電子でんし国土こくど

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電子でんし国土こくど(でんしこくど)とは、国土こくど地理ちりいん1999ねんごろに提唱ていしょうした概念がいねんであり、現実げんじつ国土こくど電子でんしばんサイバースペース)をす。 電子でんし国土こくどでは、縮尺しゅくしゃく概念がいねんがなく、複数ふくすうのデータセットがコンピュータネットワークとおしてつながることを想定そうていしている。

国土こくど交通こうつう大臣だいじん測量そくりょうほう規定きていによりさだめなければならないとされている、基本きほん測量そくりょう長期ちょうき計画けいかく直近ちょっきん計画けいかくであるだい6基本きほん測量そくりょう長期ちょうき計画けいかく[1] においては、この理念りねんまえ、『行政ぎょうせい機関きかん所有しょゆうする地理ちり情報じょうほうはじめ、過去かこから現在げんざいおよ将来しょうらいにわたるあらゆる地理ちり情報じょうほうを、いつでも、どこでも、だれでも容易ようい共有きょうゆうできる環境かんきょう構築こうちくすることが必要ひつようである』とうたっている。

なお、この「電子でんし国土こくど」という言葉ことば自体じたいは、関連かんれんする「CYBERJAPAN/サイバージャパン」とあわせ、国土こくど地理ちりいんによって商標しょうひょう登録とうろく電子でんし国土こくどだい4762045ごう、CYBERJAPAN/サイバージャパン:だい4767455ごう)がなされている。

地理ちりいん地図ちず[編集へんしゅう]

場所ばしょ位置いちかんする様々さまざま情報じょうほう提供ていきょうしゃ利用りようしゃつなぎ、当該とうがい情報じょうほう相互そうご利用りようしあうとして、電子でんし国土こくど事務じむきょく2003ねん7がつインターネットうえ開設かいせつした“電子でんし国土こくどくち”のひとつである「電子でんし国土こくどポータル」[2]開設かいせつしたが、2013ねん10がつ30にちより「地理ちりいん地図ちず」となった[3]。2016ねん5がつ12にちきゅう地理ちりいん地図ちず電子でんし国土こくどWebドメイン cyberjapan.jp が平成へいせい30年度ねんど廃止はいしされることが国土こくど地理ちりいん公式こうしきウェブサイトじょう告知こくちされた[4]

地理ちりいん地図ちずでは、だれもが自由じゆう活用かつようできる場所ばしょ位置いちかんする情報じょうほうかさわせ情報じょうほう)を登録とうろく検索けんさくできる機能きのう提供ていきょうしている。

また、現在げんざい国土こくど地理ちりいんからは、電子でんし国土こくど理念りねん具現ぐげんするツールのひとつとして「電子でんし国土こくどWebシステム」が国土こくど地理ちりいん技術ぎじゅつ資料しりょう (E1-No.311) として無償むしょう提供ていきょうされているほか、“情報じょうほう提供ていきょうしゃいち機関きかん”として、場所ばしょ位置いちかんする様々さまざま情報じょうほう発信はっしんのためにだれもが無償むしょう活用かつよう可能かのうな、全国ぜんこくの2まん5せんふん1地形ちけい相当そうとうする背景はいけい地図ちず情報じょうほう常時じょうじ配信はいしんしている。このほか、さらに縮尺しゅくしゃくレベルのおおきい背景はいけい地図ちず情報じょうほうとして、地理ちり空間くうかん情報じょうほう活用かつよう推進すいしん基本きほんほう規定きていする基盤きばん地図ちず情報じょうほうや、電子でんし国土こくど理念りねん賛同さんどうした地方ちほう公共こうきょう団体だんたいひとしからあずかりけた、都市とし計画けいかくもと都市とし計画けいかくほう昭和しょうわ43ねん法律ほうりつだい100ごうだい6じょう規定きていする基礎きそ調査ちょうさおこなうにたって必要ひつようとなるもと)や砂防さぼう基盤きばん土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい区域くいきとうにおける土砂どしゃ災害さいがい防止ぼうし対策たいさく推進すいしんかんする法律ほうりつ平成へいせい12ねん法律ほうりつだい57ごうだい4じょうだい1こう規定きていする基礎きそ調査ちょうさおこなうにたって必要ひつようとなるもと)のだい縮尺しゅくしゃくディジタルマッピングデータとう常時じょうじ配信はいしんされている。このうち、2まん5せんふん1地形ちけい相当そうとうする背景はいけい地図ちず情報じょうほうについては、国土こくど地理ちりいんからSVG形式けいしきでも配信はいしんされ、パソコンのみでなく広範こうはんなメディアじょう活用かつようする方法ほうほうやアイデアを提案ていあんしてひろ社会しゃかい実験じっけんきょうするこころみが実施じっしされている。

さらに、地籍ちせき調査ちょうさにおいては、「数値すうち地籍ちせき情報じょうほう記録きろく形式けいしきとうについて(平成へいせい14ねん3がつ14にち国土こくどこくだい595ごう 国土こくど交通省こうつうしょう土地とちみず資源しげんきょく国土こくど調査ちょうさ課長かちょう通知つうち)」にもとづき、 “地籍ちせきフォーマット2000”に準拠じゅんきょして調査ちょうさ成果せいかのファイル格納かくのうがされているところであるが、これらのファイルのうちまいふで土地とち幾何きか形状けいじょう情報じょうほうについて、電子でんし国土こくどWebシステムにより閲覧えつらんできる形式けいしき変換へんかんし、その結果けっかただちに閲覧えつらん確認かくにんできるツールサイト「地籍ちせきフォーマット 2000 → 電子でんし国土こくどコンバータ[5]」を用意よういしている。

電子でんし国土こくど事務じむきょく[編集へんしゅう]

電子でんし国土こくどかんする共通きょうつう規約きやく/仕様しよう決定けっていや、電子でんし国土こくど普及ふきゅう促進そくしんのために国土こくど地理ちりいん中心ちゅうしんとなって設立せつりつした組織そしきであり、現時点げんじてんでは国土こくど地理ちりいん運営うんえいしている。

電子でんし国土こくどサイト[編集へんしゅう]

電子でんし国土こくどWebシステムの機能きのうもちいてインターネットじょう活用かつようできるように構築こうちくされた、場所ばしょ位置いちかんする様々さまざま情報じょうほう発信はっしんしているウェブサイト

通常つうじょう電子でんし国土こくどサイトの閲覧えつらんしゃがウェブブラウザをつうじてその発信はっしんしている情報じょうほう確認かくにんできるように、人間にんげん可読かどくウェブページ付随ふずいさせることがおおいが、情報じょうほう発信はっしんそれ自体じたいHTTPでアクセスできるURI明示めいじすればりるので、機械きかい可読かどくせいのみが措置そちされたウェブサイト構築こうちく可能かのうであり、そのようなウェブサイトも広義こうぎ意味いみ電子でんし国土こくどサイトとぶことができる。

おも電子でんし国土こくどサイトのリストは、電子でんし国土こくどポータルの「電子でんし国土こくどサイト一覧いちらん[6]」から参照さんしょうすることができる。国土こくど交通省こうつうしょう推進すいしんしている「国土こくど交通こうつう地理ちり空間くうかん情報じょうほうプラットフォーム[7]」も電子でんし国土こくどサイトのひとつとして構築こうちく検討けんとうされている。

廃止はいしされたサービス[編集へんしゅう]

電子でんし国土こくどWebシステム[編集へんしゅう]

電子でんし国土こくど理念りねん具現ぐげんするツールのひとつとして、国土こくど地理ちりいんから無償むしょう提供ていきょうされていたソフトウェアActiveXコントロールもちいたウェブブラウザプラグインとしてインストールされる。このソフトウェアは、「地図ちず記号きごう発生はっせいがた・トポロジ暗示あんじがたデータによる地図ちず情報じょうほうシステム」(特許とっきょだい3702444ごう)にもとづく技術ぎじゅつもちいて構成こうせいされている。すなわち、サーバから配信はいしんされる唯一ゆいいつ地理ちり情報じょうほうから、クライアントがわにおいてことなる地図ちず表現ひょうげんがなされた地図ちず情報じょうほう生成せいせいできる機能きのうゆうしている。実際じっさいこの機能きのうもちいて、さわ地図ちず原稿げんこうとなるべき情報じょうほう国土こくど地理ちりいんから配信はいしんされてきた背景はいけい地図ちず情報じょうほうから自動的じどうてき生成せいせいするソフトウェア「さわ地図ちず原稿げんこう作成さくせいシステム」を国土こくど地理ちりいんから試験しけんてき提供ていきょうしている。

電子でんし国土こくどWebシステムのもうひとつの特徴とくちょうてき機能きのうとして、地理ちりてき・ネットワークてき分散ぶんさんした複数ふくすう電子でんし国土こくどサイトからかさわせ情報じょうほう取得しゅとくし、クライアントがわ動的どうてき当該とうがい情報じょうほう参照さんしょうすることが可能かのうであるてんげられる。またかさわせ情報じょうほう静的せいてき存在そんざいしている必要ひつようはなく、その都度つどCGIなどで動的どうてき生成せいせいしたものを参照さんしょうすることも可能かのうである。

電子でんし国土こくどポータル開設かいせつ当初とうしょは、電子でんし国土こくどWebシステム周辺しゅうへん関連かんれん技術ぎじゅつ情報じょうほう提供ていきょうは、試験しけん運用うんようという位置付いちづけで行政ぎょうせい機関きかん教育きょういく機関きかんNPOひとしかぎられていたが、2006ねん6がつまつにはほん運用うんようとし、民間みんかん企業きぎょう個人こじんでも自由じゆう技術ぎじゅつ情報じょうほう参照さんしょうできるようになった。

また国土こくど地理ちりいんでは、2008ねん6がつから、プラグインを必要ひつようとせずWebブラウザの機能きのうのみで電子でんし国土こくどにアクセスすることができる、電子でんし国土こくどWebシステムのプラグインばん公開こうかい実施じっししている[8]国土こくど地理ちりいんが2014ねん3がつ31にちまで運営うんえいしていた地図ちず閲覧えつらんサービス(ウォッちず)[9] は、この機構きこう利用りようしたサイトの典型てんけいれいであった。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]