(Translated by https://www.hiragana.jp/)
Unified Diagnostic Services - Wikipedia コンテンツにスキップ

Unified Diagnostic Services

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

Unified Diagnostic Services(UDS)はISO 14229-1[1]さだめられるカーエレクトロニクスないECU環境かんきょうにおける診断しんだん通信つうしんプロトコル。ISO 14230-3(KWP2000)および現在げんざい廃止はいしされているISO 15765-3(DoCAN[2]もとづく。この文脈ぶんみゃく統一とういつされるということは、国際こくさい規格きかくであり、企業きぎょう固有こゆう規格きかくではないことを意味いみする。いまでは、この通信つうしんプロトコルは、OEMティア1サプライヤによって製造せいぞうされたすべてのあたらしいECUで使用しようされていて、AUTOSARなどのほか規格きかくまれている。最新さいしん車両しゃりょうのECUは、電子でんし燃料ねんりょう噴射ふんしゃ(EFI)、エンジン制御せいぎょ、トランスミッション、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)、ドアロック、ブレーキ、まど操作そうさなどをふくむほぼすべての機能きのう制御せいぎょする。

診断しんだんツールは、UDSサービスが有効ゆうこうになっている車両しゃりょうけられているすべてのECUに接続せつぞくできる。OSIモデルだい1そうおよびだい2そうのみを使用しようするCANバスプロトコルとは対照たいしょうてきに、UDSはOSIモデルのだい5そうおよびだい7そう利用りようする。サービスID(SID)とサービスに関連かんれんするパラメーターは、メッセージフレームの8データバイトにふくまれている。

最近さいきん自動車じどうしゃは、車外しゃがい診断しんだんよう診断しんだんインターフェースをゆうしており、これは、テスターとばれるコンピュータ(クライアント)または診断しんだんツールを自動車じどうしゃ通信つうしんシステムに接続せつぞくすることを可能かのうにする。したがって、UDS要求ようきゅうは、応答おうとう(ポジティブまたはネガティブ)を提供ていきょうする必要ひつようがあるコントローラに送信そうしんできる。これにより、個々ここのECUのメモリー障害しょうがい調しらべたり、それらをあたらしいファームウェアに更新こうしんしたり、ハードウェアとていレベルで相互そうご作用さようしたり(れい特定とくてい出力しゅつりょくをオンまたはオフにするなど)、特別とくべつ機能きのう(ルーチン)を利用りようして、ECUの環境かんきょう動作どうさ条件じょうけん理解りかいし、障害しょうがいやそののぞましくない動作どうさ診断しんだんしたりすることができる。

サービス

[編集へんしゅう]
  • SID (Service Identifier)
  • DID (Data Identifier)
  • $xx は16進数しんすう xx をあらわす。
機能きのうグループ 要求ようきゅう   SID 応答おうとう   SID サービス 説明せつめい
診断しんだん通信つうしん管理かんり $10 $50 Diagnostic Session Control UDSはことなるオペレーティングセッションを使用しようするが、これは "Diagnostic Session Control" を使用しようして変更へんこうできる。どのセッションがアクティブかによって、ことなるサービスを利用りようできる。起動きどうには、ECUはデフォルトで「デフォルトセッション」になる。のセッションも定義ていぎされているが、デバイスの種類しゅるいによっては実装じっそうする必要ひつようはない。
  • 「プログラミングセッション」はソフトをリプログラミング(UDS経由けいゆ不揮発ふきはつメモリをえ)するために使用しようする。
  • 拡張かくちょう診断しんだんセッション」は、センサーの調整ちょうせいなど、追加ついか診断しんだん機能きのうのロックを解除かいじょするために使用しようする。
  • 安全あんぜんシステム診断しんだんセッション」は、エアバッグテストなど、安全あんぜんじょう重要じゅうようなすべての診断しんだん機能きのうをテストするために使用しようする。

さらに、完成かんせいしゃメーカーおよび自動車じどうしゃサプライヤーの特定とくてい用途ようとのために定義ていぎすることができる予約よやくされたセッション識別子しきべつしがある。

$11 $51 ECU Reset サービス「ECU Reset」は、ECUをさい起動きどうするために使用しようされる。ECUのハードウェアと実装じっそうおうじて、ことなる形式けいしきのリセットを使用しようできる:
  • 「Hard Reset」は、電源でんげんのシャットダウンをシミュレートする。
  • 「key off on Reset」は、ドレインをシミュレートし、キーでイグニッションをオンにする。
  • 「Soft Reset」は、特定とくていのプログラムユニットとそのストレージ構造こうぞう初期しょきできる。

かえすが、車両しゃりょうメーカーと車両しゃりょうサプライヤの特定とくてい用途ようとのために定義ていぎできる予約よやくがある。

$27 $67 Security Access セキュリティチェックはもっともセキュリティが重要じゅうようなサービスを有効ゆうこうにするために利用りようできる。この目的もくてきのために、ECUは「シード」を生成せいせいしてクライアントに送信そうしんする。この「シード」から、クライアントは「キー」を計算けいさんし、それをECUにおくかえしてセキュリティが重要じゅうようなサービスのロックを解除かいじょする必要ひつようがある。
$28 $68 Communication Control このサービスでは、メッセージの送受信そうじゅしんをコントロールユニットでオフにすることができる。
$29 $69 Authentication 規格きかく更新こうしん(2020)により、このサービスが追加ついかされ、PKIベースの証明しょうめいしょ交換こうかんによる双方向そうほうこう認証にんしょうなど、セキュリティアクセス(0x27)サービスで許可きょかされているよりもあたらしい認証にんしょう方法ほうほうへの標準ひょうじゅんされたアプローチが提供ていきょうされる。
$3E $7E Tester Present 長時間ちょうじかんクライアントと通信つうしんがない場合ばあい、ECUは自動的じどうてき現在げんざいのセッションを終了しゅうりょうして「デフォルトセッション」にもどり、さらにスリープモードにはい可能かのうせいがある。そのため、クライアントがまだ存在そんざいしていることをデバイスにらせるために "Tester Present" を送信そうしんする。
$83 $C3 Access Timing Parameters コントローラとクライアントあいだ通信つうしんでは、特定とくてい時間じかん監視かんしする必要ひつようがある。これらのえると、メッセージが送信そうしんされずに、接続せつぞく中断ちゅうだんされたとなされる。これらの時間じかんして変更へんこうできる。
$84 $C4 Secured Data Transmission
$85 $C5 Control DTC Settings 一部いちぶまたはすべてのエラーの検出けんしゅつ有効ゆうこうまたは無効むこうにする。これは、車両しゃりょうない診断しんだん作業さぎょうおこな場合ばあい重要じゅうようであり、個々ここのデバイスの異常いじょう動作どうさこす可能かのうせいがある。
$86 $C6 Response On Event
$87 $C7 Link Control 診断しんだんアクセスのボーレートを設定せっていするには、Service Link Controlを使用しようする。通常つうじょう中央ちゅうおうゲートウェイでのみ実装じっそうされる。
データ転送てんそう $22 $62 Read Data By Identifier このサービスでは、ECUの1つ以上いじょう検索けんさくすることができる。これは、部品ぶひん番号ばんごうやソフトウェアバージョンなど、あらゆる種類しゅるい情報じょうほうながさのことなる情報じょうほうせる。センサーの現在げんざい状態じょうたいなどの動的どうてき照会しょうかいできる。かくは、0〜65535($0〜$FFFF)のDID(Data Identifier)がてられている。通常つうじょうのCAN信号しんごうは、いくつかのECUがその機能きのう使用しようする情報じょうほう送受信そうじゅしんする。一方いっぽう、DIDデータは要求ようきゅうがあったときの応答おうとうとしてのみ送信そうしんされる。ECUが使用しようする情報じょうほうではないが、サービスツールやソフトウェアテスターが恩恵おんけいける。
$23 $63 Read Memory By Address 指定していされたアドレスの物理ぶつりメモリからデータをる。この関数かんすうは、ソフトウェアの内部ないぶ動作どうさるために、テストツールで使用しようできる。
$24 $64 Read Scaling Data By Identifier
$2A $6A Read Data By Identifier Periodic このサービスでは、ECUから定期ていきてき送信そうしんされる。送信そうしんするは、「Dynamically Define Data Identifier」のみを使用しようして定義ていぎする必要ひつようがある。
$2C $6C Dynamically Define Data Identifier このサービスでは、データID(DID)プールを修正しゅうせいしてべつのDIDを設定せっていする可能かのうせい提供ていきょうする。これは通常つうじょうことなるDIDの部分ぶぶんわせ、またはたん完全かんぜんなDIDの連結れんけつとなる。

要求ようきゅうされたデータは、つぎ方法ほうほう構成こうせいまたはグループできる。

  • ソースDID、位置いちながさ(バイト単位たんい)、サブファンクションバイト:defineByIdentifier
  • メモリアドレスちょう(バイト単位たんい)、サブファンクションバイト:defineByMemoryAddress
  • 複数ふくすう要求ようきゅうによる上記じょうき2つのメソッドのわせ。
$2E $6E Write Data By Identifier おなじデータID(DID)を使用しようして、変更へんこうすることもできる。DIDにつづけて更新こうしん一緒いっしょ送信そうしんする。
$3D $7D Write Memory By Address 「Write Memory By Address」サービスにより、外部がいぶ診断しんだんツールは、1つまたは複数ふくすう連続れんぞくしたメモリ位置いちでECUに情報じょうほうむことができる。
格納かくのうデータ転送てんそう $14 $54 Clear Diagnostic Information 保存ほぞんされているすべてのDTCを削除さくじょする。
$19 $59 Read DTC Information DTC は "Diagnostic Trouble Codes" のりゃく。ECU障害しょうがいによってハンドルされたかくDTCは、エラーメモリにそれ自身じしんのコードととも保存ほぞんされ、いつでもることができる。エラーにくわえて、追加ついか情報じょうほう保存ほぞんされ、これもることができる。
I/O コントロール $2F $6F Input Output Control By Identifier このサービスでは、診断しんだんインターフェイスをかいした内部ないぶ/外部がいぶ信号しんごうたいする外部がいぶシステムの介入かいにゅう可能かのうです。

いわゆるオプション・バイトを指定していすることで、要求ようきゅう追加ついか条件じょうけん指定していできる。つぎ指定していされる。

ReturnControlToECU:デバイスは、指定していされた信号しんごう制御せいぎょもど必要ひつようがある。

ResetToDefault:システム全体ぜんたいのデフォルトへのリセットをうながす。

現在げんざい状態じょうたいをフリーズ:デバイスは現在げんざい信号しんごうをフリーズする必要ひつようがある。

ShortTermAdjustment:デバイスは、信号しんごう指定していされた使用しようする必要ひつようがある。

ルーチンのリモート起動きどう $31 $71 Routine Control すべての種類しゅるいのコントロールサービスルーチンサービスを実行じっこうできる。3つのことなるメッセージタイプがある:
  • startメッセージを使用しようして、サービスを開始かいしできる。実行じっこう開始かいし確認かくにんしたり、サービスが完了かんりょうしたときに通知つうちするように定義ていぎできる。
  • Stopメッセージを使用しようすると、実行じっこうちゅうのサービスをいつでも中断ちゅうだんできる。
  • requestRoutineResultsメッセージは、サービスの結果けっか照会しょうかいする。

startおよびstopメッセージパラメーターを指定していできる。これにより、あらゆるプロジェクト固有こゆうのサービスを実装じっそうできる。

アップロード・ダウンロード $34 $74 Request Download あたらしいソフトウェアやそののデータをコントロールユニットにダウンロードするには、「ダウンロードのリクエスト」を使用しようする。ここでは、データの位置いちとサイズを指定していする。つぎに、コントローラは、データパケットのサイズを指定していする。
$35 $75 Request Upload サービス「要求ようきゅうアップロード」は、サービス「ダウンロードのリクエスト」とほとんどおなじでする。ほんサービスでは、コントロールユニットからのソフトウェアをテスタに転送てんそうする。場所ばしょとサイズを指定していする必要ひつようがある。この場合ばあいも、データブロックのサイズはテスタによって指定していされる。
$36 $76 Transfer Data 実際じっさいのデータの送信そうしんには、サービス"Transfer Data"データの転送てんそう」が使用しようされる。このサービスは、データのアップロードとダウンロードの両方りょうほう使用しようされる。転送てんそう指示しじは、あらかじめサービス"Download Request"または"Request Upload"から通知つうちされる。このサービスは、以前いぜんのサービスで指定していされた最大さいだいちょうでパケットを送信そうしんする。データセットが最大さいだいよりおおきい場合ばあいは、"Transfer Data"「データの転送てんそう」サービスをすうかいつづけて使用しようする必要ひつようがある。
$37 $77 Request Transfer Exit "Transfer Exit"サービスを利用りようすると、データ伝送でんそうを'completed' することができる。ほんサービスは、コントロールユニットとテスタの比較ひかく使用しようする。制御せいぎょユニットは、動作どうさちゅうに、この要求ようきゅうたいして否定ひていてき応答おうとうしてデータ転送てんそう要求ようきゅう停止ていしすることができる。これは、データりょう(「リクエストのアップロード」または「ダウンロードのリクエスト」に設定せってい)が転送てんそうされていない場合ばあい使用しようされる。
$38 $78 Request File Transfer このサービスは、クライアントからサーバーへのファイルのダウンロード、またはサーバーからクライアントへのアップロードを開始かいしするために使用しようされる。このサービスでは、ファイルシステムにかんする追加ついか情報じょうほう利用りようできる。
$7F Negative Response この応答おうとうは、サービス要求ようきゅう実行じっこうできなかった場合ばあいあたえられる。(たとえば、サポートしていないDIDがあるひとし。)実行じっこうできなかった SID と、Negative Response Code (NRC) の情報じょうほう同時どうじおくる。

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]