邯鄲かんたん淳あつし

邯鄲かんたん 淳あつし（かんたん じゅん、132年ねん - 220年ねん以後いご）は、中国ちゅうごく後こう漢かん末期まっきの儒学じゅがく者しゃ・書家しょか。別名べつめいを竺という。字じは子こ叔（子こ淑よし）。豫よ州しゅう潁川郡ぐんの出身しゅっしん。劉りゅう表ひょう・曹操そうそうの家臣かしんであり、笑話しょうわ集しゅうの『笑わらい林りん』の編者へんしゃとして知しられる。

生涯しょうがい

初はつ平たいら年間ねんかんに関せき中なかから、劉りゅう表ひょうが統治とうちしていた荊州に移住いじゅうする。劉りゅう表ひょうの死後しご、その後ごを継ついだ劉りゅう琮が曹操そうそうに服従ふくじゅうすると、邯鄲かんたん淳じゅんも招聘しょうへいを受うける。曹操そうそうは彼かれの才能さいのうや名声めいせいを聞きいて敬意けいいを払はらい、折おりしも子この曹植が彼かれを求もとめたため、その配下はいかとした。曹植は邯鄲かんたん淳じゅんと終日しゅうじつ論ろんじ合あって、その博識はくしきぶりに感嘆かんたんしたと言いわれている。曹丕もまた彼かれを重おもんじて、魏たかしの建国けんこく後ごに博士はかせ給きゅう事ごと中ちゅうに任命にんめいしたが、この時ときには既すでに90歳さい近ちかくになっていたとされ、程ほどなく病死びょうししたと考かんがえられている。

彼かれは書家しょかとしても知しられ、『説せつ文ぶん解かい字じ』をはじめとするあらゆる古ふるい書体しょたいの知識ちしきに通つうじており、かつそれらに巧たくみであった。篆書てんしょは当代とうだい随一ずいいち、隷書れいしょも梁りょう鵠くぐいに次じいだと言いわれている。

『三国志さんごくし』には伝つてはないものの、同どう時代じだいの『魏ぎ略りゃく』に伝つてが立たてられている。

著書ちょしょ

著書ちょしょに『江こう式しき論ろん書しょ表ひょう』、『書しょ斷だん』、『笑わらい林りん』、『芸げい経けい』が知しられ、また文学ぶんがく作品さくひんに「贈おく呉ご處しょ玄げん詩し」、｢投とう壺つぼ賦ふ｣がある。

• 『笑わらい林りん』
• 『芸げい経けい』
• 『投とう壺つぼ賦ふ』

参照さんしょう

• 曹娥の碑いしぶみ