鐳

鐳，化學かがく元素げんそ也，符號ふごう為ためRa，原子げんし序じょ八はち十じゅう八はち。位い列れつ主おも族ぞく、屬ぞく族ぞく二に、鹼土金屬きんぞく。純じゅん鐳色銀ぎん白しろ，惟おもんみ處しょ於大おだい氣き，亟合於氮，成なり氮化鐳，乃黑。極ごく易えき衰おとろえ變へん，富とみ放射能ほうしゃのう。同位どうい素もと中なか，最さい穩者鐳二に二に六ろく，歷れき千せん六ろく百ひゃく年ねん而半はん化か為ため氡。衰おとろえ變へん之これ時じ，生せい游ゆう離はなれ輻射ふくしゃ，可か着ちゃく螢光けいこう物ぶつ，成なり輻射ふくしゃ光こう。

一いち八はち九きゅう八はち年ねん，居きょ禮れい伉儷こうれい自じ瀝青れきせい鈾礦得とく氯化鐳，始はじめ知ち其存。俄にわか而發表はっぴょう於法ほう國こく科學かがく院いん。一いち九きゅう一いち一いち年ねん，居きょ禮れい夫人ふじん、德とく貝かい恩おん（André-Louis Debierne）二人ふたり，戮力探究たんきゅう，終おわり以電解でんかい氯化鐳，隔離かくり而得鐳本體たい。

天然てんねん之の中なか，多た雜ざつ於鈾礦、間あいだ雜ざつ於釷礦。蘊藏甚寡，百ひゃく噸とん瀝青れきせい鈾礦，僅鐳十じゅう數すう克かつ。初はつ，以鐳富とみ放射能ほうしゃのう故こ，嘗用諸しょ輻射ふくしゃ生せい光こう。當世とうせい，知ち其放射能ほうしゃのう實じつ為ため劇毒げきどく，獨どく慎まき用よう諸もろ核かく醫學いがく而已，蓋ぶた利り可か治ち癌がん、誤あやま則のり致癌，過か猶なお不ふ及故也。