてはただしくない。

走査そうさがたプローブ顕微鏡けんびきょうにおける定義ていぎ

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走査そうさがたプローブ顕微鏡けんびきょうでは、定義ていぎさだまっていない。

走査そうさがたトンネル顕微鏡けんびきょうでは良好りょうこう測定そくてい条件下じょうけんかではたん結晶けっしょう試料しりょう原子げんし格子こうし間隔かんかく相当そうとうする凹凸おうとつられていることから原子げんし分解能ぶんかいのうゆうするとされる。

ただ原子げんしあいだりょく顕微鏡けんびきょうふく走査そうさがたりょく顕微鏡けんびきょう複数ふくすうある測定そくていほうなかにはコントラストメカニズムがわかっていない方法ほうほうもあり、そのような顕微鏡けんびきょうのカタログや論文ろんぶんにある分解能ぶんかいのう表現ひょうげん解釈かいしゃくには注意ちゅうい必要ひつようちょうこう真空しんくうちゅうおこなうノンコンタクト原子げんしあいだりょく顕微鏡けんびきょうでは走査そうさがたトンネル顕微鏡けんびきょうちか解像度かいぞうど実現じつげんされており、絶縁ぜつえんたい原子げんし格子こうし間隔かんかく相当そうとうする凹凸おうとつかいぞうできている。

電子でんし顕微鏡けんびきょうにおける定義ていぎ

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望遠鏡ぼうえんきょうにおける定義ていぎ

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2てん見分みわける最小さいしょう角度かくど定義ていぎされる。たとえば2じゅうぼしなど2つのてん光源こうげん分解能ぶんかいのう は、レーリーの基準きじゅんによればである。ひかり波長はちょう対物たいぶつレンズ直径ちょっけい対物たいぶつレンズの直径ちょっけいが100mmの天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょう理論りろん分解能ぶんかいのうは1.3"程度ていどであり、地上ちじょうから月面げつめんじょうやく2.4kmの距離きょり相当そうとうする。天体てんたい望遠鏡ぼうえんきょうでは、ドーズ(W.R.Dawes)のしき使つかわれ、分解能ぶんかいのう=116″/口径こうけいもとめる。

分光ぶんこうにおける定義ていぎ

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分光ぶんこうでは、近接きんせつする2ほんのスペクトルせん分離ぶんりできる能力のうりょくあらわし、定義ていぎされる。分解ぶんかいできる2波長はちょうであり、はその平均へいきん波長はちょう

回折かいせつ格子こうしにおける定義ていぎ

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回折かいせつ格子こうし分解能ぶんかいのう は、回折かいせつ格子こうし格子こうしせん本数ほんすう回折かいせつ次数じすうせきひとしい。

プリズムにおける定義ていぎ

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プリズム分解能ぶんかいのうは、プリズムの底辺ていへんなが分散ぶんさんせきあたえられる。

干渉かんしょう分光ぶんこうにおける定義ていぎ

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ だい3かい顕微鏡けんびきょう能力のうりょく その1 〜分解能ぶんかいのう倍率ばいりつ オリンパス
  2. ^ 分解能ぶんかいのう開口かいこうすう 光学こうがく顕微鏡けんびきょう基礎きそ 日本にっぽん顕微鏡けんびきょう工業こうぎょうかい

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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