TI-99/4
TI-99/4A はテキサス・インスツルメンツ (TI) が1981年 ねん 1月 がつ にリリースした初期 しょき のホームコンピュータ である。
リリース当初 とうしょ の価格 かかく は525USドル であった。TI-99/4Aは1979年 ねん に1,150ドルでリリースされたTI-99/4 の拡張 かくちょう 版 ばん 。TI-99/4は電卓 でんたく 型 かた のチクレットキーボード で小文字 こもじ が使 つか えなかったが、TI-99/4Aではグラフィックモードとフルキーボードが追加 ついか され小文字 こもじ も使 つか える。
機能 きのう と特徴 とくちょう [ 編集 へんしゅう ]
TI-99/4Aは、CPU とマザーボード 、カートリッジ スロット、キーボード が一体 いったい になった形状 けいじょう である。電源 でんげん 回路 かいろ 基板 きばん はカートリッジスロットの下 した のスロープになった部分 ぶぶん に格納 かくのう されている。そのためその部分 ぶぶん が熱 あつ くなるので、ユーザーは「コーヒーカップ・ウォーマー」などと呼 よ んだ。アメリカ以外 いがい で電源 でんげん 電圧 でんあつ が異 こと なる場合 ばあい はACアダプタが付属 ふぞく したが、それは単 たん なる変圧 へんあつ 器 き だった。
周辺 しゅうへん 機器 きき としては、5.25インチFDD 、2シリアルポート と1パラレルポート のあるRS-232 カード、Pascal 用 よう P-code カード、サーマルプリンター 、音響 おんきょう カプラ 、データレコーダ 、32KB メモリ拡張 かくちょう カード などがある。RFアダプタ がFCCの認可 にんか を受 う けられなかったので、TI-99/4は当初 とうしょ モニター (ゼニス製 せい 13インチテレビを改造 かいぞう したもの)を同 どう 梱 こり していた。
1980年代 ねんだい 初 はじ め、TIは音声 おんせい 合成 ごうせい の先駆 せんく 者 しゃ として知 し られており、TI-99/4 (A) にも音声 おんせい 合成 ごうせい モジュールが接続 せつぞく 可能 かのう だった。多数 たすう のカートリッジを購入 こうにゅう すると音声 おんせい 合成 ごうせい モジュールが無料 むりょう でついてくるプロモーションが行 おこな われ、TI自身 じしん がそれを使 つか ってしゃべるゲームを多数 たすう 発売 はつばい した。線形 せんけい 予測 よそく 符号 ふごう の一種 いっしゅ を音声 おんせい 合成 ごうせい に使 つか っており、語彙 ごい も若干 じゃっかん 組 く み込 こ まれている。当初 とうしょ 、音声 おんせい 合成 ごうせい モジュールに小 ちい さなカートリッジを挿 さ すと語彙 ごい が増 ふ えるという方式 ほうしき を考 かんが えていたが、Terminal Emulator IIというROMカートリッジでソフトウェアによる音声 おんせい 合成 ごうせい (テキスト読 よ み上 あ げ)がうまくいったため、計画 けいかく は中止 ちゅうし された。多 おお くの音声 おんせい 合成 ごうせい モジュールは語彙 ごい カートリッジを挿 さ すための穴 あな が空 あ いた状態 じょうたい で出荷 しゅっか されたが、中 なか にコネクタが設置 せっち されていないことが多 おお い。音声 おんせい 合成 ごうせい モジュールの発 はっ する声 こえ は比較的 ひかくてき リアルで、例 たと えばAlpinerというゲームでは男性 だんせい と女性 じょせい の声 こえ を使 つか っているが、プレイヤーが間違 まちが った動 うご きをすると皮肉 ひにく なニュアンスのこもった音声 おんせい を発 はっ した。
1979年 ねん のTI-99/4に周辺 しゅうへん 機器 きき を数珠繋 じゅずつな ぎに接続 せつぞく した様子 ようす
TI-99/4用 よう PEB (Peripheral Expansion Box)
TI-99/4Aは当初 とうしょ 、本体 ほんたい と周辺 しゅうへん 機器 きき を一 いち 列 れつ に数珠繋 じゅずつな ぎ(デイジーチェーン )のように拡張 かくちょう していくというコンセプトだった。しかし、こうすると机 つくえ の幅 はば で接続 せつぞく できる周辺 しゅうへん 機器 きき が限 かぎ られるという問題 もんだい があった。
間 あいだ もなく、拡張 かくちょう カードを使 つか った拡張 かくちょう 法 ほう に転換 てんかん 。5.25インチFDDと電源 でんげん 回路 かいろ を備 そな えたPEB (Peripheral Expansion Box) と呼 よ ばれる拡張 かくちょう ボックスが用意 ようい された。拡張 かくちょう カード用 よう スロットを8個 こ 装備 そうび している[1] 。各 かく カードにはLED が付 つ いていて、ソフトウェアがそのカードを使 つか ったときに点滅 てんめつ する。初期 しょき のS-100バス と同様 どうよう 、拡張 かくちょう カード側 がわ にレギュレータを搭載 とうさい して必要 ひつよう な電源 でんげん 電圧 でんあつ を作 つく らなければならない。
さらに拡張 かくちょう バスにはアナログ音声 おんせい 信号 しんごう を流 なが す線 せん がある。これを使 つか って音声 おんせい 合成 ごうせい モジュールの合成 ごうせい した音声 おんせい を本体 ほんたい 経由 けいゆ でモニターに渡 わた すことができる。音声 おんせい 信号 しんごう はケーブル経由 けいゆ でPEBにも渡 わた せるので、音声 おんせい 合成 ごうせい モジュールをPEBに接続 せつぞく したり、本体 ほんたい のサウンド機能 きのう 以上 いじょう の機能 きのう を提供 ていきょう するサウンドカードを提供 ていきょう する可能 かのう 性 せい も考慮 こうりょ していた。
TI-99/4には電卓 でんたく 機能 きのう が組 く み込 こ まれていたが、TI-99/4Aでは省 はぶ かれている。どちらもANSI のBASIC 規格 きかく に準拠 じゅんきょ したTI BASICというBASIC プログラミング言語 げんご のインタプリタ が搭載 とうさい されている。一般 いっぱん 的 てき なMicrosoft BASIC とはかなりの部分 ぶぶん で非 ひ 互換 ごかん である。後期 こうき のモデルではタイトル画面 がめん に"2.2"と表示 ひょうじ され、アタリ のようなサードパーティー のライセンスを得 え ていないROM カートリッジが使 つか えないようになっている。
専用 せんよう ポートで2台 だい のデータレコーダ を接続 せつぞく し、セーブとロードが可能 かのう である。またジョイスティック 用 よう ポートもあり、2個 こ のデジタルジョイスティックを接続 せつぞく できる。ジョイスティックポートは1つ(9ピン)で、そこに2個 こ のジョイスティックを接続 せつぞく するようになっており、TI製 せい のものしか使 つか えない。サードパーティからアタリ互換 ごかん ジョイスティックを2個 こ 接続 せつぞく できるアダプタが発売 はつばい された。NTSC の場合 ばあい 、コンポジット映像 えいぞう 信号 しんごう と音響 おんきょう 信号 しんごう が別々 べつべつ のポートから出力 しゅつりょく され、外部 がいぶ のRFアダプタ でそれらを混合 こんごう してテレビに送 おく るようになっている。PAL の場合 ばあい はやや複雑 ふくざつ なYUV信号 しんごう を出力 しゅつりょく し、それをRFアダプタで変調 へんちょう している。
16ビットCPUを採用 さいよう した初 はつ の家庭 かてい 用 よう コンピュータ [ 編集 へんしゅう ]
TI-99/4シリーズは初 はつ の16ビット ・パーソナルコンピュータ である。TI-99/4AのCPU は16ビットのTMS9900 で、3.0MHz で動作 どうさ する。TMS9900はTIのミニコンピュータ TI-990 (英語 えいご 版 ばん ) に基 もと づいた設計 せっけい である。命令 めいれい セット は豊富 ほうふ で、個々 ここ の命令 めいれい は高機能 こうきのう でサイズも様々 さまざま で、アドレッシングモード も豊富 ほうふ である。TMS9900にはIBM System/370 にも見 み られたEXECUTE命令 めいれい があり、命令 めいれい のオペランド で指定 してい されるアドレスにある命令 めいれい を実行 じっこう できる。
基本 きほん 的 てき にはCISC だが、RISC を思 おも わせる特徴 とくちょう として「ワークスペース」の概念 がいねん がある。チップ上 じょう には、プログラムカウンタ 、ステータスレジスタ 、ワークスペースポインタの3つのレジスタ しかなく、全 すべ ての他 ほか のレジスタはワークスペースポインタが指 さ すRAM 上 うえ に置 お かれている。ワークスペースには16本 ほん のレジスタがあり、コンテキストスイッチ 時 とき にはワークスペースポインタを書 か き換 か えるだけでよい。TI-99/4 (A)がCPU RAMとして持 も つのはたった256バイトの「スクラッチパッド」メモリであり、これがワークスペースとして使 つか われる。16ビットバスに直接 ちょくせつ 接続 せつぞく されていてウェイトなしでアクセスでき、システム内 ない の他 ほか のメモリより高速 こうそく である。
CPUは16ビットだが、16ビットバス上 じょう に直接 ちょくせつ 接続 せつぞく されているのはシステムROMとスクラッチパッドRAMだけである。他 た のメモリと周辺 しゅうへん 機器 きき は16ビット→8ビット のマルチプレクサ を介 かい してCPUに接続 せつぞく するので、あらゆるアクセスに2サイクルかかり、さらに追加 ついか の4サイクルのウェイト状態 じょうたい が必要 ひつよう になっている。システムROMにピギーバック 方式 ほうしき でSRAM を追加 ついか することでメモリを拡張 かくちょう するという改造 かいぞう がよく行 おこな われた。これにより多 おお くのアプリケーションで30%ほど性能 せいのう が向上 こうじょう したという。
当時 とうじ の多 おお くのマシンと同様 どうよう 、TI-99シリーズもVDP (ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)に画面 がめん 表示 ひょうじ を任 まか せていた。TI-99/4のVDPはTMS9918 である。これにはビットマップモードがなく、TI-99/4Aで追加 ついか された。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 内 ない のTI-99/4AのVDPはTMS9918Aであり、MSX でも使 つか われた。欧州 おうしゅう 向 む けのPAL 仕様 しよう のマシンではTMS9929Aが使 つか われている。
これらVDPのユニークな機能 きのう として、他 た のビデオ信号 しんごう 上 じょう にグラフィックスをスーパーインポーズする機能 きのう をハードウェアでサポートしていた。VDPシステムへのアクセスは常 つね に8ビット単位 たんい である。このため性能 せいのう が制限 せいげん される反面 はんめん 、VDPのアップグレードも容易 ようい になった。ヤマハ がTMS9918と上位 じょうい 互換 ごかん のV9938 をリリースしており、これを利用 りよう して80桁 けた 表示 ひょうじ を行 おこな う拡張 かくちょう カードがMechatronicsなどからリリースされている。これを使 つか うと512×424ピクセルで16色 しょく か、256×424ピクセルで256色 しょく のグラフィック表示 ひょうじ が可能 かのう となる。このカードは VDP RAM を16Kバイトから最大 さいだい 192Kバイトに拡張 かくちょう するが、V9938向 む けに書 か かれたソフトウェアでないとその利点 りてん を生 い かせない。
TI-99/4シリーズの独特 どくとく なアーキテクチャは、このマシン向 む けに開発 かいはつ されていた8ビットプロセッサ9985の失敗 しっぱい に起因 きいん するとされている。9985開発 かいはつ が中止 ちゅうし されたとき、16ビットの9900を代替 だいたい として採用 さいよう したため、既存 きそん のシステム設計 せっけい に9900に適合 てきごう させるのに苦労 くろう し、9900の良 よ さを生 い かすような変更 へんこう がなされなかった。
「プラグアンドプレイ」ハードウェアサポート [ 編集 へんしゅう ]
HexBus にデイジーチェーン接続 せつぞく される周辺 しゅうへん 機器 きき 群 ぐん
TI-99シリーズのマシンは、初期 しょき のTI-99/4からリリースされなかったTI-99/2やTI-99/8まで、全 ぜん 周辺 しゅうへん 機器 きき の「プラグアンドプレイ」をサポートしていた。デバイスドライバ ("Device Service Routines"、DSRと呼称 こしょう )は各 かく 機器 きき のROMに組 く み込 こ まれており、新 あら たなカードを挿入 そうにゅう すると即座 そくざ に使 つか えるようになる。あらゆるデバイスはファイル型 がた のI/O機構 きこう を採用 さいよう しており、それを使 つか う側 がわ のソフトウェアを更新 こうしん しなくとも新 あら たな周辺 しゅうへん 機器 きき を使 つか うことが可能 かのう である。CRU (Communications Register Unit) は4096のデバイスを扱 あつか えるが、TI製 せい の拡張 かくちょう カードはそれぞれCRUバス上 じょう の固定 こてい アドレスを使 つか っており、同 おな じ種類 しゅるい のカードを同 どう 一 いち システム内 ない で使 つか うには何 なん らかの細工 ざいく を必要 ひつよう とした。細工 ざいく なしで複 ふく 数 すう 枚 まい 使 つか えるカードとしてはRS-232カードがあり、2つのベースアドレスを切 き り替 か えることができた。このためRS-232ポートを4つ、パラレルプリンターポートを2つ持 も つことができた。
Hexbus インタフェース は1982年 ねん に設計 せっけい され、1983年 ねん 後半 こうはん に一般 いっぱん にリリースされる予定 よてい だった。これは周辺 しゅうへん 機器 きき を高速 こうそく シリアルリンクで接続 せつぞく するものである。後 ご のUSB にも似 に ているが、実際 じっさい にリリースされることはなく、一部 いちぶ のコレクターがTIが撤退 てったい した後 のち でプロトタイプ品 ひん を入手 にゅうしゅ しただけである。Hexbus仕様 しよう の周辺 しゅうへん 機器 きき がいくつか計画 けいかく され生産 せいさん されている。WaferTape装置 そうち はテープの信頼 しんらい 性 せい 問題 もんだい があるためプロトタイプの域 いき を脱 だっ していなかった。両面 りょうめん 倍 ばい 密 みつ 5.25インチFDDはちゃんと動作 どうさ していたが、やはりプロトタイプ止 ど まりだった[2] [3] 。Hexbusは TI CC-40 というバッテリ駆動 くどう の携帯 けいたい 型 がた コンピュータにも採用 さいよう されており、CC-40向 む けにHexbus対応 たいおう の周辺 しゅうへん 機器 きき がいくつか出荷 しゅっか された。
CPU RAMとスクラッチパッド [ 編集 へんしゅう ]
TI製 せい ミニコンピュータを起源 きげん とするTMS9900シリーズのアーキテクチャでは、「ワークスペース」と呼 よ ばれるレジスタ群 ぐん がメインメモリ上 じょう に置 お かれる。1980年代 ねんだい 初 はじ めごろにはSRAMも高価 こうか だったので、TI-99/4Aはワークスペース用 よう にたった256バイトの「スクラッチパッド」RAMしか装備 そうび しなかった。
本来 ほんらい はCPU内部 ないぶ に256バイトのRAMを実装 じっそう することを意図 いと していたが、9900はレジスタとして外部 がいぶ メモリを必要 ひつよう とする形 かたち になった。いずれにしてもスクラッチパッドRAMがなければ性能 せいのう は大幅 おおはば に低下 ていか していた。一部 いちぶ のソフトウェアは小 ちい さいループをスクラッチパッドRAMにコピーし、高速 こうそく 化 か を図 はか っている。
VDP RAMとGraphics Programming Language [ 編集 へんしゅう ]
マシンはシステムRAMとして256バイトしかアクセスできないため、TIの技術 ぎじゅつ 者 しゃ はTI-99/4AのグラフィックコプロセッサTMS9918A に別途 べっと 記憶 きおく 領域 りょういき として16KバイトのVDP RAMを持 も たせた。VDP RAMはDRAM であり、VDPがリフレッシュを行 おこな う。
VDP RAM は一時 いちじ 的 てき にユーザが作成 さくせい したBASIC プログラムのコードとデータを格納 かくのう するのにも用 もち いられた。BASICはTI-99シリーズではインタプリタ言語 げんご Graphics Programming Language (GPL ) を使 つか って実装 じっそう されている。GPLインタプリタはROM内 ない にあり、電源 でんげん が入 はい るとまずGPLインタプリタに制御 せいぎょ が渡 わた る。GPLはTI-990シリーズ(ミニコンピュータ)の機械 きかい 語 ご によく似 に たコードであり、TI-99/4Aのアーキテクチャに合 あ わせていろいろなタイプのメモリに統合 とうごう 的 てき にアクセスする機能 きのう やメモリコピーやディスプレイのフォーマットなどの機能 きのう を持 も っていた。BASICプログラムを書 か くとそのコードとデータはVDP RAM上 じょう の空 あ き領域 りょういき に置 お かれ、実行 じっこう 時 じ にはGPLインタプリタがそれにアクセスして解釈 かいしゃく する。従 したが って、TI BASICではVDP RAMをフルに使用 しよう する表示 ひょうじ モードを使 つか えない。拡張 かくちょう メモリを追加 ついか した場合 ばあい 、VDP RAMの代 か わりにそちらを使用 しよう する拡張 かくちょう BASICにアップグレードする必要 ひつよう があった。
同 おな じ VDP TMS9918 がMSX やコレコビジョン のマシンでも使 つか われていた。V9938やV9958はTMS9918の機能 きのう や仕様 しよう を包含 ほうがん する形 かたち でヤマハ が設計 せっけい 、製造 せいぞう している。TI-99/4Aの基板 きばん はVDPを置 お き換 か えることを考慮 こうりょ した設計 せっけい になっており、それによってグラフィック能力 のうりょく を向上 こうじょう させることができる。V9938では、512×424ピクセルで16色 しょく 表示 ひょうじ または256×256ピクセルで256色 しょく 表示 ひょうじ が可能 かのう 。単 たん にチップを置 お き換 か えればアップグレード可能 かのう というわけではなく、VDPと通常 つうじょう 128Kバイトの VDP RAM を搭載 とうさい したドーターボードを必要 ひつよう とする。これらのVDPはソフトウェア的 てき にはほぼ互換 ごかん だが、ROM内 ない のバグが非 ひ 互換 ごかん を発生 はっせい させているという問題 もんだい がある。例 たと えば、Mechatronic製 せい の80桁 けた 表示 ひょうじ カードはV9938を使 つか っており、TI BASIC に入 はい る際 さい にあるボタンを押 お す必要 ひつよう があった。こういった80桁 けた 表示 ひょうじ カードは広 ひろ く使 つか われていた。
Graphics Read-Only Memory (GROM) はもう1つのメモリで、専用 せんよう メモリポート経由 けいゆ で1バイトずつアクセスされ、自動的 じどうてき にアドレスをひとつずつずらして読 よ むデバイスとみなされる。TI製 せい カートリッジの多 おお く(Disk Manager 2、Editor/Assembler、TI Writer、多 おお くのゲーム)が本体 ほんたい 内蔵 ないぞう のTI-BASICと同様 どうよう にこのシステムを利用 りよう している。本体 ほんたい 内 ない のTI-BASICのGROMを好 す きなROMカートリッジのGROMと入 い れ替 か えると、そのカートリッジのソフトウェアをブート時 じ のメニューから直接 ちょくせつ 選択 せんたく できる。
BASICのプログラムはVDP RAMやGROMに置 お けるが、機械 きかい 語 ご のプログラムはCPUが直接 ちょくせつ アドレス指定 してい できる空間 くうかん に置 お く必要 ひつよう がある。このため機械 きかい 語 ご プログラムを作 つく るならRAMを拡張 かくちょう する必要 ひつよう があった。32Kバイトの拡張 かくちょう RAMカードと4Kバイトの「ミニメモリ」モジュールの価格 かかく が下 さ がったことでこの制限 せいげん は緩和 かんわ されたが、そのころには市場 いちば は他 た のコンピュータが主導 しゅどう するようになっていた。
一部 いちぶ の洗練 せんれん されたカートリッジ(ゲームのParsecやAlpiner、TI LOGO、TI拡張 かくちょう BASIC)にはGROMではなくアドレス指定 してい 可能 かのう なROMが搭載 とうさい されており、機械 きかい 語 ご コードを使 つか って高速 こうそく 化 か していた。一般 いっぱん にカートリッジ内 ない のGROM用 よう ICは14ピンで、アドレス指定 してい 可能 かのう ROMのICは28ピンだった。一部 いちぶ カートリッジは小 しょう 容量 ようりょう のRAMも搭載 とうさい していた。このようなメモリの制限 せいげん を解決 かいけつ する技法 ぎほう として、本体 ほんたい 脇 わき の周辺 しゅうへん 機器 きき をデイジーチェーン接続 せつぞく するポートに接続 せつぞく する形 かたち のROMカートリッジを作 つく った企業 きぎょう もある[4] 。
バスが16ビットから8ビットに変換 へんかん されているために性能 せいのう が抑 おさ えられていること、BASICが2段階 だんかい のインタプリタになっていることから、TI-99シリーズは極 きわ めて癖 くせ のあるマシンという噂 うわさ がたち、一部 いちぶ に熱狂 ねっきょう 的 てき なファンを生 う んだ。TI BASICしか使 つか ったことのない人 ひと にはその性能 せいのう が低 ひく いことは感 かん じられていたが、アセンブリ言語 げんご のプログラムは高速 こうそく で動作 どうさ した。
1979年 ねん に登場 とうじょう したTI-99/4(本体 ほんたい のほかにRFアダプタ 、音声 おんせい 合成 ごうせい モジュール、キーボード用 よう オーバーレイシート 、カートリッジ)
当初 とうしょ TI-99/4Aは成功 せいこう し、一時 いちじ はホームコンピュータ市場 いちば の35%のシェアを獲得 かくとく した。しかし、コモドール との価格 かかく 競争 きょうそう が始 はじ まり、対抗 たいこう するために価格 かかく を下 さ げることを余儀 よぎ なくされた。1982年 ねん 8月 がつ 、TIは100ドルのキャッシュバックキャンペーンを展開 てんかい し、ビル・コスビー は「コンピュータを売 う るのは簡単 かんたん さ。買 か う人 ひと に100ドルずつ配 くば ればいい」と揶揄 やゆ した。
TI-99/4AはVIC-20 に比 くら べて製造 せいぞう コストが高 たか いにもかかわらず、同 おな じ値段 ねだん で競争 きょうそう することを余儀 よぎ なくされた。TIもコモドールも自前 じまえ のIC 工場 こうじょう を持 も っていたが、コモドールがカスタムICを作 つく ってコスト削減 さくげん に努 つと めたのに対 たい し、TIは市販 しはん 品 ひん を使 つか い続 つづ け、マザーボードにもほとんど変更 へんこう を加 くわ えなかった。またコモドールはボ ぼ ール紙 るがみ をアルミホイルで覆 おお ったものを電磁波 でんじは シールドに使 つか ってコスト削減 さくげん していた[5] 。TIはそのような動 うご きに追随 ついずい しようとせず、高 こう 品質 ひんしつ の部品 ぶひん を使 つか い続 つづ け、市場 いちば がその違 ちが いを理解 りかい してくれることを期待 きたい した。
1983年 ねん 2月 がつ 、TIは価格 かかく を150ドルに下 さ げ、赤字 あかじ 覚悟 かくご でマシンを売 う り続 つづ けた。そして1983年 ねん 6月 がつ 、TIは新 あら たに設計 せっけい した廉価 れんか 版 ばん (外観 がいかん がベージュ色 しょく )をやはり赤字 あかじ 覚悟 かくご で99ドルで販売 はんばい した。TIは1983年 ねん 第 だい 2四半期 しはんき に1億 おく ドルの損失 そんしつ を計上 けいじょう し、第 だい 3四半期 しはんき に3.3億 おく ドルの損失 そんしつ を計上 けいじょう した。1983年 ねん 10月 がつ 、TIはホームコンピュータ市場 いちば から撤退 てったい することを発表 はっぴょう した。
1984年 ねん 3月 がつ に出荷 しゅっか 停止 ていし となるまでにTI-99/4Aは累計 るいけい 280万 まん 台 だい 出荷 しゅっか された。
TI-99/4Aはコモドール のVIC-20 に比 くら べてメモリも多 おお くグラフィックも進 すす んでいたし、ある意味 いみ ではコモドール64 に比較 ひかく しても遜色 そんしょく なかった。しかし、その設計 せっけい には批判 ひはん が多 おお かった。例 たと えば、(高価 こうか で重 おも い周辺 しゅうへん 拡張 かくちょう ボックスを買 か わない限 かぎ り)全 すべ ての周辺 しゅうへん 装置 そうち は本体 ほんたい の右側 みぎがわ に数珠 じゅず つなぎに接続 せつぞく されるため、テープ装置 そうち やプリンタなどいろいろな周辺 しゅうへん 機器 きき を揃 そろ えると机 つくえ の上 うえ に置 お けなくなってしまった。また、48キーのキーボード配列 はいれつ も一般 いっぱん 的 てき なものではなかった。80桁 けた 表示 ひょうじ のオプションも当時 とうじ は存在 そんざい しなかった。これらキーボードとディスプレイの制限 せいげん により、ワードプロセッサ としてもほとんど使 つか われなかった。
しかし、99/4Aの最 もっと も大 おお きな問題 もんだい 点 てん はソフトウェアライブラリの制限 せいげん だった。TIはソフトウェアとハードウェアの製品 せいひん 化 か に制限 せいげん を加 くわ えたため、ソフトウェアは300タイトルに止 と まり、少数 しょうすう のヒットタイトルは当時 とうじ 他 た のマシンでも動作 どうさ していた。"Editor/Assembler" でアセンブリ言語 げんご 開発 かいはつ スイートが1981年 ねん にリリースされるまで、技術 ぎじゅつ 文書 ぶんしょ も全 まった く公開 こうかい されず、詳細 しょうさい な仕様 しよう が公開 こうかい されたのはTIが市場 いちば から撤退 てったい した後 のち のことだった。これとは対照 たいしょう 的 てき にVIC-20向 む けのハードウェアおよびソフトウェア開発 かいはつ は完全 かんぜん のオープンだった。コモドールはマニュアルにシステムの回路 かいろ 略図 りゃくず を掲載 けいさい し、一連 いちれん のプログラマ向 む け書籍 しょせき を出版 しゅっぱん し、誰 だれ でも周辺 しゅうへん 機器 きき やソフトウェアを開発 かいはつ できる環境 かんきょう を整 ととの えた。VIC-20では700タイトル以上 いじょう のソフトウェアがリリースされている。
TI-99/4Aは市場 いちば から無 な くなった後 のち も熱狂 ねっきょう 的 てき 信者 しんじゃ に支 ささ えられてきた。2004年 ねん にもPEB向 む けにUSB カードとIDE ハードディスク 用 よう ATA コントローラがリリースされている。また、Chicago TI Fair が毎年 まいとし 開催 かいさい されている。また、エミュレータ もいくつか存在 そんざい する。
TI-99/4Aと関係 かんけい の深 ふか い携帯 けいたい 型 がた コンピュータTI CC-40 が1983年 ねん 3月 がつ にリリースされている。バッテリ駆動 くどう で、液晶 えきしょう ディスプレイを備 そな え、別 べつ バージョンのTI BASICが動作 どうさ する。またHexBusを採用 さいよう しており、周辺 しゅうへん 機器 きき をTI-99/4Aに流用 りゅうよう 可能 かのう だった。
市場 いちば 撤退 てったい したころ、TIはTI-99/4Aの後継 こうけい 機種 きしゅ を2つ開発 かいはつ 中 ちゅう だった。どちらも生産 せいさん されなかったが、いくつかのプロトタイプがコレクターの手 て に渡 わた っている。TMS9900の後継 こうけい であるTMS9995をCPUに採用 さいよう しているため高速 こうそく 化 か されていて、HexBusを採用 さいよう している。
TI-99/2 - 低 てい 価格 かかく なモノクロ表示 ひょうじ でサウンド機能 きのう のない機種 きしゅ 。シンクレア ZX81 などを思 おも い起 お こさせる。
TI-99/8 - 上位 じょうい 後継 こうけい 機 き で、キーボードが大 おお きくなり、RAMは標準 ひょうじゅん 64Kバイトで最大 さいだい 15メガバイト まで拡張 かくちょう 可能 かのう 。音声 おんせい 合成 ごうせい 機能 きのう 、UCSD Pascal の環境 かんきょう を内蔵 ないぞう し、16ビットバスが直接 ちょくせつ 拡張 かくちょう ポートに出 で ている。プロトタイプがいくつか現存 げんそん しており、コレクター間 あいだ でかなり高額 こうがく で取引 とりひき されている。
ぴゅう太 ふとし - 1982年 ねん に日本 にっぽん の玩具 おもちゃ メーカートミー が発売 はつばい 。アーキテクチャとファームウェアはTI-99/8によく似 に ているが、主 しゅ 記憶 きおく はVDP RAM兼用 けんよう でTI-99/4Aに近 ちか い。海外 かいがい では Tomy Tutor の名 な で発売 はつばい したが、日本 にっぽん 以外 いがい ではほとんど売 う れなかった。
Myarc Geneve 9640 - 1987年 ねん にリリースされたPEB用 よう 拡張 かくちょう カードの形 かたち でTI-99/4Aを拡張 かくちょう するクローン。IBM PC/XTのキーボードを流用 りゅうよう 可能 かのう 。TI-99/8 によく似 に ている。プロセッサは12MHzのTMS9995で、V9938で80桁 けた 表示 ひょうじ が可能 かのう であり、16ビットバスでRAMを接続 せつぞく している。OSは独自 どくじ のMDOS (Myarc Disk Operating System) で、TI-99/4A向 む けソフトウェアとハードウェアの多 おお くをそのまま使 つか える。PEBにトグルスイッチを追加 ついか して、オリジナルと同 おな じ性能 せいのう になるようウェイトを入 い れることもできる。
Phoenix G2 - イギリスのユーザーグループの1人 ひとり Gary Smithが2010年 ねん に設計 せっけい 。Myarc Geneve 9640とTMS9995マイクロプロセッサを2個 こ のFPGA でエミュレートすることで、既 すで に製造 せいぞう されていないICの在庫 ざいこ 品 ひん に頼 たよ らないようにしている。また、SDカードリーダ、イーサネット、VGA出力 しゅつりょく 、64MBメモリなど新 あたら しい技術 ぎじゅつ を取 と り入 い れている。
CPU: TI TMS9900 3.0MHz。16ビット
メモリ: 16KバイトVDP RAM (標準 ひょうじゅん のアップグレードではないが、V9938を使 つか えば192Kバイトまで拡張 かくちょう 可能 かのう )、256バイト CPU「スクラッチパッド」RAM(TMS9900のレジスタが置 お かれるワークスペース用 よう )。また、8Kバイトまたは32KバイトのRAMと Editor/Assember GROMを搭載 とうさい したカートリッジがある。
キーボード: フルキーボード 。TI-99/4では電卓 でんたく 型 かた キーボードだった。
ビデオ制御 せいぎょ : TI TMS9918A VDP(TI-99/4では TMS9918、PAL版 ばん ではTMS9929/9929A)
テキストモード: 40文字 もじ ×24行 ぎょう (256個 こ の6×8のユーザー定義 ていぎ 文字 もじ 、スプライト不可 ふか 、背景 はいけい 色 しょく と文字 もじ 色 しょく の2色 しょく のみ、BASICからはアクセス不可 ふか )
グラフィックモード: 32文字 もじ ×24行 ぎょう の文字 もじ (256個 こ の8×8のユーザー定義 ていぎ 文字 もじ 、15色 しょく +透明 とうめい 色 しょく だが配置 はいち に制限 せいげん あり)と32個 こ のスプライト(BASICではこのモードのみ使用 しよう 可能 かのう 。スプライトを使 つか うには拡張 かくちょう BASICが必要 ひつよう で、28個 こ までしか使 つか えない)
ビットマップモード: 256×192ピクセル(16色 しょく だが、横 よこ 8ピクセル内 ない は2色 しょく のみ。32個 こ のスプライトが可能 かのう だが、メモリレイアウトの関係 かんけい でROMの割 わ り込 こ みルーチンによる自動 じどう 動作 どうさ は不可 ふか 。BASICでは不可 ふか 。初期 しょき の9918でも不可 ふか )。あまりメモリを使 つか わない「ハーフビットマップ」モードと呼 よ ばれるモード群 ぐん もあり、色 いろ の配置 はいち はビットマップモード並 な みである(これらのモードはVDPの説明 せつめい 書 しょ にはないが、ビットマップモードを単 たん に賢 かしこ く活用 かつよう したものである)。
マルチカラーモード: 64×48ピクセル(各 かく ピクセルに任意 にんい の色 いろ を配置 はいち 可能 かのう 、32個 こ のスプライトが可能 かのう )
これらのモードは36のレイヤーを使 つか っている。ビデオ・オーバーレイ入力 にゅうりょく のレイヤー、背景 はいけい 色 しょく のレイヤー、2つのグラフィックモードレイヤー、32個 こ のスプライト用 よう レイヤーである。より高 たか いレイヤーが透明 とうめい でない限 かぎ り、下位 かい のレイヤーを隠蔽 いんぺい する処理 しょり がハードウェアで行 おこな われる。
16色 しょく (うち1色 しょく は透明 とうめい )
32個 こ の単色 たんしょく スプライト 。レイヤーを指定 してい でき、高 こう レイヤーのスプライトは低 てい レイヤーのスプライトの上 うえ を通過 つうか できる。8×8ピクセルと16×16ピクセルがあり、2倍 ばい に拡大 かくだい 表示 ひょうじ する機能 きのう もある。衝突 しょうとつ 判定 はんてい 機能 きのう もある。ROM内 ない の割 わ り込 こ みルーチンでスプライトを自動的 じどうてき に動 うご かす機能 きのう がある。水平 すいへい 方向 ほうこう に4つより多 おお くのスプライトを表示 ひょうじ できない。
サウンド: TI TMS9919。後 のち にSN94624が使 つか われている(他 た のシステムでよく使 つか われたSN76489 と同一 どういつ )。
3和音 わおん +1ノイズ(ホワイトノイズまたは周期 しゅうき 的 てき ノイズ)
和音 わおん は110Hz へるつ から115Hz へるつ の矩形 くけい 波 は
脚注 きゃくちゅう ・出典 しゅってん [ 編集 へんしゅう ]
エミュレータ
音楽 おんがく
シンガーソングライターのオーウェン・ブランドがシカゴTIフェアのために作曲 さっきょく した歌 うた があり 動画 どうが になっている。