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HDBaseT

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

HDBaseT[1]は、HDBaseT Alliance によって策定さくていされた家電かでん製品せいひんならびに業務ぎょうむよう接続せつぞく規格きかくであり、カテゴリー5e以上いじょうのLANケーブルを使用しようして、圧縮あっしゅくこう解像度かいぞうど映像えいぞう音声おんせい電源でんげん100BASE-TX イーサネットUSB、その様々さまざま制御せいぎょ信号しんごう伝送でんそう通信つうしんできる規格きかくである。

歴史れきし

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2010ねん6がつ14にち、Valensが最初さいしょ作成さくせいしたHDBaseT規格きかく促進そくしんするため、サムスン電子でんし、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント、LGエレクトロニクス、Valensによって団体だんたい発足ほっそくした。 HDBaseT 1.0の仕様しようも2010ねん6がつ規定きてい
HDBaseTの機能きのう実装じっそうされていないドングルなどの外部がいぶアクセサリーは、2010ねん市場いちば出荷しゅっか開始かいしじつ製品せいひんは2013 Consumer Electronics Showでデモ展示てんじされた。

2013ねん、HDBaseT Allianceは2.0の仕様しよう制定せいてい。1.0からのアップデートで、業務ぎょうむようAV市場いちば連携れんけい強化きょうかし、コンシューマ市場いちばにおいてホームネットワークの機能きのうはかられている。 2.0の仕様しようではOSI参照さんしょうモデルのすべてのレイヤーで必要ひつようとされる機能きのう規定きていし、遅延ちえん影響えいきょうこりやすいこう解像度かいぞうど映像えいぞうやオーディオなど伝送でんそうにて最適さいてきがされている。2.0の仕様しようは1.0の完全かんぜん上位じょうい互換ごかんであるが、追加ついかでメッシュトポロジー、分散ぶんさんルーティング、エンドツーエンドのエラー処理しょりなどの機能きのうくわえるほかにも、ネットワーク、スイッチング、制御せいぎょポイント機能きのう追加ついかし、複数ふくすう機器きき接続せつぞくしマルチストリーミングができるようにも規定きていしている。また2.0ではUSB 2.0の伝送でんそう機能きのうまれたため、タッチスクリーン、キーボード-ビデオ-マウス(KVM)を使用しようして、こう解像度かいぞうどのオーディオおよびビデオを遅延ちえんなく送信そうしんできるようになっている。またケーブルもこれまでのツイストペアケーブルだけではなくファイバーケーブルも規格きかくない対応たいおうするようになった。


  • 2014ねん12がつ10日とおか、IEEEは、HDBaseTをIEEE 1911の標準ひょうじゅん規格きかくとして承認しょうにんした。
  • 2017ねんのISE 2017にて伝送でんそうあいだを10Gbpsのスイッチングハブ経由けいゆでIP伝送でんそうするデモが実演じつえんされた

特徴とくちょう

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HDBaseTは、圧縮あっしゅくちょうこう精細せいさいビデオ(最大さいだい4K解像度かいぞうど)、オーディオ、電源でんげん(最大さいだい100W)、イーサネット、USB、およびその制御せいぎょ通信つうしん(RS-232やIRなど)を、イーサネットに使用しようされているカテゴリ5eケーブルそれ以上いじょうのツイストペアケーブル(8P8C)のモジュラコネクタを使用しようして、最大さいだい100メートル(330フィート)まで伝送でんそうすることができる。
HDBaseTは、HDMIなどの標準ひょうじゅん規格きかく補完ほかんするもので、これまでの無線むせん周波数しゅうはすう同軸どうじくケーブル、コンポジット映像えいぞう信号しんごうS端子たんしSCART端子たんしコンポーネント映像えいぞう信号しんごうD端子たんしVGA端子たんしのような伝送でんそうのための規格きかくひとつとして位置いちづけられる。HDBaseTは、Ciscoおよびサイエンティフィック・アトランタせいのネットワーク家庭かていようSTBをのぞセットトップボックス、DVDプレーヤー、Blu-rayプレーヤー、PC、ゲーム、マトリクスふくむビデオスイッチチャーなどの映像えいぞうソース機器ききなどを、互換ごかんせいのあるデジタルオーディオアンプ、PCよう液晶えきしょうモニター、およびデジタルテレビに接続せつぞくすることができる。

HDBaseTは、圧縮あっしゅくこう解像度かいぞうど映像えいぞう(最大さいだい4K)をデバイスのネットワークまたはポイント・ツー・ポイント接続せつぞく伝送でんそうする。圧縮あっしゅくコンテンツは、従来じゅうらい製品せいひんふくむすべてのビデオソースをサポートし、ゲーム映像えいぞう配信はいしん映像えいぞう正確せいかく伝送でんそうすることができる。また、ビデオ品質ひんしつ低下ていかやレイテンシの増加ぞうかはしないよう設計せっけいされている。SDHD、フルHD、4K解像度かいぞうどほかに、3Dビデオなど、テレビおよびPCのビデオフォーマットをサポートしている。HDBaseT 2.0は規格きかくとして最大さいだい10.2 Gbit/sのためにHDMI 2.0の仕様しようの18Gbit/sにたさないため、YCbCr 4:4:4では30Hzへるつまでの圧縮あっしゅく4K、または4:2:0では60Hzへるつの4Kをサポートされ、4:4:4の60Hzへるつ表示ひょうじサポートとなる。

オーディオ

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オーディオはビデオとおなじく、HDMIなどで採用さいようされている標準ひょうじゅん形式けいしきにすべてに対応たいおうしパススルーで伝送でんそうされる。HDBaseTは、HDMI 1.4の任意にんい規格きかくであるAudio Return Channel機能きのうはサポートしていない。

イーサネット

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オプションとなる規格きかくであり、対応たいおう機器きき使用しようすることで100Mbpsのイーサネット伝送でんそうをサポートする。これにより、テレビ、ステレオ、コンピュータ、そののCEデバイスが相互そうごTCPによる通信つうしんしたり、ネット配信はいしんなどの映像えいぞう画像がぞう音楽おんがくなどのマルチメディア・コンテンツにアクセスが可能かのうになる。

電源でんげん

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オプションとなる規格きかくであり、対応たいおう機器きき使用しようすることで伝送でんそう使用しようするツイストペアケーブルをかいして対抗たいこうがわのデバイスに電源でんげん供給きょうきゅう出来でき機能きのうがある。HDBaseTは、Power over Ethernet (PoE)規格きかくのバリエーションである「Power over HDBaseT」として、HDBaseTデバイスに接続せつぞくするBlu-rayプレーヤー、モニタ、TVなどに最大さいだい100Wの電力でんりょく供給きょうきゅうすることができる。最大さいだい100ワットの電力でんりょく供給きょうきゅうできるため、HDBaseT対応たいおう対応たいおう機器きき利用りようすることで60インチTVに供給きょうきゅうということも可能かのうである。

制御せいぎょ信号しんごう

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HDMI規格きかくのCEC、RS-232、USB、赤外線せきがいせん(IR)信号しんごう伝送でんそう対応たいおう


利点りてん

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  • 同軸どうじくケーブルとくら加工かこうせい入手にゅうしゅせいたかいLANケーブルのため施工しこうがしやすい
  • こう解像度かいぞうど映像えいぞう圧縮あっしゅく信号しんごう伝送でんそう品質ひんしつ低下ていかなし)
  • 既存きそんのIPエンコーダーとくら非常ひじょうひくいレイテンシーでの伝送でんそう可能かのう
  • 家電かでんメーカー、映像えいぞう機器ききメーカー製品せいひんおお採用さいよう
  • 認証にんしょう規格きかくにより、認証にんしょう製品せいひんであれば他社たしゃ製品せいひん同士どうしわせても動作どうさする情報じょうほう公開こうかいおこなわれている(独自どくじ機能きのう保証ほしょうがい基本きほん機能きのうのみである5playの互換ごかんせいのみを保証ほしょう)

デメリット

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  • 5Playの規格きかくない機能きのうをすべて網羅もうらされているわけではく、製品せいひんによっては映像えいぞうのみという製品せいひんもある。
  • メーカーによっては、独自どくじ機能きのう搭載とうさいされていることからかならずしも互換ごかんせい保証ほしょうされていない。
  • 技術ぎじゅつ仕様しようではパッチケーブルによる使用しよう想定そうていされていない。メーカー製品せいひんのスペックはすべて機器ききはケーブル直結ちょっけつでの数値すうちとなり、既存きそんのLANケーブルようパッチパネルなどを使用しようした場合ばあいたいしての保証ほしょうはされていない。
  • 信号しんごう独自どくじ規格きかくであるため、ネットワーク機器ききわせの敷設ふせつ出来できない。

ネットワーク機器ききとのちがいについて

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LANケーブルは使用しようされているが、イーサネットではなく非対称ひたいしょうプロセスで通信つうしんおこなわれている
そのため、ネットワークようケーブルテスターなどによる機器ききでの診断しんだんでは適切てきせつなケーブル品質ひんしつ診断しんだん出来できず、HDBaseT専用せんよう診断しんだんデバイスによる診断しんだん必須ひっすとなる。
こう解像度かいぞうどほど伝送でんそう能力のうりょくはケーブルの品質ひんしつ敷設ふせつ方法ほうほう依存いぞんし、Cat6Aにおけるエイリアンクロストーク同様どうよう、シールドされた単線たんせんケーブルを使用しようするなどノイズ対策たいさく必須ひっすとなる。
高信頼こうしんらいせい要求ようきゅうする環境かんきょうへの敷設ふせつをする場合ばあい、HDBaseTは認証にんしょうケーブルを使用しようすることを推奨すいしょうしている。


応用おうよう分野ぶんやなど

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映像えいぞう業界ぎょうかい

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仕様しよう特長とくちょうから5つの機能きのうを1ほんのケーブルで伝送でんそうできることから「5Play」というキーワードで提唱ていしょうおこなっている。(圧縮あっしゅく映像えいぞう、オーディオ、イーサネット、制御せいぎょ信号しんごう、USB 2.0、最大さいだい100Wの電力でんりょく)

自動車じどうしゃ業界ぎょうかい

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仕様しようのポイントとして「シールドされていないメタルケーブルで15m(50フィート)をえるネイティブネットワーク機能きのう使用しようした、フルHD解像度かいぞうど映像えいぞうふくむデータ転送てんそう対応たいおう」という利点りてんから車内しゃない配線はいせんなどに採用さいようされている

コンシューマー市場いちば

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5Playの機能きのうから、スマートホームやホテルなど室内しつない設備せつびにおいて、基幹きかん映像えいぞう配信はいしんサービスサーバーからかく部屋へや端末たんまつへの伝送でんそう手段しゅだんとして採用さいようされている。

産業さんぎょう用途ようと

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特長とくちょうひとつであるUSBの延長えんちょう機能きのう利用りようし、べつ部屋へやからシステム画面がめんかん表示ひょうじ操作そうさ(KVM)するという方法ほうほうにて利用りようされている。


脚注きゃくちゅう

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  1. ^ HDBaseT Alliance Homepage”. HDBaseT.org. 2011ねん8がつ20日はつか閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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