デジタル・オーディオ・ワークステーション
デジタル・オーディオ・ワークステーション(Digital Audio Workstation、DAW)は、デジタルで
種類
[パーソナルコンピュータを
1つは
いずれの
2010
歴史 と変遷
[1970
業務 用 専用 機 の発達
[- ハードディスク・レコーダーの
登場 既存 のレコーダーの置 き換 え編集 機 との一体化 - ミキサーとの
一体化 - CD-R
内蔵 による音楽 CD制作 の完結
- 2トラックからマルチトラックへ
映像 機器 との同期 - ステレオからサラウンドへ
- ネットワークとの
接続 音楽 録音 用 に特 化 した自己 完結 型 低 価格 機種 の出現
パーソナルコンピュータを核 としたアプローチ
[汎用 PCを核 としたオーディオ処理 システムの黎明 期 - ソニック・ソリュージョンズ No-NoiseSystem
- Studer ダイアクシス
- Digidesign SoundTools
- WaveFrame
- オーディオ
編集 の基本 機能 の確立 - ハードウェアのサードパーティへの
解放 - アプリケーションの
内部 同期 によるMIDIシーケンサーとオーディオ編集 ソフトの同期 - OMS
- FreeMIDI
- ソフトウェアプラグインによる
機能 拡張 とサードパーティへの仕様 公開 - MIDIシーケンサーとオーディオ
編集 ソフトの統合 - パーソナルコンピュータの
処理 能力 が上 がったことと、オーディオ・インターフェースとのコミュニケーション仕様 がサードパーティに対 して公開 されたことなどの条件 が揃 った結果 、独立 したソフトウェアであったMIDIシーケンスソフトとオーディオ編集 ソフトがお互 いの機能 を内部 に徐々 に取 り込 む形 で統合 され、音楽 制作 ツールとしてのDAWの基礎 が完成 する。 - このときに
積極 的 にサードパーティに対 して仕様 の公開 とサポートをおこなったデジデザイン社 (digidesign)の製品 が標準 プラットフォームとして認知 されることとなり、音楽 制作 における後 のProToolsシステムのデファクトスタンダード化 につながった。 主要 なMIDIシーケンスソフトがオーディオ編集 機能 を統合 した例 は以下 の通 り。- Performer→Digital Performer、Logic→Logic Pro、Cubase→Cubase VST、Vision→Studio Vision、Cakewalk→Cakewalk SONAR
- パーソナルコンピュータの
- ネットワーク
経由 によるライブラリ管理 (主 に効果 音 (SE,SFX)) - ネットワークとの
接続 による遠隔 地 とのセッション
DAWによる制作 の変化
[DAWの革新 性
[DAW(HDR)の
制作 過程 の変化 (プリ/ポスト・プロダクション、オーサリング、MA)
[- プリ・プロダクション
- プリプロの
音源 をそのまま本番 レコーディングまで移行 できるようになった。すなわち、楽曲 制作 の段階 から、技術 さえあれば完 パケに耐 えうるトラック制作 さえも可能 である。アーティストの発 する演奏 や歌唱 あるいはアレンジの要 を崩 さないため、それ以前 は遮断 され気味 だったプリプロと本番 との連携 が保 てるようになった。 - ポスト・プロダクション
録音 編集 作業 からミックスを終 えて持 ち込 まれたファイルも、Pro Toolsのセッション・ファイルのままだと、ポスト・プロダクションの現場 における更 なる編集 やミックスの修正 ができるため、今 までのテープベースとは全 く違 う扱 いが可能 である。- オーサリング
前出 「ポスト・プロダクション」同様 に作業 現場 直前 まで編集 など可能 なので、必要 に応 じた変更 がある場合 には機能 的 に作業 できる。- MA
- この
現場 においてもセッション・ファイルのまま持 ち込 むことで、サイズ変更 やタイミング修正 などの厳密 な時間 軸 合 わせ編集 が容易 にできるようになった(互換 性 に関 しては後述 する)。違 う場面 との編集 による音 的 な違和感 も「クロス・フェード」を上手 く掛 けることにより違和感 なく処理 する事 ができ、仕上 がりが格段 に向上 する。映像 用 同期 信号 との同期 に関 しても様々 なフォーマットに対応 できるため、映像 との親和 性 はかなり高 まっている。
汎用 機 におけるCPU処理 対 DSP処理
[パーソナルコンピュータ
プラグインAPI / 連携 プロトコル
[プラグインAPIには
- VST
- スタインバーグが
策定 したプラグイン仕様 。楽器 向 けのVST Instruments (VSTi)もある。 - VST3では64bit
浮動 小数点 数 のオーディオのやりとりが可能 となっている (対応 するかはプラグインに依 る)[1]。 AU - macOS
標準 のオーディオプラグイン仕様 。エフェクト向 けのAU Effectと楽器 向 けのAU Instrumentがある。 - LV2
- Linux
向 けに開発 されたプラグイン仕様 。エフェクト用 プラグイン仕様 であるLADSPA及 び楽器 用 プラグイン仕様 であるDSSI (Disposable Soft Synth Interface)の後継 。 - DirectXプラグイン
- Windows
標準 のプラグイン仕様 であった。エフェクト用 のDXと楽器 用 のDXiが存在 した。 - ARA (Audio Random Access)
- ノンリニアオーディオプラグイン
仕様 [2]。ARAはMelodyneのために開発 された。SpectraLayers 6以降 などにも使 われるようになった[3]。
なお、
- Avid ProTools
独自 プラグイン仕様 のAAX (Avid Audio eXtension) を採用 している。AAXでは専用 DSP向 けのAAX DSPとネイティブCPU向 けのAAX Nativeが用意 されている。これらは32bit浮動 小数点 数 処理 となっている。以前 は古 い専用 DSP (デジタルシグナルプロセッサ)用 として24/48bit固定 小数点 数 処理 のTDM (Time-division Multiplexing) プラグインが[4]、ネイティブCPU処理 用 として32bit浮動 小数点 数 処理 のRTAS (Real Time Audio Suite) プラグインが使 われていた[4]。- なお、ProToolsでも
後述 するプラグインブリッジを使 ってVSTプラグインやAU プラグインを使 うことは可能 である。 - Digital Performer
独自 プラグイン仕様 のMAS (MOTU Audio System) がある。しかしながらDigital Performerはバージョン4.1以降 AU プラグインにも対応 し[5]、バージョン8以降 VSTプラグインにも対応 している[6]。- Reason
独自 プラグイン仕様 のRE (Rack Extension) があり、REプラグインは自由 な配線 が可能 となる。なお、Reson 9.5以降 はVSTプラグインを使 うことも可能 となっている[7]。
また、プラグイン
- VST To RTAS Adapter
- VSTプラグインをRTASプラグイン
環境 で使用 できるようにする[8]。 - Blue Cat Patchwork
様々 な仕様 のプラグインを様々 なプラグイン環境 で使用 できるようにする。- DDMF Metaplugin
様々 な仕様 のプラグインを様々 なプラグイン環境 で使用 できるようにする。- jBridge
- 32bitのVSTプラグインを64bit
環境 で使用 できるようにする[9]。
- MIDI
信号 - DAWとMIDIコントローラーや
外部 MIDI音源 (ソフトウェアMIDI音源 含 む) の接続 に使 われる。代表 的 なソフトウェアMIDI音源 にはMicrosoft GS Wavetable SW Synth、TiMidity++、FluidSynthが存在 する。多 くのDAWはMIDI信号 の入出力 に対応 しているため、DAW同士 の連携 にMIDI信号 を使 うこともできる。 - ただしMIDIは
古 い仕様 であるため7bit整数 しかないパラメータもあり、2019年 現在 、新 たな仕様 であるMIDI 2.0が策定 中 となっている[10][11]。 - ReWire
- DAWと
独立 した音源 ソフトウェアの接続 に使 われる。多 くのDAWはReWireの音源 側 として使用 することも可能 となっており、DAW同士 の接続 にReWireを使 うことができる。MIDIをベースとしている。 - CV/gate (Control Voltages
及 びGates)信号 - モジュラー・シンセサイザー
同士 の接続 に使 われいるアナログ信号 であるが、DAWにおいてはReasonが仮想 的 に実装 している[12]ほか、Bitwig Studioが専用 デバイスを通 してCV/GATE信号 の出力 に対応 している[13]。またMIDI信号 からCV/GATE信号 へと変換 するハードウェアコンバーターも存在 する。 - Open Sound Control (OSC)
- MIDIの
代替 などとして使用 されている。32bit floatのパラメータにも対応 している。しかし、パラメータの標準 仕様 が存在 しておらず、ソフトウェア毎 に実装 が異 なる。
データ交換
[シーケンスデータのやりとりには
MIDIシーケンスデータのやりとりには
- スタンダードMIDIファイル (*.mid)
よく
- SoundFont 2 (*.sf2)
- サウンドカード「Sound Blaster」のために
策定 されたサンプリング音源 形式 。Logic Pro XのEXS24[14]、Steinberg HALion[15]、KONTAKT、Studio OneのPresence XT[16]などが対応 している。2.04以降 24bitサンプルに対応 している[17]ものの、50kHz より高 いサンプリングレートは「再現 できないハードウェアが存在 することから避 けるべき」とされている[18]。 - Downloadable Sounds (*.dls)
- MIDIのために
策定 されたサンプリング音源 形式 。Logic Pro XのEXS24[14]などが対応 している。2.2以降 、Wave Codec Extensionsにより16bitより深 い量子 化 ビット数 に対応 している[19]。 - GigaSampler
形式 (*.gig) - Logic Pro XのEXS24[14]、Steinberg HALion[15]、KONTAKT[20]、Studio OneのPresence XT[16]などが
対応 している。 - SFZ
形式 (*.sfz) - EXS24
形式 (*.exs) - Logic Pro XのEXS24で
使 われている形式 。Steinberg HALion[15]、KONTAKT[20]、Studio OneのPresence XT[16]なども対応 している。
また、ループシーケンサーで
- ACIDized WAV - ACIDで
使 われているループ素材 形式 - AIFF Apple Loops (*.aiff、*.aif) - Apple
製 DAWで使 われているループ素材 形式 。Apple Loops Utilityで作成 可能 。 - REX (*.rex)/REX2 (*.rx2) - ループ
素材 編集 ツール「ReCycle!」のために開発 されたループ素材 形式 であり、多 くのDAWが対応 している。
主 なDAW
[商用 製品
[- MIDIシーケンス
対応
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- MIDIシーケンス
未 対応 -
- Adobe Audition (Adobe)
生産 終了 された商用 製品
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無料 製品 ・個人 開発
[- MIDIシーケンス
対応
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- MIDIシーケンス
未 対応
開発 停止 中 -
- Music Studio (Frieve)
オープンソース
[中断 中 のオープンソースプロジェクト-
- Open Octove
- PyDAW
- Non Sequencer (メンテナンスのみ)
波形 編集 ソフトウェア
[出典
[- ^ Cubase 9.5 - 64-bit double precision audio processing Steinberg
- ^ SONAR X3 Makes Control of Sound More Fluid with Deep Celemony Integration, More Create Digital Media 2013
年 10月 4日 - ^ Steinberg releases SpectraLayers Pro 6 with ARA support GearNews 2019
年 7月 3日 - ^ a b 『Pro Tools 11: Music Production, Recording, Editing, and Mixing』 P.395-396 Mike Collins 2018
年 ISBN 978-1138372306 - ^ 『MacWorld, January 2004』 P.32-33 Macworld 2004
年 ISSN 0741-8647 - ^ MOTUのDAWソフト「Digital Performer」の
新 バージョン「DP8」登場 !VST対応 &64ビットネイティブ対応 、Windows版 も! BARKS 2012年 12月 20日 - ^ Update: Propellerhead Reason 9.5 - VST in the Reason Rack Toolfarm 2017
年 5月 31日 - ^ 『Home Music Production: Getting Started: A complete guide to setting up your home recording studio to make professional sounding music at home』 P.70 Stephan Earl 2012
年 9月 27日 ISBN 978-0988367012 - ^
新 しい「Cubase 9」はどう変 わった? サンプラーや新 UI採用 、32bitは非 対応 に Impress 2016年 12月19日 - ^ MIDI sucks, so why do we put up with it? GEARNEWS 2017
年 2月 26日 - ^
次世代 MIDI「MIDI 2.0」発表 、互換 性 維持 しながら演奏 の表現 力 向上 Impress 2019年 1月 22日 - ^ 『Fast Guide to Propellerhead Reason』 P.61 Debbie Poyser、 Derek Johnson、 Hollin Jones 2006
年 ISBN 978-1870775274 - ^ BITWIG STUDIO DEVICES Bitwig
- ^ a b c Logic Pro X: SoundFont2、DLS、Gigasampler ファイルを
読 み込 む Apple - ^ a b c HALion 6 / HALion Sonic 3
動作 環境 Steinberg - ^ a b c Presence XT Presonus
- ^ SoundFont Technical Specification 2.04 P.1 FreePats 2006
年 - ^ SoundFont Technical Specification 2.04 P.29 FreePats 2006
年 - ^ DLS Level 2 Specification MIDI Manufacturers Association
- ^ a b KONTAKT Manual Japanese P.119-120 Native Instruments
関連 項目
[