今いまの世界せかいを映うつし出だす「舞台ぶたい・エヴァンゲリオン ビヨンド」開幕かいまく、窪田くぼた正ただし孝こうら思おもいを込こめて

「舞台ぶたい・エヴァンゲリオン ビヨンド」が、5月6日にちに東京とうきょう・THEATER MILANO-Zaで開幕かいまくした。

THEATER MILANO-Zaのこけら落おとし公演こうえんとなる「舞台ぶたい・エヴァンゲリオン ビヨンド」は、「エヴァンゲリオン」シリーズ発はつの新あらたなエンタテインメント作品さくひん。原案げんあん・構成こうせい・演出えんしゅつ・振付ふりつけをシディ・ラルビ・シェルカウイが手てがけ、窪田くぼた正ただし孝こうが渡守わたしもりソウシ役やくで主演しゅえんを担になう。このほか、ソウシの元もと恋人こいびとで特務とくむ機関きかんの女性じょせい・霧生きりゅうイオリ役やくの石橋いしばし静しず河かわ、特務とくむ機関きかんメンシュの最高さいこう司令しれい官かん・叶かのうサネユキ役やくの田中たなか哲司てつし、そして板垣いたがき瑞みずほ生せい、永田ながた崇たかし人じん、坂ノ上さかのかみ茜あかね、村田むらた寛ひろし奈、宮下みやした今日子きょうこらが出演しゅつえんしている。

開幕かいまくに際さいし、ラルビは「『エヴァンゲリオン』を舞台ぶたい化かするというのは、まさに道徳どうとく観かんや価値かち観かんと向むき合あい『なにが正ただしくて大切たいせつなのか』を問といかけることだと考かんがえています。今回こんかいの舞台ぶたい化かでは、原作げんさくのアニメーション作品さくひんと同様どうようにエヴァンゲリオンにパイロットたちが搭乗とうじょうして使徒しとと戦たたかいますが、私わたしたちの物語ものがたりは別べつの道みちへ向むかって行いきます。アニメと同おなじものを映うつし出だすわけではありません。これは、今いまの世界せかいを映うつし出だす鏡かがみなのです」と述のべ、「伝つたえたいのは『今いま、我々われわれがどう生いきているか』ということ。ご覧らんになったあとは、ぜひ皆みなさんで語かたり合あっていただけたらと思おもいます」と期待きたいを込こめた。

窪田くぼたは「今いまの大人おとなたちは子供こどもたちへバトンを渡わたすことができるのか。『舞台ぶたい・エヴァンゲリオン ビヨンド』はとても現代げんだい的てきなテーマが込こめられた作品さくひんだと解釈かいしゃくしています。渡守わたしもりの生いき方かたは自分じぶんの心しんを代弁だいべんしてくれている気きがして、舞台ぶたいはそれをストレートに表現ひょうげんできる場所ばしょでもありました。デジタルが加速かそくしてすべてが映像えいぞうやインターネットに代かわっていく時代じだいだけど、あえてそこに抗あらがい、今いま『エヴァ』を演劇えんげきでやる意味いみはあると、僕ぼくは思おもっています」と語かたり、「先入観せんにゅうかんを捨すて、目めの前まえで起おきることを自然しぜんな感覚かんかくで捉とらえていただけたら幸さいわいです」と観客かんきゃくへ呼よびかける。

石橋いしばしは「この作品さくひんではヒエラルキーの頂点ちょうてんには叶かのうが、その下したにイオリ、そして子供こどもたちがいる。そんな男性だんせい社会しゃかいの中なかで、人ひとには制御せいぎょしきれないエネルギーを使つかう弊害へいがいが描えがかれるなど、とても今いまにリンクした作品さくひんになっています」、田中たなかは「叶かのうが手てをのばすもの、僕ぼくはそこに原発げんぱつをイメージします。今いまはしのげていても明確めいかくな未来みらいは見みえない。暮くらしは豊ゆたかになったけど、電力でんりょくが供給きょうきゅうされ続つづけなければその豊ゆたかさは維持いじできない。もうあとには引ひけない、だから科学かがく者しゃとして突つき進すすむしかない。叶かのうの姿すがたには、今いまの世界せかいが如実にょじつに反映はんえいされていると感かんじています」とコメントした。

上演じょうえん時間じかんは休憩きゅうけい含ふくむ約やく2時じ間あいだ35分ふん。東京とうきょう公演こうえんは5月28日にちまで行おこなわれ、そのあと6月がつ3・4日にちに長野ながの・まつもと市民しみん芸術げいじゅつ館かん、10日とおかから19日にちまで大阪おおさか・森ノ宮もりのみやピロティホールで上演じょうえんされる。

シディ・ラルビ・シェルカウイ コメント

「エヴァンゲリオン」を舞台ぶたい化かするというのは、まさに道徳どうとく観かんや価値かち観かんと向むき合あい「なにが正ただしくて大切たいせつなのか」を問といかけることだと考かんがえています。今回こんかいの舞台ぶたい化かでは、「エヴァンゲリオン」という神話しんわを使つかいながら、同時どうじに新あらたな物語ものがたりを立たち上あげます。原作げんさくのアニメーション作品さくひんと同様どうようにエヴァンゲリオンにパイロットたちが搭乗とうじょうして使徒しとと戦たたかいますが、私わたしたちの物語ものがたりは別べつの道みちへ向むかって行いきます。原作げんさくの原理げんりや本質ほんしつを反映はんえいしていますが、私わたしたち独自どくじのやり方かたでそれを表現ひょうげんしています。ただアニメと同おなじものを映うつし出だすわけではありません。これは、今いまの世界せかいを映うつし出だす鏡かがみなのです。ですから「舞台ぶたい・エヴァンゲリオン ビヨンド」は、ある意味いみで「エヴァンゲリオン」とは違ちがうことを目指めざしています。そこで伝つたえたいのは「今いま、我々われわれがどう生いきているか」ということ。ご覧らんになったあとは、ぜひ皆みなさんで語かたり合あっていただけたらと思おもいます。この作品さくひんを見みてどのように感かんじたか、そして自分じぶんの仕事しごとや人生じんせいについてどう考かんがえるか。そんな会話かいわが生うまれるのを楽たのしみにしています。

窪田くぼた正ただし孝こう コメント

今いまの大人おとなたちは子供こどもたちへバトンを渡わたすことができるのか。「舞台ぶたい・エヴァンゲリオン ビヨンド」はとても現代げんだい的てきなテーマが込こめられた作品さくひんだと僕ぼく自身じしん解釈かいしゃくしています。渡守わたしもりの生いき方かたは自分じぶんの心しんを代弁だいべんしてくれている気きがして、舞台ぶたいはそれをストレートに表現ひょうげんできる場所ばしょでもありました。デジタルが加速かそくしてすべてが映像えいぞうやインターネットに代かわっていく時代じだいだけど、あえてそこに抗あらがい、今いま「エヴァ」を演劇えんげきでやる意味いみはあると、僕ぼくは思おもっています。正直しょうじき、情報じょうほうに埋うめ尽つくされすぎて心しんに余白よはくのある人ひとが以前いぜんより少すくなくなった気きがしています。

だからこそこの作品さくひんに僕ぼくは余白よはくを作つくりたいし、観みてくださる方ほうの、なにかきっかけになればと思おもっています。先入観せんにゅうかんを捨すて、目めの前まえで起おきることを自然しぜんな感覚かんかくで捉とらえていただけたら幸さいわいです。

石橋いしばし静しず河かわ コメント

ラルビさんといつかお仕事しごとがしたいと思おもっていたのが10年ねんくらい前まえのこと。ダンスを志こころざす者ものとしていつかご一緒いっしょしたいと思おもっていましたが、踊おどりを離はなれてお芝居しばいの世界せかいに入はいって。思おもっていた通とおりにではないけれど、確実かくじつに夢ゆめが叶かなったことに不思議ふしぎな感覚かんかくを覚おぼえます。

この作品さくひんではヒエラルキーの頂点ちょうてんには叶かのうが、その下したにイオリ、そして子供こどもたちがいる。そんな男性だんせい社会しゃかいの中なかで、人ひとには制御せいぎょしきれないエネルギーを使つかう弊害へいがいが描えがかれるなど、とても今いまにリンクした作品さくひんになっています。だからこそ表面ひょうめん的てきな設定せっていや世界せかい観かんだけでなく、この作品さくひんの真髄しんずいをご覧らんになる方々かたがたへ伝つたえたいと思おもっています。

田中たなか哲司てつし コメント

今回こんかいの話はなしを聞きいたとき、よく「エヴァンゲリオン」の舞台ぶたい化かを決意けついされたなと思おもいました。でも2018年ねんに「プルートゥ PLUTO」を観みて、作品さくひんをまとめ上あげる力量りきりょうに感嘆かんたんしたので、ラルビさんの演出えんしゅつならば、そこに身みを委ゆだねてみたいと思おもいました。実際じっさいに稽古けいこが始はじまってみて感かんじるのは、この作品さくひんの根底こんていにあるのは人間にんげんの力ちからであり、そこに「エヴァンゲリオン」を演劇えんげきにする意味いみが詰つまっているということです。

叶かのうが手てをのばすもの、僕ぼくはそこに原発げんぱつをイメージします。今いまはしのげていても明確めいかくな未来みらいは見みえない。暮くらしは豊ゆたかになったけど、電力でんりょくが供給きょうきゅうされ続つづけなければその豊ゆたかさは維持いじできない。もうあとには引ひけない、だから科学かがく者しゃとして突つき進すすむしかない。叶かのうの姿すがたには、今いまの世界せかいが如実にょじつに反映はんえいされていると感かんじています。