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VoLTE

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

VoLTE英語えいご: Voice over LTE, Voice over Long Term Evolution、ヴォイス・オーバー・LTE(ロング・ターム・エボリューション)、ヴォルテ、ボルテ)とは、携帯けいたい電話でんわ利用りようされるタ通信たつうしん技術ぎじゅつおよ通信つうしん技術ぎじゅつ規格きかく名称めいしょうである。

LTEあみ高速こうそくパケット交換こうかん可能かのうであるが、音声おんせい通話つうわのための回線かいせん交換こうかん想定そうていしていない。そこで、IP電話でんわのように音声おんせいおよびビデオ通信つうしんをデータ(パケット)としてあつかい、LTEもう音声おんせい通話つうわおよびビデオ通信つうしん実現じつげんするための技術ぎじゅつとしてGSMA標準ひょうじゅんすすめられている[1]のがVoLTEである。インターネットを経由けいゆする一般いっぱんてきVoIPではQoS保証ほしょうがなく遅延ちえん発生はっせいしやすいが、VoLTEではQoS保証ほしょうによる優先ゆうせん制御せいぎょ遅延ちえんおさえている。また、広帯域こうたいいき音声おんせいコーデックの採用さいようによって従来じゅうらいだい3世代せだい移動いどう通信つうしんシステム上回うわまわ通話つうわ品質ひんしつられる[2]

概要がいよう

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VoLTEは、IPマルチメディアサブシステムでLTEが音声おんせいあつかえるようにするためGSMAが規格きかく文書ぶんしょPRD IR.92で定義ていぎした手法しゅほうである[3]

VoLTEの特徴とくちょう以下いかとおりである。

  • LTEデータベアラない音声おんせいサービス(コントロールプレーン、メディアプレーン)をデータフローとして転送てんそうできる。これにより、従来じゅうらい回線かいせん交換こうかんもう依存いぞんする必要ひつようがなくなる。
  • 3G UMTSの3ばい以上いじょう、2G GSMの6ばい以上いじょうのデータ容量ようりょうゆうする。またVoLTEパケットのヘッダは通常つうじょうのVoIP/LTEのヘッダよりちいさいため、帯域たいいきはば有効ゆうこう活用かつようできる[4]
  • あたらしいコーデックAMR-WBEVS)の採用さいようにより音声おんせい品質ひんしつ向上こうじょうする。
  • 通話つうわちゅう高速こうそくLTEタ通信たつうしん可能かのう

携帯けいたい電話でんわ事業じぎょうしゃまたいだ高音こうおんしつ通話つうわには事業じぎょうしゃあいだのIP回線かいせんじょうでの相互そうご接続せつぞく必要ひつようとなる。なお、発信はっしんあるいは着信ちゃくしん片側かたがわのみがVoLTE対応たいおうしていた場合ばあいやIP回線かいせんじょうでの相互そうご接続せつぞくがないほか事業じぎょうしゃあいだであっても、電話機でんわきから基地きちきょく契約けいやく事業じぎょうしゃまでの音声おんせい通信つうしんはVoLTEで接続せつぞくされ、高音こうおんしつ通話つうわ以外いがい部分ぶぶんはつ着信ちゃくしん高速こうそく通話つうわちゅうのLTEタ通信たつうしんなど)においてVoLTEのメリットを享受きょうじゅできる[5]。また、PHS、固定こてい電話でんわ相手あいてなど、それまで携帯けいたい電話でんわがわのコーデック(EVRC-BAMR-NBなど)が音質おんしつボトルネックになっていた場合ばあいは、そのぶん音質おんしつ改善かいぜん期待きたいできる。

国際こくさいローミングなかのVoLTE利用りようについても携帯けいたい電話でんわ事業じぎょうしゃあいだ接続せつぞく協定きょうてい必要ひつようとなり、徐々じょじょすすめられている。

日本にっぽんでのサービス

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日本にっぽんでは、NTTドコモが2014ねん6がつ24にちから[6]KDDI沖縄おきなわセルラー電話でんわ連合れんごうかくau)が同年どうねん12がつ12にちから[7]ソフトバンクモバイル同年どうねん12がつ19にちから[8]、それぞれVoLTEサービスを開始かいししている。いずれもVoLTEのみとしては「ボルテ」を使用しようしている[9][10][11]

各社かくしゃとも音声おんせいコーデックとしてAMR-WBのみ対応たいおうしていたが、ドコモやソフトバンクはさらに高音こうおんしつEVSコーデックにも対応たいおうしたVoLTE(HD+)を提供ていきょう開始かいししている[9][12]

auはこれを端末たんまつやSIMカードからPLMNにいたるまでVoLTE専用せんようのネットワークを構築こうちくし、CDMA2000からVoLTEに方向ほうこうおおきくかじをきった。

ソフトバンクでは当初とうしょLTEエリアないからの発信はっしんであっても、110ばん通報つうほうなどの緊急きんきゅう通報つうほうよう電話でんわ番号ばんごうかんしては3Gにフォールバックされて発信はっしんされる仕様しよう[13]だったが、2017ねん2がつ1にちまでにVoLTEのまま発信はっしんされるように改善かいぜんされている[14]

事業じぎょうしゃまた高音こうおんしつ通話つうわについてはながらく実現じつげんしていなかったが、IP回線かいせんSIP処理しょりできる交換こうかん開発かいはつなどをて、2018ねん10月のNTTドコモ - ソフトバンクあいだ皮切かわきりに順次じゅんじ相互そうご接続せつぞくすすめられている[15][16]

また、NTT東西とうざい地域ちいき会社かいしゃ公衆こうしゅう交換こうかん電話でんわもう2024ねん1がつからIP方式ほうしきによる相互そうご接続せつぞく開始かいししている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Voice and Video calls over LTE
  2. ^ ASCII.jp:ドコモではじまるVoLTEってなに? それってメリットあるの?(2/2)”. ASCII.jp (2014ねん5がつ16にち). 2014ねん12月26にち閲覧えつらん
  3. ^ Nick Russell (3 March 2013). “Official Document IR.92 - IMS Profile for Voice and SMS” (PDF). GSMA. 14 September 2014閲覧えつらん
  4. ^ Elkin, Ed (10 April 2014). “The Secret Value of VoLTE”. TMCnet. http://blog.tmcnet.com/next-generation-communications/2014/04/the-secret-value-of-volte.html 14 September 2014閲覧えつらん 
  5. ^ 音質おんしつ向上こうじょう通話つうわしながらサクサク通信つうしん「VoLTE」、ドコモが6がつまつ
  6. ^ 国内こくないはつ、VoLTEの提供ていきょう開始かいし”. NTTドコモ (2014ねん6がつ18にち). 2015ねん2がつ15にち閲覧えつらん
  7. ^ 次世代じせだい音声おんせい通話つうわサービス「au VoLTE」の提供ていきょう開始かいしについて”. KDDI (2014ねん10がつ27にち). 2015ねん2がつ15にち閲覧えつらん
  8. ^ 「VoLTE」による音声おんせい通話つうわサービスの開始かいしについて”. ソフトバンクモバイル (2014ねん12月12にち). 2015ねん2がつ15にち閲覧えつらん
  9. ^ a b VoLTE/VoLTE(HD+)”. NTTドコモ. 2022ねん7がつ4にち閲覧えつらん
  10. ^ au VoLTE(ボルテ)”. au. KDDI. 2022ねん7がつ4にち閲覧えつらん
  11. ^ 用語ようごしゅう]VoLTEとはなにですか?”. ソフトバンク. 2022ねん7がつ4にち閲覧えつらん
  12. ^ VoLTE/VoLTE(HD+)”. ソフトバンク. 2022ねん7がつ4にち閲覧えつらん
  13. ^ 「VoLTE」オプション提供ていきょう条件じょうけんしょ”. SBパートナーズ (2016ねん12月2にち). 2017ねん3がつ31にち閲覧えつらん
  14. ^ 「VoLTE」オプション提供ていきょう条件じょうけんしょ”. ソフトバンク (2017ねん2がつ1にち). 2017ねん3がつ31にち閲覧えつらん
  15. ^ キャリアとのVoLTE通話つうわ、ドコモ、ソフトバンクは10がつから順次じゅんじ開始かいし - ケータイ Watch”. インプレス (2018ねん12月10にち). 2019ねん4がつ25にち閲覧えつらん
  16. ^ テクニカル・ジャーナル Vol.26 No.3” (PDF). NTTドコモ (2018ねん11月). 2019ねん4がつ25にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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