【コラム】城じょう彰二しょうじ

シュートは素晴すばらしかったが大胆だいたんな動うごき影かげを潜ひそめていた…

[ 2015年ねん9月がつ5日にち 05:30 ]

＜日本にっぽん・カンボジア＞後半こうはん、シュートを外はずし悔くやしがる宇佐美うさみ
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Ｗ杯だぶりゅーはいアジア２次じ予選よせんＥ組ぐみ日本にっぽん３―０カンボジア
（9月がつ3日にち埼玉さいたま）
　本田ほんだのゴールは素晴すばらしかった。相手あいてが守備しゅびを固かためていた後方こうほうから左足ひだりあしでシュートしたが、ボールの芯しんを捉とらえたぶれ球だまで決きめた。本田ほんだらしいシュート。引ひいて守備しゅびを固かためる相手あいてにミドルシュートが有効ゆうこうなのはいわばセオリーだが、この１本ほんで試合しあいの流ながれが変かわり、落おち着ついた。

　ただ、本田ほんだの出来できは本来ほんらいのものではなかった。コンディションもあるのだろうが、右みぎサイドに張はり付ついて動うごきも狭せまく、相手あいてに対たいする怖こわさもなかった。実力じつりょく的てきには攻撃こうげきの軸じくになる選手せんしゅだが、ハリルホジッチ監督かんとくに代かわって多おおくの選手せんしゅを呼よんで試ためしているため、誰だれもポジションが確約かくやくされていない。本田ほんだも真面目まじめな性格せいかくなので、生いき残のころうとするあまり、監督かんとくの指示しじを忠実ちゅうじつに守まもり、大胆だいたんな動うごきが影かげを潜ひそめてしまった。

　チームとしても、選手せんしゅ同士どうしのコミュニケーションも悪わるく、みんなが個人こじんでアピールするだけで一体いったい感かんもなかった。本田ほんだは苦くるしい試合しあいで他たの選手せんしゅを落おち着つかせ、ペースをつくる役やくもできる。次つぎ戦せんへ向むけて、サバイバルの意識いしきを捨すてて、「俺おれが仕切しきる」といういつもの本田ほんだになることが必要ひつようだ。（城じょう彰二しょうじ＝元もと日本にっぽん代表だいひょうＦＷ）

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