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露地(ロジ)とは？ 意味や使い方 - コトバンク

露地ろじ（読よみ）ロジ

デジタル大辞泉だいじせん 「露地ろじ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

ろ‐じ〔‐ヂ｜‐ぢ〕【露地ろじ／路地ろじ／露ろ路ろ】

１ （露地ろじ）屋根やねなどがなく雨露うろがじかに当あたる土地とち。「―栽培さいばい」
２ （路地ろじ・露ろ路ろ）建物たてものと建物たてものとの間あいだの狭せまい道みち。
３ （路地ろじ・露ろ路ろ）門もん内ないや庭にわ内ないの通路つうろ。
４ （露地ろじ・路地ろじ）草庵そうあん式しき茶室ちゃしつに付属ふぞくした庭にわ。腰掛こしかけ・石いし灯籠どうろういしどうろう・飛とび石いし・蹲踞そんきょつくばいなどを配はいし、多おおくは外そと露地ろじと内うち露地ろじとに分わけられる。茶庭ちゃてい。
[補ほ説せつ]書名しょめい別項べっこう。→路地ろじ
[類語るいご]（1）屋外おくがい・場外じょうがい・野外やがい・戸外こがい・野天のてん・露天ろてん・外そと・表ひょうおもて・室外しつがい・青空あおぞら・窓まど外がいそうがい・アウトドア／（2）小道こみち・細道ほそみち・小径しょうけい・小路こうじ

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精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「露地ろじ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご

ろ‐じ‥ヂ【露地ろじ・露ろ路ろ・路地ろじ】

  1. 〘 名詞めいし 〙
  2. ① ( 露地ろじ ) おおうものの何なにもないむきだしの土地とち。屋根やねなどのない土地とち。地面じめん。地上ちじょう。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「樹木きき漸すすむ切きり掃、墳墓ふんぼ作さく露地ろじ」(出典しゅってん：東南とうなん院いん文書ぶんしょ‐三さんノ四よん・天徳てんとく三さん年ねん（959）一いち二に月がつ二に六ろく日にち・太政官だじょうかん牒)
    2. [その他たの文献ぶんけん]〔法華経ほけきょう‐譬喩ひゆ品ひん〕
  3. ② 屋敷やしきや寺てらなどの庭にわ内ないや門もん内ないの通路つうろ。〔日にち葡辞書しょ（1603‐04）〕
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「ろじの戸とをほとほとと叩たたく」(出典しゅってん：仮名かめい草子ぞうし・竹たけ斎とき（1621‐23）上じょう)
  4. ③ 町中まちなかの、家いえと家いえの間あいだの狭せまい道みち。また、切きり見世みせなどの細ほそい通路つうろ。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「路地ろじ(ロヂ)〈略りゃく〉隣となり堺さかいの蔵くらのわきは皆みな路地ろじなり」(出典しゅってん：俳諧はいかい・類るい船せん集しゅう（1676）呂りょ)
  5. ④ 茶室ちゃしつに付属ふぞくする庭にわのこと。腰掛こしかけ、石いし灯籠どうろう、飛石とびいし、蹲踞そんきょ(つくばい)などが配はいされ、多おおくは、露地ろじ門もんによって内うち露地ろじと外そと露地ろじとに分わけた二に重じゅう露地ろじになっている。露地ろじ庭にわ。茶庭ちゃてい。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「路みちぢに水みず打うちたる」(出典しゅってん：仮名かめい草子ぞうし・犬いぬ枕まくら（1606頃ごろ）)
  6. ⑤ ( 露地ろじ ) 仏語ふつご。三界さんがいの火宅かたくを離はなれ安やすらぎを得えた境さかいをたとえていう語かたり。煩悩ぼんのうを離脱りだつした境界きょうかい。「法華経ほけきょう‐譬喩ひゆ品ひん」に説とく燃もえさかる家いえから逃のがれた長者ちょうじゃの子こどもたちが露地ろじで大白たいはく牛車うしぐるまをもらうというたとえによる。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「三界さんがいの火宅かたくを出ででさせ給きゅうて、四よん衢道のなかの露地ろじにおはしまし」(出典しゅってん：栄花物語えいがものがたり（1028‐92頃ごろ）花山はなやまたづぬる中納言ちゅうなごん)
    2. [その他たの文献ぶんけん]〔華厳けごん五教ごきょう章あきら‐一いち〕
  7. ⑥ 王土おうど。国土こくど。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「只ただ偏へん奉たてまつレ祈いのり二に朝家ちょうか之の安全あんぜん一いち、為ためレ添二に露地ろじ之の潤色じゅんしょく一いち也」(出典しゅってん：東大寺とうだいじ続ぞく要録ようろく（1281‐1300頃ごろ）諸しょ院いん篇へん)

ろう‐じ‥ヂ【露地ろじ・露ろ路ろ・路地ろじ】

  1. 〘 名詞めいし 〙 ( 「ろじ（露地ろじ）」の変化へんかした語かたり )
  2. ① 茶道さどうで、茶室ちゃしつに付属ふぞくする庭にわをいう。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「せはしない・ろうじ四よんツ切きり花ばな三さんツ」(出典しゅってん：雑俳ざっぱい・笠付かさづけ類題るいだい集しゅう（1834）)
  3. ② 京都きょうとで、庭園ていえんのこと。〔男おとこ重宝ちょうほう記き（元祿げんろく六ろく年ねん）（1693）〕
  4. ③ 家いえと家いえの間あいだの狭せまい通路つうろ。裏長屋うらながやなどの狭せまい通路つうろ。また、その裏長屋うらながや。大阪おおさかでいう。
    1. [初出しょしゅつの実例じつれい]「露ろ路ろ(ロウヂ) ろぢ也」(出典しゅってん：浪花なにわ聞書ききがき（1819頃ごろ）)

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日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「露地ろじ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

露地ろじ
ろじ

路地ろじとも書かき、「ろうじ」とも発音はつおんする。家いえと家いえとの間あいだに挟はさまれた細長ほそながい道みち、あるいは屋根やねのない土地とちのことなどをいう。都市としにおいては路地ろじを開通かいつうさせることにより街まち区内くない部ぶの空閑地くうかんちの高密度こうみつどな利用りようが図はかられてきた。一方いっぽう、茶ちゃの湯ゆにおける庭にわも露地ろじ（路地ろじ）とよばれる。山上やまかみ宗二そうじ(やまのうえのそうじ)が伝つたえる初期しょきの茶室ちゃしつ古いにしえ図ず（紹鴎(じょうおう)四畳半よじょうはん図ず）には「脇わき(わき)ノ坪ノ内つぼのうち」と「面めん坪つぼ(おもてつぼ)ノ内ない」がついていた。後者こうしゃは室内しつないへの採光さいこうや通風つうふう、「中立ちゅうりつ(なかだち)」のために必要ひつような庭にわであり、前者ぜんしゃは茶室ちゃしつへの通路つうろであった。露地ろじは、茶ちゃの湯ゆの環境かんきょうを「市中しちゅうの山居さんきょ」といわれるような別天地べってんちに形成けいせいするための結果けっかとしての役割やくわりを負おっている。そのため、庭園ていえん的てきな広ひろがりをもつようになっても苑えん路ろ(えんろ)であることを主体しゅたいとし、「道みちすがら」を意味いみする「路次ろじ」に発はっすることばでよばれる。苑えん路ろの途中とちゅうには潜もぐりの形式けいしきの門もんが反復はんぷくして設もうけられ、飛石とびいし(とびいし)や延のべ段だん(のべだん)によって躙口にじりぐち(にじりぐち)まで導みちびかれる。樹き間あいだには石いし灯籠どうろう(いしどうろう)が低ひくく据すえられ、茶室ちゃしつの近ちかくには蹲踞そんきょ(つくばい)が据すえられる。

［日向ひなた　進すすむ］

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ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてん 「露地ろじ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

露地ろじ
ろじ

一般いっぱんには屋根やねなどのおおいのない地ち，地面じめん，地上ちじょうのこと。門もん内ないや庭先にわさきの道みち，家いえの間あいだの狭せまい道みち。路地ろじ，露ろ路ろ，廬いおり路ろとも書かく。特とくに茶道さどうでは千利休せんのりきゅうが茶庭ちゃていを露地ろじと呼よんだ。「三界さんがいの火宅かたくを出でで露地ろじに坐まします」の仏語ふつごからとった呼称こしょう。山寺やまでらや深山みやまの自然しぜんを写うつす心持こころもちで，待合まちあいや腰掛こしかけ，雪隠せっちん (せっちん) ，蹲踞そんきょ (つくばい) ，飛とび石いしなどを設もうける。内うちと外そとの別べつがある露地ろじでは中ちゅう潜せん (なかくぐり) を設もうけ，樹木じゅもくは花はなものを避さけ常磐木ときわぎを主おもとする。茶会ちゃかいのとき，主あるじ (あるじ) の迎むかえで客きゃくが順じゅんに露地ろじ草履ぞうり，露地ろじ下駄げたをはいて飛とび石いし伝づたいに蹲踞そんきょに行いき，手水ちょうずを使つかい，茶室ちゃしつの上あがり口ぐちに進すすむことを露地ろじ入いりという。

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百科ひゃっか事典じてんマイペディア 「露地ろじ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

露地ろじ【ろじ】

一般いっぱんにおおいのない地面じめん，通路つうろ等とうをいうが，特とくに茶道さどうで茶室ちゃしつに通つうずる道みちおよび庭にわをさし，茶庭ちゃていともいう。飛石とびいしや蹲踞そんきょ(つくばい)，石組いしぐみや植込うえこみなどの配置はいちは土地とちの広ひろさと周囲しゅういの状況じょうきょう，設計せっけい者しゃの好このみなどにより種々しゅじゅに変化へんかするが，千利休せんのりきゅう以来いらい奥山おくやまの小道こみちの深遠しんえんな情趣じょうしゅを表現ひょうげんするのが理想りそうとされている。
→関連かんれん項目こうもく庭園ていえん

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家いえとインテリアの用語ようごがわかる辞典じてん 「露地ろじ」の解説かいせつ

ろじ【露地ろじ／露ろ路ろ】

➀屋根やねなどのおおいがなく露出ろしゅつした地面じめん。
➁建物たてものと建物たてものに挟はさまれた狭せまい通路つうろ。
➂茶室ちゃしつに付属ふぞくして設もうける庭にわ。ふつう内うち露地ろじと外そと露地ろじからなり、飛とび石いし・つくばい・石いし灯籠どうろうなどを配置はいちする。◇「茶庭ちゃてい(ちゃてい／ちゃにわ)」ともいう。また、特とくに草庵そうあん茶室ちゃしつに付属ふぞくするものをいうこともある。

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