中学受験とは子どもの何を伸ばし、何を学ぶ経験なのか
中学受験のプロセスで得られる3つのスキル/中学受験はすべての子に向いているわけではない。回避すべきタイプも
- 南雲ゆりか
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都市部では中学受験ブームが続いています。「小学生が遊びの時間を削ってまで頑張ったところで、希望する学校に受かる保証もなければ、最終学歴でもない。あえてしなくてもいい割に過酷で負荷の高い挑戦なのに、なぜみんな頑張るの?」と不思議に感じる低学年親も少なくないのでは。高学年になると多くの親子が中学受験にまい進するのはなぜでしょう。志望校に合格すること以外に何が得られることを期待しているのでしょうか。中学受験国語の専門教室、南雲国語教室を主宰する南雲ゆりかさんに話を聞きました。
【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 自走力つく「宿題サポート」 ほめ言葉より大事な問いかけとは
(2) 中学受験とは子どもの何を伸ばし、何を学ぶ経験なのか ←今回はココ
(3) 低学年の子どもが勉強嫌いになる「親の言動ワースト4」
(4) 言いなりママ 要望に応えるたびに子どもの自立は1日遅くなる
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中学受験塾は習い事の1つ
遊びたい気持ちを我慢し、毎日何時間も勉強して頑張っても第1志望に受かる子は4人に1人ともいわれる中学受験。小学生には過酷すぎる挑戦とも思えますし、サポートする親の負荷は金銭的にも時間的にも感情的にも高いですが、あえて選択する家庭が多いのはなぜなのでしょう。
「中学受験は確かに大変です。でもうまく受験勉強を進めることができれば、合格以外にも得られるものが多くあります。勉強を進める中で、そこに価値を見い出し、大変でも続けようと思っている家庭も多いのではないでしょうか」。このように話すのは、中学受験国語の専門教室、南雲国語教室を主宰する南雲ゆりかさんです。南雲さんは公立小学校教諭を経て、大手進学塾で国語科専任講師を務めた経験があり、さらにご自身も2人の娘を中学受験させた経験もあります。
「子どもにピアノを習わせる親は、必ずしも将来ピアニストになってほしいと思っているわけではないですよね。要はピアノを習う過程での成長を期待しているのだと思いますが、受験もそれと同じで、中学受験塾も習い事の1つと考えれば、合格以外の価値が見えてきます。志望校合格という目標がかなえばベストですが、そうでなかったとしても、勉強のプロセスで、現代社会を生き抜く上で重要となるスキルを身に付けたり、学校の勉強だけでは得られないさまざまな経験を通じて学んだりして、子どもは大きく成長していきます」
とはいえ、成長を手にするためには、やり方も大事で、そこを間違えるとダメージも大きいと南雲さん。さらに、ピアノや水泳といった習い事にそれぞれ向き不向きがあるのと同じように、中学受験にも向き不向きがあるのだそう。
中学受験とは子どもの何を伸ばし、何を学ぶ経験なのか。そして中学受験への向き不向きはどう判断したらよいのか。詳しく聞いていきます。
この記事で読める内容
・受験勉強で補える学力の基盤とは
・低学年時代には想像がつかない高学年での成長
・中学受験が向かない子は3タイプ。それぞれの特徴は