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LVM3

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GSLV-IIIから転送てんそう
LVM3
(GSLV-MkIII)
OneWebミッションのLVM3
基本きほんデータ
運用うんようこく インドの旗 インド
開発かいはつしゃ ISRO
使用しよう期間きかん 2014ねん - 現役げんえき
射場いば サティシュ・ダワン宇宙うちゅうセンター
すう 7かい成功せいこう7かい
原型げんけい GSLV
公式こうしきページ ISRO - LVM3
物理ぶつりてき特徴とくちょう
段数だんすう 2だん
そう質量しつりょう 630,000 kg
全長ぜんちょう 42.4 m
直径ちょっけい 4.0 m
軌道きどう投入とうにゅう能力のうりょく
てい軌道きどう 8,000 kg
静止せいし移行いこう軌道きどう 4,000 kg
[1]
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LVM3 (Launch Vehicle Mark-3) は、インド宇宙うちゅう研究けんきゅう機関きかん (ISRO) が開発かいはつした静止せいし衛星えいせい打上うちあようロケットである。大型おおがた衛星えいせい静止せいし軌道きどう投入とうにゅうにおいて他国たこくへの依存いぞんから脱却だっきゃくするために開発かいはつされた。当初とうしょGSLV-MkIII (Geosynchronous Satellite Launch Vehicle Mark III) の名称めいしょうばれていた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

LVM3は、技術ぎじゅつてきにはGSLV-MkIおよびIIの後継こうけいであるが、派生はせいがたではなくすべてをあらたに開発かいはつしたロケットである。静止せいしトランスファ軌道きどう (GTO) へ4,000 kg、てい軌道きどう (LEO) へ8,000kgの打上うちあげ能力のうりょくつ。

LVM3のはつげは、2014ねん4がつ上段じょうだん使用しようしない弾道だんどう飛行ひこう試験しけんとして将来しょうらい有人ゆうじんカプセルのさい突入とつにゅう試験しけんおこな予定よてい[2]とされていたが、その弾道だんどう試験しけんが2014ねんまつ軌道きどう飛行ひこう2016ねん予定よていさい設定せっていされた[3]

2014ねん12月18にちサティシュ・ダワン宇宙うちゅうセンターからはつ打上うちあげげをおこない、弾道だんどう飛行ひこう試験しけん成功せいこうした[4]

衛星えいせい軌道きどうへのげはそれからさら延期えんきされて2017ねん6月5にちおこなわれ、はつ成功せいこうした[5]

2019ねん7がつ22にち、インドはつ月面げつめん着陸ちゃくりく目指めざつき探査たんさチャンドラヤーン2ごう搭載とうさいしサティシュ・ダワン宇宙うちゅうセンターよりげられ、これに成功せいこうした。

詳細しょうさい[編集へんしゅう]

固体こたいロケットブースター[編集へんしゅう]

LVM3に使用しようされる固体こたいロケットブースターとしては、207トンの推進すいしんやく充填じゅうてんしたS200が2使用しようされる。S200は直径ちょっけい3.2m、全長ぜんちょう25mで、燃焼ねんしょう時間じかんは130秒間びょうかん離床りしょうに2合計ごうけい9,316kNの推力すいりょくす。2014ねん時点じてんで、世界せかいで4番目ばんめおおきな固体こたいロケットブースターとなっている。

コア・ステージ[編集へんしゅう]

だい2だん(コア・ステージ)には、直径ちょっけい4mで110トンの液体えきたい推進すいしんざい搭載とうさいする、さい着火ちゃっか可能かのうなL110液体えきたい燃料ねんりょうロケットが使用しようされる。L110はインドせいとしてははつクラスター設計せっけい液体えきたい燃料ねんりょうロケットエンジンで、2で1,598kNの推力すいりょく増強ぞうきょうがたの2ヴィカースエンジン使用しようする。推力すいりょく増強ぞうきょうがたのヴィカースエンジンは再生さいせい冷却れいきゃく採用さいようし、積載せきさい重量じゅうりょう推力すいりょく従来じゅうらいのロケットよりもたかめている。L110は、これまでISROで開発かいはつされたエンジンを搭載とうさいした、もっと大型おおがた液体えきたい燃料ねんりょうロケットである[6]

上段じょうだん[編集へんしゅう]

3だんとなる上段じょうだんには、25トンの液体えきたい酸素さんそ液体えきたい水素すいそ搭載とうさいするきょく低温ていおん液体えきたいロケットエンジンCE-20そなえたC25が使用しようされる。C25は直径ちょっけい4m、全長ぜんちょう8.2mで、推力すいりょく20トン(186 kN)の性能せいのう[7]

フェアリング[編集へんしゅう]

ペイロードフェアリング直径ちょっけい5mのふくごうざいせいで、ペイロードを収納しゅうのうする部分ぶぶん容積ようせきは110m3である[7]

打上うちあげシーケンス[編集へんしゅう]

LVM3は、固体こたいロケットブースターS200に点火てんかして上昇じょうしょうし、だい2だん(コア・ステージ)L110は打上うちあげから120びょう空中くうちゅう点火てんかする。S200は153びょう分離ぶんりされ、以後いごはL110のみで上昇じょうしょうつづける(S200の分離ぶんり時間じかん試験しけんのケース)。

開発かいはつ[編集へんしゅう]

初期しょきがたのLVM3 (GSLV-MkIII)

2007ねん風洞ふうどう実験じっけん完了かんりょうし、ロケットのそらりょく弾性だんせい試験しけん開始かいしした。ロケットの仕様しよう更新こうしん完了かんりょうした。

S200固体こたい燃料ねんりょう補助ほじょロケットの試験しけん2010ねん1がつ成功せいこうした。2010ねん9がつには、マヘンドラギリの液体えきたい推進すいしんシステムセンターの試験しけん施設しせつでL110の地上ちじょう試験しけんおこない、200びょう燃焼ねんしょう試験しけん成功せいこうした[6][8]。500ちか項目こうもく試験しけんちゅうかんされ、収集しゅうしゅうされた初期しょきのデータは所期しょき性能せいのうしめした[6]

記録きろく[編集へんしゅう]

飛行ひこう 日付ひづけ 時間じかん (UTC) 仕様しよう 射場いば 結果けっか ペイロード 備考びこう
X 2014ねん12月18にち 04:00 LVM3 サティシュ・ダワン 成功せいこう CARE (有人ゆうじん宇宙船うちゅうせんカプセル試験しけん) 3,775 kg 弾道だんどう飛行ひこう試験しけん上段じょうだんのC25には燃料ねんりょう搭載とうさいせず[4]
D1 2017ねん6がつ5にち 11:58 LVM3 サティシュ・ダワン 成功せいこう GSAT-19 3,136 kg はじめて上段じょうだん実用じつよう冷却れいきゃくステージを搭載とうさいした衛星えいせい軌道きどう試験しけん[9]
D2 2018ねん11月14にち 11:38 LVM3 サティシュ・ダワン 成功せいこう GSAT-29 3,423 kg だい2かい軌道きどう投入とうにゅう試験しけん。コアステージにクラスタされた推力すいりょく増強ぞうきょうがたヴィカースエンジンを使用しよう
M1 2019ねん7がつ22にち 09:13 LVM3 サティシュ・ダワン 成功せいこう チャンドラヤーン2ごう はつ任務にんむげ。
M2 2022ねん10がつ22にち 18:37 LVM3 サティシュ・ダワン 成功せいこう ワンウェブ衛星えいせい36 はつ商用しょうようげ。
M3 2023ねん3がつ26にち 03:30 LVM3 サティシュ・ダワン 成功せいこう ワンウェブ衛星えいせい36
M4 2023ねん7がつ14にち 09:05 LVM3 サティシュ・ダワン 成功せいこう チャンドラヤーン3ごう

どう規模きぼのロケット[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ LVM3”. Indian Space Research Organisation. 2014ねん12月26にち閲覧えつらん
  2. ^ Isro inches closer to manned mission”. The Time of India (2014ねん1がつ10日とおか). 2014ねん1がつ13にち閲覧えつらん
  3. ^ “Now, ISRO Well on Course to Test Giant Rocket GSLV Mk-III”. The New IndianExpress. (2014ねん1がつ30にち). http://www.newindianexpress.com/states/kerala/Now-ISRO-Well-on-Course-to-Test-Giant-Rocket-GSLV-Mk-III/2014/01/30/article2027500.ece 2014ねん12月25にち閲覧えつらん 
  4. ^ a b インド、新型しんがたロケットGSLV Mk-IIIの試験しけんげに成功せいこう 有人ゆうじん宇宙船うちゅうせん試作しさく搭載とうさい”. sorae.jp (2014ねん12月21にち). 2014ねん12月24にち閲覧えつらん
  5. ^ 塚本つかもと直樹なおき (2017ねん6がつ6にち). “インド、「GSLV Mk-III」ロケット成功せいこう 「GSAT-19」衛星えいせい搭載とうさい. sorae.jp. http://sorae.info/030201/2017_06_05_gslvmk3.html 2017ねん6がつ7にち閲覧えつらん 
  6. ^ a b c "Successful Static Testing of L 110 Liquid Core Stage of GSLV - Mk III" (Press release). ISRO. 8 September 2010. 2014ねん12月25にち閲覧えつらん
  7. ^ a b Space Transportation”. GSLV - Mk III - Status of CE-20. Indian Space Research Organization (2009ねん7がつ15にち). 2009ねん9がつ5にち閲覧えつらん
  8. ^ “ISRO successfully conducts static testing of new age rocket”. The Hindu. (2010ねん9がつ8にち). http://www.thehindu.com/sci-tech/article621253.ece 2014ねん12月25にち閲覧えつらん 
  9. ^ http://www.isro.gov.in/launcher/gslv-mk-iii-d1-gsat-19-mission

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]