HSPA1L

HSPA1L
PDBに登録とうろくされている構造こうぞう
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	3GDQ
識別子しきべつし
記号きごう	HSPA1L, HSP70-1L, HSP70-HOM, HSP70T, hum70t, heat shock protein family A (Hsp70) member 1 like
外部がいぶID	OMIM: 140559 MGI: 96231 HomoloGene: 135835 GeneCards: HSPA1L
遺伝子いでんしの位置いち (ヒト)
染色せんしょく体たい	6番ばん染色せんしょく体たい (ヒト)
終点しゅうてん	31,815,283 bp
遺伝子いでんしの位置いち (マウス)
染色せんしょく体たい	17番ばん染色せんしょく体たい (マウス)
終点しゅうてん	35,198,261 bp
RNA発現はつげんパターン
	さらなる参照さんしょう発現はつげんデータ
遺伝子いでんしオントロジー
分子ぶんし機能きのう	• unfolded protein binding; • ヌクレオチド結合けつごう; • 血漿けっしょうタンパク結合けつごう; • ATP binding; • 熱ねつショックタンパク質しつ結合けつごう; • ubiquitin protein ligase binding; • ATPアーゼ活性かっせい; • protein folding chaperone activity; • misfolded protein binding;
細胞さいぼうの構成こうせい要素ようそ	• COP9シグナロソーム; • 細胞さいぼう質しつ基質きしつ; • ミトコンドリアマトリックス; • blood microparticle; • ミトコンドリア; • 核質かくしつ; • zona pellucida receptor complex; • cell body; • 細胞さいぼう質しつ;
生物せいぶつ学がく的てきプロセス	• regulation of cellular response to heat; • response to unfolded protein; • protein refolding; • positive regulation of protein targeting to mitochondrion; • binding of sperm to zona pellucida; • cellular response to heat; • Unfolded Protein Response; • chaperone cofactor-dependent protein refolding;
	出典しゅってん:Amigo / QuickGO
オルソログ
	3305
	15482
ENSG00000234258; ENSG00000226704; ENSG00000236251; ENSG00000204390; ENSG00000206383;
	n/a
	ENSMUSG00000007033
	P34931
	P16627
	NM_005527
	NM_013558
	NP_005518
	NP_038586
	ウィキデータ
閲覧えつらん/編集へんしゅうヒト	閲覧えつらん/編集へんしゅうマウス

HSPA1L（heat shock protein family A (Hsp70) member 1 like）は、ヒトでは6番ばん染色せんしょく体たい（英語えいご版ばん）に位置いちするHSPA1L遺伝子いでんしにコードされるタンパク質たんぱくしつである^[5]^[6]^[7]。Hsp70ファミリーの一員いちいんそしてシャペロンタンパク質たんぱくしつとして、新あらたに翻訳ほんやくされたタンパク質たんぱくしつや誤あやまったフォールディングをしたタンパク質たんぱくしつが適切てきせつにフォールディングするよう促進そくしんするとともに、変異へんいタンパク質たんぱくしつの安定あんてい化かや分解ぶんかいを促進そくしんする^[7]^[8]。その機能きのうは、シグナル伝達でんたつ、アポトーシス、タンパク質たんぱくしつ恒常こうじょう性せい、細胞さいぼう成長せいちょうや分化ぶんかなどの生物せいぶつ学がく的てき過程かていに寄与きよする^[8]^[9]。HSPA1Lは、幅広はばひろい種類しゅるいのがん、神経しんけい変性へんせい疾患しっかん、細胞さいぼう老化ろうかや加か齢よわい、移植いしょく片へん対たい宿主しゅくしゅ病びょうと関係かんけいしている^[8]^[9]^[10]。

構造こうぞう

HSPA1L遺伝子いでんしはHsp70タンパク質たんぱくしつをコードしており、この遺伝子いでんしはMHCクラスIII（英語えいご版ばん）遺伝子いでんし領域りょういきに、2つの密接みっせつに関連かんれんした遺伝子いでんし（これらもHsp70タンパク質たんぱくしつをコードする）とともにクラスターとして存在そんざいしている^[7]。この遺伝子いでんしにコードされるHSPA1Lタンパク質たんぱくしつは、HSPA1A、HSPA1Bと90%が相あい同性どうせいを示しめす^[11]。Hsp70タンパク質たんぱくしつであるため、C末端まったんに基質きしつ結合けつごうドメイン、N末端まったんにATP結合けつごうドメインという構成こうせいをしている^[12]^[13]^[14]^[15]。基質きしつ結合けつごうドメインは、2層そうのβべーたサンドイッチサブドメイン（SBDβべーた）とαあるふぁヘリカルサブドメイン（SBDαあるふぁ）という2つのサブドメインから構成こうせいされ、両者りょうしゃはループL_{αあるふぁ,βべーた}によって連結れんけつされている。SBDβべーたにはペプチド結合けつごうポケットが存在そんざいし、SBDαあるふぁは基質きしつが結合けつごうする溝みぞを覆おおうふたとして機能きのうする。ATP結合けつごうドメインは4つのサブドメインから構成こうせいされ、中心ちゅうしん部ぶのATP/ADP結合けつごうポケットによって2つのローブへと分わけられる^[14]。N末端まったんドメインとC末端まったんドメインはループL_L,1と呼よばれる保存ほぞんされた領域りょういきによって連結れんけつされており、この領域りょういきはアロステリック調節ちょうせつに重要じゅうようである。最もっともC末端まったんに位置いちする構造こうぞうをとらない領域りょういきは、コシャペロンのドッキング部位ぶいとなっていると考かんがえられている^[14]^[15]。

この遺伝子いでんしに由来ゆらいするcDNAの5' UTRにはゲノム上じょうで連続れんぞくしていない119 bpの領域りょういきが含ふくまれており、そのためHSPA1L遺伝子いでんしはHSPA1AやHSPA1Bとは異ことなり、5' UTRに少すくなくとも1つのイントロンが含ふくまれている可能かのう性せいが高たかい^[11]。

機能きのう

一般いっぱん的てきに、HSPA1Lは幅広はばひろい組織そしきに低てい濃度のうどで存在そんざいするが、精巣せいそうでは恒常こうじょう的てきかつ豊富ほうふに発現はつげんしている^[15]^[16]。

HSPA1Lは他たの熱ねつショックタンパク質しつとともに、既存きそんのタンパク質たんぱくしつを凝集ぎょうしゅうから保護ほごし、また細胞さいぼう質しつ基質きしつやオルガネラで新あらたに合成ごうせいされたタンパク質たんぱくしつのフォールディングを媒介ばいかいする^[8]^[9]。非ひネイティブタンパク質たんぱくしつを適切てきせつにフォールディングさせるため、HSPA1LはATPによって制御せいぎょされた形かたちでタンパク質たんぱくしつの疎水そすい的てきペプチド断片だんぺんと相互そうご作用さようする。その正確せいかくな機構きこうは不明ふめいであるものの、kinetic partitioningそしてlocal unfoldingと呼よばれる、少すくなくとも2種類しゅるいの作用さよう様式ようしきが存在そんざいする。Kinetic partitioning機構きこうでは、Hsp70は基質きしつの結合けつごうと放出ほうしゅつのサイクルを繰くり返かえし、遊離ゆうり状態じょうたいの基質きしつを低てい濃度のうどに維持いじする。この機構きこうは凝集ぎょうしゅうを効果こうか的てきに防ふせぎ、遊離ゆうり分子ぶんしのネイティブ状態じょうたいへのフォールディングを可能かのうにする。Local unfolding機構きこうでは、結合けつごうと放出ほうしゅつのサイクルによって基質きしつのフォールディングが局所きょくしょ的てきにほどかれ、ネイティブ状態じょうたいへのフォールディングの速度そくど論ろん的てき障壁しょうへきを乗のり越こえるよう補助ほじょする^[8]^[9]。

HSPA1Lはタンパク質たんぱくしつのフォールディング、輸送ゆそう、分解ぶんかい過程かていに加くわえて、変異へんいタンパク質たんぱくしつの機能きのうを維持いじする役割やくわりも果はたす。しかしながら、Hsp70のシャペロン能力のうりょくを凌駕りょうがするようなストレス条件下じょうけんかでは変異へんいの影響えいきょうが表出ひょうしゅつする^[8]。このタンパク質たんぱくしつは、細胞さいぼう傷害しょうがい性せいT細胞さいぼうへの効率こうりつ的てきな抗原こうげん提示ていじを促進そくしんすることで、抗原こうげん特異とくい的てき腫瘍しゅよう免疫めんえきを高たかめる^[9]。HSPA1LはHSPA1AやHSPA1Bと密接みっせつな相あい同性どうせいを有ゆうするが、その調節ちょうせつは異ことなっており、熱ねつ誘導ゆうどう性せいではない^[11]。

臨床りんしょう的てき意義いぎ

Hsp70ファミリーのメンバーは、カスパーゼ依存いぞん的てき経路けいろに作用さようしたり、TNF-αあるふぁ、スタウロスポリン、ドキソルビシンなどのアポトーシス誘導ゆうどう因子いんしに対抗たいこうしたりすることで、アポトーシスを阻害そがいする。こうした役割やくわりは、発はつがん、神経しんけい変性へんせい、老化ろうかなど多おおくの病理びょうり過程かていと関係かんけいしている^[9]。腫瘍しゅよう細胞さいぼうにおけるHsp70濃度のうどの上昇じょうしょうは、癌がん胎児たいじ蛋白たんぱくを複ふく合体がったい形成けいせいによって安定あんてい化かし、これらを細胞さいぼう内ないの部位ぶいへ輸送ゆそうすることで、腫瘍しゅようの悪性あくせい度どや治療ちりょう抵抗ていこう性せいを高たかめ、腫瘍しゅよう細胞さいぼうの生存せいぞんを促進そくしんしている可能かのう性せいがある^[8]^[9]。そのため、Hsp70を標的ひょうてきとしたがんワクチン戦略せんりゃくは動物どうぶつモデルで高たかい成功せいこうを収おさめており、臨床りんしょう試験しけんへと進行しんこうしている^[9]。反対はんたいに、アルツハイマー病びょう、パーキンソン病びょう、ハンチントン病びょう、脊髄せきずい小脳しょうのう変性へんせい症しょうなどの神経しんけい変性へんせい疾患しっかんや、加か齢よわいや細胞さいぼう老化ろうかに対たいしては、Hsp70の過剰かじょう発現はつげんによってその影響えいきょうは緩和かんわされる。また、百ひゃく寿ことぶき者しゃでは熱ねつショックフォにHsp70産さん生せいの強力きょうりょくな誘導ゆうどうが観察かんさつされる^[8]。HSPA1Lは、損傷そんしょうミトコンドリアへのParkin（英語えいご版ばん）の輸送ゆそうを調節ちょうせつし、その除去じょきょを促進そくしんすることで、抗こうパーキンソン病びょう作用さようを示しめす可能かのう性せいがある^[16]。

HSPA1Lは移植いしょく片へん対たい宿主しゅくしゅ病びょうにも関与かんよしており、診断しんだん/予よ後ごマーカーとして機能きのうする可能かのう性せいがある^[10]。HSPA1L遺伝子いでんしの多た型かた、特とくに基質きしつ結合けつごうドメインに位置いちするものがこの疾患しっかんと関連かんれんしている^[15]。

相互そうご作用さよう

HSPA1LはPARK2（英語えいご版ばん）と相互そうご作用さようすることが示しめされている^[16]。

出典しゅってん

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外部がいぶリンク

HSPA1AL protein, human - MeSH・アメリカ国立こくりつ医学いがく図書館としょかん・生命せいめい科学かがく用語ようごシソーラス（英語えいご）

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