難波なんば長柄ながら豊ゆたか碕宮

難波なんば長柄ながら豊ゆたか﨑宮を正面しょうめんから見みる。手前てまえ、宮城みやぎ南みなみ門もんを抜ぬけて朝ちょう集しゅう殿どのを左右さゆうに見みながら北きたに進すすむと朝あさ堂どう院いん南みなみ門もんに至いたる。さらに朝あさ堂どう院いん南みなみ門もんをくぐると左ひだりに西にし朝あさ堂どう、右みぎに東ひがし朝あさ堂どうが見みえる。朝ちょう堂どう院いんを北きたに進すすんでいくと内裏だいり南みなみ門もんに到着とうちゃくする。

 

内裏だいり全景ぜんけい。東西とうざいの八角やすみ殿どの院いんに挟はさまれた位置いちにあるのが内裏だいり南みなみ門もん。その奥おくの内裏だいり前まえ殿どの、内裏だいり後ご殿どのを経へて内裏だいりに至いたる。左ひだり奥おくにあるのは内裏だいり西方せいほう官衙かんが。模型もけいでは再現さいげんされていないが内裏だいり東方とうほう官衙かんがと対たいになっている。（大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかん・前期ぜんき難波なんば宮みや復元ふくげん模型もけいより）

難波なんば長柄ながら豊ゆたか碕宮（なにわのながらのとよさきのみや）は、摂津せっつ国こく難波なんばにあった飛鳥あすか時代ときよの宮みや。難波なんば長柄ながら豊崎とよさき宮みや、難波なんば長柄ながら豊ゆたか埼宮とも表記ひょうきする。学術がくじゅつ的てきには、この宮みや跡あとに建たてられた難波なんば宮みや（後期こうき難波なんば宮みや）と区別くべつして前期ぜんき難波なんば宮みやとも呼よばれる。

乙おつ巳みの変へん（645年ねん）の後のち、中大兄皇子なかのおおえのおうじ（後ごの天智天皇てんぢてんのう）らによって企画きかくされ、652年ねんに完成かんせいし、孝徳天皇こうとくてんのうが遷都せんとした。建物たてものは、朱鳥あすか元年がんねん（686年ねん）の正月しょうがつに全焼ぜんしょうするまで、現在げんざいの大阪おおさか市し中央ちゅうおう区くに34年ねんの間あいだ存続そんぞくした。

白しろ雉5年ねん（654年ねん）孝徳たかのり帝みかどの没後ぼつご、斉ひとし明天めいてん皇すめらぎ（皇すめらぎ極ごく天皇てんのうが重祚じゅうそ）により飛鳥あすか板いた蓋ぶた宮みやに遷宮せんぐうされた。その後ごは、天平てんぴょう16年ねん（744年ねん）になって同おなじ場所ばしょに聖武天皇しょうむてんのうによって宮殿きゅうでんが築きずかれた（難波なんば宮みや#後期こうき難波なんば宮みやを参照さんしょう）。

この宮みやは、上町うえまち台地だいちの上うえにあり、大正たいしょう2年ねん(1913年ねん)に陸軍りくぐんの倉庫そうこ建築けんちく中ちゅうに数個すうこの重じゅう圏けん文ぶん・蓮華れんげ文ぶんの瓦かわらが発見はっけんされている。昭和しょうわ28年ねん(1953年ねん)、同地どうち付近ふきんから鴟尾しび（しび）が発見はっけんされたのがきっかけで、難波なんば宮みや址し顕彰けんしょう会かいの発掘はっくつ・調査ちょうさが進すすんだ。

内裏だいり・朝ちょう堂どう院いんの構造こうぞうがそれまで見みられなかった大だい規模きぼで画期的かっきてきな物ものであったことから、大化たいかの改新かいしんという改革かいかくの中心ちゅうしんとして計画けいかく的てきに造営ぞうえいされた宮みやであるとされ、大化たいかの改新かいしん虚構きょこう論ろんへの有力ゆうりょくな反証はんしょうとなっている。

現在げんざい、難波なんば宮みやの跡地あとちの一部いちぶは、難波なんば宮みや史跡しせき公園こうえんとなり、大阪城おおさかじょうの南みなみに整備せいびされている。前期ぜんき・後期こうきの遺跡いせきを元もとに建物たてものの基壇きだんなどが設置せっちされている。

関連かんれん項目こうもく

• 難波なんば津つ
• 日本にっぽんの首都しゅと
• 難波なんば宮みや
• 難波なんば京きょう
• 長柄ながら (大阪おおさか市し)・豊崎とよさき (大阪おおさか市し) - どちらも、現在げんざい確認かくにんされている難波なんば宮みや跡あとの範囲はんい外がいに位置いちする。

外部がいぶリンク

• 史跡しせき難波なんば宮みや - ウェイバックマシン（2004年ねん2月がつ23日にちアーカイブ分ぶん）