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証明しょうめいしょ失効しっこうリスト

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

証明しょうめいしょ失効しっこうリスト(しょうめいしょしっこうリスト、えい: Certificate Revocation List, CRL)は、公開こうかいかぎ基盤きばん (PKI) における失効しっこうした(信頼しんらいできない)公開こうかいかぎ証明しょうめいしょのリスト(正確せいかくには、証明しょうめいしょのシリアル番号ばんごうのリスト)である。

RFC 5280定義ていぎされている証明しょうめいしょ失効しっこう理由りゆうは、以下いかの 2 つに大別たいべつできる。

Revoked(失効しっこう
たとえば、認証にんしょうきょく (CA) が不正ふせい証明しょうめいしょ発行はっこうしたことが判明はんめいした場合ばあいや、秘密ひみつかぎ紛失ふんしつしたとかんがえられる場合ばあい証明しょうめいしょ可逆かぎゃく失効しっこうとされる。また、証明しょうめいしょ発行はっこうけたものがCAのさだめた規則きそくはんする行為こうい文書ぶんしょ偽造ぎぞうなど)をしていると判明はんめいした場合ばあい失効しっこうとされることがある。もっとおお失効しっこう理由りゆうは、秘密ひみつかぎ漏洩ろうえいしてしまい、認証にんしょうやくにたなくなった場合ばあいである[よう出典しゅってん]
Hold(停止ていし
有効ゆうこう状態じょうたいもどすことができる。たとえば、ユーザーが秘密ひみつかぎ紛失ふんしつしたかぬすまれた可能かのうせいがあるとかんがえたときに一時いちじてき証明しょうめいしょ停止ていしさせ、後日ごじつそれが間違まちがいでだれもそのあいだ秘密ひみつかぎにアクセスできなかったことがわかれば、再度さいど証明しょうめいしょ有効ゆうこうにできる。その場合ばあい、その証明しょうめいしょのシリアル番号ばんごうはCRLから削除さくじょされることがある。

CRLは定期ていきてき生成せいせいされ、公開こうかいされる。また、証明しょうめいしょ失効しっこうとなった場合ばあい即座そくざにCRLを公開こうかいすることもできる。CRLはCAが適切てきせつ証明しょうめいしょきで発行はっこうする。たいていのCRLには次回じかい発行はっこう予定よていがある。この日時にちじ発行はっこう日時にちじから 24 時間じかん以内いないであることがおお[よう出典しゅってん]。CRLはPKIを使つかったアプリケーションが証明しょうめいしょ有効ゆうこうせい検証けんしょうするのに使つかわれる。

DNS偽装ぎそうDoS攻撃こうげきふせぐため、CRLには発行はっこうしゃデジタル署名しょめい付与ふよされている。たいていのCRLの発行はっこうしゃとCAは同一どういつで、おなかぎ共有きょうゆうするが、それぞれ別々べつべつちがかぎ使つかうこともできる。CRLを使つかまえにその有効ゆうこうせい検証けんしょうするためには、CRL発行はっこうしゃ証明しょうめいしょ必要ひつようであり、それは通常つうじょう公共こうきょうディレクトリ・サービスにある。

証明しょうめいしょ失効しっこう日時にちじは、CRLにはふくまれないこともある。期限切きげんぎれの証明しょうめいしょすべ無効むこうであるとなせるが、期限きげんれていない証明しょうめいしょかならずしも有効ゆうこうとはかぎらない。実際じっさい運用うんようにおいて証明しょうめいしょかぎ管理かんり間違まちがいがありうるため、CRLや証明しょうめいしょ有効ゆうこうせい検証けんしょう技術ぎじゅつはPKIに必須ひっすである。注目ちゅうもくすべき事例じれいとして、マイクロソフト証明しょうめいしょあやまってある個人こじん発行はっこうされたことがある。その人物じんぶつActiveX Publisher Certificate システムを管理かんりしているCA(ベリサイン)にマイクロソフトをよそおってアクセスすることに成功せいこうした。マイクロソフトは暗号あんごうサブシステムにパッチをて、その証明しょうめいしょ使つかわれるまえ状態じょうたいをチェックする必要ひつようがあると判断はんだんした。短期たんきてき修正しゅうせいとして、関連かんれんするマイクロソフトのソフトウェア(おもに Windows)にパッチが発行はっこうされ、問題もんだいの2つの証明しょうめいしょかならず「失効しっこう」とされるようにした。

CRLが用意よういされる証明しょうめいしょは、X.509/公開こうかいかぎ証明しょうめいしょであることがおおい(もっとおお使つかわれているPKI手法しゅほうであるため)。

すべてのCRLにまつわる問題もんだい[編集へんしゅう]

証明しょうめいしょがどこにどのように保管ほかんされていても、その証明しょうめいしょ使つかさいにはかなら検証けんしょうしなければならない。さもないと、失効しっこうした証明しょうめいしょあやまって有効ゆうこうとする可能かのうせいがある。つまりPKIをうまく使つかうには、現在げんざいのCRLにかならずアクセスしなければならない。このようなオンラインでの検証けんしょう必要ひつようせいは、共通きょうつうかぎ暗号あんごうプロトコルを使つかったPKIのおも利点りてんである証明しょうめいしょの「自己じこ認証にんしょうせい」を無効むこうにする。ケルベロス認証にんしょうもオンラインサービス(ケルベロスの場合ばあいかぎ配布はいふセンタ)の存在そんざい依存いぞんしている。

CRLが必要ひつようだということは、何者なにものか(あるいはなんらかの組織そしき)が方針ほうしん強制きょうせいする必要ひつようがあることを意味いみしており、運用うんよう方針ほうしんはんする証明しょうめいしょ失効しっこうさせる必要ひつようがあることを意味いみしている。証明しょうめいしょ間違まちがって撤回てっかいされるとしたら、おおきな問題もんだいしょうじる。認証にんしょうきょく証明しょうめいしょ発行はっこう運用うんよう方針ほうしん強制きょうせいすると同時どうじに、おな運用うんよう方針ほうしん解釈かいしゃくして失効しっこう可否かひ時期じき決定けっていする責任せきにんう。

証明しょうめいしょれるまえにCRL(または証明しょうめいしょ状態じょうたいサービス)を使つか必要ひつようがあるということは、PKIにたいするDoS攻撃こうげき可能かのうせいしょうじる。有効ゆうこうなCRLがないために証明しょうめいしょれられなかった場合ばあい証明しょうめいしょ依存いぞんしているすべてのアクションができなくなる。このような問題もんだいはケルベロス認証にんしょうにもあり、現在げんざい認証にんしょうトークンの検索けんさく失敗しっぱいするとシステムにアクセスできなくなる。包括ほうかつてき解決かいけつさくはまだられていないが、様々さまざま観点かんてんでのワークアラウンド考案こうあんされており、その一部いちぶ実際じっさい使つかわれている。

CRLの代替だいたい手段しゅだんとして、Online Certificate Status Protocol (OCSP) という証明しょうめいしょ検証けんしょうプロトコルがある。OCSPはネットワークの帯域たいいきはば浪費ろうひしないという利点りてんがあり、多数たすう状態じょうたい検証けんしょうをほぼリアルタイムに実施じっしできる。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • RFC 5280 - Internet X.509 Public Key Infrastructure Certificate

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]