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mobio

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mobio NX、mobioシリーズは、NEC製せいの小型こがたノートPCのシリーズ名めいである。PC98-NXシリーズの一ひとつとして1997年ねん（平成へいせい9年ねん）から1998年ねん（平成へいせい10年ねん）にかけて発売はつばいされた。

OSはWindows 95（一部いちぶのモデルはWindows 98）を搭載とうさいする。東芝とうしば製せいLibrettoに対抗たいこうして作つくられた。裏うら蓋ぶたはマグネシウムを配合はいごうしており、当時とうじのLibrettoより薄うすくて軽かるいことが特徴とくちょう。当初とうしょはSTN (DSTN) 液晶えきしょう[注ちゅう 1]だったが、後のちにTFT液晶えきしょうにモデルチェンジされた。知名度ちめいどはLibrettoより低ひくいが、2015年ねん現在げんざいにおいても中古ちゅうこ市場いちばでは同どうスペックのノートPCより高値たかね安定あんていした人気にんきを持もっている[1]。

概要がいよう[編集へんしゅう]

mobioはPC98-NXシリーズが発表はっぴょうされて間あいだも無ない1997年ねん（平成へいせい9年ねん）10月がつに最初さいしょのモデルが発表はっぴょうされたシリーズである（発売はつばいは翌月よくげつ）。NXシリーズの特徴とくちょうの1つとされたフル32ビットやUSB標準ひょうじゅん装備そうびといった機能きのうは見送みおくられた。そのためNXシリーズでありながらUSBが無なく、PCカードスロットは16ビット規格きかく（カードバス非ひ対応たいおうのためUSBを増設ぞうせつすることもできない）という例外れいがい的てきな構成こうせいが最終さいしゅうモデルまで受うけ継つがれた。

ただし内部ないぶ的てきにはPCIチップセットを持もつ32ビット機きであり、内蔵ないぞうHDDインターフェースはPCI-IDEという扱あつかいになっている。これはWindows 95 OSR2以降いこうでサポートされたデバイスであるため、mobioでは市販しはんのWindows 95はサポートされていない[注ちゅう 2]。またNEC公式こうしきとしてはMS-DOSやWindows NT系けいOSもサポートされなかったが、MB20Cは後のちにWindows Meに正式せいしき対応たいおうした[2]。

mobioの横よこ幅はばはほぼA5ジャストサイズで、奥行おくゆきはA5よりは短みじかいがバッテリの分ぶんだけ当時とうじのLibrettoよりも大おおきい。バッテリ取付とりつけ位置いちが反対はんたい側がわであることを除のぞけば、ちょうど当時とうじのLibrettoに大だい容量ようりょうバッテリを取とり付つけたような姿すがたである[1]。mobioに大だい容量ようりょうバッテリを取とり付つければさらに大おおきくなり、奥行おくゆきはA5サイズを若干じゃっかん超こえる程度ていどになる。しかしA5に近ちかい形状けいじょうはカバンに収納しゅうのうする際さいにA4やA5の荷物にもつと相性あいしょうがよく、またLibrettoより薄うすいことが利点りてんだった。

電源でんげんボタンはLCD右みぎスペースに配置はいちされており、Librettoのリブポイントと紛まぎらわしい[1]。一方いっぽうでmobioのポインティングデバイスはNXポイントと呼よばれるポインティング・スティックで、キーボードの手前てまえに配置はいちされている。クリックボタンはその手前てまえにあり、本体ほんたい手前てまえの辺あたりに沿そう形かたちの曲面きょくめん形状けいじょうに配置はいちされている。ただし投下とうか方向ほうこうはあくまで下向したむきであり、斜ななめに押おすとボタンに負担ふたんがかかる場合ばあいがある。特とくに初期しょきモデルではこのボタンは破損はそんして外はずれやすいことが知しられている[3]。後ごのモデルでは改善かいぜんされている。

本体ほんたい側面そくめんにはACアダプタ端子たんしのほか、16ビットのPCカードスロット(TYPE II)が1基きと、赤外線せきがいせん通信つうしんポート、それにヘッドホン端子たんしがあるのみである。内蔵ないぞうサウンドは出力しゅつりょくのみのためマイク端子たんし等とうは無ない。底面ていめんにはメモリ増設ぞうせつスロットと標準ひょうじゅん添付てんぷのポートバーを取とり付つけるコネクタがある。ポートバーにはPS/2コネクタ、シリアルポート、パラレルポート、VGA端子たんしおよび外部がいぶFDD端子たんしが付ついている。このポートバーは別売べつうりの大だい容量ようりょうバッテリとは物理ぶつり干渉かんしょうするため併用へいようができない。

またUSB端子たんしを持もたないうえにFDDも別売べつうりであるため、赤外線せきがいせん通信つうしんやPCカードスロットを持もたない標準ひょうじゅん的てきなデスクトップPCしか持もっていない場合ばあいには（標準ひょうじゅん構成こうせいでは）ポートバーにあるシリアルポートからしかデータ交換こうかんができない。そのためmobioにはポートバーとシリアルクロスケーブルが標準ひょうじゅんで添付てんぷされている。

機種きしゅの一覧いちらん[編集へんしゅう]

全ぜんモデルで ES1869 サウンドシステムを搭載とうさい。また前述ぜんじゅつのようにWindows 95搭載とうさいモデルではOSR2が採用さいようされている。オフィススイートの付属ふぞくしないモデルでも乗のり換かえ案内あんないソフト等とうは共通きょうつうでバンドルされた。同どう時期じきのLibrettoと比くらべて搭載とうさい可能かのうなメモリ容量ようりょうが多おおかったほか、ハイバネーションだけでなくOnNowと呼よばれる高速こうそくなレジューム機能きのうを備そなえていた点てんでも携帯けいたい用途ようとに優すぐれていた[1]。メモリ増設ぞうせつはSO-DIMMのEDOタイプに対応たいおうする（同おなじ形状けいじょうでもSDRAMタイプは不可ふか）。スロットは1基きのため、MB12C系けいで32MB搭載とうさいモデルでは標準ひょうじゅん搭載とうさいの16MBモジュールと交換こうかんする形かたちになる。

mobioNX MB12C/UD
インテル製せいモバイル MMX Pentium 120MHz 搭載とうさい。最大さいだい80MBのメモリを搭載とうさいすることができる。6インチのSTN液晶えきしょうモニタを搭載とうさいする[注ちゅう 1]。NeoMagic製せい MagicGraph 128ZV を搭載とうさい、OSにはWindows 95を搭載とうさいする。
プリインストールソフトの違ちがいにより3モデルが存在そんざいする[4]。
  • MB12C/UDA1 - 標準ひょうじゅん搭載とうさいメモリ16MB、Officeソフト無なしモデル
  • MB12C/UDC1 - 標準ひょうじゅん搭載とうさいメモリ32MB、一太郎いちたろうOffice8プリインストールモデル
  • MB12C/UDD1 - 標準ひょうじゅん搭載とうさいメモリ32MB、 Word/Excelプリインストールモデル
mobioNX MB12C/UV
6インチのTFT液晶えきしょうモニタを搭載とうさいする以外いがいはMB12C/UDと全まったく同おなじ外観がいかんとスペックを持もち、ラインナップも同等どうとうである。ただしオフィスなしモデル[5]を含ふくむ全ぜんモデルで32MBのメモリを標準ひょうじゅん搭載とうさいするようになった。
  • MB12C/UVA1 - Officeソフト無なしモデル
  • MB12C/UVC1 - 一太郎いちたろうOffice8プリインストールモデル
  • MB12C/UVD1 - Word/Excelプリインストールモデル
mobioNX MB20C
インテル製せいモバイル MMX Pentium 200MHz 搭載とうさい。
全ぜんモデルでオンボードで32MBのメモリを搭載とうさいし、最大さいだい96MBまで搭載とうさいすることができる。MB12C系けいと違ちがってTFTモデルのみとなった。NeoMagic製せい MagicGraph 128ZV+ を搭載とうさい、OSにはWindows 98またはWindows 95を搭載とうさいする。
プリインストールソフトの違ちがいにより4モデルが存在そんざいする。また、mobioシリーズの最終さいしゅう機種きしゅでもある。
  • MB20C/UVA4 - Windows 95搭載とうさい、Officeソフト無なしモデル
  • MB20C/UVT4 - Windows 98搭載とうさい、Officeソフト無なしモデル
  • MB20C/UVU4 - Windows 98搭載とうさい、一太郎いちたろうOffice8プリインストールモデル
  • MB20C/UVV4 - Windows 98搭載とうさい、Word/Excelプリインストールモデル

それぞれの機種きしゅの主おもな相違そうい点てん[編集へんしゅう]

全部ぜんぶで10モデルあるmobioNXシリーズだが、ハードウェア的てきにはMB12C/UD、MB12C/UV、MB20Cの3機種きしゅに分類ぶんるいされる。 ハードウェア的てきな相違そうい点てんは以下いかとなる。

  • MB12C系けいはCPUが120MHz、MB20Cは200MHzとなっている。
  • MB12C系けいはビデオチップがNM2093(MagicGraph 128ZV)、MB20CではNM2097(MagicGraph 128ZV+)となっている。
  • MB12C系けいはオンボードメモリが16MB、MB20Cでは32MBとなっている。
    • ただしMB12C系けい（MB12C/UD model A1を除のぞく）ではメモリ増設ぞうせつスロットに16MBのメモリが搭載とうさいされており、カタログスペック上じょうは32MBのメモリを搭載とうさいする形かたちとなっている。
  • MB12C/UDのみSTN液晶えきしょうを搭載とうさい[注ちゅう 1]、MB12C/UVとMB20CではTFT液晶えきしょうを搭載とうさいしている。
    • 経年けいねん劣化れっかの進すすんだ中古ちゅうこのSTN液晶えきしょうモデル(MB12C/UD)では、再さい起動きどうするとSTN液晶えきしょうがブラックアウトして何なにも映うつらなくなるという症状しょうじょうが確認かくにんされている[注ちゅう 1]。電源でんげんを切きってしばらく放置ほうちすると直なおるが、症状しょうじょうには個体こたい差さがあり、正常せいじょうな個体こたいもあるなど原因げんいんは不明ふめい[1]。
  • MB20Cのみキーボードのシルク印刷いんさつが若干じゃっかん異ことなる。

主おもな周辺しゅうへん機器きき[編集へんしゅう]

主しゅとして本ほん機き専用せんようのNEC純正じゅんせいオプションを挙あげる。

PC-VP-UP01（ACアダプタ）
本体ほんたいに1つ付属ふぞくのACアダプタ。
PC-VP-UP02（バッテリパック）、PC-VP-UP03（大だい容量ようりょうバッテリパック）
mobio用ようのリチウムイオンバッテリ。前者ぜんしゃは本体ほんたいに1つ付属ふぞく。後者こうしゃは上記じょうきの通とおりポートバーとは併用へいようできない。
PC-VP-UU01（フロッピィディスクユニット）
ポートバーの専用せんようインターフェースに繋つなぐ外そと付づけFDD。AL13Cなど他たのNXノートでは本体ほんたいに標準ひょうじゅんで同等どうとう品ひんが付属ふぞくする機種きしゅも存在そんざいするが、単独たんどくで流通りゅうつうする別売べつばい製品せいひんという意味いみでは事実じじつ上本うえほん機きを対象たいしょうとしたオプションである。形状けいじょうはPC-9821シリーズの一部いちぶのサブノート機きに付属ふぞくする外そと付づけFDDと同様どうようではあるが、互換ごかん性せいは無ない。
PC-VP-UU02（シンクロアダプタ）
mobioの高速こうそくな赤外線せきがいせん通信つうしんポートと他たのPCのD-sub9ピンのシリアルポートを使つかって通信つうしんを行おこなう専せん用ようケーブル。mobio側がわはACアダプタ端子たんしに繋つないで固定こていするため、mobioのACアダプタはこのシンクロアダプタに繋つないで給電きゅうでんする形かたちとなる。そのため本体ほんたいの充電じゅうでん時間じかんを利用りようしてデータの同期どうきを行おこなうという使つかい方かたが想定そうていされている。これもポートバーとは物理ぶつり干渉かんしょうするため併用へいようは困難こんなんだが、大だい容量ようりょうバッテリとは物理ぶつり干渉かんしょうせずに併用へいようが可能かのう。
PC-VP-US01、PC-VP-US02（キャリングカバー）
mobio専用せんようのキャリングカバー。前者ぜんしゃは黒くろ牛革ぎゅうかわ、後者こうしゃは臙脂えんじ色しょくのスエード調ちょう。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく
  1. ^ a b c d DSTNとする報道ほうどう[1]もあるが、DSTNはSTNの一種いっしゅであり（詳細しょうさいはSTN液晶えきしょうを参照さんしょう）、公式こうしきサイトでは単たんにSTNと表記ひょうきされている。ここでは公式こうしきサイトに合あわせてSTNと表記ひょうきした。
  2. ^ 無論むろんこれは従来じゅうらいIDEと上位じょうい互換ごかん性せいのあるデバイスであるため、デバイスマネージャでPCI-IDEコントローラを無効むこうに設定せっていすれば、保証ほしょう外がいながら従来じゅうらいIDE用ようドライバでも動作どうさしないわけではない。しかし初期しょき95ではサポートしていないPCI-IDEが検出けんしゅつされると安全あんぜんのためにIDEドライバ類るい全般ぜんぱんを一切いっさい動作どうささせないようにする特殊とくしゅキーがレジストリに追加ついかされてしまうOS仕様しようがある。そのためレジストリをいじって制限せいげんを解除かいじょしない限かぎり、初期しょき95で従来じゅうらいIDE用ようドライバを動作どうささせることはできない。
出典しゅってん
  1. ^ a b c d e f “NEC「mobio NX MB12C/UD」～PC-9800の呪縛じゅばくを脱だっしたNECが放はなつLibretto対抗たいこうモデル”. Impress Watch (2015年ねん3月がつ28日にち). 2015年ねん10月がつ13日にち閲覧えつらん。
  2. ^ “121ware.com > ソフトウェア > Microsoft Windows Millennium Edition”. 121ware. 2015年ねん10月がつ13日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “The クラッシュ!”. Impress Watch モバイルセントラル (1999年ねん12月10日にち). 2015年ねん10月がつ13日にち閲覧えつらん。
  4. ^ “商品しょうひん情報じょうほう”. 121waew.com. 2016年ねん6月がつ30日にち閲覧えつらん。
  5. ^ “商品しょうひん情報じょうほう”. 121waew.com. 2016年ねん6月がつ30日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

8ビット
16/32ビット
PC98-NX以降いこう
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