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Atari 8ビット・コンピュータ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Atari 800から転送てんそう
Atari 8ビット・コンピュータ
Atari 800。フルキーボードをそなえ、ばいはばカートリッジスロットがカバーでおおわれている。
種別しゅべつ ホームコンピュータ
発売はつばい 1979ねん11月
販売はんばい終了しゅうりょう 1992ねん1がつ
OS Atari 8-bit OS / Atari BASIC英語えいごばん
CPU MOS 6502B
@ 1.79MHz (NTSC)
@ 1.77MHz (PAL)
グラフィック 320×192、256しょくスプライト×4ラスター英語えいごばん
サウンド 発振はっしん回路かいろ×4 + ノイズ混合こんごう
またはAMデジタル×2
外部がいぶ接続せつぞく ジョイスティック×2(または4)、SIO×1、PBI×1(または0)、ROMカートリッジ×1(または2)
次世代じせだいハード Atari ST

Atari 8ビット・コンピュータは、アタリ1979ねん11月発売はつばいしたホームコンピュータ1992ねん1がつ生産せいさん終了しゅうりょうした。

概要がいよう

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アタリ1979ねんから1992ねんまでモステクノロジー6502マイクロプロセッサ使用しようした8ビットホームコンピューターのシリーズを発売はつばいした。以後いご10年間ねんかん以上いじょうおな基本きほん設計せっけいのいくつかのバージョンがリリースされた。初期しょきAtari 400Atari 800、その後継こうけいXL および XEシリーズがある。これらの内部ないぶ設計せっけいはほぼ同一どういつである。また、カスタムのコプロセッサチップを使用しようしたはじめてのホームコンピュータでもある。アタリの8ビット・コンピュータ・シリーズは商業しょうぎょうてき成功せいこうおさめ、1979ねんまつから1985ねんちゅうごろまでのもっとれた期間きかんに200まんだい以上いじょう販売はんばい[1]総計そうけいでは400まんだいとなった[よう出典しゅってん]

IBMはアタリからライセンス供与きょうよけてホームコンピュータ市場いちば参入さんにゅうすることを検討けんとうしたが、最終さいしゅうてき独自どくじ設計せっけいくことをめた経緯けいいがある。

歴史れきし

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起源きげん

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1977ねん後半こうはんゲームVCS(Atari 2600 )がリリースされると、Cyanばれる技術ぎじゅつチームは後継こうけい設計せっけいにとりかかった[2]かれらはVCSの商品しょうひんとしての寿命じゅみょうさんねんかんがえ、その時点じてん可能かのう機能きのう実現じつげんすることにした。これを "blue sky" とび、ゲームとして1980ねんごろ出荷しゅっかする予定よていとした。結果けっかとして開発かいはつされたものはVCSのあきらかな問題もんだいてん改善かいぜんしたバージョンであった[3]。2600よりも高性能こうせいのうで、グラフィックスとサウンドハードウェアを改良かいりょうしたものである。1978ねんはそれらの機能きのう実現じつげんするチップの設計せっけいついやされた。だいいちは「カラーテレビジョン・インターフェイスアダプター(CTIA)」とばれるビデオようチップである(VCSが使つかっていたチップは「テレビジョン・インターフェイスアダプター(TIA)」とばれていた)。

この時点じてんでホームコンピュータ革命かくめいは、Apple IIコモドールPETTRS-80によってはじまっており、バイトのちに "1977 Trinity" とんだ[4]親会社おやがいしゃだったワーナー・コミュニケーションズからたアタリのしんCEOレイ・カサールは、CTIA を使つかってアップルに挑戦ちょうせんしたいとかんがえた。アタリはみずからのでホームコンピュータを開発かいはつ製造せいぞうするのに必要ひつようなことはなにか、調査ちょうさ開始かいしした。VCSがサポートしていなかった文字もじ表示ひょうじのサポート、周辺しゅうへん機器ききのための拡張かくちょう手段しゅだんBASIC言語げんご、キーボードなどが必要ひつようかんがえられた。

文字もじ表示ひょうじ必要ひつようせいからANTICチップが開発かいはつされた。これはCTIAと協調きょうちょう動作どうさして画面がめん表示ひょうじおこなうコプロセッサである。2600でのTIAと同様どうよう、CTIAはスプライトのみを生成せいせいほかにはなにもできなかった。ANTICは一般いっぱんてきビットマップ画像がぞう文字もじ表示ひょうじでき、いろすう解像度かいぞうどことなる様々さまざまなモードをそなえている。ANTICとCTIAが協調きょうちょう動作どうさすることで完全かんぜん画面がめんせる。

初期しょきのマシン: 400 と 800

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Atari 400 (1979)。メンブレンキーボード装備そうびし、カートリッジスロットはたんいちぶくのものしかない。
アルミニウムせいのシールドをのぞいた Atari 800 の部品ぶひんぐんしゅ基板きばん後方こうほうにカードエッジコネクタがあるが、アルミニウムのシールドでおおわれていて使つかえなかった。
Atari 800 の内部ないぶ部品ぶひんぐん
* カートリッジようプラスチックせいガイド * プロセッサ基板きばん(アルミニウムのシールドでおおわれている) * DOS ROM 基板きばん(FDDサポートよう追加ついか) * ROMカートリッジの中身なかみ * 16KBメモリ基板きばん×3 * しゅシステム基板きばん * I/Oおよび電源でんげんよう基板きばん

アタリは、ふたつの機種きしゅ発売はつばいするマーケティング戦略せんりゃく採用さいようした。ローエンドの「キャンディ」はゲームとして販売はんばいし、ハイエンドの「コリーン」はコンピュータとして販売はんばいするというものである(コードめいはアタリの2人ふたり美人びじん秘書ひしょ由来ゆらいする)[5]。「コリーン」にはROMカートリッジにもRAM増設ぞうせつにも使つかえるスロット、ふたのカートリッジスロット、ビデオ出力しゅつりょく、フルキーボードを装備そうびし、一方いっぽうで「キャンディ」はプラスチックのメンブレンキーボードとカートリッジスロットをひとつだけそなえていた(メモリ拡張かくちょう不可ふか)。

当時とうじ連邦れんぽう通信つうしん委員いいんかい (FCC) からテレビ周波数しゅうはすう帯域たいいきでの電磁波でんじはれをきわめてひくくするよう命令めいれいていた。アタリの機械きかいはテレビよう信号しんごう内部ないぶ生成せいせいしていたため、FCCの規定きていまもるには厳重げんじゅうにシールドする必要ひつようがあった。そのためアルミダイカスト頑丈がんじょうなシールドで部分ぶぶんてきファラデーケージ形成けいせいし、そのわくなか様々さまざま部品ぶひんをネジめするかたちとした。このため非常ひじょう頑丈がんじょうなコンピュータとなったが、コストと複雑ふくざつさのめんでは不利ふりになった。ちなみにRFモジュレータたないアップルのマシンはFCCの規定きていまも必要ひつようはなかった(初期しょきTRS-80はFCCの規定きてい満足まんぞくしていない)。FCCの規定きていによっておおきめのあなもうけることもむずかしくなり、 Apple II コンピュータにあったような拡張かくちょうスロットやカードをおおきなコネクタで本体ほんたい接続せつぞくすることができなくなった。そこでアタリは1つのシールドされたコネクタをとおして複数ふくすう周辺しゅうへん機器ききをデイジーチェーン接続せつぞくできるシリアルI/O (SIO) バス設計せっけいした。すべての周辺しゅうへん機器きき(カセットドライブ、ディスクドライブ、インターフェイスボックスなど)はこのインターフェイスで接続せつぞくされた。これは周辺しゅうへん機器ききこう価格かかくまねくことになった。本体ほんたい内部ないぶのスロットはROMおよびRAMモジュールようとした。

当初とうしょアタリはのベンダーでもひろ採用さいようされている Microsoft BASIC移植いしょくする予定よていで、8KBのROMカートリッジのかたち供給きょうきゅうするつもりだった。しかし、マイクロソフトせい既存きそんの6502はんBASICは12KBのROMが必要ひつようで、これを8KBに縮小しゅくしょうしようというあらゆるこころみは失敗しっぱいした。そこでアタリは Shepardson Microsystems というコンサルティング会社かいしゃ委託いたくし、同社どうしゃいちから独自どくじ処理しょりけいくことをすすめ、Atari BASIC英語えいごばん完成かんせいした。

マシンは1978ねん11月に 400800 として発表はっぴょうされたが[5]一般いっぱん入手にゅうしゅ可能かのうとなったのは 1979ねん11がつである。この名称めいしょうはメモリ容量ようりょうしめしていて、400 は 4KバイトのRAM、800 は 8KバイトのRAMを搭載とうさいする予定よていだった。しかし、リリース時点じてんではRAMの価格かかくがっていたため、実際じっさいにはそれぞれ 8Kバイトと 16KバイトのRAMを搭載とうさいすることとなった。そのもRAMの価格かかくがりつづけ、800ではぜんスロットを使つかって48KバイトRAMを搭載とうさいしたバージョンをリリースするようになった。オーバーヒート問題もんだい発生はっせいするようになり、アタリはRAMモジュールのケースを廃止はいしし、基板きばんだけをスロットに挿入そうにゅうするようになった。初期しょきバージョンはRAMモジュールのうえのカバーは簡単かんたんけられるようになっていたが、後期こうきバージョンはフル実装じっそう出荷しゅっかされるのが普通ふつうになったため、ネジめして簡単かんたんにはひらかないようにした。

400 と 800 は複雑ふくざつ原価げんかたかかった。複数ふくすう基板きばん構成こうせいされており、それらのだい部分ぶぶんがアルミダイカストのシールドでおおわれている。またRAMはマザーボードじょうのコネクタにむカードになっていたため、48Kバイトをフルに搭載とうさいして出荷しゅっかするようになってもコネクタなどコストだかとなる部品ぶひん省略しょうりゃくできなかった。また、 Atari 400 は1980年代ねんだい初頭しょとうほかのコンピュータと比較ひかくすると貧弱ひんじゃくであった。

べつおおきな変化へんかとく家庭かていとオフィスのデジタル機器ききかんするFCCの格付かくづけの導入どうにゅうであった。クラスBという格付かくづけでは、RF出力しゅつりょくがラジオやテレビに電波でんぱ障害しょうがいこさないレベルであることをもとめられた。コンピュータによる電波でんぱ干渉かんしょうたいしてやっとほう対応たいおうはじめたのである。この格付かくづけによって Atari 400/800 よりもていコストで遮蔽しゃへい実現じつげんできる可能かのうせいしょうじた(つまり、400/800のアルミによるシールドはオーバースペックだったのである)。

1982ねん、アタリはこれらの問題もんだい対処たいしょする Sweet 8(または "Liz NY")と Sweet 16 というプロジェクトを開始かいしした。結果けっかとして改善かいぜんされたマシンは、基本きほん設計せっけいは400/800とおなじだが、てが容易ようい生産せいさんコストがおさえられたものになった。あらたな設計せっけいでは基板きばんが1まいにまとめられ、従来じゅうらいよりうすいシールドでむようになった。これにはICチップの進化しんか寄与きよしており、従来じゅうらい複数ふくすうのチップで構成こうせいされていた回路かいろを1チップで構成こうせいできるようになった。また、6502のカスタムばん製造せいぞう依頼いらいし、内部ないぶてきには 6502C と名付なづけられたが、標準ひょうじゅんひんの6502Cと区別くべつするため SALLY が通称つうしょうとなった。ANTICがメモリアクセスするときにはCPUを停止ていしさせていたが、これには4つのチップを使つかった回路かいろ必要ひつようだった。SALLYには停止ていし (Halt) ようの1つのピンが追加ついかされている。SALLY は後期こうきの400/800から導入どうにゅうされ、そののXL/XE、さらにはゲームの Atari5200/7800 でも採用さいようされた。

Sweet 8/16 もふたたび2つのバージョンでリリースされる予定よていだった。1000 は16KB、1000X は64KBのRAMを搭載とうさいとされた。RAMはこの差異さい意味いみがある程度ていどには高価こうかだった。ハイエンドシステムでの拡張かくちょうせい確保かくほするため、Apple II または S-100 バスを搭載とうさいしたマシンのようにカードスロットを採用さいようし、Parallel Bus Interface (PBI) という拡張かくちょうスロットも1つもうけた。PBIには拡張かくちょうボックスを接続せつぞくし、さらにカードスロットをやすことができる。

XL シリーズ

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Atari 1200XL

1982ねん後半こうはん実際じっさいにリリースされたのは 1200XL といういち機種きしゅだけだった。Sweet 8/16 プロジェクトの中間ちゅうかんのような構成こうせいである。RAMは64Kバイトで、自己じこ診断しんだんテスト機能きのうそなえ、キーボードの設計せっけいあたらしくなっていた(4つのファンクションキーとヘルプキー追加ついか)。ケーブルポートの配置はいちさい設計せっけいされている。全体ぜんたいとしては、ハイエンドの Sweet 16 のコンセプトにちかい。

しかし、1200XL は Sweet 16 からけずられたあるいは改悪かいあくされた機能きのうもいくつかある。PBI拡張かくちょうコネクタは 1000X からがれ内部ないぶにあったのだが、従来じゅうらいからのSIOを使つかうことになったためボディにそのためのあながない。また、SIOポートの +12V のピンは接続せつぞくされておらず、+12Vで動作どうさする周辺しゅうへん機器ききもいくつかあったが +5V の電源でんげんしか供給きょうきゅうしていない。あたらしいビデオチップは多色たしょくされていたがそのためのピンはモニター出力しゅつりょくからはずされていた。ポートの配置はいちわったため、一部いちぶのジョイスティックやROMカートリッジが使つかえなくなった。OSもしんハードウェアサポートのために変更へんこうされており、結果けっかとしてガイドラインをまもっていなかったソフトウェアにも互換ごかんしょうじた。

結局けっきょく、1200XL は 800 と比較ひかくしてもとく目新めあたらしい部分ぶぶんいため、価格かかくがっていなければならなかったのだが、実際じっさいにはおな価格かかくたい販売はんばいされた。以上いじょうのようなことから、1200XL はあまりれなかった。1200XLの発売はつばい直後ちょくご、800がえるまえ入手にゅうしゅしようとするユーザーがいたため、800の販売はんばい急激きゅうげきえたといううわさもあった[6]。1982ねん後半こうはんにリリースされた 1200XL は 1983ねんちゅう販売はんばい停止ていしとなった。そのため1200XLにはPALばん存在そんざいしない。

そのの XL シリーズ

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Atari 600XL。800XLよりもケースが若干じゃっかんうすい。
Atari 800XL

このころアタリは価格かかく戦争せんそうまれた。コモドールしゃジャック・トラミエルテキサス・インスツルメンツ(TI)がホームコンピュータ市場いちば参入さんにゅうするのをて、これをそうとかんが価格かかく戦争せんそう仕掛しかけたのである。すうねんまえ、TIは電卓でんたく価格かかく戦争せんそうでコモドールを電卓でんたく市場いちばからしたが、今回こんかいはコモドールのほうぶんがあった。

アタリはトラミエルのターゲットではなかったものの、各社かくしゃシェア確保かくほするためにてい価格かかくすすめざるをえなかったのである。アタリにとってタイミングがわるかった。1200XL は失敗しっぱいし、それ以前いぜんのマシン(400/800)はコストだかのため、価格かかく競争きょうそうには対抗たいこうできない。解決かいけつさくとしては、1200XLの後継こうけいでユーザーの信頼しんらい回復かいふくするしかなかった。

1200XLをベースとして、アタリの技術ぎじゅつしゃしんICを追加ついかして機能きのう追加ついかした。1200XLの回路かいろ非常ひじょうにコンパクトだったためICを追加ついかしても問題もんだいなかった。また、製造せいぞうコストをげるために、あたらしいマシンは極東きょくとう生産せいさんされた。

あらたな4つの機種きしゅ 600XL800XL1400XL1450XLDは1983ねんなつCES発表はっぴょうされた。これらはBASICのROM内蔵ないぞうし、拡張かくちょうのためのPBIをそなえている。外観がいかんは1200XLによくているが、奥行おくゆきが1200XLよりもちいさい。1400XL と 1450XLD は300ボーのモデムそなえ、音声おんせい合成ごうせい機能きのうそなえていた。さらに 1450には両面りょうめんフロッピーディスクドライブが内蔵ないぞうされた。

Atari 800XL のしゅ基板きばん

生産せいさん工程こうていじょう問題もんだいでリリースはおくれ、1983ねんちゅうごろに投入とうにゅうする予定よていだったものが1983ねんのクリスマス時期じきになっても大量たいりょう出荷しゅっかできない状態じょうたいだった。それにもかかわらず、800XL はアタリの発売はつばいしたコンピュータのなかもっとれたマシンである。1983ねん後半こうはんには価格かかく戦争せんそう最高潮さいこうちょうたっしていた。600XL/800XLの価格かかく性能せいのうわるくなかったが、市場いちば出回でまわるのがおそすぎた。1983ねんのクリスマスはコモドール64勝利しょうりわった[1]どう時期じきのゲーム専用せんようでのアタリショックとの相乗そうじょう効果こうかによって、アタリは毎日まいにちすうひゃくまんドルをうしなうこととなった。アタリの当時とうじ所有しょゆうしゃであったワーナー・コミュニケーションズは、この部門ぶもん売却ばいきゃくしたいとかんがえるようになった。

なお、600XL/800XL の生産せいさん優先ゆうせんするため、1400XL と 1450XLD の生産せいさん後回あとまわしにされ、そのAtari 7800優先ゆうせんするため後回あとまわしにされた。最終さいしゅうてきに 1400XL はキャンセルとなり、1450XLD はあまりにもさきばしとなって、結局けっきょく出荷しゅっかされなかった。ほかにも 1600XL1650XLD1850XLD といったプロトタイプが発売はつばいされることなくえていった。1600XL は6502と80186を搭載とうさいしたデュアルプロセッサ、1650XLD は1450XLDによく機種きしゅだった。これらは当時とうじCEOとなったジェームズ・J・モーガン英語えいごばんの、ゲーム会社かいしゃという原点げんてんかえるという方針ほうしんによってキャンセルとなった[7]。1850XLDはAmigaのプロトタイプ Lorraine にもとづいていた[8]。そのジャック・トラミエルがアタリを入手にゅうしゅすると、トラミエルはXLシリーズの開発かいはつをXEシリーズへと方向ほうこう転換てんかんさせた。1850XLDがベースにしようとしていたAmigaはコモドール発売はつばいすることになり、わりに Atari ST開発かいはつすることになった。

価格かかく戦争せんそうでは勝利しょうりしたコモドールだったが、内部ないぶ抗争こうそうによってジャック・トラミエル失脚しっきゃくさせられた。かれ市場いちばさい参入さんにゅうする方法ほうほう模索もさくし、ワーナーが破格はかくてい価格かかく売却ばいきゃくしたがっていたアタリを購入こうにゅうすることにした。

トラミエル時代じだい: XE シリーズと XEGS

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Atari 130XE
Atari XE Game System

8ビットの最後さいごのマシンは Atari 65XEAtari 130XE である。1985ねんAtari ST シリーズと同時どうじ発表はっぴょうされ、外観がいかんは Atari ST とよくている。 65XE は 800XLの後継こうけいであり、当初とうしょ 900XLF とばれていた。PBIが削除さくじょされた以外いがい機能きのうてき同等どうとうである。ヨーロッパばんの 65XE と 130XE は Enhanced Cartridge Interface (ECI)装備そうびしている。ECIは電気でんきてきにはPBIと互換ごかんせいがあるが、物理ぶつりてきにはちいさく、カートリッジようインタフェースのとなりにあって、カートリッジようインタフェースを補完ほかんする信号しんごうせんだけをそなえている(つまり、カートリッジようインタフェースと組合くみあわせて使用しようする)。130XE はバンク機能きのうにより、搭載とうさいした128KバイトのRAMにアクセス可能かのうである。

アタリは 800XL のヨーロッパ(とくひがしヨーロッパ)での人気にんきにあやかろうとして、130XE を 800XE名称めいしょう変更へんこうした。しかし、ひがしヨーロッパで販売はんばいされた 65XE と 800XE にはバグだらけのGTIAチップが使つかわれていた(とくに1991ねん中国ちゅうごく生産せいさんされたものは品質ひんしつわるかった)。

最終さいしゅうてき任天堂にんてんどうげたゲーム産業さんぎょう再起さいきかれて、アタリは1987ねんXE Game System (XEGS) をリリースした。キーボード、ジョイスティック、ライトガン、いくつかのゲームカートリッジをバンドルして販売はんばいされた。65XEと基本きほんてきには同一どういつであり、このシリーズのソフトウェアや周辺しゅうへん機器ききをそのまま使つかえる。しかし、マーケティング戦略せんりゃく問題もんだいとリリースがつづかなかったことが原因げんいんで、販売はんばいるわなかった。

1992ねん1がつ1にちに、アタリは公式こうしきぜん8ビット・コンピュータのサポートをやめた[9]

ハードウェア

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アタリのマシンはしゅプロセッサとして6502を使つかい、ANTICチップとGTIAチップのわせでグラフィックスを提供ていきょうし、POKEYチップでサウンドとシリアルI/Oを担当たんとうする。これらの周辺しゅうへんチップはメモリにマッピングされたハードウェアレジスタをとおして6502じょうのプログラムから制御せいぎょすることができる。たとえば、GTIAは一連いちれんのレジスタを使つかい、画面がめんじょう表示ひょうじするいろ選択せんたくする。したがって、そのレジスタぐんをセットすることで、表示ひょうじしょく変更へんこうすることができる。またシステムの一部いちぶはRAMをバッファとして使用しようする。たとえば、ANTICのディスプレイバッファと「ディスプレイリスト」(ANTICの単純たんじゅん機械きかいかれたちいさなプログラムであり、ANTICにたいしてデータの解釈かいしゃく方法ほうほう表示ひょうじ方法ほうほう指示しじする)や、GTIAのスプライト情報じょうほうなどがある。これらの機能きのうによりおおくの機能きのう直接ちょくせつハードウェアで実行じっこうしており、背景はいけいのスムーススクロールなどは当時とうじほかのコンピュータではソフトウェアで実現じつげんしていたが、アタリのコンピュータではハードウェアで実現じつげんしていた。

ANTIC表示ひょうじ命令めいれい処理しょりするマイクロプロセッサである。ひとかたまりの完結かんけつしている命令めいれいれつをディスプレイリストとぶ。個々ここ命令めいれい画面がめんじょうの1「くだり」をどのように表示ひょうじするかを指示しじ(いくつかあるテキストモードやグラフィックスモードからいずれかを指定してい)し、どこに表示ひょうじするかを指示しじし、みの有無うむ指定していし、ファインスクロールの有無うむ指定していし、オプションでデータ(テキストまたはグラフィックスの情報じょうほう)をロードするメモリアドレスを指定していする。各行かくこう個別こべつにプログラミング可能かのうなので、グラフィックスやテキストが混在こんざいした画面がめん構成こうせいでき、同時どうじ様々さまざまなグラフィックスモードも混在こんざい表示ひょうじさせることができる。また、メモリ空間くうかんじょうの1箇所かしょむだけで画面がめん上下じょうげ左右さゆうへのスクロールを指示しじできる。ANTICはディスプレイリストと表示ひょうじようデータをDMA(ダイレクトメモリアクセス)でみ、その内容ないようからGTIAが処理しょりできる電気でんきてきデータに変換へんかんする。この一連いちれん処理しょりをCPUをわずらわすことなく実行じっこうできる。

ANTICはグラフィックス画面がめんの「背景はいけい」とテキストの表示ひょうじつ。ANTICがビデオデータをGTIAにわたし、GTIAがいろとスプライトをそこに付与ふよする。このわせによってわった効果こうかまれ、たとえばメモリじょう変更へんこうするだけで画面がめんじょうすべての文字もじ反転はんてんさせるといったことが可能かのうである。文字もじコード対応たいおうした文字もじパターンもANTICのレジスタの設定せってい容易ようい変更へんこうでき、比較的ひかくてき簡単かんたんにユーザー定義ていぎ文字もじパターンを使用しようできる。

Color Television Interface Adaptor (CTIA)[10]は、初期しょきの Atari 400/800 で使つかわれたグラフィックスチップである。Atari 2600 で使つかわれていたTIAチップの後継こうけいである。Joe Decuir によれば、ジョージ・マクラウドが1977ねんにCTIAを設計せっけいした。CTIAチップの後継こうけいとして Graphic Television Interface Adaptor (GTIA)[10]開発かいはつされ、400/800の後期こうきバージョンから使つかわれている。GTIAもジョージ・マクラウドが設計せっけいしたチップで、あらたに3つのいろ情報じょうほう解釈かいしゃくモードを追加ついかし、従来じゅうらいよりもおおくのいろ表示ひょうじできるようになった[11]

CTIA/GTIA はANTICからグラフィックス情報じょうほうり、スプライト制御せいぎょし、衝突しょうとつ検出けんしゅつし、ぜん表示ひょうじオブジェクトの優先ゆうせん制御せいぎょいろ輝度きど(あかるさ)の制御せいぎょおこなう。CTIA/GTIAはそれらをデジタルの輝度きど信号しんごういろ信号しんごうとして出力しゅつりょくし、それらを混合こんごうすることでアナログのビデオ信号しんごうができる。

6502が初期しょきのマシンでひろ使つかわれた主要しゅよう理由りゆうの1つはコストだったが、もうひとつの理由りゆうとしてグラフィックス処理しょりてきしていたことがあげられる。CPUはクロック信号しんごう波形はけいがハイレベルのときのみメモリにアクセスする。したがってビデオコントローラーはクロック信号しんごう波形はけいがローレベルのときにメモリにアクセスできる。アタリの技術ぎじゅつしゃGTIA がメモリアクセスするのに支障ししょうないようにクロック周波数しゅうはすう決定けっていした。このため、NTSCテレビでは 1.79MHz、PALでは 1.77MHzというクロック速度そくど決定けっていされた。

さん番目ばんめのカスタムチップは POKEYばれ、キーボード入力にゅうりょく、サウンド生成せいせい、シリアル通信つうしん担当たんとうした。また、タイマー、乱数らんすう発生はっせい(サウンドでのノイズにも利用りよう)、制御せいぎょ機能きのうっている。POKEYにははん独立どくりつの4つのオーディオチャンネルがあり、それぞれが独自どくじ周波数しゅうはすうとノイズと音量おんりょう設定せってい可能かのうである。それぞれ8ビットのチャンネルで、オーディオ制御せいぎょレジスタが対応たいおうしていて、そこでノイズや音量おんりょう設定せっていできる。 8ビットチャンネルのうちの2つを16ビットの1つのチャンネルとして使用しようして、さらにこう品質ひんしつおと発生はっせいさせることもできる(周波数しゅうはすうを8ビットではなく16ビットのあらわすことができる)。POKEYという名称めいしょうは "POtentiometer" と "KEYboard" に由来ゆらいし、POKEY経由けいゆ接続せつぞくする2つのデバイスを意味いみする(ポテンショメータとはパドルコントローラ機構きこうである)。このチップは80年代ねんだいにアタリせいアーケードゲームでも使つかわれていた。たとえば、『ミサイルコマンド』などがある[12]

バリエーション

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CPUはぜん機種きしゅ共通きょうつうで、6502 1.79MHz(NTSC)または 1.77MHz(PAL) である。

  • 400/800 (1979) - 400はメンブレンキーボードで、800は通常つうじょうのキーボード。拡張かくちょうメモリスロットをち、最大さいだい48KBまで搭載とうさい可能かのうのちにPALばんのCPUは 6502C となった。
  • 1200XL (1982) - ケースを刷新さっしん。RAMは64KB。ジョイスティックポート×2。ヘルプキー、4つのファンクションキーがある。まさしく設計せっけいされていないふるいソフトウェアはしんOSじょうでは互換ごかん発生はっせいし、動作どうさしなかった。
  • 600XL/800XL (1983) - 600XLは16KB、800XLは64KBのRAMを搭載とうさい。BASIC内蔵ないぞうParallel Bus Interface (PBI) という拡張かくちょうポートを装備そうび
  • 800XLF - 800XLに Atari FREDDIE というチップと BASIC rev. C を搭載とうさい。ヨーロッパでのみ発売はつばい
  • 65XE/130XE (1985) - 800XLFのケースとキーボードを刷新さっしん。130XEは128KBのRAMを搭載とうさいし、PBIのわりに Enhanced Cartridge Interface (ECI)採用さいよう北米ほくべいばん 65XE はECIもPBIも装備そうびしていない。
  • XE Game System (1987) - ゲーム専用せんようキーボードが付属ふぞくするバージョンもある。
  • 800XE - 最後さいご機種きしゅ外観がいかんは65XE/130XEとおなじ。130XEに64KBのRAMを搭載とうさいしたもの。おも東欧とうおう販売はんばい

プロトタイプやキャンセルされた機種きしゅとしては、以下いかのものがある。

  • 1400XL - 1200XL にPBIとFREDDIEチップ、音声おんせい合成ごうせいチップを装備そうびしたもの。
  • 1450XLD - 1400XLに5.25インチFDDを内蔵ないぞうした機種きしゅ
  • 1600XL - 6502と80186のデュアルプロセッサシステムで、5.25インチFDD内蔵ないぞう[13]
  • 900XLF - 800XLFのさい設計せっけいばん。65XEとなった。
  • 65XEM - 65XEにAMYサウンドチップを搭載とうさいしたもの。
  • 65XEP - 65XEに3.5インチFDDと5インチCRTとバッテリーを組合くみあわせたポータブル

周辺しゅうへん機器きき

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Atari 1020 4しょくプロッター

8ビット・シリーズにたいして、アタリは多数たすう周辺しゅうへん機器ききをリリースした。以下いかのようなものがある。

  • 専用せんようカセットレコーダーはなに機種きしゅ存在そんざいした。標準ひょうじゅんオーディオカセットに600ビット毎秒まいびょうでプログラムなどを記録きろくできる。専用せんようカセットレコーダーとの接続せつぞくはデジタル信号しんごうとおすインターフェスでおこなうため独自どくじせん用品ようひん以外いがい普通ふつうのカセットデッキは使つかえなかった。
  • 5.25インチフロッピーディスクドライブも複数ふくすう機種きしゅ存在そんざいした。たん密度みつどばい密度みつどのものがある。
  • 各種かくしゅプリンタードットマトリクスしき、4しょくプロッターデイジーホイールしきなどがある。
  • 音響おんきょうカプラモデム
  • セントロニクス/RS-232 拡張かくちょうシステム、テンキー、メモリモジュール、タブレット、80けた表示ひょうじモジュールなどもある。

アタリの周辺しゅうへん機器きき独自どくじのSIOポートを使用しようし、デイジーチェーン接続せつぞく複数ふくすう周辺しゅうへん機器きき接続せつぞくする。SIOに対応たいおうするため、IBM PC けの周辺しゅうへん機器ききよりも割高わりだかだった。

ソフトウェア

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オペレーティングシステム

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内蔵ないぞうOS

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アタリの8ビットコンピュータはROMにオペレーティングシステムを内蔵ないぞうしていた。Atari 400/800 には以下いかのバージョンがある。

  • OS Rev. A - 10 KB ROM (3チップ) 初期しょきのマシンに搭載とうさい
  • OS Rev. B - 10 KB ROM (3チップ) バグ修正しゅうせいばん。400/800のおおくで搭載とうさい

XL/XE ではハードウェア機能きのう追加ついか対応たいおうするためOSのバージョンアップしている。しかし、そのために一部いちぶソフトウェアでは互換ごかんしょうじた。これに対処たいしょするため、アタリは400/800ようふるいOSをXL/XEにロードできるフロッピーディスクを Translator Disk としてリリースした。

  • OS Rev. 10 - 16 KB ROM (2チップ) 1200XL Rev A で採用さいよう
  • OS Rev. 11 - 16 KB ROM (2チップ) 1200XL Rev B で採用さいよう(バグ修正しゅうせい)。
  • OS Rev. 1 - 16 KB ROM 600XLで採用さいよう
  • OS Rev. 2 - 16 KB ROM 800XLで採用さいよう
  • OS Rev. 3 - 16 KB ROM 800XE/130XEで採用さいよう
  • OS Rev. 4 - 32 KB ROM (16 KB OS + 8 KB BASIC + 8 KB Missile Command) XEGSで採用さいよう

また、XL/XEでは Atari BASIC のROMも内蔵ないぞうしている。これは電源でんげん投入とうにゅうにキーボードみぎはしのOPTIONキーを押下おうかしておくと使用しよう不可ふかにすることができる。初期しょきのリビジョンBはバグがおおく、後期こうきモデルではリビジョンCとなった。

ディスクオペレーティングシステム

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内蔵ないぞうOSはフロッピーディスクドライブへのアクセスルーチンとして非常ひじょうていレベルなものしか搭載とうさいしていない。ファイルシステムのようなディスクアクセスを実現じつげんするには、DOS (Disk Operating System) を必要ひつようとした。そこでフロッピーディスクからブートして使用しようする Atari DOS登場とうじょうした。どう時代じだいのDOSとはことなり、Atari DOS は完全かんぜんなメニュー方式ほうしきだった。

  • DOS 1.0 - アタリによる最初さいしょのDOS。
  • DOS 2.0S, 2.0D - DOS 1.0改良かいりょうばん
  • DOS 3.0 - ディスクフォーマットが変更へんこうされたため、DOS 2.0互換ごかんになり、あまり使つかわれなかった。
  • DOS 2.5 - DOS 2.0S との互換ごかんせいたもったバージョンで、DOS 3.0 よりのちにリリースされた。拡張かくちょう密度みつどのフロッピーディスクのきができる。
  • DOS 4.0 - 1450XLDけだがキャンセルされた。
  • DOS XE - XF551 というFDDけに設計せっけいされた。

サードパーティからも代替だいたいDOSがリリースされた。SpartaDOS X などは非常ひじょうすすんだ機能きのうそなえていた。

そののソフトウェア

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様々さまざまなソフトウェアがリリースされたが、たとえばつぎのようなプログラミング言語げんご処理しょりけい多数たすうリリースされた。

ほかにも、ForthPascalAction!WSFN などがあった。

グラフィックス機能きのう

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320×192ピクセルのグラフィックスモードでしょうじるモアレパターン

ANTICとGTIAは様々さまざまなグラフィックスモードを提供ていきょうし、アタリのOSは基本きほんてきなグラフィックスモードぐん提供ていきょうする。おおくの場合ばあい、Atari BASIC の GRAPHICS コマンドでモードを指定していでき、言語げんごでもたようなシステムコールでモードを指定していできる。

  • テキストモード
    • 40×24文字もじ表示ひょうじ
      • 1しょく表示ひょうじモード。かく文字もじは8×8ピクセルで、1ピクセルは320×192ピクセルのグラフィックスモードとおなじであり、同様どうよう色相しきそう制限せいげんがある。文字もじコードの上位じょういビットをONにすると反転はんてん表示ひょうじになる。
      • 小文字こもじ下長しもなが活字かつじにするモード。GRAPHICS経由けいゆでは利用りようできず、カスタム・ディスプレイリストの一部いちぶとしてのみ利用りよう可能かのう。1文字もじたかさが10ピクセルとなり、うえから8ピクセルかしたから8ピクセルを使つかって文字もじ表示ひょうじする。そのため、正確せいかくには40×24文字もじ表示ひょうじではない。
      • 多色たしょく表示ひょうじモード。2ビットで1ピクセルをあらわす。かく文字もじは4×8ピクセルで表示ひょうじし、1ピクセルのおおきさは160×192ピクセルのグラフィックスモードとおなじである。文字もじコードの上位じょういビットをONにすると、通常つうじょうなら4番目ばんめのカラーパレットレジスタを使つかわりに5番目ばんめのカラーパレットレジスタを使つかう。
      • 多色たしょく表示ひょうじモード。4ビットで1ピクセルをあらわす。かく文字もじは2×8ピクセルで表示ひょうじし、1ピクセルのおおきさは80×192ピクセルのグラフィックスモードとおなじである。GRAPHICS経由けいゆでは利用りようできず、GTIAのフラグをテキストモードに設定せっていする必要ひつようがある。
    • 20×24文字もじ表示ひょうじ - 文字もじは1しょくかく文字もじは8×8ピクセルで、1ピクセルは160×192ピクセルのグラフィックスモードとおなじ。文字もじコードの特定とくていビットをON/OFFすると(つまり制御せいぎょ文字もじ小文字こもじにする)、ことなるいろ表示ひょうじされる。
    • 20×12文字もじ表示ひょうじ - 20×24 文字もじ表示ひょうじおなじだが、ピクセルがおおきく、1ぎょう表示ひょうじ文字数もじすうすくない。
  • グラフィックスモード
    • 40×24ピクセル - 4しょく (2 bpp)
    • 80×48ピクセル — 2しょく (1 bpp) または4しょく (2 bpp)
    • 160×96ピクセル — 2しょく または 4しょく
    • 160×192ピクセル — 2しょく または 4しょく
    • 320×192ピクセル — 2しょく (1 bpp)。ブラウン管ぶらうんかん対応たいおう位置いちいろ蛍光けいこうたいによって発色はっしょくわるため、色相しきそう制御せいぎょできない。NTSCの場合ばあい標準ひょうじゅんてきテレビでは、くろしろあおちゃの4しょくとなる。あおちゃ水平すいへい方向ほうこうすう番目ばんめのピクセルと偶数ぐうすう番目ばんめのピクセルに対応たいおうしており、2つのピクセルを連続れんぞくしてONにするとしろになる。したがって、せいちゃでグラフィックスを表示ひょうじしようとすれば、実質じっしつ解像度かいぞうどは160×192となる。
    • 80×192ピクセル (GTIAチップのみ) - カラーパレットレジスタから9しょく、15色相しきそうで1かい調ちょうあかるさ)か、1色相しきそうで16かい調ちょうのモードがある。

これらはOSがデフォルトで設定せっていするモードである。先述せんじゅつしたとおりANTICチップに適切てきせつなディスプレイリストをあたえることでモードがセットされる。ハードウェアじょう最大さいだい水平すいへい方向ほうこうに384ピクセル、垂直すいちょく方向ほうこうに240ピクセルを表示ひょうじ可能かのうである。

ソフトウェア駆動くどうモード

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柔軟じゅうなんせいたかいため、ソフトウェアで様々さまざま擬似ぎじモードを生成せいせいすることができる。たとえば、擬似ぎじ256しょくで80×192ピクセルを表示ひょうじしたり、80×24文字もじ表示ひょうじしたりできる。そのさい問題もんだいは、PALとNTSCでの特性とくせい更新こうしん速度そくど解像度かいぞうど)がおおきくことなるてんで、PALでうまく表示ひょうじできてもNTSCではうまく表示ひょうじできない(あるいはぎゃく)ということがよく発生はっせいする。

また、ディスプレイリストの機能きのう使つかうと、通常つうじょうよりもはるかにおおくのスプライトを表示ひょうじでき、いろすう通常つうじょうよりおお使つかえる。これは、垂直すいちょく方向ほうこう位置いちごとにハードウェアレジスタの変更へんこうする機械きかいルーチンをくことで可能かのうとなる。

画面がめん表示ひょうじするメモリはメモリ空間くうかんじょう任意にんい位置いちくことができ、2つのポインタでアクセスされる。そのためポインタをうまく更新こうしんすればスクロールやページえが容易ようい実装じっそうできる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Reimer, Jeremy. “Personal Computer Market Share: 1975-2005”. 2012ねん6がつ3にち閲覧えつらん
  2. ^ Steve Fulton (2007ねん11月6にち). “The History of Atari: 1971-1977”. Gamasutra. 2012ねん6がつ3にち閲覧えつらん
  3. ^ Joe Decuir. “3 Generations of Game Machine Architecture”. CGEXPO99. 2012ねん6がつ3にち閲覧えつらん
  4. ^ Most Important Companies”. Byte Magazine (September 1995). 2008ねん6がつ10日とおか閲覧えつらん
  5. ^ a b Fulton, Steve (21 August 2008). “Atari: The Golden Years   A History, 1978 1981”. Gamasutra. p. 4. 2012ねん6がつ3にち閲覧えつらん
  6. ^ Vendel, Curt. “The Atari 1200xl Computer Family”. 2007ねん7がつ7にち閲覧えつらん
  7. ^ "Atari 1600XL"
  8. ^ Atari 1850XLD”. Amiga history guide. 2012ねん6がつ4にち閲覧えつらん
  9. ^ "Atari 8 Bit Computers - 1979-1987", ClassicGaming.com's Museum
  10. ^ a b “I. Theory of Operation” (PDF). Atari Home Computer Field Service Manual - 400/800. Atari, Inc.. p. 1-10. http://www.digitpress.com/library/techdocs/Atari_400-800_Service_Manual.pdf 2010ねん9がつ10日とおか閲覧えつらん 
  11. ^ Michael Current, "What are the SALLY, ANTIC, CTIA/GTIA, POKEY, and FREDDIE chips?", Atari 8-Bit Computers: Frequently Asked Questions
  12. ^ "Multipede -Trouble shooting guide", Braze Technologies
  13. ^ Atari 1600XL Prototype Case

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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