身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬いぬ法ほう

身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬いぬ法ほう
日本にっぽんの法令ほうれい
通称つうしょう・略称りゃくしょう	身障者しんしょうしゃ補助ほじょ犬いぬ法ほう
法令ほうれい番号ばんごう	平成へいせい14年ねん法律ほうりつ第だい49号ごう
種類しゅるい	社会しゃかい保障ほしょう法ほう
効力こうりょく	現行げんこう法ほう
成立せいりつ	2002年ねん5月がつ22日にち
公布こうふ	2002年ねん5月がつ29日にち
施行しこう	2002年ねん10月がつ1日にち
主おもな内容ないよう	身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを使つかう身体しんたい障害しょうがい者しゃの社会しゃかい参加さんかを目的もくてきとする法律ほうりつ
条文じょうぶんリンク	身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬いぬ法ほう - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
ウィキソース原文げんぶん

身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬いぬ法ほう（しんたいしょうがいしゃほじょけんほう）は、身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを使つかう身体しんたい障害しょうがい者しゃが自立じりつと社会しゃかい参加さんかすることが促進そくしんされるための法律ほうりつ。法令ほうれい番号ばんごうは平成へいせい14年ねん法律ほうりつ第だい49号ごう、2002年ねん（平成へいせい14年ねん）5月29日にちに公布こうふされ、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）12月に第だい一いち次じ改正かいせいを行おこなった。

目的もくてき

同どう法ほう第だい1条じょうに拠よれば

身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを訓練くんれんする事業じぎょうを行おこなう者もの及および身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを使用しようする身体しんたい障害しょうがい者しゃの義務ぎむ等ひとしを定さだめるとともに、身体しんたい障害しょうがい者しゃが国くに等ひとしが管理かんりする施設しせつ、公共こうきょう交通こうつう機関きかん等ひとしを利用りようする場合ばあいにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを同伴どうはんすることができるようにするための措置そちを講こうずること等とうにより、身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんの育成いくせい及およびこれを使用しようする身体しんたい障害しょうがい者しゃの施設しせつ等とうの利用りようの円滑えんかつ化かを図はかり、もって身体しんたい障害しょうがい者しゃの自立じりつ及および社会しゃかい参加さんかの促進そくしんに寄与きよすることを目的もくてきとする

施行しこう

2002年ねん(平成へいせい14年ねん)10月1日にちから施行しこうされた。ただし、第だい2章しょうの規定きてい（介助かいじょ犬いぬ又または聴導犬ちょうどうけんの訓練くんれんに係かかる部分ぶぶんに限かぎる）については、2003年ねん4月がつ1日にちから、9条じょうの規定きていは同年どうねん10月1日にちから施行しこうされた。

補助ほじょ犬けんの定義ていぎ

身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんとは、盲導犬もうどうけん・介助かいじょ犬けん・聴導犬ちょうどうけんの三種さんしゅをいう（2条じょう）。附則ふそく6条じょうにより、「この法律ほうりつの施行しこう後ご三さん年ねんを経過けいかした場合ばあいにおいては、身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんの育成いくせいの状況じょうきょう、第だい四よん章しょうに規定きていする施設しせつ等とうにおける身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんの同伴どうはん又または使用しようの状況じょうきょうその他たこの法律ほうりつの施行しこうの状況じょうきょうについて検討けんとうが加くわえられ、その結果けっかに基もとづいて必要ひつような措置そちが講こうぜられるもの」とされている。

構成こうせい

4章しょうでは、施設しせつ等とうにおける身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんの同伴どうはん等とうについて規定きていされている。7条じょうから11条じょうまでは施設しせつ等とうの義務ぎむを、12条じょうと13条じょうは身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを同伴どうはんする者ものの義務ぎむについて規定きていする。

• 7条じょうは、国くに・地方ちほう公共こうきょう団体だんたい・独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん・特殊とくしゅ法人ほうじんは、管理かんりする施設しせつ・事業じぎょう所しょ・事務所じむしょ・住居じゅうきょにおいて「その管理かんりする施設しせつを身体しんたい障害しょうがい者しゃが利用りようする場合ばあいにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けん（第だい十じゅう二に条じょう第だい一いち項こうに規定きていする表示ひょうじをしたものに限かぎる。以下いかこの項こう及および次項じこう並ならびに次つぎ条じょうから第だい十じゅう条じょうまでにおいて同おなじ。）を同伴どうはんすることを拒こばんではならない」ことを定さだめる。
• 8条じょうは、公共こうきょう交通こうつう事業じぎょう者しゃ【例れい・鉄道てつどう事業じぎょう者しゃ、バス事業じぎょう者しゃ、タクシー、航空こうくう会社かいしゃ】等とうが、「その管理かんりする旅客りょかく施設しせつ（高齢こうれい者しゃ、身体しんたい障害しょうがい者しゃ等とうの公共こうきょう交通こうつう機関きかんを利用りようした移動いどうの円滑えんかつ化かの促進そくしんに関かんする法律ほうりつ第だい二に条じょう第だい四よん項こうに規定きていする旅客りょかく施設しせつをいう。以下いか同おなじ。）及および旅客りょかくの運送うんそうを行おこなうためその事業じぎょうの用ように供きょうする車両しゃりょう等とう（車両しゃりょう、自動車じどうしゃ、船舶せんぱく及および航空機こうくうきをいう。）を身体しんたい障害しょうがい者しゃが利用りようする場合ばあいにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを同伴どうはんすることを拒こばんではならない」ことを定さだめる。
• 9条じょうは、民間みんかん施設しせつに関かんする規定きていである。「前ぜん二に条じょうに定さだめるもののほか、不ふ特定とくていかつ多数たすうの者ものが利用りようする施設しせつ【例れい・スーパーマーケット、デパート、ホテル、レストランなど】を管理かんりする者ものは、当該とうがい施設しせつを身体しんたい障害しょうがい者しゃが利用りようする場合ばあいにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを同伴どうはんすることを拒こばんではならない」と定さだめる。この条項じょうこうに限かぎっては、附則ふそく1条じょうにより、2003年ねん10月がつ1日にちに施行しこうされた。
• 10条じょうは、「事業じぎょう主ぬし（国くに等とうを除のぞく。）は、その事業じぎょう所しょ又または事務所じむしょに勤務きんむする身体しんたい障害しょうがい者しゃが当該とうがい事業じぎょう所しょ又または事務所じむしょにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを使用しようすることを拒こばまないよう努つとめなければならない」ことを規定きていする。
• 11条じょうは、「住宅じゅうたくを管理かんりする者もの（国くに等とうを除のぞく。）は、その管理かんりする住宅じゅうたくに居住きょじゅうする身体しんたい障害しょうがい者しゃが当該とうがい住宅じゅうたくにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを使用しようすることを拒こばまないよう努つとめなければならない」ことを定さだめる。
• 12条じょうは、「この章しょうに規定きていする施設しせつ等とう（住宅じゅうたくを除のぞく。）の利用りよう等とうを行おこなう場合ばあいにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを同伴どうはんし、又または使用しようする身体しんたい障害しょうがい者しゃは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめるところにより、その身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんに、その者もののために訓練くんれんされた身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんである旨むねを明あきらかにするための表示ひょうじをしなければなら」ず、また、「この章しょうに規定きていする施設しせつ等とうの利用りよう等とうを行おこなう場合ばあいにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを同伴どうはんし、又または使用しようする身体しんたい障害しょうがい者しゃは、その身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんが公衆こうしゅう衛生えいせい上じょうの危害きがいを生しょうじさせるおそれがない旨むねを明あきらかにするため必要ひつような厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいで定さだめる書類しょるいを所持しょじし、関係かんけい者しゃの請求せいきゅうがあるときは、これを提示ていじしなければならない」ことを定さだめる。
• 13条じょうは、「この章しょうに規定きていする施設しせつ等とうの利用りよう等とうを行おこなう場合ばあいにおいて身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんを同伴どうはんし、又または使用しようする身体しんたい障害しょうがい者しゃは、その身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんが他人たにんに迷惑めいわくを及およぼすことがないようその行動こうどうを十分じゅうぶん管理かんりしなければならない」ことを定さだめる。

一部いちぶ改正かいせい

平成へいせい19年ねん12月に身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬いぬ法ほうの一部いちぶ改正かいせいが行おこなわれた。

相談そうだん窓口まどぐちの設置せっち

都道府県とどうふけん・政令市せいれいし・中核ちゅうかく市しは、補助ほじょ犬けん使用しよう者しゃ又または受入うけいれ側がわ施設しせつの管理かんり者しゃ等とうから苦情くじょうや相談そうだんの申もうし出でを受うけたときは、必要ひつような助言じょげん、指導しどう等とうを行おこなうほか、関係かんけい行政ぎょうせい機関きかんの紹介しょうかいを行おこなう。（平成へいせい20年ねん4月がつ1日にち施行しこう）

事業じぎょう所しょ又または事務所じむしょにおける身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬けんの使用しようの義務ぎむ化か

一定いってい規模きぼ以上いじょうの民間みんかん企業きぎょうは、勤務きんむする身体しんたい障害しょうがい者しゃが補助ほじょ犬けんを使用しようすることを拒こばんではならない。ただし、補助ほじょ犬けんの使用しようにより事業じぎょうの遂行すいこうに著いちじるしい支障ししょうを及およぼすおそれがある場合ばあいやその他たのやむを得えない事由じゆうがある場合ばあいは、この限かぎりではない。（平成へいせい20年ねん10月がつ1日にち施行しこう）

施行しこう後ごの状況じょうきょうと問題もんだい

補助ほじょ犬けんの取とり扱あつかいは様々さまざまな問題もんだいを抱かかえている。

盲導犬もうどうけん入いれ店てん拒否きょひ

日本にっぽん初はつの事例じれい

2003年ねん10月4日にち午後ごご2時じごろ、若狭わかさ路ろ博はく2003において、「人権じんけん啓発けいはつフェスティバル」補助ほじょ犬けん啓発けいはつイベントに参加さんかするため視覚しかく障害しょうがい者しゃが盲導犬もうどうけんを連つれて会場かいじょうに入場にゅうじょうしようとした所ところ、スタッフに止とめられ数すう分ふん後ごにやっと会場かいじょう入いりした。その後ごレストランに入にゅうろうとしたところ入いれ店てんを拒否きょひされてしまった。補助ほじょ犬けん受うけ入いれを義務付ぎむづける「身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬いぬ法ほう」施行しこう直後ちょくごの出来事できごとであった。その後ご、福井ふくい県けんと小浜おばま市しの職員しょくいんが視覚しかく障害しょうがい者しゃの男性だんせいに謝罪しゃざいした。

2008年ねん11月に兵庫ひょうご県けんが実施じっしした、身体しんたい障害しょうがい者しゃを対象たいしょうとした職員しょくいん採用さいよう試験しけんで、女性じょせい受験じゅけん者しゃの一人ひとりが、介助かいじょ犬いぬ同伴どうはんでの受験じゅけんを希望きぼうしたのに対たいし、「犬いぬアレルギーの受験じゅけん者しゃに配慮はいりょした」などの理由りゆうで、同伴どうはんを拒否きょひした事例じれい

2010年ねん7月がつにバス運転うんてん手しゅが盲導犬もうどうけんを連つれた女性じょせいの乗車じょうしゃを拒否きょひした事例じれい等ひとし、補助ほじょ犬けんと受うけ入いれ団体だんたいとのトラブルの報道ほうどうがされている。

補助ほじょ犬いぬ別べつ実働じつどう頭数とうすう

• 盲導犬もうどうけん：1,067頭とう
• 介助かいじょ犬けん：62頭とう
• 聴導犬ちょうどうけん：19頭とう
• 計けい1,139頭とう

関連かんれん項目こうもく

• 高齢こうれい者しゃ、身体しんたい障害しょうがい者しゃ等とうの公共こうきょう交通こうつう機関きかんを利用りようした移動いどうの円滑えんかつ化かの促進そくしんに関かんする法律ほうりつ（交通こうつうバリアフリー法ほう）
• 法学ほうがく
• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ福祉ふくし法ほう

外部がいぶリンク

• 身体しんたい障害しょうがい者しゃ補助ほじょ犬いぬ法ほう - e-Gov法令ほうれい検索けんさく