難波なんば宮みや

難波なんば宮みや史跡しせき公園こうえん（大阪おおさか市し）
復元ふくげんされた大極殿たいきょくでん基壇きだんとその手前てまえに八角やすみ殿どのを模もした構造こうぞう物ぶつが見みえる。

難波なんば宮みや

位置いち図ず。

難波なんば宮みや（なにわのみや）は、弥生やよい時代じだい後期こうき〜古墳こふん時代じだい、応神天皇おうじんてんのうの行宮あんぐうで難波なんば大隈おおくま宮みや。大王だいおうと呼称こしょうされた倭国わのくにの首長しゅちょうで河内かわうち王朝おうちょうの始祖しそである仁徳天皇にんとくてんのうの皇居こうきょ、難波なんば高津たかつ宮みや。以来いらい、飛鳥あすか時代ときよ〜奈良なら時代じだい、再ふたたび難波なんば(現在げんざいの大阪おおさか市し)に都とが戻もどり法円坂ほうえんざか周辺しゅうへんに造つくられた古代こだいの宮殿きゅうでん。645年ねん〜793年ねんまで約やく150年間ねんかんの皇すめらぎ都と。天皇てんのうの住すまい、政治せいじ、儀式ぎしきの場ばをはっきりした構造こうぞうは難波なんば宮みやが最初さいしょであり後のちの宮みやにも採用さいようされた。また、難波なんば宮みやから日本にっぽんという国号こくごう、元号げんごう、の使用しようが始はじまったとされ孝徳天皇こうとくてんのうは改新かいしんの詔みことのりを発はっしその第だい2条じょうで初はつ修おさむ京師けいしとして難波なんば宮みやを日本にっぽん初はつの首都しゅととした。大王だいおうと呼称こしょうされた倭国わのくにの首長しゅちょうである仁徳天皇にんとくてんのうの難波なんば高津たかつ宮みやも難波なんば宮みやが造つくられた周辺しゅうへんにあったとされる説せつが最もっとも有力ゆうりょくな説せつとみなされている。跡地あとちは国くにの史跡しせきに指定していされている（指定してい名称めいしょうは「難波なんば宮みや跡あと 附つけ 法円坂ほうえんさか遺跡いせき」）。

概要がいよう

難波なんば宮みやの存在そんざいは史書ししょ（『日本書紀にほんしょき』）には載のっていたが、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんが終おわるまでは所在地しょざいちは不明ふめいなままであった。

1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）、大阪城おおさかじょう外堀そとぼり南みなみの法円坂ほうえんざかで、奈良なら時代じだいのものと見みられる数個すうこの重じゅう圏けん文ぶん（じゅうけんもん）・蓮華れんげ文ぶん軒のき丸まる瓦かわら（れんげもんのきまるがわら）が発見はっけんされていたが、ほとんどの人ひとは省かえりみず、山根やまね徳太郎とくたろうは注目ちゅうもくしたが、大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんが一帯いったいを用地ようち接収せっしゅうしていたため、調査ちょうさ自体じたいが不可能ふかのうだった。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）、日本にっぽんの降伏ごうぶくによって法円坂ほうえんざかが陸軍りくぐん用地ようちから開放かいほうされ、このとき初はじめて学術がくじゅつ調査ちょうさの機会きかいが訪おとずれた。

そこで、山根やまねを指導しどう者しゃとする難波なんば宮みや址し顕彰けんしょう会かいが何なん度どか予備よび調査ちょうさを行おこない、1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）同所どうしょ付近ふきんから鴟尾しび（しび）を発見はっけんした。このことをきっかけに、1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）2月がつから山根やまねらは第だい一いち次じ発掘はっくつを開始かいし。しかし、大阪おおさかの都心としん部ぶでビルや道路どうろ建設けんせつの合間あいまを縫ぬっての発掘はっくつ・調査ちょうさは困難こんなんを極きわめ、初期しょきの数次すうじの調査ちょうさでは、難波なんば宮みやの跡あとなのかどうかがはっきりせず、学会がっかいはこれを「山根やまねの宮みやだ」などと冷笑れいしょうした。

しかし山根やまねらの努力どりょくによって、奈良なら時代じだいの宮みやの遺構いこうが次第しだいに明あきらかになり、1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）南北なんぼくに続つづく回廊かいろう跡あと（後期こうき）が見みつかった。そればかりでなく、翌よく1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）には奈良なら時代じだいより古ふるいとみられる柱はしら列れつ跡あとが検出けんしゅつされ、その柱はしら穴あなに焦土しょうどが詰つまっており、火災かさいの跡あとであることが明あきらかになった。つまり、朱鳥あすか元年がんねん（686年ねん）正月しょうがつ「難波なんば宮室きゅうしつが全焼ぜんしょうした」という『日本書紀にほんしょき』の記録きろくから、孝徳たかのり朝あさの宮室きゅうしつが焼失しょうしつしたものと推定すいていでき、その後ごに天武てんむ朝ちょうの宮室きゅうしつが建造けんぞうされたのだと考かんがえられるようになった。1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）、これが回廊かいろうであることを確認かくにん。これを前期ぜんき難波なんば宮みやという。

1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）、山根やまねらの発掘はっくつにより、聖武天皇しょうむてんのう時代じだいの大極殿たいきょくでん跡あとが発見はっけんされ、その存在そんざいが確認かくにんされた。これを後期こうき難波なんば宮みやという。山根やまねは発見はっけん当時とうじ「われ、幻まぼろしの大極殿たいきょくでんを見みたり」という言葉ことばを残のこした。

前期ぜんき難波なんば宮みや

前期ぜんき難波なんば宮みや模型もけい（大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかん）

前期ぜんき難波なんば宮みや模型もけい
朝ちょう堂どう院いんの北きたに内裏だいりが隣接りんせつする

「難波なんば長柄ながら豊ゆたか碕宮」も参照さんしょう

乙おつ巳みの変へん（大化たいか元年がんねん〈645年ねん〉）ののち、孝徳天皇こうとくてんのうは難波なんば（難波なんば長柄ながら豊崎とよさき宮みや）に遷都せんとし、宮殿きゅうでんは白しろ雉3年ねん（652年ねん）に完成かんせいした。日本にっぽん初はつの首都しゅとであり、仁徳天皇にんとくてんのうなどの皇居こうきょである。また、元号げんごうの始はじまりである大化たいかの改新かいしんとよばれる革新かくしん政治せいじはこの宮みやでおこなわれた。この宮みやは建物たてものがすべて掘立柱ほったてばしら建物たてものから成なり、草葺くさぶき屋根やねであった。『日本書紀にほんしょき』には「その宮殿きゅうでんの状じょう、殫（ことごとくに）諭さとし（い）ふべからず」と記しるされている。

孝徳天皇こうとくてんのうを残のこし飛鳥あすか（現在げんざいの奈良なら県けん）に戻もどっていた皇祖こうそ母はは尊みこと（皇すめらぎ極ごく天皇てんのう）は、天皇てんのうが没ぼっした後のち、斉ひとし明天めいてん皇すめらぎ元年がんねん1月がつ3日にち（655年ねん2月がつ14日にち）に飛鳥あすか板いた蓋ぶた宮みやで再ふたたび即位そくい（重祚じゅうそ）し斉ひとし明天めいてん皇すめらぎとなった（『日本書紀にほんしょき』巻まき第だい廿にじゅう六ろくによる）。

天武天皇てんむてんのう12年ねん（683年ねん）には天武天皇てんむてんのうが複ふく都と制せいの詔みことのりにより、飛鳥あすかとともに難波なんばを都ととしたが、朱鳥あすか元年がんねん（686年ねん）正月しょうがつに難波なんばの宮室きゅうしつが全焼ぜんしょうしてしまった。

建築けんちく物ぶつの概要がいよう

回廊かいろうと門もんで守まもられた北側きたがわの区画くかくは東西とうざい185メートル、南北なんぼく200メートル以上いじょうの天皇てんのうの住すむ内裏だいり。その南みなみに当時とうじとしては最大さいだい級きゅうの東西とうざい約やく36メール・南北なんぼく約やく19メートルの前ぜん殿しんがり、ひとまわり小ちいさな後のち殿どのが廊下ろうかで結むすばれている。前ぜん殿しんがりが正殿せいでんである。内裏だいり南みなみ門もんの左右さゆうに八はち角形かくがたの楼閣ろうかく状じょうの建物たてものが見みつかった。これは、難波なんば宮みやの荘厳そうごんさを示しめす建物たてものである。

宮殿きゅうでんの中軸ちゅうじく線せん上じょうに三みっつの門もんが発見はっけんされている。北きたから内裏だいりの南みなみ門もん、次つぎに朝ちょう堂どう院いんの南みなみ門もん、宮城みやぎの南面なんめん中央ちゅうおうの門もん（朱雀すざく門もん）。内裏だいり南みなみ門もんは東西とうざい32.7メートル、南北なんぼく12.2メートル。日本にっぽんの歴代れきだい宮殿きゅうでんの中なかでも最大さいだい級きゅうの規模きぼである。この門もんは、木製もくせい基壇きだんの上うえに立たっている。木製もくせい基壇きだんの上うえに立たつ建物たてものは、内裏だいり前まえ殿どのや八角やすみ殿どの等とうの中枢ちゅうすう部ぶの建物たてものに限かぎられている。朝ちょう堂どう院いん南みなみ門もんや南面なんめん中央ちゅうおう門もん（朱雀すざく門もん）の平面へいめん規模きぼは東西とうざいが23.5メートル、南北なんぼくは8.8メートル。柱はしらは直径ちょっけい約やく60～80センチという太ふとい柱はしらが使つかわれていた。

天皇てんのうの住すまい（内裏だいり）と、政治せいじ・儀式ぎしきの場ば（朝ちょう堂どう院いん）をはっきりと分離ぶんりした構造こうぞうは、前期ぜんき難波なんば宮みやが最初さいしょであり、後ごの宮みや（藤原ふじわら宮みや・平城ひらじろ宮みや・平安へいあん宮みやなど）にも採用さいようされた。朝ちょう堂どう院いんの広ひろさは南北なんぼく262.8メートル、東西とうざい233.6メートルである。その中なかに東西とうざいに7棟むねずつ、左右さゆう対称たいしょうに14の朝ちょう堂どうが並ならんでいる。北きたから東西とうざいとも第だい一堂いちどう、第だい二に堂どうと順じゅんに名付なづける。第だい一堂いちどうは南北なんぼく（桁けた裄ゆき）16.1メートル、東西とうざい（梁間はりま）7.9メートルで、第だい二に堂どうは南北なんぼく20.5メートル、東西とうざい7.0メートルであり、木製もくせい基壇きだんの上うえに立たつ。第だい三さん・四よん・五ご堂どうと第だい七堂しちどう（南北なんぼくに並ならぶ東西とうざい棟とう二に棟むねの内うちの南側みなみがわ）は桁けた裄ゆき35.0メートル、梁間はりま5.8メートルである。このように朝あさ堂どう院いんの規模きぼが違ちがうのは、着座ちゃくざする人ひとたちの位くらいによって朝ちょう堂どうに格式かくしきに差さがあったことが分わかる。14の朝ちょう堂どうが見みつかっている。後ごの宮みやでは12である。

これらの内裏だいりと朝ちょう堂どう院いんの外側そとがわ（まわり）に役所やくしょ（官衙かんが）が存在そんざいした。

なお、条じょう坊ぼう制せいの存否そんぴについては議論ぎろんがあるが、採用さいようされていれば日本にっぽん最古さいこのものとなる。

後期こうき難波なんば宮みや

後期こうき難波なんば宮みや模型もけい（大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかん）

奈良なら時代じだいの神かみ亀ひさし3年ねん（726年ねん）に聖武天皇しょうむてんのうが藤原ふじわら宇合を知ち造づくり難波なんば宮みや事ごとに任命にんめいして難波なんば京きょうの造営ぞうえいに着手ちゃくしゅさせ、平城京へいじょうきょうの副ふく都ととした。中国ちゅうごくの技法ぎほうである礎石そせき建けん、瓦葺かわらぶき屋根やねの宮殿きゅうでんが造つくられた。

その後ご、聖武天皇しょうむてんのうは平城京へいじょうきょうから恭きょう仁ひとし京きょうへ遷都せんとを行おこなっているが、天平てんぺい16年ねん（744年ねん）に入はいると難波なんば京きょうへの再さい遷都せんとを考かんがえるようになる。この年としの閏うるう1月がつ11日にち、聖武天皇しょうむてんのうは行幸ぎょうこうを名目めいもくに難波なんば宮みやに入はいり、2月がつ26日にちに難波なんば京きょうへの遷都せんとの詔みことのりが正式せいしきに発表はっぴょうされた。もっとも、その2日にち前まえに聖武天皇しょうむてんのうは再々さいさい遷都せんとを視野しやに入いれて紫むらさき香かおり楽らく宮みやに行幸ぎょうこうしており、難波なんば宮みやには元正がんしょう上皇じょうこうと左大臣さだいじん橘諸兄たちばなのもろえが残のこされた。このため、聖武天皇しょうむてんのうと元正がんしょう上皇じょうこうとの間あいだの政治せいじ的てき対立たいりつを想定そうていする説せつや難波なんば遷都せんとは紫むらさき香が楽らく宮みやの都城みやこのじょう設備せつびが完成かんせいするまでの一時いちじ的てきな措置そちであったとする説せつもある。

最終さいしゅう的てきに翌よく天平てんぴょう17年ねん1月がつ1日にち（745年ねん2月がつ6日にち）、難波なんば京きょうから紫むらさき香かおり楽らく宮みやへ遷都せんとが正式せいしきに発表はっぴょうされた。難波なんば遷都せんとも紫むらさき香かおり楽らく遷都せんとも聖武天皇しょうむてんのうの意向いこうであったと考かんがえられ、短期間たんきかんでの方針ほうしん変更へんこうが混乱こんらんを招まねいたと言いえよう。

延のべ暦れき3年ねん（784年ねん）、桓武かんむ天皇てんのうにより長岡京ながおかきょうに遷都せんとされた際さい、大極殿たいきょくでんなどの建物たてものが長岡京ながおかきょうに移築いちくされた。

史跡しせき難波なんば宮みや跡あと

現在げんざい、難波なんば宮みやの跡地あとちの一部いちぶは難波なんば宮みや跡あと公園こうえんとして整備せいびされている。

難波なんば宮みやの遺跡いせきは現在げんざいの馬場うまば町まち・法円坂ほうえんざか・大だい手前てまえ4丁目ちょうめ付づけ辺あたりに及およんでおり、大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかんやNHK大阪放送おおさかほうそう会館かいかんの複ふく合あい施設しせつがある一角いっかくも難波なんば宮みやの跡あとである。大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかんの地下ちか1階かいでは、地下ちか遺跡いせきの様子ようすを見学けんがくすることができる。同どう博物館はくぶつかん前まえにある茅葺かやぶきの高床たかゆか倉庫そうこは、法円坂ほうえんざか遺跡いせきで見みつかった5世紀せいき（古墳こふん時代じだい）の巨大きょだい高床たかゆか倉庫そうこ群ぐんのうち1棟むねを復元ふくげんしたものである。難波なんば宮みや以前いぜんから重要じゅうような交通こうつう拠点きょてんとなっていた難波なんば津つの遺構いこうである。

難波なんば宮みや跡あと公園こうえんの場所ばしょは、明治めいじ4年ねん（1871年ねん）以降いこうに兵部ひょうぶ省しょう（のち陸軍りくぐん省しょう）の管轄かんかつ地ちとなり、1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）の敗戦はいせん時じには歩兵ほへい第だい8連隊れんたいが置おかれていた。占領せんりょう軍ぐんの接収せっしゅう解除かいじょ後ごすぐに鴟尾しびが発見はっけんされたこともあり、開発かいはつの手てから免まぬかれ広大こうだいな敷地しきちの確保かくほが可能かのうとなった。

難波なんば宮みや跡あと公園こうえんの北側きたがわを東西とうざいに通とおる府ふ道どう高速こうそく大阪おおさか東大阪線ひがしおおさかせん（阪神はんしん高速こうそく道路どうろ東大阪線ひがしおおさかせん）は、ほぼ全線ぜんせんが高架こうか構造こうぞうにもかかわらず、難波なんば宮みや跡あと付近ふきんの部分ぶぶんだけ平面へいめんとなっている。これは、建設けんせつに先立さきだつ事前じぜん協議きょうぎの結果けっか、難波なんば宮みや跡あとの遺構いこうの保存ほぞんと難波なんば宮みや跡あと公園こうえんから大だい坂城さかき跡あとへの景観けいかんを確保かくほするために「平面へいめん案あん」が採用さいようされた為ためである。しかし、この突如とつじょとして現あらわれる急きゅうな勾配こうばい区間くかんのために、事故じこや渋滞じゅうたいの原因げんいんとなることも多おおい。なお、平面へいめん部分ぶぶんの道路どうろの基礎きそは、難波なんば宮みや跡あと中心ちゅうしん部ぶの遺構いこうを破壊はかいしないよう地下ちかに杭くいを打うち込こまないような特殊とくしゅな構造こうぞうとなっており、また橋脚きょうきゃくの間隔かんかくも一本いっぽん当あたりにかかる重量じゅうりょうを分散ぶんさんさせる目的もくてきも兼かねて通常つうじょう30メートル開あけるところを、この区間くかんは10メートル間隔かんかくで橋脚きょうきゃくを設置せっちしている。

1985年ねんに大阪おおさか市しが、北きた接せっする大阪城公園おおさかじょうこうえんと難波なんば宮みや跡あと公園こうえんを一体化いったいかした「歴史れきし公園こうえん構想こうそう」を発表はっぴょう。その一環いっかんとして、馬場うまば町まちにあったNHK大阪おおさか放送ほうそう会館かいかんが上町うえまち筋すじを挟はさんだ大だい手前てまえ4丁目ちょうめの大阪おおさか市し中央ちゅうおう体育館たいいくかん跡地あとちに移転いてんするなどしたが、この2つの公園こうえんの一体化いったいか構想こうそうは進展しんてんしていない。

2004年ねん（平成へいせい16年ねん）から、四天王寺してんのうじワッソ（11月開催かいさい）のメイン会場かいじょうとなっている。

2006年ねん（平成へいせい18年ねん）には、万葉仮名まんようがなで書かかれたものとしては、最古さいことされる7世紀せいき中ちゅうごろの木簡もっかんが出土しゅつどしている。木簡もっかんは長ながさ18.5センチ、幅はば2.7センチで、片面かためんに墨すみで「皮かわ留とめ久佐くざ乃皮斯米之の刀かたな斯」と書かかれており、「はるくさ（春草しゅんそう）のはじめのとし」と読よむとみられている。一緒いっしょに出土しゅつどした土器どきや土ど層そうの状況じょうきょうから前期ぜんき・難波なんば宮みやの完成かんせい前後ぜんこうのものと考かんがえられ、万葉仮名まんようがなは天武てんむ・持もち統すべ朝あさ（672年ねん-697年ねん）に成立せいりつしたと考かんがえる説せつに再考さいこうを促うながす発見はっけんであった。

平成へいせい28年ねん、後期こうき難波なんば宮みやの朝あさ堂どう院いんの西側にしがわから４棟むねの建物たてものの基礎きそ跡あとが発掘はっくつされた。

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  大極殿たいきょくでん正殿せいでん跡あと
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  大極殿たいきょくでん後ご殿どの跡あと
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  朝ちょう堂どう院いん東堂とうどう跡あと
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  朝ちょう堂どう院いん西堂せいどう跡あと

文化財ぶんかざい

国くにの史跡しせき

• 難波なんば宮みや跡あと 附つけ 法円坂ほうえんさか遺跡いせき
  • 1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）5月がつ2日にち指定してい。
  • 1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）3月がつ31日にち、1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）8月がつ4日にちに史跡しせき範囲はんいの追加ついか指定してい。
  • 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）1月がつ29日にちに法円坂ほうえんざか遺跡いせきの範囲はんいの追加ついか指定していと指定してい名称めいしょうを「難波なんば宮みや跡あと 附つけ 法円坂ほうえんさか遺跡いせき」に変更へんこう。
  • 2005年ねん（平成へいせい17年ねん）3月がつ2日にち、2007年ねん（平成へいせい19年ねん）7月がつ26日にち、2013年ねん（平成へいせい25年ねん）3月がつ27日にちに史跡しせき範囲はんいの追加ついか指定してい。

大阪おおさか府ふ指定してい文化財ぶんかざい

• 有形ゆうけい文化財ぶんかざい
  • 難波なんば宮みや跡あと出土しゅつど木簡もっかん 附ふ 土器どき・土ど製品せいひん 33点てん（考古こうこ資料しりょう） - 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん大阪おおさか府ふ文化財ぶんかざいセンター中部ちゅうぶ調査ちょうさ事務所じむしょ保管ほかん。2012年ねん（平成へいせい24年ねん）3月がつ15日にち指定してい。
    • 附ふ指定してい：土師器はじき 23点てん
    • 附ふ指定してい：須恵すえ器き 48点てん
    • 附ふ指定してい：土ど馬ば 1点てん

大阪おおさか市し指定してい文化財ぶんかざい

• 有形ゆうけい文化財ぶんかざい
  • 難波なんば宮みや跡あと出土しゅつど蓮華れんげ文ぶん軒のき丸まる瓦かわら・重じゅう圏けん文ぶん軒のき丸まる瓦かわら 2点てん（考古こうこ資料しりょう） - 2003年ねん12月19日にち指定してい。
  • 難波なんば宮みや跡あと出土しゅつど鴟尾しび 1点てん（考古こうこ資料しりょう） - 2003年ねん12月19日にち指定してい。
  • 難波なんば宮みや跡あと出土しゅつど万葉仮名まんようがな文ぶん木簡もっかん 1点てん（附ふ 土器どき資料しりょう24点てん）（考古こうこ資料しりょう） - 2011年ねん4月がつ1日にち指定してい。

• 
  重じゅう圏けん文ぶん軒のき丸まる瓦かわら・蓮華れんげ文ぶん軒のき丸まる瓦かわら
  大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかん展示てんじ。
• 
  鴟尾しび
  大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかん展示てんじ。
• 
  万葉仮名まんようがな文ぶん木簡もっかん（複製ふくせい）
  大阪おおさか歴史れきし博物館はくぶつかん展示てんじ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『新あたらし修おさむ 大阪おおさか市し市し史し第だい1巻かん』 大阪おおさか市し史し編纂へんさん委員いいん会かい、1998年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 難波なんば京きょう
• 難波なんば津つ
• 複ふく都と制せい
• 日本にっぽんの首都しゅと
• 河内かわうち王朝おうちょう
• 山根やまね徳太郎とくたろう
• 上町うえまち台地だいち
• 置おけ塩しお章あきら

外部がいぶリンク

• 大阪おおさか文化財ぶんかざい研究所けんきゅうじょ 難波なんば宮みやインフォメーション
• 史跡しせき難波なんば宮みや - ウェイバックマシン（2004年ねん2月がつ23日にちアーカイブ分ぶん）

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