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Su-30MKI (航空機こうくうき)

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Su-30MKI / Су-30МКИ

インド空軍のSu-30MKI戦闘機

インド空軍くうぐんのSu-30MKI戦闘せんとう機き

Su-30MKI（ロシア語ご: Су-30МКИ）は、ロシアのスホーイが開発かいはつしたSu-30のインド空軍くうぐん向むけ仕様しよう機きを、ヒンドスタン航空機こうくうき（HAL:Hindustan Aeronautics Limited）がライセンス生産せいさんした[1]マルチロール戦闘せんとう機き。NATOコードネームはフランカーH（Flanker H）と呼称こしょうされる。

導入どうにゅう経緯けいい

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インドは1996年ねん11月30日にち、ロシアのスホーイと40機きのSu-30購入こうにゅう契約けいやくに署名しょめいし、1997年ねん3月がつから引ひき渡わたしが開始かいしされた。最初さいしょの8機きはSu-30PUと呼よばれ、推力すいりょく偏向へんこう機構きこうを持もたないAL-31ターボファンエンジンを搭載とうさいし、フランスのセクスタン・アビオニク（フランス語ふらんすご版ばん）製せい電子でんし機器きき、イスラエル製せい電子でんし戦せんシステムを装備そうびしていた[2]。

2000年ねん10月がつ、140機きのSu-30MKIのインドでのライセンス生産せいさんに関かんする了解りょうかい覚書おぼえがき（MoU:Memorandum of Understanding）に署名しょめい、12月にロシアのイルクーツク航空機こうくうき工場こうじょう（ロシア語ご版ばん）で技術ぎじゅつ移転いてん契約けいやくが締結ていけつされた。インド空軍くうぐんは272機きを発注はっちゅうし、このうち50機きは2004年ねんと2007年ねんにロシアから納入のうにゅうされることとなった[5]。インドでのライセンス生産せいさんはヒンドスタン航空機こうくうきで行おこなわれることとなり、4段階だんかいで生産せいさんが行おこなわれ、第だい一いち段階だんかいのSu-30Mk.I、第だい二に段階だんかいのSu-30Mk.IIおよび第だい三さん段階だんかいのSu-30Mk.IIIはノックダウン生産せいさん、第だい四よん段階だんかいのSu-30Mk.IVからライセンス生産せいさんとなった[6][7]。

Su-30MKIのインド空軍くうぐんへの引ひき渡わたしは2002年ねんから開始かいしされ[2]、2021年ねんに予定よていされていた222機きを納品のうひんした[1]。2020年ねん6月がつ、インドは事故じこ喪失そうしつ分ぶんの補填ほてんとして1,073億おくルピー（14億おく7,000万まんドル）[1]で12機きを追加ついか発注はっちゅうし[8]、2022年ねん3月がつ18日にちにも12機きを追加ついか発注はっちゅうしたが[9]、ロシアのウクライナ侵攻しんこうの影響えいきょうにより5月がつに12機きの追加ついか発注はっちゅうはキャンセルされた[10]。

百里基地ひゃくりきち上空じょうくうで共同きょうどう訓練くんれん中ちゅうのインド空軍くうぐんのSu-30MKI戦闘せんとう機き(上うえ)と自衛隊じえいたいのF-2戦闘せんとう機き(下した)

2023年ねん１月がつ10日とおか、日にち印しるし共同きょうどう訓練くんれんに伴ともないインド空軍くうぐん所属しょぞくの西部せいぶ航空こうくうコマンド第だい220飛行ひこう隊たいのSu‐30MKIが4機きと、同どう第だい81飛行ひこう隊たいのC-17輸送ゆそう機き2機きが到着とうちゃく、１月がつ27日にちまで百里基地ひゃくりきちに滞在たいざい。さらにSu-30MKIの空中くうちゅう給油きゅうゆのため、中央ちゅうおう航空こうくうコマンド第だい78飛行ひこう隊たいのIl-78空中くうちゅう給油きゅうゆ機きが1機き参加さんかし、訓練くんれん期間きかんは同月どうげつの16日にちから26日にち、百里基地ひゃくりきち周辺しゅうへんと入間いるま基地きちにて行おこなった。[11][12]

機体きたい

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下方かほうより見みる

外見がいけん上じょうは、Su-33やSu-34と同様どうようにLERX部分ぶぶんにカナード翼つばさを追加ついかした三さん翼つばさ機き (Three-surface aircraft) [注ちゅう 1]であることが最大さいだいの特徴とくちょうである。

アビオニクス

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機首きしゅに搭載とうさいしているのは、V・V・チホミーロフ記念きねん機器きき製作せいさく科学かがく研究所けんきゅうじょ製せいN011Mパルス・ドップラー・レーダーで[13]、空そら対空たいくうおよび空そら対地たいちを有ゆうし、捜索そうさく距離きょり400km、追跡ついせき距離きょり200km、後方こうほう探知たんち距離きょり60km[14]、最大さいだい15目標もくひょうの同時どうじ追跡ついせき、4目標もくひょうの同時どうじ交戦こうせんが可能かのうとなっている[14]。

コックピット前方ぜんぽうにはOLS-30電子でんし光学こうがく目標もくひょう指示しじ装置そうちを装備そうびし、最大さいだい追跡ついせき距離きょり90kmとなっている。

エンジン

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エンジンは、リューリカ設計せっけい局きょく製せいAL-31FPターボファンエンジン2基き搭載とうさい、推力すいりょく偏向へんこうノズルが装備そうびされており、左右さゆう各かく15度ど、上下じょうげ各かく32度ど稼働かどうし、ピッチの偏向へんこうだけでなく、左右さゆうを逆ぎゃく方向ほうこうに動うごかすと機体きたいをロールさせることができる[15]。

能力のうりょく向上こうじょう改修かいしゅう

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ブラモスERの発射はっしゃ試験しけんを行おこなうSu-30MKI

2010年ねん5月がつ、40機きのSu-30MKIに対たいしてレーダー、電子でんし戦せん装置そうち、ミッション・コンピュータの換かわ装そうおよびブラモス超ちょう音速おんそく巡航じゅんこうミサイル運用うんよう能力のうりょく付与ふよ改修かいしゅう契約けいやくをロシアに発注はっちゅうし、2012年ねんからインド空軍くうぐんへの改修かいしゅう機きの引ひき渡わたしが開始かいしされた[16]。ブラモスを搭載とうさいしての初はつの飛行ひこう試験しけんは2016年ねん6月がつ25日にちに行おこなわれ、初はつの空中くうちゅう発射はっしゃ試験しけんは2017年ねん11月22日にちに実施じっししている[17]。

インド空軍くうぐんでは、レーダーをロシアのファゾトロン-NIIR製せいジュークAEアクティブ電子でんし走査そうさアレイ（AESA:Active Electronically Scanned Array）への換かわ装そうを計画けいかくしており[18]、2012年ねんにインド国防省こくぼうしょうは改修かいしゅう計画けいかくを国会こっかいに提出ていしゅつした[19]。また、2012年ねんに80機きのSu-30MKIへスタンドオフ兵器へいき運用うんよう能力のうりょく付与ふよ改修かいしゅうを計画けいかくし、情報じょうほう開示かいじ（ROI:Release of Information）を要求ようきゅうした[20]。さらに、Su-30MKIの視界しかい外がい戦闘せんとう（BVR:Beyond Visual Range）能力のうりょく向上こうじょうのため、国産こくさんのアストラとイスラエル製せいのダービー空そら対空たいくうミサイルの運用うんよう能力のうりょく付与ふよ改修かいしゅうを計画けいかくし、2019年ねん9月がつにアストラの運用うんよう試験しけんが行おこなわれた[21]。

運用うんよう

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実戦じっせん投入とうにゅう

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2019年ねん2月がつ26日にち、インド空軍くうぐんはパキスタンのイスラーム過激かげき派は組織そしきジャイシュ＝エ＝ムハンマドの拠点きょてんを空爆くうばくするため、4機きのSu-30MKIがパキスタン領空りょうくうまでミラージュ2000を護衛ごえいし、バーラーコート空爆くうばくを支援しえんした[22][23][24]。パキスタン側がわは、空中くうちゅう戦せんでSu-30MKIを撃墜げきついしたと主張しゅちょうしているが、インド側がわは確認かくにんされた唯一ゆいいつの損害そんがいはMiG-21だったと主張しゅちょうしている[25][26][27]。

部隊ぶたい配備はいび

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喪失そうしつ事故じこ

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インド空軍くうぐんではSu-30MKI導入どうにゅう後ご、11機きを事故じこにより喪失そうしつしている[36][37][38][39][40][41]。

仕様しよう

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出典しゅってん: 世界せかいの名な機きシリーズ Su-27フランカー 増補ぞうほ改訂かいてい版ばん[42]

諸しょ元もと

性能せいのう

  • 最大さいだい速度そくど: M2.0 1,400 km/h（海面かいめん高度こうど）
  • 航続こうぞく距離きょり: 3,000 km（高々たかだか度ど） 1,300 km（海面かいめん高度こうど）
  • 実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど: 17,500 m
  • 機内きない燃料ねんりょう容量ようりょう： 10,000 kg
  • 最大さいだい耐たいG値ち： 9 G
  • 離陸りりく滑走かっそう距離きょり： 750 m（A/B使用しよう時じ）
  • 着陸ちゃくりく滑走かっそう距離きょり： 650 - 700 m（制動せいどう傘かさ使用しよう時じ）


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制動せいどう傘がさによる着陸ちゃくりく

武装ぶそう

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  • 固定こてい武装ぶそう
12か所しょのハードポイントにパイロンを介かいしてそれぞれ対応たいおうした兵へい装そうを搭載とうさい可能かのう。
  • ミサイル
  • 中ちゅう射程しゃてい空そら対空たいくうミサイル
  • 長ちょう射程しゃてい空そら対空たいくうミサイル

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 主翼しゅよくを上下じょうげ方向ほうこうに3枚まい重かさねて配置はいちした三葉みつば機きとは、まったくの別物べつものである。

出典しゅってん

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  4. ^ “India's Aviation Behemoth HAL Expects More Orders as It Completes Production of Su-30MKI”. defenceaviationpost.com (2020年ねん4月がつ1日にち). 2020年ねん4月がつ13日にち閲覧えつらん。
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関連かんれん項目こうもく

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ウィキメディア・コモンズには、Su-30MKI (航空機こうくうき)に関連かんれんするカテゴリがあります。
スホーイ Su-27と派生はせい型がた
基本きほん型がた・発展はってん型がた
輸出ゆしゅつ向むけ
海外かいがい生産せいさん型がた
インドの旗 HAL
中華人民共和国の旗 瀋陽しんよう
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