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Parts-per表記ひょうき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
（Ppqから転送てんそう）
主要しゅような無む次元じげん量りょう単位たんい
1単位たんい 量りょう 指数しすう
1 % 0.01 10−2
1 ‰ 0.001 10−3
1 ‱ 0.0001 10−4
1 ppm 0.000001 10−6
1 ppb 0.000000001 10−9
1 ppt 0.000000000001 10−12
1 ppq 0.000000000000001 10−15

科学かがくや工学こうがくで用もちいられるparts-per表記ひょうき（パーツ・パーひょうき）とは、濃度のうど・モル分ぶん率りつ・体からだ積分せきぶん率りつ・質量しつりょう分ぶん率りつなどの各種かくしゅの無む次元じげん量りょうについて、非常ひじょうに小ちいさい数値すうちを表あらわすのに使つかわれる計量けいりょう単位たんいである。これらの量りょうは、量りょうを同おなじ次元じげんの量りょうで割わったもの（別べつのい方いかたをすれば、分子ぶんし・分母ぶんぼが同おなじ量りょうである分数ぶんすう）であるため、単位たんいを伴ともなわない純粋じゅんすいな「数かず」である。

日本にっぽんの計量けいりょう法ほうが定さだめているparts-per表記ひょうきの計量けいりょう単位たんいは、以下いかである。計量けいりょう法ほうでは、「parts-per表記ひょうき」の語かたりを用もちいておらず、「濃度のうど」の計量けいりょう単位たんいである。それぞれ質量しつりょう百分率ひゃくぶんりつ・体積たいせき百分率ひゃくぶんりつ、質量しつりょう千せん分ふん率りつ・体積たいせき千せん分ふん率りつ、・・・の2種類しゅるいがある[1]。体積たいせき百分率ひゃくぶんりつ、体積たいせき千せん分ふん率りつ・・・の場合ばあいは、その単位たんい記号きごうの前まえに「vol」の語かたりを付ふすることができる[2]。

  • % (10—2、百分率ひゃくぶんりつ)
  • ‰ (10—3、千せん分ふん率りつ)
  • ppm （parts-per-million, 10−6、百ひゃく万まん分ふん率りつ）
  • ppb （parts-per-billion, 10−9、十じゅう億おく分ふん率りつ）
  • ppt （parts-per-trillion, 10−12、一いち兆ちょう分ふん率りつ）
  • ppq （parts-per-quadrillion, 10−15、千せん兆ちょう分ふん率りつ）

概要がいよう

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parts-per表記ひょうきは、化学かがくにおいて希薄きはく溶液ようえきの濃度のうど（例たとえば水みずに含ふくまれるミネラル分ぶんや汚染おせん物質ぶっしつの濃度のうど）を表現ひょうげんするのによく用もちいられる。試料しりょう溶液ようえき1グラム(g)につき汚染おせん物質ぶっしつが百ひゃく万まん分ぶんの1グラム存在そんざいするならば、その質量しつりょう分ぶん率りつについて"1 ppm"と書かくことができる。水溶液すいようえきの場合ばあいは、水みずの密度みつどが1.00 g/mLと近似きんじできるので、1グラムの水みずと1ミリリットルの水みずは同おなじとみなせる。よって、1 ppm は 1 mg/L に相当そうとうし、1 ppb は 1 µg/L に相当そうとうする。

parts-per表記ひょうきは物理ぶつり学がくや工学こうがくにおいて、様々さまざまな比例ひれい現象げんしょうの値ねを表現ひょうげんするのにも用もちいられる。例たとえば、ある金属きんぞく合金ごうきんが摂氏せっし度ど1℃ごとに1メートルあたり1.2マイクロメートル膨張ぼうちょうするとき、「熱ねつ膨張ぼうちょう率りつ αあるふぁ = 1.2 ppm/℃」と表現ひょうげんされる。parts-per表記ひょうきは変化へんか率りつ、安定あんてい性せい、計量けいりょうの不ふ確かくかさの表現ひょうげんにも用もちいられる。例たとえば、光波こうは測はか距儀を用もちいて距離きょりを測はかるときの正せい確度かくどが距離きょり1キロメートルにつき1ミリメートルであるとき、「正せい確度かくど = 1 ppm」と表現ひょうげんできる[3]。

parts-per表記ひょうきは全すべて無む次元じげん量りょうである。数学すうがく的てきに表現ひょうげんすると、単位たんいが打うち消けされる。「2ナノメートル毎ごとメートル」の場合ばあい、2 nm/m = 2 ナノ = 2 × 10−9 = 2 ppb = 2 × 0.000 000 001 のようになり、商しょうは純粋じゅんすいな数かずの係数けいすうとなる。parts-per表記ひょうき（パーセント(%)表記ひょうきを含ふくむ）が数式すうしきではなく普通ふつうの文章ぶんしょうで使つかわれる場合ばあいは、それらは純粋じゅんすいな数かずの無む次元じげん量りょうである。しかし、"parts per"という文言もんごんを文字通もじどおり解釈かいしゃくすると、それは比率ひりつを意味いみすることになる（例たとえば、"2 ppb"は"two parts in a billion parts"（十じゅう億おくの部分ぶぶんのうちの2つの部分ぶぶん）と解釈かいしゃくできる）[4]。

各種かくしゅのparts-per表記ひょうきの単位たんい

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  • parts per hundred（百分率ひゃくぶんりつ）は、100分ぶんの1 (= 1×10−2) であることを意味いみするが、通常つうじょうはパーセント (%) で表記ひょうきされる。5ミリリットル（スプーン1杯はい）の水みずに稀釈きしゃくされた1滴てき（約やく0.05 mL）の液体えきたいや、1日ひの中なかの15分ぶんはおよそ 1 % である。
  • parts per thousand（千せん分ふん率りつ）は、1000分ぶんの1 (= 1×10−3) であることを意味いみし、パーミル（‰）とも表記ひょうきされる。"parts per trillion"（一いち兆ちょう分ふん率りつ）と区別くべつがつかなくなるため、"part per thousand"を"ppt"と略りゃくすべきではない。ただし、海洋かいよう学がくなどの特定とくていの分野ぶんやでは、"ppt"を千せん分ふん率りつの意味いみで使用しようする。50ミリリットル（スプーン10杯はい）の水みずに稀釈きしゃくされた1滴てきの液体えきたいや、1日にちの中なかの1分ふん半はんはおよそ 1 ‰ である。
  • parts per ten thousand（一いち万まん分ふん率りつ）は、ベーシスポイント (basis point, bp) やパーミリアド (permyriad, ‱) とも言いい、10000分ぶんの1 (= 1×10−4) であることを意味いみする。金融きんゆう分野ぶんやでは、ベーシスポイントは時間じかんの逆数ぎゃくすうの次元じげん (T−1) を持もつ量りょうとして扱あつかわれ、金利きんりの変化へんかや違ちがいを表現ひょうげんするのに用もちいられる。例たとえば、年とし5.15%から年とし5.35%への金利きんりの変化へんかは、「20ベーシスポイントの変化へんか」ということになる。0.5リットルの水みずに稀釈きしゃくされた1滴てきの液体えきたいや、1日にちの中なかの9秒びょうはおよそ 1 ‱ である。一いち万まん分ふん率りつは科学かがくではほとんど使つかわれない。日本にっぽんの計量けいりょう法ほうでも規定きていされておらず、取引とりひき・証明しょうめいに用もちいることは禁止きんしされている。

  • parts per million（ppm、百ひゃく万まん分ふん率りつ）は、1,000,000分ぶんの1 (= 1×10−6) であることを意味いみする。10,000 ppm で 1 % となる。50リットルの水みずに稀釈きしゃくされた1滴てきの液体えきたいや、1年としの中なかの32秒びょうはおよそ 1 ppm である。

  • parts per billion（ppb、十じゅう億おく分ふん率りつ）は、1,000,000,000分ぶんの1 (= 1×10−9) であることを意味いみする。10,000,000 ppb で 1 % となる。一般いっぱん的てきなドラム缶どらむかん250本ほん分ぶん（50キロリットル）の水みずに稀釈きしゃくされた1滴てきの液体えきたいや、1世紀せいきの中なかの3秒びょうはおよそ 1 ppb である。

  • parts per quadrillion（ppq、千せん兆ちょう分ふん率りつ）は、1,000,000,000,000,000分ぶんの1 (= 1×10−15) であることを意味いみする。東京とうきょうドーム約やく40個こ分ぶん（50ギガリットル）の水みずに稀釈きしゃくされた1滴てきの液体えきたいや、地球ちきゅうの年齢ねんれい（約やく45億おく年ねん）の中なかの2分ふん半はんはおよそ 1 ppq である。分析ぶんせき化学かがくにおいてごく稀まれに、ppqレベルの測定そくていが行おこなわれる[5]。

批評ひひょう

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国際こくさい度量衡どりょうこう局きょく(BIPM)はparts-per表記ひょうきの使用しようは認みとめてはいるが、正式せいしきに国際こくさい単位たんい系けい(SI)の一部いちぶとはしていない[4]。パーセント(%)も正式せいしきにはSIの一部いちぶではないが、BIPMと国際こくさい標準ひょうじゅん化か機構きこう(ISO)のどちらも「国際こくさい的てきに認みとめられた記号きごう %（パーセント）を、SIにおいて数すう 0.01 を表現ひょうげんするために使用しようすることができる」としている[4][6]。 国際こくさい純粋じゅんすい・応用おうよう物理ぶつり学がく連合れんごう(IUPAP)は「単位たんい純粋じゅんすい主義しゅぎ者しゃ(unit purists)への不快ふかい感かんの継続けいぞく的てきな原因げんいんは、パーセント・ppm・ppb・pptの継続けいぞく的てきな使用しようである」としている[7]。

これらに替かわるものとしてSIと一貫いっかん性せいを持もった表現ひょうげんも提案ていあんされているが、いまだに、parts-per表記ひょうきが技術ぎじゅつ的てきな分野ぶんやで広ひろく使つかわれている。このため、日本にっぽんの計量けいりょう法ほうでも、濃度のうどの法定ほうてい計量けいりょう単位たんいとして位置いちづけられている。

parts-per表記ひょうきの問題もんだい点てんは以下いかである。

long scaleかshort scaleか

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国くにによって"billion"などが表あらわす数かずが異ことなるため（西洋せいようの命数めいすう法ほうを参照さんしょう）、BIPMは誤解ごかいの防止ぼうしのために"ppb", "ppt"の使用しようを避さけるよう提唱ていしょうしている。英語えいごでは、"million"（百ひゃく万まん）まではどの国くにでも同おなじ命数めいすうを使用しようしているが、"billion"以上いじょうについては2種類しゅるいの命数めいすう法ほうがあり、それをlong scaleとshort scaleという。"billion"はlong scaleでは1012を意味いみし、short scaleでは109を意味いみする。アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ(NIST)は、「言語げんごに依存いぞんした用語ようごを（中略ちゅうりゃく）SIの量りょうの値ねの表現ひょうげんに用もちいることは容認ようにんできない」としている[8]。

日本にっぽんの計量けいりょう法ほうでは、その省令しょうれい（計量けいりょう単位たんい規則きそく）でshort scale による単位たんい記号きごうの定義ていぎをしており[2]、計量けいりょう法ほうの規制きせいが及およぶ日本にっぽん国内こくないにおいては誤解ごかいの余地よちはない。

pptはthousandかtrillionか

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"ppt"は通常つうじょうは"parts per trillion"を意味いみするが、時折ときおり"parts per thousand"の意味いみで用もちいられることもある。"ppt"の意味いみが明示めいじされていない場合ばあい、文脈ぶんみゃくから推測すいそくしなければならない。また、pptはパーセントポイント（パーセントの数値すうちの増減ぞうげん）を意味いみする場合ばあいもある。

質量しつりょう分ぶん率りつかモル分ぶん率りつか体からだ積分せきぶん率りつか

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parts-per表記ひょうきのその他たの問題もんだいは、それが質量しつりょう分ぶん率りつ・モル分ぶん率りつ・体からだ積分せきぶん率りつのどれを表あらわしているのかがわからないことである。 kg/kg, mol/mol, m3/m3 のように単位たんいを明示めいじした方ほうが良よい[9]。気体きたいを取とり扱あつかう場合ばあい、これらの違ちがいは著いちじるしいので、どの量りょうが使つかわれているか指定していすることが非常ひじょうに重要じゅうようである。例たとえば、大気たいき中ちゅうの温室おんしつ効果こうかガスCFC-11についての質量しつりょう分ぶん率りつ1ppbとモル分ぶん率りつ1ppbの変換へんかん係数けいすうは4.7である。体からだ積分せきぶん率りつを表あらわしている場合ばあいは、後のちに"V"や"v"をつけてppmV, ppbv, pptvのように表記ひょうき（この表記ひょうきは計量けいりょう法ほうの規定きていとは異ことなる。後述こうじゅつ。）する[10]。しかしながら、理想りそう気体きたいでは体からだ積分せきぶん率りつとモル分ぶん率りつが同おなじになることから、理想りそう気体きたい以外いがいについてもモル分ぶん率りつにppbv, pptvなどが使つかわれることがしばしばある。

通常つうじょうは、科学かがくの分野ぶんやごとにparts-per表記ひょうきがどの量りょうを表あらわすかが決きまっているので、その分野ぶんや内ないでは混乱こんらんを生しょうじることはない。しかし、分野ぶんやをまたがった時ときに誤解ごかいを生しょうじる可能かのう性せいがある。例たとえば、電気でんき化学かがくにおいては(体積たいせき/体積たいせき)が用もちいられるが、化学かがく工学こうがくにおいては(体積たいせき/体積たいせき)よりも(質量しつりょう/質量しつりょう)が用もちいられる。

計量けいりょう法ほうに基もとづく計量けいりょう単位たんい規則きそくでは、上記じょうきのあいまいさを除のぞくために、その単位たんい記号きごうは例たとえばppmについて、次つぎのように規定きていしている。

  • 質量しつりょう百ひゃく万まん分ふん率りつは、「ppm」と表記ひょうき
  • 体積たいせき百ひゃく万まん分ふん率りつは、「volppm」と表記ひょうき（単たんに「ppm」と表記ひょうきすることも可か）

SIと一貫いっかん性せいを持もった表現ひょうげん

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下表かひょうに、parts-perの代替だいたいとして使用しようできるSI対応たいおう単位たんいを示しめす。緑みどり字じで下線かせんが引ひかれた物ものは、BIPMがSIにおいて無む次元じげん量りょうの表現ひょうげんにふさわしくないとしている表記ひょうきであることを示しめす。

無む次元じげん量りょうの表記ひょうき
対象たいしょうとなる量りょう SI
単位たんい 		parts-per
表記ひょうき
(short scale) 		parts-per
表記ひょうき
（記号きごう） 		指数しすう表記ひょうき
ひずみ 2 cm/m 2 parts per hundred     2%[11] 2 × 10−2
感度かんど 2 mV/V 2 parts per thousand 2 ‰ 2 × 10−3
感度かんど 0.2 mV/V 2 parts per ten thousand 2 ‱ 2 × 10−4
感度かんど 2 µV/V 2 parts per million 2 ppm 2 × 10−6
感度かんど 2 nV/V 2 parts per billion 2 ppb 2 × 10−9
感度かんど 2 pV/V 2 parts per trillion 2 ppt 2 × 10−12
質量しつりょう分ぶん率りつ 2 mg/kg 2 parts per million 2 ppm 2 × 10−6
質量しつりょう分ぶん率りつ 2 µg/kg 2 parts per billion 2 ppb 2 × 10−9
質量しつりょう分ぶん率りつ 2 ng/kg 2 parts per trillion 2 ppt 2 × 10−12
質量しつりょう分ぶん率りつ 2 pg/kg 2 parts per quadrillion 2 ppq 2 × 10−15
体からだ積分せきぶん率りつ 5.2 µL/L 5.2 parts per million 5.2 ppm 5.2 × 10−6
モル分ぶん率りつ 5.24 µmol/mol 5.24 parts per million 5.24 ppm 5.24 × 10−6
モル分ぶん率りつ 5.24 nmol/mol 5.24 parts per billion 5.24 ppb 5.24 × 10−9
モル分ぶん率りつ 5.24 pmol/mol 5.24 parts per trillion 5.24 ppt 5.24 × 10−12
安定あんてい性せい 1 (µA/A)/min. 1 part per million per min. 1 ppm/min. 1 × 10−6/min.
抵抗ていこう値ち変化へんか 5 nΩおめが/Ωおめが 5 parts per billion 5 ppb 5 × 10−9
不ふ確かくかさ 9 µg/kg 9 parts per billion 9 ppb 9 × 10−9
A shift of… 1 nm/m 1 part per billion 1 ppb 1 × 10−9
ひずみ 1 µm/m 1 part per million 1 ppm 1 × 10−6
温度おんど係数けいすう 0.3 (µHz/Hz)/°C 0.3 part per million per °C 0.3 ppm/°C 0.3 × 10−6/°C
周波数しゅうはすう変動へんどう率りつ 0.35 × 10−9 ƒ 0.35 part per billion 0.35 ppb 0.35 × 10−9

上うえの表ひょうの「SI単位たんい」の列れつの表記ひょうきは全すべて無む次元じげん量りょうであることに注意ちゅうい。“1 nm/m”(1 nm/m = 1 nano = 1 × 10−9)の商しょうは1以下いかの値ねの純粋じゅんすいな数かずの係数けいすうである。

ウノ(uno)

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無む次元じげん量りょうをSIのガイドラインに従したがって表現ひょうげんするのが難むずかしいため、国際こくさい純粋じゅんすい・応用おうよう物理ぶつり学がく連合れんごう(IUPAP)は1999年ねんに無む次元じげん量りょうの単位たんいとしての数値すうち"1"に対たいし特別とくべつの名称めいしょう「ウノ(uno)」（記号きごう: U）を与あたえることを提案ていあんした[7]。この単位たんい記号きごうは「不確ふたしかさ」の記号きごう"U"と同おなじであるが、量りょうは斜体しゃたい（イタリック体たい）、単位たんいは立体りったいで表あらわされるため混同こんどうされることはない。「ウノ」という単位たんい名称めいしょうおよびその記号きごう"U"は、非常ひじょうに大おおきな、または非常ひじょうに小ちいさな無む次元じげん量りょうを表現ひょうげんするために、SI接頭せっとう語ごと組くみ合あわせて使用しようすることができる。

parts-per表記ひょうきをウノで表あらわすと、以下いかのようになる。

IUPAPによる「ウノ」の提案ていあん
係数けいすう parts-per表記ひょうき ウノによる表記ひょうき 記号きごう 量りょうの値ね
10−2 2% 2 センチウノ(centiuno) 2 cU 2 × 10−2
10−3 2 ‰ 2 ミリウノ(milliuno) 2 mU 2 × 10−3
10−4 2 ‱ 0.2 ミリウノ(milliuno) 0.2 mU 2 × 10−4
10−6 2 ppm 2 マイクロウノ(microuno) 2 µU 2 × 10−6
10−9 2 ppb 2 ナノウノ(nanouno) 2 nU 2 × 10−9
10−12 2 ppt 2 ピコウノ(picouno) 2 pU 2 × 10−12
10−15 2 ppq 2 フェムトウノ(femtouno) 2 fU 2 × 10−15

2004年ねん、国際こくさい度量衡どりょうこう委員いいん会かい(CIPM)への報告ほうこく書しょでは、ウノの提案ていあんへの反応はんのうが「ほとんど完全かんぜんに否定ひてい的てき」であり、主要しゅような支持しじ者しゃに「考かんがえを断念だんねんするよう推奨すいしょうする」としていた[12]。

ウノはどの標準ひょうじゅん化か団体だんたいにも採用さいようされておらず、今後こんごもウノが無む次元じげん量りょうの単位たんいとして正式せいしきに採用さいようされる見込みこみはない。

不適切ふてきせつな使用しよう

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parts-per表記ひょうきは、無む次元じげん量りょうを表あらわすためだけに用もちいることができる。つまり、指数しすうが1未満みまんの値ねの純粋じゅんすいな数かずになるように、計測けいそく単位たんいは"1 mg/kg"のように相殺そうさいされなければならない。「15 pCi/Lのラドン濃度のうど」のような単位たんいが混合こんごうした量りょうは無む次元じげん量りょうでなく、"15 ppt"のようにparts-per表記ひょうきを使用しようして表現ひょうげんすることはできない。他たに、parts-per表記ひょうきを使用しようすることができないものには以下いかのようなものがある。

関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん・脚注きゃくちゅう

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  1. ^ “計量けいりょう単位たんい令れい | e-Gov法令ほうれい検索けんさく”. elaws.e-gov.go.jp. 2023年ねん6月がつ27日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b “計量けいりょう単位たんい規則きそく | e-Gov法令ほうれい検索けんさく”. elaws.e-gov.go.jp. 2023年ねん6月がつ27日にち閲覧えつらん。
  3. ^ これは単純たんじゅん化かした説明せつめいである。光波こうは測はか距儀は通常つうじょう、1 - 10 mm の測定そくてい粒つぶ度どを持もつ。そのため、距離きょり測定そくてい精度せいどの完全かんぜんな仕様しようは「正確せいかく度ど: ±(1 mm + 1 ppm)」のように表現ひょうげんされる。従したがって、この例れいにおいては、わずか数すうメートルの距離きょり測定そくていでも±1 mm の正せい確度かくどとなる。
  4. ^ a b c BIPM: 5.3.7 Stating values of dimensionless quantities, or quantities of dimension one[リンク切きれ]
  5. ^ ダイオキシンの測定そくていは常つねに準じゅんppqレベルで測定そくていが行おこなわれる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく環境かんきょう保護ほご庁ちょう(EPA)は、現在げんざいは飲料いんりょう水中すいちゅうのダイオキシンの量りょうの制限せいげんを30 ppqに設定せっていしているが、かつては0.013 ppqに設定せっていしていた。また、飲料いんりょう水中すいちゅうの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの量りょうはppqの単位たんいで報告ほうこくされる。
  6. ^ Quantities and units - Part 0: General principles, ISO 31-0:1992
  7. ^ a b Report to the 1999 IUPAP General Assembly: Report on recent Committee activities on behalf of IUPAP by Brian W Petley September 1998[リンク切きれ]
  8. ^ “NIST Guide to the SI, Chapter 7: Rules and Style Conventions for Expressing Values of Quantities | NIST”. NIST. 2023年ねん6月がつ28日にち閲覧えつらん。
  9. ^ Schwartz and Warneck (1995). “Units for use in atmospheric chemistry”. Pure Appl. Chem 67: 1377–1406. http://www.iupac.org/publications/pac/1995/pdf/6708x1377.pdf 2011年ねん3月がつ9日にち閲覧えつらん。. 
  10. ^ Milton R. Beychok (2005). Fundamentals of Stack Gas Dispersion (4th ed.). Milton R. Beychok. ISBN 0964458802. http://www.air-dispersion.com/formulas.html [リンク切きれ]
  11. ^ パーセント記号きごう(%)に関かんするSIの迎合げいごう性せいは、この表ひょう中ちゅうに限かぎる。BIPMのSI brochure: Subsection 5.3.3, Formatting the value of a quantity[リンク切きれ]によれば、単位たんい記号きごうと数値すうちの区切くぎりには常つねに空白くうはくを用もちいるが、角度かくどの度たび(°)、分ぶん(′)、秒びょう(″)については空白くうはくを入いれない。しかし、5.3.7 Stating values of dimensionless quantities, or quantities of dimension one[リンク切きれ]では、「パーセント記号きごうを使つかうときは、数値すうちと記号きごう%の間あいだに空白くうはくを入いれる」とある。
  12. ^ Report of the 16th meeting (13–14 May 2004), by the Consultative Committee for Units, to the International Committee for Weights and Measures, of the International Bureau of Weights and Measures (1.1 MB PDF).[リンク切きれ]

外部がいぶリンク

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  • アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ (NIST): Home page
  • 国際こくさい度量衡どりょうこう局きょく (BIPM): Home page
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