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1953ねん問題もんだい

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最高裁判所さいこうさいばんしょ判例はんれい
事件じけんめい シェーン著作ちょさくけん侵害しんがい事件じけん
事件じけん番号ばんごう 平成へいせい19(受)1105
2007ねん平成へいせい19ねん)12月18にち
判例はんれいしゅう だい61かん9ごう3460ぺーじ
裁判さいばん要旨ようし
  • 本件ほんけん上告じょうこく棄却ききゃくする。上告じょうこく費用ひよう上告じょうこくじんらの負担ふたんとする。
  • 昭和しょうわ28ねん団体だんたい著作ちょさく名義めいぎをもって公表こうひょうされた独創どくそうせいゆうする映画えいが著作ちょさくぶつは、平成へいせい16ねん1がつ1にちから施行しこうされた著作ちょさくけんほう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ平成へいせい15ねん法律ほうりつだい85ごう)による保護ほご期間きかん延長えんちょう措置そち対象たいしょうとなるどうほう附則ふそく2じょう所定しょていの「この法律ほうりつ施行しこうさいげん改正かいせいまえ著作ちょさくけんほうによる著作ちょさくけんそんする映画えいが著作ちょさくぶつ」にたらず、その著作ちょさくけん平成へいせい15ねん12月31にち終了しゅうりょうをもって存続そんぞく期間きかん満了まんりょうした。
だいさんしょう法廷ほうてい
裁判さいばんちょう 藤田ふじたちゅうやすし
陪席ばいせき裁判官さいばんかん 堀籠ほりごめ幸男ゆきお
那須なすひろしたいら
田原たはら睦夫むつお
近藤こんどうたかしはれ
意見いけん
多数たすう意見いけん 全員ぜんいん一致いっち
意見いけん なし
反対はんたい意見いけん なし
参照さんしょう法条ほうじょう
著作ちょさくけんほう54じょう1こう著作ちょさくけんほう附則ふそく2じょう民法みんぽう141じょう
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1953ねん問題もんだい(せんきゅうひゃくごじゅうさんねんもんだい)とは、1953ねん昭和しょうわ28ねん)に公表こうひょうされた団体だんたい名義めいぎ独創どくそうせいゆうする映画えいが著作ちょさくぶつについて、その日本にっぽん著作ちょさくけんほうもとづく著作ちょさくけん保護ほご期間きかんが、2003ねん平成へいせい15ねん12月31にちをもって終了しゅうりょうしているか、あるいは2023ねんれい5ねん)12月31にちまで存続そんぞくするかという、対立たいりつするふたつの見解けんかい存在そんざいした問題もんだいである。

1953ねんは『ローマの休日きゅうじつ』や『シェーン』などの名作めいさくとされる映画えいが公開こうかいされたとしでもあること、これらの映画えいが著作ちょさくけんが2023ねんまで存続そんぞくするという、行政府ぎょうせいふ文化庁ぶんかちょう)の行政府ぎょうせいふ見解けんかい司法しほう判決はんけつによってくつがえされたこともあり、この問題もんだいがさらに注目ちゅうもくされることとなった。2007ねん平成へいせい19ねん)12月18にち最高裁判所さいこうさいばんしょは、1953ねん公表こうひょう団体だんたい名義めいぎ独創どくそうせいゆうする映画えいがについては2003ねん12月31にちをもって保護ほご期間きかん終了しゅうりょうしたと確定かくてい判決はんけつした。これにより、著作ちょさくけん主張しゅちょうする原告げんこくがわ見解けんかい退しりぞけられ、この問題もんだいたいする決着けっちゃくがついた。

問題もんだいてん所在しょざい[編集へんしゅう]

2004ねん平成へいせい16ねん1がつ1にち施行しこうされた、著作ちょさくけんほう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ平成へいせい15ねん(2003ねん法律ほうりつだい85ごう以下いか改正かいせいほう」という)により改正かいせいされるまえ著作ちょさくけんほう54じょう1こう以下いか旧法きゅうほう」という)は、映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんは、公表こうひょう50ねん経過けいかするまで存続そんぞくするものとさだめていた。

しかし、改正かいせいほうにより改正かいせいされた著作ちょさくけんほう54じょう1こう以下いか新法しんぽう」という)では、映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん公表こうひょう70ねん経過けいかするまで存続そんぞくする。そして、改正かいせいほう附則ふそく2じょうは、経過けいか規定きていとして「この法律ほうりつ施行しこうさいげん改正かいせいまえ著作ちょさくけんほうによる著作ちょさくけん消滅しょうめつしている映画えいが著作ちょさくぶつについては、なお従前じゅうぜんれいによる」として、改正かいせいほう施行しこうである2004ねん平成へいせい16ねん)1がつ1にち時点じてんで、すで著作ちょさくけん消滅しょうめつしている映画えいが著作ちょさくぶつについては、新法しんぽうによる保護ほご期間きかん適用てきようがないものとさだめている。

なお、著作ちょさくけんほうでは著作ちょさくけん保護ほご期間きかん計算けいさん方法ほうほうについて、「期間きかん終期しゅうき計算けいさんするときは、……著作ちょさくぶつ公表こうひょうされしくは創作そうさくされたのそれぞれぞくするとし翌年よくねんから起算きさんする」として、暦年れきねん主義しゅぎ採用さいようしている(著作ちょさくけんほう57じょう)。

このようなほう改正かいせい経過けいか前提ぜんていにした場合ばあい、1953ねん昭和しょうわ28ねん)に公表こうひょうされた、団体だんたい名義めいぎ独創どくそうせいゆうする映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんは、日本にっぽん国内こくないにおいて、いつ著作ちょさくけん消滅しょうめつすることになるのか。

暦年れきねん主義しゅぎにより、保護ほご期間きかん1954ねん昭和しょうわ29ねん)1がつ1にちから起算きさんするため(著作ちょさくけんほう57じょう)、1953ねん昭和しょうわ28ねん)に公表こうひょうされた映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんは、旧法きゅうほうによれば2003ねん平成へいせい15ねん)12月31にちをもって消滅しょうめつする。では、このような著作ちょさくぶつは、改正かいせいほう附則ふそく2じょうにいう「この法律ほうりつ施行しこうさいげん改正かいせいまえ著作ちょさくけんほうによる著作ちょさくけん消滅しょうめつしている映画えいが著作ちょさくぶつ」に該当がいとうするのかか。該当がいとうするとすれば、1953ねん昭和しょうわ28ねん)に公表こうひょうされた映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんは2003ねん平成へいせい15ねん)12月31にち公表こうひょう50ねん)をもって消滅しょうめつしたことになる。ぎゃくに、該当がいとうしないとすれば、著作ちょさくけんは2023ねんれい5ねん)12月31にち公表こうひょう70ねん)まで存続そんぞくすることになる。この見解けんかい対立たいりつが『1953ねん問題もんだい』と俗称ぞくしょうされるものである。

この問題もんだい射程しゃてい範囲はんい[編集へんしゅう]

1953ねん昭和しょうわ28ねん)に公表こうひょうされた映画えいが著作ちょさくけん日本にっぽん国内こくないにおいて2003ねん平成へいせい15ねん)12月31にちをもって消滅しょうめつするかかという問題もんだい射程しゃてい範囲はんいは、団体だんたい名義めいぎ独創どくそうせいゆうする映画えいが著作ちょさくぶつかぎられる。

1953ねん当時とうじ施行しこうされていた著作ちょさくけんほう明治めいじ32ねん(1899ねん法律ほうりつだい39ごう)は、独創どくそうせいゆうする映画えいがか、著作ちょさく名義めいぎ個人こじん団体だんたいとうによって、映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん存続そんぞく期間きかん区別くべつしていた。そして、1971ねん1がつ1にち施行しこうされた現行げんこう著作ちょさくけんほう昭和しょうわ45ねん(1970ねん法律ほうりつだい48ごう)によれば、どうほう施行しこうまえ公表こうひょうされた著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん存続そんぞく期間きかんは、きゅう著作ちょさくけんほうによる存続そんぞく期間きかんほうなが場合ばあいきゅう著作ちょさくけんほうによる存続そんぞく期間きかんによる(附則ふそく7じょう)。

このため、たとえば、個人こじん名義めいぎ独創どくそうせいある映画えいが著作ちょさくぶつ実名じつめいで1953ねん公表こうひょうされ、著作ちょさくしゃ公表こうひょうである1998ねん死亡しぼうした場合ばあいれいにすると、現行げんこう著作ちょさくけんほう本則ほんそくちゅう規定きていでは、1953ねん翌年よくねんから起算きさんして50ねんまたは70ねん(2003ねん12月31にちまでまたは2023ねん12月31にちまで)著作ちょさくけん存続そんぞくするのにたいし、きゅう著作ちょさくけんほうでは、1998ねん翌年よくねんから起算きさんして38ねん(2036ねん12月31にちまで)存続そんぞくする(きゅう著作ちょさくけんほう22じょうの3、52じょう、3じょう1こう)。そして、著作ちょさくけんほう附則ふそく7じょう適用てきようされる結果けっか存続そんぞく期間きかん後者こうしゃによることになる。そのため、2003ねん12月31にち経過けいかにより著作ちょさくけん消滅しょうめつするかかという問題もんだい自体じたいしょうじない。

論点ろんてんたいする見解けんかい[編集へんしゅう]

1953ねん公表こうひょうされた団体だんたい名義めいぎ独創どくそうせいゆうする映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんが2003ねん12月31にち公表こうひょう50ねん)をもって消滅しょうめつしたとする見解けんかいを「消滅しょうめつせつ」、2023ねん12月31にち公表こうひょう70ねん)まで存続そんぞくするとする見解けんかいを「存続そんぞくせつ」とよぶこととして、それぞれの根拠こんきょ説明せつめいする。

消滅しょうめつせつ判例はんれい[編集へんしゅう]

1953ねん公表こうひょうされた団体だんたい名義めいぎ独創どくそうせいゆうする映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんが、改正かいせいほう施行しこうにはすで消滅しょうめつしていたという見解けんかいは、2003ねん12月31にちと2004ねん1がつ1にちは「べつ」であるということを根拠こんきょとする。「べつ」であるとすると、2003ねん12月31にち著作ちょさくけん消滅しょうめつし、その翌日よくじつ改正かいせいほう施行しこうである2004ねん1がつ1にちには、すで著作ちょさくけん消滅しょうめつしている。改正かいせいほう附則ふそく2じょうもとづき、1953ねん公表こうひょう映画えいが日本にっぽん国内こくないにおいては著作ちょさくけん消滅しょうめつしていることになるので、以後いご著作ちょさくけんほうによる保護ほごけないことになる。

期間きかん計算けいさんかんする法令ほうれいうえ通常つうじょうあつかいでは、2003ねん12月31にち午後ごご12(24)と2004ねん1がつ1にち午前ごぜん0は、べつ時点じてんであり別々べつべつ認識にんしきするし、一般いっぱんてきにも、別々べつべつかんがえるのが自然しぜん感覚かんかくである。

また、著作ちょさくけんほう新旧しんきゅうとも)54じょう1こうおよび57じょうは、いずれも「とし」によって保護ほご期間きかんさだめている。これは「としによって期間きかんさだめた」(民法みんぽう140じょう)ものであって、「時間じかんによって期間きかんさだめた」(どうほう139じょう)ものではない。そして「とし」によって期間きかんさだめた場合ばあいには、「その末日まつじつ終了しゅうりょうをもって満了まんりょうする」(どうほう141じょう)とさだめる。

したがって、保護ほご期間きかん満了まんりょう把握はあくする基本きほんてき単位たんいは、あくまでも「」であって「時間じかん」ではない。これは、著作ちょさくけんほう文言もんごんが、「べつせつるべきことを示唆しさするものである。

存続そんぞくせつ司法しほう判断はんだん否定ひてい[編集へんしゅう]

1953ねん公表こうひょうされた団体だんたい名義めいぎ独創どくそうせいゆうする映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんが、改正かいせいほう施行しこうげん存続そんぞくしていたという見解けんかいは、2003ねん12月31にち午後ごご12と2004ねん1がつ1にち午前ごぜん0は「どう時点じてん」であるということを根拠こんきょとする。「どう時点じてん」であるとすると、改正かいせいほう施行しこうにも著作ちょさくけん存続そんぞくしていることになる。したがって、改正かいせいほう附則ふそく2じょうもとづき、著作ちょさくけん保護ほご期間きかんは2023ねん12月31にちまで延長えんちょうされることになる。

文化庁ぶんかちょう著作ちょさくけん見解けんかいもこれに沿い、りょうときは「接着せっちゃくしている」として、1953ねん公表こうひょうされた映画えいがには新法しんぽう適用てきようされて、著作ちょさくけん保護ほご期間きかん公表こうひょう70ねんとしていた。

司法しほう判断はんだん[編集へんしゅう]

2006ねん映画えいが『ローマの休日きゅうじつ』および『シェーン』(いずれも1953ねん公開こうかい)を収録しゅうろくした格安かくやすDVDソフトを販売はんばいしていた業者ぎょうしゃたいし、これらの映画えいが著作ちょさくけんしゃであると主張しゅちょうするパラマウント・ピクチャーズが、DVD販売はんばい差止さしとめをもとめる民事みんじ訴訟そしょう提起ていきしたことから、司法しほう判断はんだんによってこの問題もんだい決着けっちゃくがつくこととなった。しかし、パラマウントがわはあえて最高裁さいこうさいたいして許可きょか抗告こうこくおこなわなかった。

「ローマの休日きゅうじつ事件じけん[編集へんしゅう]

『ローマの休日きゅうじつ

2006ねん5がつ25にちアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく法人ほうじんパラマウント・ピクチャーズ・コーポレーション以下いか、パラマウント)が、『ローマの休日きゅうじつ』(後日ごじつ、『だいじゅうなな捕虜ほりょ収容しゅうようしょ』を追加ついか。)の格安かくやすDVDソフトを販売はんばいする株式会社かぶしきがいしゃファーストトレーディングにたいし、どうソフトの製造せいぞう販売はんばい差止さしとめをもとめて、東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ仮処分かりしょぶんもうてた。パラマウントは、警視庁けいしちょう海賊版かいぞくばん取締とりしまりをもとめて相談そうだんしたが、警察けいさつから「海賊版かいぞくばんかどうかは、司法しほう判断はんだんがないとからない」と回答かいとうされたため、仮処分かりしょぶんもうてた。なお、この仮処分かりしょぶん申立もうしたてけて、ファーストトレーディングは、どうさく販売はんばい中止ちゅうしした。

パラマウントの主張しゅちょうは、存続そんぞくせつ沿って「どう時点じてんせつつ。これにたいして、ファーストトレーディングの主張しゅちょうは、消滅しょうめつせつ沿って「べつせつつ。

同年どうねん7がつ11にち東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ民事みんじ47は、文理ぶんり解釈かいしゃくによって「べつせつり、パラマウントの申立もうしたて却下きゃっかする決定けっていした。文化庁ぶんかちょう著作ちょさくけんほう解釈かいしゃく司法しほう判断はんだん否定ひていされたことになる。

パラマウントは、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ決定けってい取消とりけしもとめて即時そくじ抗告こうこくおこなったが、10月に同様どうよう論点ろんてんめぐってあらそわれていた「シェーン」事件じけん敗訴はいそ後述こうじゅつ)したことをけて「戦術せんじゅつなおし」を理由りゆうに『ローマの休日きゅうじつ』については抗告こうこくげたため、東京とうきょう地裁ちさい判決はんけつ確定かくてい判決はんけつとなった。ファーストトレーディングがわ販売はんばい再開さいかい慎重しんちょう検討けんとうしていたが、12月までに同社どうしゃとはべつ株式会社かぶしきがいしゃコスミック出版しゅっぱんどうさく格安かくやすDVDソフトを発売はつばい。ファーストトレーディングもよく2007ねんより販売はんばい再開さいかいした。

「シェーン」事件じけん[編集へんしゅう]

『シェーン』

『ローマの休日きゅうじつ』と同様どうように1953ねん公開こうかいされた映画えいがシェーン』について、べいパラマウントしゃおよびどうさく日本にっぽん国内こくないでの恒久こうきゅうてき独占どくせんてき利用りようけん頒布はんぷけんふくむ)の譲渡じょうとけた株式会社かぶしきがいしゃ東北新社とうほくしんしゃどうさく格安かくやすDVDソフトを販売はんばいする株式会社かぶしきがいしゃブレーントラストおよび有限ゆうげん会社かいしゃオフィスワイケーの2しゃ相手取あいてどって製造せいぞう販売はんばい差止さしとめと損害そんがい賠償ばいしょうもとめて東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょあらそっていた裁判さいばんでは、2006ねん10がつ6にち東京とうきょう地裁ちさい民事みんじ29がやはり民事みんじ47決定けってい同様どうよう理由りゆう原告げんこくパラマウント・東北新社とうほくしんしゃ請求せいきゅう棄却ききゃくした。

判決はんけつでは「2003ねん12月31にち午後ごご12(24)」と「2004ねん1がつ1にち」は「べつ」であることを再度さいど確認かくにんするとともに、立法りっぽう経緯けいいかんして、文化庁ぶんかちょう文化ぶんか審議しんぎかい著作ちょさくけん分科ぶんかかいにおける議論ぎろんで、映画えいが業界ぎょうかい代表だいひょう委員いいんから「日本にっぽん映画えいが危機きき」がしきりに喧伝けんでんされていたが、委員いいんからは反論はんろん相次あいついだことから、国会こっかいへの法案ほうあん提出ていしゅつさいしては

先進せんしん諸国しょこくにおける映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん保護ほご期間きかん一般いっぱん日本にっぽんよりもながいという状況じょうきょうまえて、映画えいが著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん保護ほご期間きかん延長えんちょうして映画えいが著作ちょさくぶつ保護ほご強化きょうかする

ことが法案ほうあん目的もくてきであると説明せつめいされ、原告げんこく主張しゅちょうする

  • 日本にっぽん映画えいが黄金おうごん公表こうひょうされたかく作品さくひん著作ちょさくけん消滅しょうめつふせ
  • 昭和しょうわ28ねん公表こうひょうされた映画えいが著作ちょさくけん消滅しょうめつふせ

という理由りゆうげられていなかったことを指摘してきしたうえで、1953ねん公開こうかい映画えいが本法ほんぽう対象たいしょうふくまれないとして『シェーン』は2003ねん12月31にちをもって保護ほご期間きかん満了まんりょうしたと判断はんだんした。

パラマウント・東北新社とうほくしんしゃはこの判決はんけつ不服ふふくとして東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ控訴こうそしたが、2007ねん3がつ29にち知的ちてき財産ざいさん高等こうとう裁判所さいばんしょは、いちしん東京とうきょう地裁ちさい判決はんけつ支持しじし、パラマウントの控訴こうそ棄却ききゃくした。同年どうねん12がつ18にち最高裁判所さいこうさいばんしょにおける上告じょうこくしん判決はんけつも、いちしんしん判決はんけつ支持しじするものであり、これにより、パラマウントの全面ぜんめん敗訴はいそ確定かくてい判決はんけつとなった。

立法りっぽう趣旨しゅし論点ろんてんとの関係かんけい[編集へんしゅう]

文化庁ぶんかちょう官僚かんりょう作花さっか文雄ふみおは、

著作ちょさくけんほう改正かいせいほう附則ふそく2じょうは「経過けいか規定きてい」であり、その立法りっぽう趣旨しゅしは、すで著作ちょさくけん保護ほご期間きかん満了まんりょうしている「著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん復活ふっかつさせない」ことにある。

2003ねん12月31にち午後ごご12と2004ねん1がつ1にち午前ごぜん0とを「どう時点じてん」とするのも、本来ほんらい施行しこう時点じてん直前ちょくぜんまでに著作ちょさくけん消滅しょうめつしていない著作ちょさくぶつに、あらたに保護ほご期間きかん付与ふよされることを説明せつめいするためであり、1970ねん現行げんこう著作ちょさくけん法制ほうせい定時ていじにも、同種どうしゅ説明せつめいにより保護ほご期間きかん延長えんちょうがなされていた。

すなわち、立法りっぽう趣旨しゅしもとづけば、1953ねん公表こうひょうされた映画えいが著作ちょさくぶつは、改正かいせい規定きてい施行しこうされた2004ねん1がつ1にち午前ごぜん0直前ちょくぜんまで保護ほごされていたことにより、つづ保護ほごされるのであり、「べつ」か「どう時点じてん」であるかは、本来ほんらい無関係むかんけいはずであった。

にもかかわらず、「べつ」か「どう時点じてん」かが裁判さいばん争点そうてんとなったのは、文化庁ぶんかちょう著作ちょさくけんほう改正かいせいほう附則ふそく2じょうに「どう時点じてん」による「文理ぶんり解釈かいしゃくしめしたこと」により『解釈かいしゃく余地よちまれたためであった』

主張しゅちょうしている[1]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 作花さっか文雄ふみお著作ちょさくけんほう 制度せいど政策せいさく』442―450ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

法令ほうれい[編集へんしゅう]

判決はんけつ決定けっていぶん[編集へんしゅう]

文化庁ぶんかちょう[編集へんしゅう]

その[編集へんしゅう]

  • 横山よこやま久芳ひさよし著作ちょさくけん保護ほご期間きかんかんする考察こうさつ─「ローマの休日きゅうじつ東京とうきょう地裁ちさい仮処分かりしょぶん決定けっていせっして」 『NBL』2006ねん11月1にちごう通巻つうかん844ごう)、商事しょうじ法務ほうむ
  • 作花さっか文雄ふみお著作ちょさくけんほう 制度せいど政策せいさく』、だい3はん発明はつめい協会きょうかい、2008ねん ISBN 978-4-8271-0890-3

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]