VGA端子たんし

DE-15コネクタ

VGA端子たんし（他たにアナログRGB端子たんし、D-sub等ひとしとも）は、アナログRGBコンポーネント映像えいぞう信号しんごうを出力しゅつりょく（もしくは入力にゅうりょく）する装置そうちのコネクタ、およびその信号しんごうを伝送でんそうするケーブルに用もちいられるコネクタである。

概要がいよう

VGA端子たんし

VGA端子たんし（中央ちゅうおう部ぶ）を装備そうびしたPCのバックパネルの一いち例れい

VGA規格きかくに準拠じゅんきょしたIBM製せいのグラフィックボードにこのコネクタが採用さいようされたことから、この名前なまえが用もちいられるようになった。伝送でんそうする信号しんごうの形式けいしきからアナログRGB端子たんしとも、使用しようするコネクタからD-subとも言いう。「HD15」とも呼よばれる。

主おもにパーソナルコンピュータなどのコンピュータで用もちいられ、もともとはCRTディスプレイといったアナログ信号しんごうを用もちいるディスプレイに映像えいぞうを出力しゅつりょくすることを想定そうていしている。

ラップトップコンピュータなどでコネクタのサイズを小型こがた化かしたい場合ばあい、標準ひょうじゅんのVGA端子たんしの代かわりに小型こがた化かしたmini-VGA端子たんしを実装じっそうした製品せいひんも存在そんざいする。

なお、インテルやAMDなどは2010年ねん12月8日にちに、2015年ねんまでにVGAへの対応たいおうを終了しゅうりょうしHDMIやDisplayPortに移行いこうする方針ほうしんを表明ひょうめいしている。実際じっさいにグラフィックカードの2大だいメーカーであるAMDのRADEON及およびNVIDIAのGeForceは2016年ねん以降いこうの新しん製品せいひんには(互換ごかん性せいのあるDVI-Iを含ふくめ)おおむね搭載とうさいしていない。しかし、2019年ねん現在げんざいでも法人ほうじん向むけの液晶えきしょうモニタやプロジェクター等とうの出力しゅつりょく装置そうちと、それらと接続せつぞくするための法人ほうじん向むけパーソナルコンピュータのオンボードグラフィックにおいては需要じゅようがあるため依然いぜんとして端子たんしが実装じっそうされた製品せいひんが販売はんばいされており、DisplayPortなどからVGAへ変換へんかんする一種いっしゅのD/Aコンバータも市販しはんされている。

仕様しよう

VGA端子たんしの他方たほうの端はしがBNCコネクタになっているケーブル

VGA端子たんしにはいくつかのバリエーションがある。

1. 3列れつ15ピンのDE-15（ミニD-Sub15とも呼よばれる）コネクタに、RGBのそれぞれのアナログ信号しんごうとHとVの同期どうき信号しんごうを配置はいちしたもの
2. コネクタ形状けいじょうはそのままで1にVESA DDC(VESA Display Data Channel)の信号しんごうを追加ついかしたもの
3. 1と同等どうとうの信号しんごう線せんを9ピンD-Subコネクタに配置はいちしたもの
4. 1と同等どうとうの信号しんごう線せんを同軸どうじくピンを内包ないほうした13W3と呼よばれるコネクタに配置はいちしたもの

VESA DDCはディスプレイの情報じょうほうをコンピュータ側がわから取得しゅとくできるようにした通信つうしん方式ほうしきで、DDC1とDDC2では通信つうしん方式ほうしきが異ことなる。DDC2では通信つうしん方式ほうしきとしてI²Cが採用さいようされている。

また同期どうき信号しんごうは、HとVを混合こんごうしたものを複ふく合同ごうどう期き信号しんごうとして1本ほんの信号しんごうで伝送でんそうしたり、さらに複ふく合同ごうどう期き信号しんごうを緑みどり映像えいぞう信号しんごうに載のせて、信号しんごう線せんを減へらしている場合ばあい（Sync on Green）もある。これはVGA端子たんしが登場とうじょうする以前いぜん、BNCコネクタで同どう信号しんごうを伝送でんそうしていたことの名残なごりである。

なお、かつてSun系けいワークステーションで主流しゅりゅうだった13W3コネクタと同一どういつ形状けいじょうであるにもかかわらずピンアサインが異ことなる機種きしゅが存在そんざいしているため、市販しはん品ひんの3列れつ15ピンとの変換へんかんアダプタ（カモンADVGA-13Wなど）が流用りゅうよう不可能ふかのうという問題もんだいが発生はっせいしている。

RGBの信号しんごうはディスプレイ側がわに75Ωおーむのインピーダンスがあり、最もっとも明あかるい状態じょうたいは0.7Vで表現ひょうげんする。よって、1ビット出力しゅつりょくで良よいなら、デジタル回路かいろからの出力しゅつりょくが3.3Vなら、間あいだに279Ωおーむの抵抗ていこうを挟はさむと約やく0.7Vになる。デジタル回路かいろから8ビット出力しゅつりょくをするには、デジタル-アナログ変換へんかん回路かいろを使つかう。

コネクタとピン配置はいち

下したに15ピンのコネクタの図ずとピン番号ばんごう/信号しんごう線せんの表ひょうを示しめす。図ず中ちゅうのピン番号ばんごうはグラフィックカード側がわのメスコネクタであることに注意ちゅういすること。ケーブルの端はしのピン番号ばんごうは、普通ふつうオスコネクタなので図ずを反転はんてんさせること。

ピン番号ばんごう (ソケットを見みたもの):

ピン配置はいち

ピン	名称めいしょう	機能きのう
1	RED	Red video signal
2	GREEN	Green video signal or Sync on Green signal
3	BLUE	Blue video signal
4	N/C	Not connected
5	GND	Ground
6	RED_RTN	Red video signal return
7	GREEN_RTN	Green video signal return
8	BLUE_RTN	Blue video signal return
9	N/C	Not connected
10	GND	Ground
11	N/C	Not connected
12	SDA	I2C data
13	HSYNC or CSYNC	Horizontal or Composite synchronization signal
14	VSYNC	Vertical synchronization signal
15	SCL	I2C clock

アナログRGB信号しんごうはVGA規格きかくが登場とうじょうする以前いぜんからコンピュータで用もちいられていた。 一部いちぶのMacintosh(MacIIより)やPC-9801(VM/VFより)などでは、ディスプレイへの映像えいぞう出力しゅつりょくコネクタとして、2列れつ15ピンのDA-15コネクタを用もちいてアナログRGB信号しんごうを伝送でんそうしていた。ちなみにコネクタ形状けいじょうは同おなじでも両者りょうしゃのピン配置はいちは異ことなる。

2000年代ねんだい以降いこう、コンピュータのディスプレイは、CRTディスプレイから液晶えきしょうディスプレイに主力しゅりょくが移うつり、デジタル伝送でんそうも行おこなえるDVIコネクタが広ひろく普及ふきゅうしてきた。液晶えきしょうディスプレイは内部ないぶではデジタル信号しんごうを用もちいてカラーを表示ひょうじするため、アナログ信号しんごうを伝送でんそうするよりデジタル信号しんごうを伝送でんそうするほうが適てきしている。

詳細しょうさいは「Digital Visual Interface」を参照さんしょう

また、アナログRGB信号しんごうよりも前まえにデジタルRGB信号しんごうというものが存在そんざいしていた。デジタルRGBではRGBそれぞれをON/OFFの1ビットで表あらわし、

• R=0,G=0,B=0 黒くろ
• R=0,G=0,B=1 青あお
• R=0,G=1,B=0 緑みどり
• R=0,G=1,B=1 水色みずいろ
• R=1,G=0,B=0 赤あか
• R=1,G=0,B=1 紫むらさき
• R=1,G=1,B=0 黄き
• R=1,G=1,B=1 白しろ

の8色しょくが表示ひょうじできるものである。この各かくRGBをON/OFFの2階かい調ちょうのみではなく多た階かい調ちょうにしたものがアナログRGBである。近年きんねんのDVIなどのデジタル信号しんごうとは別べつのものである。

詳細しょうさいは「8ピン角かく型がたデジタル端子たんし」を参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく

• RGB21ピン
• 8ピン角かく型がたデジタル端子たんし - 先述せんじゅつのデジタル8色しょくが使つかわれている端子たんし
• DisplayPort

外部がいぶリンク

• VGA pinout
• VGA (VESA DDC) pinout
• VGA-9 pinout