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ASIO

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ASIO(Audio Stream Input Output:エイシオ、アシオ、アジオ)は、オーディオデバイスのドライバインタフェースのひとつである。

概要がいよう

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ASIOは、ドイツスタインバーグによりオーディオを入出力にゅうしゅつりょくするためのアプリケーションようAPIとして提供ていきょうされた規格きかくであり、Windowsオーディオカードおおくがこの規格きかく準拠じゅんきょしている。Mac OS XCore Audioはこれと同等どうとう技術ぎじゅつとされる[1]

WindowsやMac OSじょうにもサウンドドライバは存在そんざいするが、ASIOはそれよりもてい遅延ちえんこう同期どうきせいたかスループット実現じつげんしている。開発かいはつされた理由りゆうとしては従来じゅうらいオペレーティングシステム (OS) に搭載とうさいされているサウンドドライバでは2以上いじょうのマルチチャンネル入力にゅうりょく考慮こうりょされていなかったためである。ASIOではマシンの処理しょり速度そくどゆるかぎりはあらゆるチャンネルすう標本ひょうほん周波数しゅうはすう量子りょうしビットすうのデータをあつかうことができる。

ていレイテンシ

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Windows旧来きゅうらいMMEではそのレイテンシ(データ送信そうしんから音声おんせい出力しゅつりょくされるまでの遅延ちえん時間じかん)は200から500ミリびょうDirectSoundでも50から100ミリびょう、Mac OSのSound Managerで20から50ミリびょうとされているが、ASIOの場合ばあいすうミリびょうから10ミリびょう以下いかで、環境かんきょうによっては1ミリびょう以下いかとなる場合ばあいもある。そのため、PCに接続せつぞくしたキーボードでソフトウェア・シンセサイザー演奏えんそうしたり、エレキギターにリアルタイムでエフェクトをかけたりといったことが可能かのうになる。また、OSのソフトウェアミキサーをとおらずにもと波形はけいがそのままオーディオ出力しゅつりょくされるため、良好りょうこう音質おんしつられる場合ばあいがある。

マルチチャンネル

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ASIOでは、複数ふくすう同時どうじ出力しゅつりょくするなど、複数ふくすうのポートを同時どうじあつかうことができる。エフェクタを経由けいゆさせる出力しゅつりょくと、ノーマル出力しゅつりょくとを同時どうじ実施じっしするなどの効用こうようがある。

ASIO 1.0の後継こうけい規格きかくとして、ASIO 2.0が提供ていきょうされている。最大さいだい相違そういてんは、入力にゅうりょく信号しんごうをそのまま出力しゅつりょくするダイレクトモニタリング機能きのうをサポートしているてんである。ダイレクトモニタリング機能きのうは、入力にゅうりょく信号しんごうをコンピュータをかいさずモニタすることから、レイテンシがしょうじないという効用こうようがある。

2005ねんソニーはたらきかけによりDSD対応たいおうまれた。変更へんこうてんはない。

実装じっそう

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ASIOは規格きかくであり、実際じっさい利用りようにはASIO実装じっそう必要ひつようである。主要しゅようOSはASIO標準ひょうじゅん実装じっそう提供ていきょうしていないため、ASIOに対応たいおうするためにはデバイスドライバ・アプリケーションの実装じっそう必要ひつようとなる。おおくの場合ばあい、オーディオインターフェースとうのハードウェアではベンダーがASIO対応たいおうドライバを提供ていきょうし、DAWとうのアプリケーションでは開発かいはつしゃがASIO入出力にゅうしゅつりょく対応たいおう提供ていきょうする。

Steinberg ASIO SDK

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Steinberg ASIO Software Development Kitスタインバーグしゃ公開こうかいしているASIOのソフトウェア開発かいはつキットである。SDKではドライバ・インターフェース・ホスト(クライアント)それぞれの定義ていぎ基底きていクラス・サンプルとう提供ていきょうされている[2]。ライセンスフリー・無償むしょう配布はいふされており、同社どうしゃ直接ちょくせつのサポートはおこなわないがメーリングリストにおいて開発かいはつしゃ同士どうし意見いけん交換こうかんがおこなわれている。

歴史れきし

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1990~2000年代ねんだいにおいて、Windows・Mac OS提供ていきょうする標準ひょうじゅんオーディオドライバはおおきな入出力にゅうしゅつりょく遅延ちえんがあった。ASIOはマルチチャネルI/Oとともてい遅延ちえんという特徴とくちょうっていたため、ASIOがひろ利用りようされていた。macOSではCore Audio標準ひょうじゅん実装じっそうされたこともあり、現在げんざいではmacOSにおいてASIOは利用りようされていない(Steinberg ASIO SDKではMac OS対応たいおう廃止はいしされ[3]macOSには最初さいしょから対応たいおうしていない)。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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  • ASIO SDK - スタインバーグによる無償むしょうSDK配布はいふおよびメーリングリストの参加さんか窓口まどぐち
  • ASIO4ALL - Windows NT機能きのうであるカーネルストリーミングを使用しようしたフリーのASIOエミュレーションドライバ[4]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ https://web.archive.org/web/20040912181832/http://allabout.co.jp/entertainment/dtm/closeup/CU20030706/
  2. ^ "iasiodrv.h - interface definition for the ASIO driver class ... asiodrvr.cpp - ASIO driver class base definition ... hostsample.cpp - a simple console app which shows ASIO hosting" ASIO SDK 2.3.3. readme.txt.
  3. ^ "Changes in ASIO 2.3 since ASIO 2.2 ... dropped support for Mac OS 8 and 9" ASIO SDK 2.3.3. changes.txt.
  4. ^ ASIOに対応たいおうしていないオーディオハードウェアとドライバ環境かんきょうけに擬似ぎじてきにASIOインターフェイスを提供ていきょうするエミュレーションインターフェイスもしくはカーネルストリーミングラッパーであり、TASCAM US-144MKIIなどのネイティブにASIO対応たいおうしている環境かんきょうではインストールする必要ひつようはない