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2,3,7,8-テトラクロロジベンゾジオキシン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
2,3,7,8-テトラクロロジベンゾジオキシン
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識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 1746-01-6
PubChem 15625
ChemSpider 14865
特性とくせい
化学かがくしき C12H4Cl4O2
モル質量しつりょう 321.97 g mol−1
外観がいかん 無色むしょくまたは白色はくしょく結晶けっしょうせいかたまり[1]
密度みつど 1.8 g/cm3
融点ゆうてん

305°C

みずへの溶解ようかい 0.2 μみゅーg/L[2]
危険きけんせい
GHSピクトグラム 急性毒性(高毒性) 経口・吸飲による有害性 水生環境への有害性
GHSシグナルワード DANGER
おも危険きけんせい Developmental toxicant, Carcinogenic[1]
NFPA 704
1
4
0
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン (TCDD) は、化学かがくしきC12H4Cl4O2あらわされるポリ塩化えんかジベンゾ-p-ジオキシンの1つである。不正確ふせいかくではあるが、たんダイオキシン (dioxin) と短縮たんしゅくされることもある[3]純粋じゅんすいなTCDDは、室温しつおん特異とくいしゅうのない無色むしょく固体こたいである。これは通常つうじょう有機ゆうき材料ざいりょう燃焼ねんしょう過程かてい不要ふよう生成せいせいぶつとして、または有機ゆうき合成ごうせい副産物ふくさんぶつとして形成けいせいされる。

TCDDは、その系列けいれつ(PCDDまたはたんにダイオキシンとしてられるポリ塩化えんかジベンゾジオキシン)のなかもっとつよ毒性どくせい化合かごうぶつであり、ベトナム戦争せんそう除草じょそうざいとして使用しようされたオレンジざいなか不純物ふじゅんぶつとしてられるようになった[4]。TCDDは、セベソ事故じこ環境かんきょうちゅう放出ほうしゅつされた[5]。これは残留ざんりゅうせい有機ゆうき汚染おせん物質ぶっしつである。

作用さようじょ

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TCDDおよびダイオキシンさま化合かごうぶつは、すべての細胞さいぼう存在そんざいする特定とくてい受容じゅようたい アリール炭化たんか水素すいそ(AH)受容じゅようたいかいして作用さようする[6][7][8]。この受容じゅようたいは、遺伝子いでんし遺伝子いでんし発現はつげん関与かんよする転写てんしゃ因子いんしである。TCDDの多量たりょう投与とうよは、ラットのすうひゃく遺伝子いでんし発現はつげん増加ぞうかまたは減少げんしょうさせることがしめされている[9]外来がいらいのしばしば毒性どくせいのある化合かごうぶつ分解ぶんかい活性かっせいする酵素こうそ遺伝子いでんしは、そのような遺伝子いでんし典型てんけいてきれいである(酵素こうそ誘導ゆうどう)。TCDDは、たとえばベンゾ[a]ピレンなどのはつがんせいたまきしき炭化たんか水素すいそ分解ぶんかいする酵素こうそ増加ぞうかさせる[10]

これらのたまきしき炭化たんか水素すいそも AH受容じゅようたい活性かっせいするが、TCDD以下いかであり、一時いちじてきである[10]野菜やさいふくまれるおおくの天然てんねん化合かごうぶつでさえ、AH受容じゅようたい活性かっせいこす[11][12]。この現象げんしょうは、毒性どくせいおよびはつがんせい物質ぶっしつから生物せいぶつ保護ほごするため、適応てきおうせいがあり有益ゆうえきであるとなすことができる。しかし、AH受容じゅようたい過度かどかつ持続じぞくてき刺激しげきは、おおくの悪影響あくえいきょうをもたらす[10]

AH受容じゅようたい生理学せいりがくてき機能きのう継続けいぞくてき研究けんきゅう対象たいしょうとなっている[13]あきらかな機能きのうの1つは、必要ひつようおうじて、からだ外来がいらい化学かがく物質ぶっしつまたは通常つうじょう化学かがく物質ぶっしつ分解ぶんかいする酵素こうそ活性かっせいたかめることである。しかし、さまざまな臓器ぞうき免疫めんえきけい発達はったつやその調節ちょうせつ機能きのう関連かんれんする機能きのうほかにもたくさんあるらしい[13]。AH受容じゅようたいは、系統けいとう発生はっせいてき高度こうど保存ほぞんされた転写てんしゃ因子いんしであり、すくなくとも 6おくねん歴史れきしがあり、すべての脊椎動物せきついどうぶつられる。その古代こだい類似るいじたいは、より原始げんしてきたねにおいてさえ重要じゅうよう調節ちょうせつタンパク質たんぱくしつである[8]。まとめると、これは、正常せいじょう生理学せいりがくてき機能きのう達成たっせいするために、基礎きそてき程度ていどの AH受容じゅようたい活性かっせい必要ひつようせい意味いみする。

ヒトにたいする毒性どくせい

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2000ねん世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)の専門せんもんグループは、発生はっせい毒性どくせい人類じんるいたいするダイオキシンのもっと適切てきせつなリスクとなした[14]人々ひとびと通常つうじょう、いくつかのダイオキシンさま化学かがく物質ぶっしつ同時どうじにさらされるため、ダイオキシンおよびダイオキシンさま化合かごうぶつでより詳細しょうさい説明せつめい提供ていきょうされる。

発達はったつへの影響えいきょう

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ベトナムと米国べいこくでは、製造せいぞう工程こうていからの不純物ふじゅんぶつとして TCDDをふくむオレンジざいまたは2,4,5-T暴露ばくろされたひと子供こども催奇せいまたは先天せんてんせい欠損けっそんしょう観察かんさつされた。しかし、オレンジざい/ダイオキシン暴露ばくろあいだ因果いんが関係かんけいにはいくつかの確実かくじつせいがあった。2006ねんメタアナリシス研究けんきゅうあいだ大量たいりょう異質いしつせいしめし、この問題もんだいかんするコンセンサスの欠如けつじょ強調きょうちょうした[15]死産しざん口蓋こうがいきれ、および神経しんけいかん閉鎖へいさ障害しょうがい二分にぶん脊椎せきついしょうもっと統計とうけいてき有意ゆうい欠損けっそんであった。その、いくつかの欠陥けっかん境界きょうかいせい神経しんけい発達はったつへの影響えいきょう報告ほうこくされている[3]セベソ事故じこ発生はっせい障害しょうがいせい変化へんか精子せいししつ低下ていかられた[3]。ダイオキシンとダイオキシンさま化合かごうぶつへのこう混合こんごう暴露ばくろ、さまざまな発達はったつじょう影響えいきょう明確めいかくしめされた。これは、日本にっぽん台湾たいわんでそれぞれ "Yusho disease"(カネミ油症かねみゆしょう事件じけん)とYu-chen(台湾たいわんあぶらしょう)のだい災害さいがいもっと劇的げきてきである[3]

はつがんせい

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TCDDが変異へんいばらせいまたは遺伝子いでんし毒性どくせいではないことはおおむ合意ごういされている[16]。そのおも作用さようがん促進そくしんである。それは化合かごうぶつによって開始かいしされるはつがんせい促進そくしんする。さらに、非常ひじょうこう用量ようりょう間接かんせつてきがんこす可能かのうせいがある。提案ていあんされている機構きこうの1つは、酸化さんかストレスとそれにつづくDNAへの酸素さんそ損傷そんしょうである[17]内分泌ないぶんぴつかくらんやシグナル伝達でんたつ変化へんかなど、ほかにも説明せつめいがある[16][18]内分泌ないぶんぴつかくらん作用さようはライフステージに依存いぞんしているようで、体内たいないにエストロゲンが存在そんざいする(またはこう濃度のうどで)場合ばあいこうエストロゲン、エストロゲンが存在そんざいしない場合ばあいエストロゲンである[19]

TCDDは、国際こくさいがん研究けんきゅう機関きかんによってヒトのはつがんせい物質ぶっしつとして分類ぶんるいされた(グループ1) [20][21]分類ぶんるい利用りようできる職業しょくぎょうコホート研究けんきゅうでは、非常ひじょうたか暴露ばくろでもリスクはよわく、境界きょうかいせん検出けんしゅつ可能かのうであった[22][23][3]。したがって、分類ぶんるいは、本質ほんしつてきに、動物どうぶつ実験じっけん機構きこうてき考察こうさつもとづいていた[20]。これは、IARCの1997ねん分類ぶんるい規則きそくからの逸脱いつだつとして批判ひはんされた[24]。IARC分類ぶんるいおも問題もんだいは、定性的ていせいてきハザード、つまり任意にんい用量ようりょうでのはつがんせいのみを評価ひょうかし、さまざまな用量ようりょうでの定量ていりょうてきリスクを評価ひょうかしてないことである[3]。2006ねんの「Molecular Nutrition & Food Research」の記事きじによると、TCDDがこう用量ようりょうでのみはつがんせいであり、組織そしき毒性どくせい損傷そんしょうこすかどうかについての議論ぎろんがあった[16][17][25]。2011ねんのレビューでは、1997ねん以降いこう、さらなる研究けんきゅうは TCDD暴露ばくろとがんリスクとの関連かんれん支持しじしなかったと結論けつろんけた[26]問題もんだいの1つは、すべての職業しょくぎょう研究けんきゅうにおいて、被験者ひけんしゃがTCDDだけでなく多数たすう化学かがく物質ぶっしつにさらされていることである。2011ねんまでに、ランチハンド作戦さくせんからのベトナム退役たいえき軍人ぐんじん研究けんきゅう更新こうしんふく研究けんきゅうは、30ねん結果けっか病気びょうき証拠しょうこ提供ていきょうしなかったと結論けつろんけたと報告ほうこくされた[27]一方いっぽう、セベソの人口じんこうかんする最新さいしん研究けんきゅうは、こう用量ようりょうでのTCDDはつがんせい裏付うらづけていている[19][28]

2004ねんInternational Journal of Cancer英語えいごばん記事きじは、TCDDまたはのダイオキシンがてい用量ようりょうで軟部組織そしき肉腫にくしゅこしていないという直接的ちょくせつてき疫学えきがくてき証拠しょうこ提供ていきょうしたが、このがんはダイオキシンに典型てんけいてきであるとかんがえられている。実際じっさい、がんは減少げんしょうする傾向けいこうがあった[29] ジャーナル「Dose-Response」の2005ねん記事きじによると、これはJがた用量ようりょう反応はんのうばれ、てい用量ようりょうではリスクが減少げんしょうし、こう用量ようりょうでのみリスクが増加ぞうかする[30]

安全あんぜんかんする推奨すいしょう事項じこう

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2001ねんにFAO / WHO合同ごうどう食品しょくひん添加てんかぶつ専門せんもん委員いいんかい(JECFA)が、70 pg TEQ/kg体重たいじゅう暫定ざんてい許容きょよう月間げっかん摂取せっしゅりょう(PTMI)をみちびした[31]アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく環境かんきょう保護ほごちょう(EPA)は TCDDの1にちあたりの経口けいこう参照さんしょう用量ようりょう(RfD) として0.7 pg/kg体重たいじゅう確立かくりつした[32]ちがいにかんする議論ぎろん参照さんしょう)[3]アスペン研究所けんきゅうじょ英語えいごばんによると、2011ねんには、ほとんどのくに一般いっぱんてき環境かんきょう制限せいげんは、土壌どじょうで1,000 ppt TEQ、堆積たいせきぶつで100 pptである。ほとんどの先進せんしん工業こうぎょうこくでは、土壌どじょうちゅうのダイオキシン濃度のうどは12 ppt未満みまんである。米国べいこく有害ゆうがい物質ぶっしつ疾病しっぺい登録とうろくきょく英語えいごばんは、土壌どじょうちゅうの1,000 ppt TEQをえるレベルには、研究けんきゅう監視かんし健康けんこう調査ちょうさ地域ちいき社会しゃかいおよび医師いし教育きょういく暴露ばくろ調査ちょうさなどの介入かいにゅう必要ひつようであると判断はんだんした。EPAは、これらの制限せいげんを72 ppt TEQにらすことを検討けんとうしている。この変化へんかは、処理しょり必要ひつようとする汚染おせん土壌どじょう潜在せんざいてきりょう大幅おおはば増加ぞうかさせるだろう[33][34]

動物どうぶつ毒性どくせいがく

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ダイオキシンさま化学かがく物質ぶっしつ毒性どくせいかんするほとんどの情報じょうほうは、TCDDを利用りようした動物どうぶつ実験じっけんもとづいている[4][8][35][36]。ほとんどすべての臓器ぞうきは、こう用量ようりょうのTCDDの影響えいきょうける。動物どうぶつ対象たいしょうとした短期たんき毒性どくせい試験しけんでは、典型てんけいてき影響えいきょう食欲しょくよく不振ふしん消耗しょうもうであり、大量たいりょう投与とうよでも、TCDD投与とうよわずか1 - 6週間しゅうかん動物どうぶつ死亡しぼうする[36]一見いっけん類似るいじしたたねは、急性きゅうせい影響えいきょうたいしてさまざまな感受性かんじゅせいっている。モルモットの致死ちしりょうやく1 μみゅーg/kgだが、ハムスターの致死ちしりょうは1,000 μみゅーg/kgをえる。2つのことなるラット系統けいとうあいだでも同様どうようちがいがられる[36]。さまざまな形成けいせい異常いじょう増殖ぞうしょく)または萎縮いしゅくせい消耗しょうもう反応はんのうがさまざまな臓器ぞうきられる。胸腺きょうせん萎縮いしゅくは、いくつかの動物どうぶつしゅ非常ひじょう典型てんけいてきである。TCDDはいくつかのホルモンのバランスにも影響えいきょうあたえる。すべてではないが、一部いちぶたねでは重度じゅうどかん毒性どくせいられる[8][36]現在げんざい人口じんこうにおけるダイオキシンのてい用量ようりょう考慮こうりょれると、発生はっせい毒性どくせい英語えいごばんとがん[3][8]の2種類しゅるい毒性どくせい作用さようのみがヒトに関連かんれんするリスクをこすとかんがえられている。

発達はったつへの影響えいきょう

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発達はったつへの影響えいきょうは、動物どうぶつでは非常ひじょうてい用量ようりょう発生はっせいする。それらには、口蓋こうがいきれみずじんしょうなどのはしてき催奇がたせいふくまれる[37]一部いちぶ臓器ぞうき発達はったつはさらに敏感びんかんである可能かのうせいがある:非常ひじょうてい用量ようりょうげっるい[37][38][39]性器せいき発達はったつとラットの発達はったつさまたげる[40]後者こうしゃは、セベソ事故じこのち[41]、そしておそらくヨーロッパのダイオキシン濃度のうど現在げんざいやく10ばいであった1970年代ねんだいと1980年代ねんだい乳児にゅうじなが母乳ぼにゅう育児いくじのちにも変形へんけいられたというてん重要じゅうようである[42]

はつがんせい

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がんはおおくの場所ばしょ動物どうぶつ誘発ゆうはつされる可能かのうせいがある。十分じゅうぶんたか用量ようりょうでは、TCDDは試験しけんしたすべての動物どうぶつにがんをこした。もっと敏感びんかんなのはめすラットの肝臓かんぞうがんであり、これはながあいだリスク評価ひょうか基礎きそとなっている[43]。がんをこすことにおける TCDDの用量ようりょう反応はんのう線形せんけいではないようであり[25]、それ以下いかではがんをこさないとおもわれる閾値がある。TCDDには変異へんいばらせいまたは遺伝子いでんし毒性どくせいがなく、いいかえれば、がんを開始かいしすることができず、がんのリスクは、化合かごうぶつによって開始かいしされたがんの促進そくしん[16]、またはからだ防御ぼうぎょ機構きこう妨害ぼうがいなどの間接かんせつてき影響えいきょうもとづいている。つまり、アポトーシス変異へんい細胞さいぼうのプログラムされた)をふせぐことによって[23][7]はつがんせい組織そしき損傷そんしょう関連かんれんしており、現在げんざいでは組織そしき損傷そんしょうつづいてこるとなされることがよくある[16]

発生はっせいげん

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TCDDは、科学かがく研究けんきゅうよう純粋じゅんすい化学かがく物質ぶっしつとして以外いがい商業しょうぎょうてき生産せいさんされたことはない。ただし、特定とくていクロロフェノールまたはクロロフェノキシさんけい除草じょそうざい製造せいぞうすると、合成ごうせい副産物ふくさんぶつとして生成せいせいされる[44]

また、とくどうなどの特定とくてい金属きんぞく触媒しょくばい存在そんざいする場合ばあい塩素えんそ存在そんざいする炭化たんか水素すいそ燃焼ねんしょうにおいて、のポリ塩化えんかジベンゾジオキシンおよびポリ塩化えんかジベンゾフラン一緒いっしょ形成けいせいされる可能かのうせいがある[45]通常つうじょう、ダイオキシンさま化合かごうぶつ混合こんごうぶつ生成せいせいされる[3]。したがって、より徹底的てっていてき論文ろんぶんがダイオキシンおよびダイオキシンさま化合かごうぶつしたにある。

最大さいだい生成せいせいは、廃棄はいきぶつ焼却しょうきゃく金属きんぞく生産せいさん化石かせき燃料ねんりょう木材もくざい燃焼ねんしょうである[46]。ダイオキシンの生成せいせい通常つうじょう燃焼ねんしょう温度おんどげることでらすことができる。PCCD/Fsの米国べいこくでのそう排出はいしゅつりょうは 1987ねんやく14 kg TEQから2000ねんの1.4 kg TEQに減少げんしょうした[47]

暴露ばくろ事例じれい

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TCDD中毒ちゅうどくヴィクトル・ユシチェンコ。TCDDはしばしばかおのむくみを悪化あっかさせる。

人々ひとびとこう用量ようりょうのTCDDにさらされたおおくの事件じけんがあった。

  • 1976ねん、イタリアのセベソのなんせんにんもの住民じゅうみんが、圧力あつりょくタンクかられたすうキログラムのTCDDにさらされた。おおくの動物どうぶつ死亡しぼうし、とくそとあそんで地元じもとものべている子供こどもたちの脂肪しぼうちゅうに、最大さいだい56,000 pg/gというこう濃度のうどのTCDDがみとめられた。急性きゅうせい影響えいきょうクロロアクネやく200れい限定げんていされていた[48]長期ちょうきてき影響えいきょうには、多発たはつせい骨髄腫こつづいしゅおよび骨髄こつづいせい白血病はっけつびょうのわずかな増加ぞうか[19]、ならびに発達はったつ障害しょうがいや、暴露ばくろされた父親ちちおやからまれた子供こども女児じょじ増加ぞうかなどのいくつかの発達はったつじょう影響えいきょうがあるらしい[49]のいくつかの長期ちょうきてき影響えいきょううたがわれているが、証拠しょうこはそれほど強力きょうりょくではない[5]
  • ミズーリしゅうのタイムズビーチで、ラッセルマーティンブリスによってすうひゃくにん非常ひじょうこう濃度のうどのTCDDで中毒ちゅうどくさせられた。ラッセルマーティンブリスは、道路どうろのほこりをしずめるため、オレンジざい製造せいぞうしたNEPACCO英語えいごばんしゃから入手にゅうしゅしたTCDDをほこりのおお道路どうろ噴霧ふんむした。この事件じけんかんしてだれ起訴きそされたことはなく、タイムズビーチアメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター(CDC)およびアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく環境かんきょう保護ほごちょう(EPA)による調査ちょうさ結果けっか放棄ほうきされ、不問ふもんされた。これは、米国べいこく歴史れきしなかでTCDDによる民間みんかん地域ちいき単一たんいつ最大さいだい汚染おせんとしてしるされている。
  • ウィーンで、1997ねん2人ふたり女性じょせい職場しょくば中毒ちゅうどくになり、そのうちの1人ひとり測定そくていされた濃度のうどは、人間にんげん測定そくていされた史上しじょう最高さいこうの144,000 pg/g(脂肪しぼう)であった。これは、今日きょうのほとんどのひと濃度のうどやく10まんばいであり、今日きょう若者わかもののすべてのダイオキシンさま化合かごうぶつ合計ごうけいやく1まんばいにあたる。かれらはのこったが、すう年間ねんかん困難こんなんクロロアクネくるしんだ。中毒ちゅうどくは1997ねん10がつ発生はっせいした可能かのうせいたかいが、1998ねん4がつまで発見はっけんされなかった。女性じょせい秘書ひしょとしてはたらいていた研究所けんきゅうじょでは、こう濃度のうどのTCDDが研究けんきゅうしつの1つで発見はっけんされ、化合かごうぶつがそこで生産せいさんされたことを示唆しさしている。警察けいさつ捜査そうさでは犯罪はんざい明確めいかく証拠しょうこつけることができず、だれ起訴きそされなかった。倦怠けんたいかん月経げっけいのぞいて、症状しょうじょう異常いじょう検査けんさ所見しょけんはほとんどかった[50]
  • 2004ねん、ウクライナの大統領だいとうりょう候補こうほヴィクトル・ユシチェンコ大量たいりょうのTCDDで中毒ちゅうどくさせられた。かれちゅうTCDD濃度のうどは108,000 pg/g(脂肪しぼう)と測定そくていされ[51]、これはこれまでに測定そくていされた2番目ばんめたか濃度のうどである。この濃度のうどは、2 mgまたは25 μみゅーg/kg(体重たいじゅう)をえる用量ようりょう意味いみする。かれ長年ながねんクロロアクネくるしんでいたが、最初さいしょ倦怠けんたいかんのち症状しょうじょう異常いじょう検査けんさ所見しょけんはほとんどかった[51]
  • 三角形さんかっけい(イタリア)英語えいごばんとしてられるイタリアの汚染おせんされた土地とち地域ちいきは、組織そしき犯罪はんざいによる長年ながねん違法いほう廃棄はいきぶつ処理しょりからTCDDで汚染おせんされている[52][53][54]

脚注きゃくちゅう

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