江戶城えどじょう

江戶城えどじょう
江戸城えどじょう／えどじょう Edo-jō
皇居こうきょ
江戶城えどじょう描繪圖ず
类型	城郭じょうかく構造こうぞう：輪郭りんかく式しき平城ひらじろ或ある平ひらた山城やましろ 天守てんしゅ構造こうぞう：層そう塔とう型がた五重五階加石垣內一階
位置いち	日本にっぽん東京とうきょう都と
坐すわ标	35°41′17.97″N 139°45′15.72″E
建たて成しげる时间	1457年ねん（長祿ちょうろく元年がんねん）
当とう前ぜん用途ようと	現存げんそん遺跡いせき：石垣いしがき、堀ほり、櫓ろ、門もん、土ど壘るい 文化財ぶんかざい指定してい：國家こっか重要じゅうよう文化財ぶんかざい（櫻田門さくらだもん、田安たやす門もん 清水しみず門もん） 重じゅう建けん部分ぶぶん：富士見ふじみ櫓ろ、伏見ふしみ櫓ろ・多聞たもん櫓ろ 櫻田さくらだ巽たつみ櫓ろ、田倉たくら門もん
主要しゅよう維修者しゃ	德川とくがわ家康いえやす、秀忠ひでただ、家光いえみつ（江戶えど時代じだい） 宮みや内省ないせい・宮内廳くないちょう（明治めいじ以來いらい）
主要しゅよう城主じょうしゅ	太田おおた氏し、後こう北條ほうじょう氏し（戰國せんごく時代じだい） 德川とくがわ將軍家しょうぐんけ（江戶えど時代じだい） 天皇てんのう家か（明治めいじ以來いらい）
建造けんぞう者しゃ	太田おおた資長すけなが

江戶城えどじょう（日にち语：江戸城えどじょう／えどじょう ^{edo jō */?}）是ぜ位い於日本にっぽん東京とうきょう都と千代田ちよだ區く千代田ちよだ（古いにしえ武藏むさし國こく豐島としま郡ぐん江戶えど）的てき城しろ堡，別名べつめい為ため江こう城しろ（江こう城しろ／こうじょう ^kōjō）、千代田ちよだ城じょう（千代田ちよだ城じょう／ちよだじょう ^{chiyoda jō}），為ため日本にっぽん規模きぼ最大さいだい的てき城郭じょうかく，周しゅう長ちょう含外郭がいかく約やく4日にち里さと（15.6公里くり）。江戶えど時代じだい的てき統治とうち者しゃ德川とくがわ將軍家しょうぐんけ在ざい此居住きょじゅう歷れき經けい十じゅう五ご代だい，统治二に百ひゃく六ろく十じゅう五ご年ねん，至いたり1868年ねん遷出為ため止どめ。其城址し即そく現今げんこん的てき皇居こうきょ，但ただし使用しよう區域くいき與あずか江戶えど時代じだい有ゆう所しょ不同ふどう。

概略がいりゃく

十じゅう二に世せい纪初，江戶えど是ぜ平安へいあん時代じだい才ざい出現しゅつげん的てき地名ちめい，為ため武藏むさし國こく江戶えど鄉きょう，最さい早出そうしゅつ現在げんざい鐮倉時期じき的てき書籍しょせき《吾妻あづま鏡きょう》，江戶えど意思いし是ぜ江川えがわ（荒川あらかわ）的てき出海でうみ口こう或ある入いり湖こ入いり川口かわぐち。秩父ちちぶ地區ちく秩父ちちぶ氏し（武藏むさし國守こくしゅ代理だいり職しょく河かわ越こし氏し分家ぶんけ，畠山はたけやま氏し的てき分家ぶんけ）的てき分家ぶんけ，秩父ちちぶ重じゅう綱つな之子ゆきこ四朗しろう，在ざい江戶えど櫻田さくらだ築ちく居館きょかん（現在げんざい皇居こうきょ的てき本丸ほんまる、二之にの丸まる範圍はんい），並なみ以地方ちほう為ため「名字みょうじ」，改名かいめい為ため江戶えど重じゅう繼ままし。以地為ため名めい因いん此得名めい「江こう户城」。长禄元年がんねん（1457年ねん），扇谷おうぎや上杉うえすぎ氏し的てき家臣かしん太田おおた道灌どうかん开始修おさむ筑江户城。爾しか后きさき，随ずい着ぎ扇谷おうぎや上杉うえすぎ氏し的てき衰おとろえ落，于16世紀せいき初はつ成なり為ため了りょう後こう北條ほうじょう氏し的てき一座いちざ支ささえ城じょう。城南じょうなん的てき品川しながわ湊みなと自じ古こ為ため武藏むさし國府こくふ的てき外港がいこう港みなと區く，淺草あさくさ的てき江戶えど湊みなと亦また為ため室町むろまち時代じだい武藏むさし國こく知名ちめい的てき港みなと區く（海上かいじょう稱しょう港こう，陸上りくじょう設しつらえ施ほどこせ稱しょう湊みなと）。與あずか神奈川かながわ湊みなと（橫濱よこはま）為ため東京とうきょう灣わん三さん大だい繁榮はんえい港みなと市し，太田おおた道灌どうかん時期じき即そく形成けいせい城下町じょうかまち，有ゆう一定いってい的てき發展はってん。

天正てんしょう十じゅう八はち年ねん（1590年ねん），關白かんぱく豐臣とよとみ秀吉ひでよし藉故討伐とうばつ後ご北條ほうじょう氏し，于小田原おだわら之の战攻おさむ陷おちい小田原おだわら城じょう，沒收ぼっしゅう後こう北條ほうじょう氏し領地りょうち統一とういつ天下でんか，德川とくがわ家康いえやす入にゅう封ふう关东，以江户为居城きょじょう，江こう户城开始繁しげる荣起来らい。庆长6年ねん（1601年ねん）闰11月がつ2日にち江戶えど大火たいか全ぜん城しろ焚毁。庆长八はち年ねん（1603年ねん），家康いえやす在江あるえ户开设了延のべ續ぞく二に百ひゃく多年たねん的てき江こう户幕府ばくふ，著ちょ手しゅ增築ぞうちく江戶城えどじょう，最大さいだい規模きぼ為ため擁よう有ゆう五ご重じゅう六ろく層そう天守てんしゅ。歷れき經けい3次じ修築しゅうちく，最終さいしゅう天守てんしゅ於1657年ねん明あかり曆れき大火たいか中ちゅう燒しょう燬，三さん代だい天守てんしゅ扣除こうじょ中ちゅう間あいだ修築しゅうちく時間じかん，天守てんしゅ總そう共存きょうぞん在ざい僅五十じゅう年ねん不ふ到いた，改あらため由よし富士見ふじみ櫓ろ替がえ代だい，石垣いしがき高だか7間あいだ（實際じっさい11公おおやけ尺じゃく），長ちょう18間あいだ寬ひろし16間あいだ（28m×25m），含石垣いしがき建築けんちく總そう高度こうど22間あいだ半はん（35公おおやけ尺じゃく），矮於大阪おおさか天守てんしゅ與あずか駿府すんぷ天守てんしゅ，因いん位い於大おだい奧おく後方こうほう遂とげ放棄ほうき建築けんちく，但ただし是ぜ經過けいか多た次つぎ大火たいか。現今げんこん有ゆう很多部ぶ份仍然しか未み能のう確定かくてい。从此，作さく为幕府ばくふ將軍しょうぐん的てき居城きょじょう，成なり為ため全國ぜんこく幕政ばくせい中心ちゅうしん，加か上じょう參勤交代さんきんこうたい的てき建立こんりゅう，以整個こ日本にっぽん的てき力量りきりょう發展はってん江戶えど，大量たいりょう不ふ事こと生產せいさん的てき武士ぶし家族かぞく於此繁しげる衍，服務ふくむ武士ぶし階層かいそう的てき商人しょうにん、工匠こうしょう、使役しえき作為さくい町人ちょうにん亦また大量たいりょう湧ゆう入いれ，在ざい江戶えど幕まく府中ふちゅう後期こうき終おわり於趕上じょう京都きょうと、大阪おおさか成なり為ため经济中心ちゅうしん，江こう户城得え到いた很大的てき发展，最さい终形成けいせい了りょう现在的てき东京。江戶えど亦また為ため全ぜん球たま歷史れきし上じょう知名ちめい的てき火災かさい城市じょうし，江戶えど幕府ばくふ267年間ねんかん，包括ほうかつ1601年ねん全ぜん城しろ焚毁的てき大火たいか共ども49次じ，大小だいしょう火災かさい1,798次じ。

明治めいじ元年がんねん（1868年ねん），江戶城えどじょう由ゆかり維新いしん政府せいふ接せっ管かん。3年ねん後ご，天皇てんのう入にゅう住じゅう，江戶城えどじょう成なり為ため天皇てんのう居所きょしょ。1948年ねん更さら名めい為ため皇居こうきょ。部ぶ份城內建築けんちく，如冰川神社じんじゃ以及喜多きた院いん被ひ移うつり往其他た地方ちほう。目前もくぜん被ひ日本にっぽん政府せいふ指定してい为国家こっか的てき「特とく别史迹」。

嘉よしみ永ひさし2年ねん（1849年ねん）配置はいち圖ず
1)本丸ほんまる大奧おおおく2)中奧なかおく3)表ひょう4)二之にの丸まる御殿ごてん5)二之にの丸まる6)紅葉山もみじやま7)西之にしの丸まる8)吹上ふきあげ9)北之きたの丸まる10)三之丸さんのまる11)三之丸さんのまる12)西之にしの丸まる下か（大名だいみょう屋敷やしき地ち）13)大手おおて前まえ（大名だいみょう屋や敷地しきち）14)大名小路だいみょうこうじ（大名だいみょう屋や敷地しきち）

已やめ隱かくれ藏ぞう部分ぶぶん未み翻譯ほんやく内容ないよう，歡迎かんげい參與さんよ翻譯ほんやく。

建築けんちく（日本語にほんご介かい紹）

江戸城えどじょう配置はいち図ず（内郭ないかく）

江戸城えどじょう配置はいち図ず（外郭がいかく）

天守てんしゅ

太田おおた道灌どうかん築城ちくじょう以降いこうの象徴しょうちょう的てき建物たてものは、静しずか勝しょう軒のきという寄よせ棟とう造づくりの多重たじゅうの御殿ごてん建築けんちく（3重じゅうとも）で、江戸えど時代じだいに佐倉さくら城じょうへ銅どう櫓ろとして移築いちくされたが、明治維新めいじいしん後のちに解体かいたいされた。佐倉さくら城じょうの銅どう櫓ろは二に重じゅう櫓ろで2重じゅう目め屋根やねが方形ほうけい造づくりで錣屋根やねのようになっていた。

徳川とくがわ家康いえやすの改築かいちく以降いこう、本丸ほんまるの天守てんしゅは慶長けいちょう度ど（1607年ねん）・元和がんわ度ど（1623年ねん）・寛永かんえい度ど（1638年ねん）と三さん度ど築きずかれている。どの天守てんしゅも鯱しゃちや破風はふの飾かざり板ばんを金かねの延板のべいたで飾かざっていた。

明あかり曆れき3年ねん（1657年ねん）の明あかり曆れき大火たいかにより寛永かんえい度ど天守てんしゅが焼失しょうしつした後のち、直ただちに再建さいけんが計画けいかくされ、現在げんざいも残のこる御影石みかげいしの天守てんしゅ台だいが加賀かが藩主はんしゅの前田まえだ綱紀つなのりによって築きずかれた（高たかさは6間あいだに縮小しゅくしょう）。計画けいかく図ずも作成さくせいされたが、幕まく閣かくの重鎮じゅうちんであった保科ほしな正之まさゆきの「天守てんしゅは織田おだ信長のぶながが岐阜ぎふ城じょうに築きずいたのが始はじまりであって、城しろの守まもりには必要ひつようではない」という意見いけんにより江戸えど市街しがいの復興ふっこうを優先ゆうせんする方針ほうしんとなって中止ちゅうしされた。後のちに新井あらい白石はくせきらにより再建さいけんが計画けいかくされ図面ずめんや模型もけいの作成さくせいも行おこなわれたが、これも実現じつげんしなかった。以後いごは、本丸ほんまるの富士見ふじみ櫓ろを実質じっしつの天守てんしゅとしていた。

また、これ以降いこう諸しょ藩はんでは再建さいけんも含ふくめ天守てんしゅの建造けんぞうを控ひかえるようになり、事実じじつ上じょうの天守てんしゅであっても「御ご三さん階かい櫓ろ」と称しょうするなど遠慮えんりょの姿勢しせいを示しめすようになる。

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  再建さいけん天守てんしゅ計画けいかく図ず（南面なんめん図ず）
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  再建さいけん天守てんしゅ計画けいかく図ず（東ひがし・西にし面めん図ず）
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  天守てんしゅの代用だいようとされていた富士見ふじみ櫓ろ

慶長けいちょう度ど天守てんしゅ

天守てんしゅ台だいは白しろい御影石みかげいしが用もちいられ（『慶長けいちょう見聞けんぶん集しゅう』）、1606年ねん（慶長けいちょう11年ねん）にまず自然しぜん石せき6間あいだ、切石きりいし2間あいだの高たかさ8間あいだの天守てんしゅ台だいが黒田くろだ長政ながまさによって築きずかれた。翌よく慶長けいちょう12年ねんに、自然しぜん石せきと切石きりいしの間あいだに自然しぜん石せき2間あいだが追加ついかされ高たかさ10間あいだ、20間あいだ四方しほうとなる（『当代とうだい記き』）。位置いちは現在げんざいの本丸ほんまる中央西ちゅうおうにし寄よせにあり、天守てんしゅ台だいとその北面ほくめんに接せっする小しょう天守てんしゅ台だい、本丸ほんまる西にし面めんの石垣いしがきと西側にしがわ二に重じゅう櫓ろをつなぐようにして天守てんしゅ曲きょく輪わがあった（『慶長けいちょう江戸えど絵図えず』）。ただし当時とうじの本丸ほんまるは現在げんざいの南側みなみがわ3分ぶんの2程度ていどであったため、当時とうじの地勢ちせいでは北西ほくせいにあることになる。

天守てんしゅは同年どうねん中ちゅうに竣工しゅんこうし、1階かい平面へいめんの規模きぼは柱はしら間あいだ（7尺しゃく間あいだ）18間あいだ×16間あいだ、最上階さいじょうかいは7間あいだ5尺しゃく×5間あいだ5尺しゃく、棟むね高だか22間あいだ半はん（『愚ぐ子こ見み記き』）、5重じゅうで鉛なまり瓦葺かわらぶき（『慶長けいちょう見聞けんぶん集しゅう』）もしくは7重じゅう（『毛利もうり三さん代だい実録じつろく考証こうしょう』）、9重じゅう（『日本にっぽん西にし教きょう史し』）ともある。

慶長けいちょう度ど天守てんしゅの復元ふくげん案あんは『中井なかい家か指図さしず』を基もとにした宮上みやうえ茂しげ隆たかしの考証こうしょうによると、天守てんしゅ台だいは駿府すんぷ城じょうや淀よどみ城じょうと同おなじく20間あいだ四方しほう、高たかさ8間あいだの自然しぜん石せきによる広ひろい石垣いしがきの上うえに、それより一いち回まわり小ちいさい天守てんしゅ地階ちかい部ぶとなる高たかさ2間あいだの切石きりいしによる石垣いしがきが載のっている2重じゅう構造こうぞうで、5重じゅう5階かい（地階ちかい1階かいを含ふくめると6階かい）の層そう塔とう型がたとしている。駿府すんぷ城じょうなどとは異ことなり、自然しぜん石せきと切石きりいしの間あいだが狭せまいので多聞たもん櫓ろなどで囲かこわれてはおらず、天守てんしゅ台だいの周まわりには塀へいだけがあったと思おもわれる。廻まわり縁えん・高欄こうらんはなく、また最上階さいじょうかい入いれ側がわ縁えんのみが6尺しゃく幅はばとなっている。白しろ漆喰しっくい壁かべの鉛なまり瓦かわらで棟むね高だかは48メートル、天守てんしゅ台だいも含ふくめれば国会こっかい議事堂ぎじどう中央ちゅうおう塔とう（高たかさ65.45メートル）に匹敵ひってきした。作事さくじ大工だいくは中井なかい正ただし清きよしとしている。

一方いっぽう、内藤ないとう昌あきらは『中井なかい家か指図さしず』は元和がんわ度ど天守てんしゅのものとしており、慶長けいちょう度ど天守てんしゅは5重じゅう7階かい、腰羽目こしばめ黒くろ漆うるし、廻まわり縁えん・高欄こうらんの後期こうき望楼ぼうろう型がたであったとしている。作事さくじ大工だいくは三河みかわ譜代ふだいの大工だいく木原きはら吉次よしじ、中井なかい正ただし清きよしも協力きょうりょくしたとする。

西にしヶ谷たに恭弘やすひろは天守てんしゅ台だいの構造こうぞうは宮上みやうえ説せつと同おなじだが、天守てんしゅは後期こうき望楼ぼうろう型がたとする大竹おおたけ正芳まさよしの図ずを宮上みやうえ説せつとは別べつに紹介しょうかいしている。また三浦みうら正幸まさゆき門下もんかの金澤かなざわ雄つよし記きは20間あいだ四方しほうは天守てんしゅ台だいの基もと底部ていぶとして、自然しぜん石せきと切石きりいしが一体いったいの天守てんしゅ台だいとそこから直接ちょくせつ建たつ名古屋なごや城じょう天守てんしゅを基もとにした後期こうき望楼ぼうろう型がたの天守てんしゅを考証こうしょうしている。その後ご、三浦みうら正幸まさゆきは『津軽つがる家か古いにしえ図ず』を慶長けいちょう度どとしている。

内藤ないとう案あん以外いがいは石垣いしがき・壁かべ・屋根やねに到いたるまで白しろずくめの天守てんしゅであり、『慶長けいちょう見聞けんぶん集しゅう』『岩渕いわぶち夜話やわ別べつ集しゅう』でも富士山ふじさんや雪山ゆきやまになぞらえている。この天守てんしゅは秀忠ひでただによって解体かいたいされ新あらたに造つくり直なおされている。造つくり直なおしの動機どうきは御殿ごてんの拡張かくちょうが必要ひつようとなった結果けっかで、宮上みやうえ茂しげ隆たかしはこの初代しょだい天守てんしゅは縮小しゅくしょうした上うえで大坂おおさか城じょうに移築いちくされたとしている。

元和げんな度ど天守てんしゅ

元和げんな度ど天守てんしゅは、1622年ねん（元和がんわ8年ねん）から翌年よくねんにかけて天守てんしゅ台だい普請ふしんとその上屋うわや（天守てんしゅ）の作事さくじが行おこなわれた。位置いちは本丸ほんまる東北とうほくの梅林ばいりん坂ざかにあった徳川とくがわ忠長ただなが屋敷やしきを破やぶ却し、その跡地あとちに建たてた（『御ご当家とうけ紀年きねん録ろく』）、もしくは寛永かんえい度ど天守てんしゅと同おなじ位置いちとされる。加藤かとう忠広ただひろ・浅野あさの長晟ながあきらの手てによる天守てんしゅ台だいの規模きぼは慶長けいちょう度どの3分ぶんの1、寛永かんえい度ど天守てんしゅと同様どうように南側みなみがわに小しょう天守てんしゅ台だいがあり（『自得じとく公こう済ずみ美び録ろく』）、高たかさも7間あいだに縮小しゅくしょうされている。天守てんしゅ内部ないぶには東照宮とうしょうぐうがあったとされている。

天守てんしゅの構造こうぞうは、5重じゅう5階かい（地階ちかい1階かいを含ふくめると6階かい）の層そう塔とう型がたとされ、天守てんしゅ台だいを含ふくめた高たかさは約やく30間あいだとされる。外観がいかんや諸しょ構造こうぞうについては、諸説しょせつある。

宮上みやうえ茂しげ隆たかし案あん

宮上みやうえ案あんでは、旧きゅう津軽つがる家かの『江戸えど御殿ごてん守もり絵図えず（津軽つがる家か古いにしえ図ず）』を比定ひていし、屋根やねは銅どう瓦葺かわらぶき、壁かべは白しろ漆喰しっくいとしている。寛永かんえい度ど天守てんしゅとの違ちがいは各かく破風はふの下したに張はり出だしが設もうけられているのが特徴とくちょうで、これは作事さくじに当あたった譜代ふだいの鈴木すずき長次ちょうじ、木原きはら家かの下したにいる三河みかわ大工だいくに見みられる意匠いしょうとしている。

内藤ないとう昌あきら案あん

内藤ないとう案あんは、前述ぜんじゅつの通とおり『中井なかい家か指図さしず』を比定ひていし、一部いちぶの破風はふが異ことなる以外いがいは寛永かんえい度ど天守てんしゅとほぼ変かわらない。三浦みうら案あんも白しろ漆喰しっくい壁かべで銅どう瓦葺かわらぶきでない以外いがいは内藤ないとう案あんと同様どうようの見解けんかいを採とっている。

西にしヶ谷たに恭弘やすひろ案あん

西にしヶ谷たに案あんは『武たけ州しゅう豊島としま郡ぐん江戸えど庄しょう図ず』より初はつ重じゅうを2階かい建けんであったとしている。また、黒色こくしょく壁かべでもあったとしている。

元和げんな度ど天守てんしゅも秀忠ひでただの死後しごに家いえ光こうによって解体かいたいされ造づくり直なおされている。この動機どうきも秀忠ひでただ・家光いえみつの親子おやこ関係かんけいに起因きいんするともいわれるが詳つまびらかではなく、ほかに仙台せんだい城じょうへの下賜かし説せつ、高層こうそう建築けんちくによる漆喰しっくいの早期そうき剥離はくりに対たいする是正ぜせい工事こうじといった説せつがある。

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  『中井なかい家か指図さしず』（慶長けいちょう度どまたは元和げんな度ど天守てんしゅとされる図面ずめん）
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  『江戸えど御殿ごてん守もり絵図えず』（元和がんわ度ど天守てんしゅとされる図面ずめん）

寛永かんえい度ど天守てんしゅ

寛永かんえい度ど天守てんしゅは1636年ねん（寛永かんえい13年ねん）から翌年よくねんにかけて天守てんしゅ台だい・天守てんしゅ双方そうほうが完成かんせいしている。黒田くろだ忠之ただゆき・浅野あさの光ひかり晟あきらが築きずいた天守てんしゅ台だいの位置いちは本丸ほんまる北西ほくせいの北きた桔橋はねばし門もん南みなみ、規模きぼは元和げんな度どを踏襲とうしゅうしている。また、元和げんな度どと縦横じゅうおうの位置いちを変かえたとある（『黒田くろだ家か続ぞく家いえ譜ふ』）。材質ざいしつは伊豆いず石せき。小しょう天守てんしゅ台だいが設もうけられているが、小しょう天守てんしゅは建たてられていない。これは階段かいだんの踊おどり場ばのような意味いみで造つくられたからである。基本きほん的てきな構造こうぞうは現在げんざいの天守てんしゅ台だいとほぼ同おなじだが、大坂おおさか城しろと同おなじように東側ひがしがわの登のぼり口こう以外いがいに西側にしがわにも橋台きょうだいと接続せつぞくするかたちで出入口でいりぐちが設もうけられていた。

構造こうぞうは5重じゅう5階かい（地階ちかいを含ふくめれば6階かい）の独立どくりつ式しき層そう塔とう型がたで壁面へきめんは黒色こくしょくになるよう塗料とりょうもしくは表面ひょうめん加工かこうが施ほどこされた銅板どうばんを張はり、屋根やねは銅どう瓦葺かわらぶきである。高たかさは元和げんな度どと同おなじ本丸ほんまる地上ちじょうから天守てんしゅ台だいを含ふくむ30間あいだ、下総しもうさからも眺望ちょうぼうができたという。作事さくじ大工だいくは甲良こうら宗広むねひろ。

1657年ねん（明あかり暦れき3年ねん）の明あかり暦れきの大火たいかで、過失かしつにより開ひらいていた二に重じゅう目めの銅どう窓まどから火ひが入はいり焼失しょうしつしている。再建さいけん計画けいかく時じに寛永かんえい度どと同様どうようの天守てんしゅを建築けんちくする予定よていだったので多おおくの資料しりょうが提出ていしゅつされており、確定かくてい的てきな図面ずめんが残のこされているので正確せいかくな姿すがたが判明はんめいしている。

• 規模きぼ…「　」内ないは柱はしら間あいだ（7尺しゃく間あいだ）、桁行けたゆき・梁間はりまは京間きょうま
  • 地階ちかい…「12間あいだ×10間あいだ」
  • 一重ひとえ目め…「18間あいだ×16間あいだ」 桁行けたゆき29間あいだ2尺しゃく9寸すん×梁間はりま27間あいだ1尺しゃく9寸すん、柱はしら数すう191本ほん
  • 二に重じゅう目め…「15間あいだ×13間あいだ」 桁行けたゆき16間あいだ1尺しゃく×梁間はりま24間あいだ、柱はしら数すう155本ほん（内うち、一重ひとえ目めより三さん重じゅう目めまで通とおし柱ばしら13本ほん）
  • 三重みえ目め…「12間あいだ×10間あいだ」 桁行けたゆき13間あいだ2尺しゃく5寸すん×梁間はりま11間あいだ1尺しゃく5寸すん、柱はしら数すう127本ほん（内うち、三重みえ目めより四よん重じゅう目めまで通とおし柱ばしら32本ほん）
  • 四よん重じゅう目め…「10間あいだ×8間あいだ」 桁行けたゆき10間あいだ5尺しゃく×梁間はりま8間あいだ4尺しゃく、柱はしら数すう75本ほん（内うち、四よん重じゅう目めより五ご重じゅう目めまで通とおし柱ばしら9本ほん）
  • 五ご重じゅう目め…「8間あいだ×6間あいだ」 桁行けたゆき8間あいだ4尺しゃく×梁間はりま6間あいだ3尺しゃく、柱はしら数すう55本ほん

図面ずめんによる復元ふくげんでの計算けいさんによると天守てんしゅの高たかさは58.63メートルとなった。

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  江府こうふ御ご天守てんしゅ図ず（寛永かんえい度ど天守てんしゅ図面ずめん）
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  『江戸えど図ず屏風びょうぶ』に描えがかれた元和がんわ度どもしくは寛永かんえい度ど天守てんしゅ
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  寛永かんえい度ど天守てんしゅの復元ふくげん図ず
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  寛永かんえい度ど天守てんしゅの復元ふくげん模型もけい（宮内庁くないちょう・皇居こうきょ東ひがし御苑ぎょえん）

御殿ごてん

本丸ほんまる・二之にの丸まる御殿ごてん模型もけい（江戶えど東京とうきょう博物館はくぶつかん藏ぞう，模型もけい省略しょうりゃく了りょう一いち部分ぶぶん建物たてもの）、幕末ばくまつ時期じき的てき御殿ごてん復原ふくげん模型もけい，同時どうじ再現さいげん了りょう已やめ不ふ存在そんざい的てき天守閣てんしゅかく。

1)玄關げんかん・遠どお侍さむらい、2)大廣間おおひろま、3)松まつ之の廊下ろうか、4)白書はくしょ院いん、5)竹たけ之の廊下ろうか、6)黑くろ書院しょいん、7)御座ぎょざ之の間あいだ、8)御ご休息きゅうそく、9)御ご小座敷こざしき、10)中之口なかのくち御門みかど（表ひょう諸しょ職しょく玄關げんかん）、11)台所だいどころ、12)上じょう御ご鈴すず廊下ろうか、13)下しも御ご鈴すず廊下ろうか、14)御ご小座敷こざしき（大奧おおおく）、15)對面たいめん所しょ、16)御座ぎょざ之の間あいだ（大奧おおおく）、17)新しん御殿ごてん、18)御ご新しん座敷ざしき・御ご客座敷きゃくざしき、19)台所だいどころ（大奧おおおく）、20)長ちょう局きょく、21)廣敷ひろしき御門みかど、22)二之にの丸まる御殿ごてん

御殿ごてん包含ほうがん本丸ほんまる、二之にの丸まる、西之にしの丸まる、三之丸さんのまる御殿ごてん。其中，三之丸さんのまる御殿ごてん在ざい元もと文ぶん年間ねんかん被ひ廢止はいし。本丸ほんまる御殿ごてん作為さくい將軍しょうぐん居住きょじゅう、處理しょり政務せいむ和わ禮儀れいぎ儀式ぎしき的てき場所ばしょ，在ざい江戶城えどじょう中起なかおこし到いた了りょう核心かくしん作用さよう，二之丸御殿是將軍的別邸，西にし之の丸まる御殿ごてん是ぜ已やめ退位たいい隱居いんきょ的てき前任ぜんにん將軍しょうぐん（大御所おおごしょ）和わ下か任にん將軍しょうぐん（將軍しょうぐん繼承けいしょう人じん）使用しよう的てき御殿ごてん。

本丸ほんまる御殿ごてん

本丸ほんまる御殿ごてん由よし南みなみ而北的てき結構けっこう依よ次じ為ため表ひょう、中奧なかおく、大奧おおおく。其中，表おもて作為さくい幕臣ばくしん謁見えっけん將軍しょうぐん和わ諸しょ役人やくにん的てき執務しつむ之の地ち、中奧なかおく是ぜ將軍しょうぐん生活せいかつ起居ききょ室しつ，同時どうじ也是處理しょり政務せいむ的てき地方ちほう、大奧おおおく是ぜ將軍しょうぐん的てき妻妾さいしょう和わ奧おく女中じょちゅう居住きょじゅう的てき空間くうかん。大奧おおおく與あずか表おもて和わ中奧なかおく之の間あいだ有ゆう一堵銅牆作為阻隔，要よう進出しんしゅつ大奧おおおく只ただ能のう從したがえ一いち個こ（之これ後ご改あらため建たて成しげる兩個りゃんこ）走はし廊ろう進出しんしゅつ。

作為さくい將軍しょうぐん御殿ごてん的てき第だい一いち代だい本丸ほんまる御殿ごてん於1606年ねん（慶長けいちょう11年ねん）竣工しゅんこう。隨ずい後ご數すう次じ分別ふんべつ於1622年ねん（元和がんわ8年ねん）、1637年ねん（寛永かんえい14年ねん）（同どう16年ねん燒しょう毀）、同どう17年ねん（明あかり曆れき大火たいか燒しょう毀）、1659年ねん（萬まん治ち2年ねん）（1844年ねん（天保てんぽう15年ねん）燒しょう毀）、1845年ねん（弘ひろし化か2年ねん）（1859年ねん（安政あんせい6年ねん）燒しょう毀）、1860年ねん（万延まんえん元年がんねん）（1863年ねん（文久ぶんきゅう3年ねん）燒しょう毀）多た次つぎ反覆はんぷく重じゅう建たて和かず燒しょう毀。本丸ほんまる御殿ごてん於文久ひさ年間ねんかん被ひ燒やき毀之後便こうびん未み再さい重じゅう建けん，原はら有ゆう的てき機能きのう轉移てんい至いたり西之にしの丸まる御殿ごてん。

表ひょう・中奧なかおく

以大廣間ひろま、白書はくしょ院いん、黑くろ書院しょいん、御座ぎょざ之の間あいだ、御ご休息きゅうそく間あいだ為ため主要しゅよう御殿ごてん，由ゆかり南みなみ而北分ぶん佈於西側にしがわ。表ひょう的てき東側ひがしがわ有ゆう幕府ばくふ諸しょ臣しん的てき值房與あずか控室ひかえしつ，中奧なかおく的てき東側ひがしがわ是ぜ側がわ眾轄下的てき值房與あずか控室ひかえしつ以及御膳ごぜん房ぼう。大老たいろう・老中ろうじゅう・若年寄わかどしより的てき執務しつむ・議事ぎじ地點ちてん最初さいしょ是ぜ在ざい御座ぎょざ之の間あいだ，但ただし之これ後ご由よし於發生せい了りょう堀田ほった正俊まさとし遇ぐう刺とげ案あん而改為ため使用しよう表ひょう和わ中奧なかおく之の間あいだ的てき御用ごよう部屋へや。他た們與將軍しょうぐん的てき側近そっきん側用人そばようにん及御側おそば御用ごよう取次とりつぎ在中ざいちゅう奧おく的てき中心ちゅうしん位置いち皆みな設しつらえ有ゆう值房。

由よし於表是ぜ作為さくい儀禮ぎれい使用しよう的てき空間くうかん，御殿ごてん幾いく乎沒有ゆう任にん何なん改あらため動どう，但ただし中奧なかおく經常けいじょう根據こんきょ歷代れきだい將軍しょうぐん的てき喜好きよし進行しんこう改造かいぞう。表ひょう與あずか中奧なかおく之の間あいだ與あずか和わ大奧おおおく之の間あいだ不同ふどう的てき地方ちほう在ざい於結構上並なみ沒ぼつ有ゆう被ひ阻隔そかく，只ただ有ゆう時計とけい之の間あいだ和わ黑くろ書院しょいん後ご側がわ的てき御ご錠じょう口こう才能さいのう進出しんしゅつ大奧おおおく。表ひょう的てき值班官員かんいん除じょ了りょう獲得かくとく御ご目見まみ的てき資格しかく進入しんにゅう中奧なかおく的てき御座ぎょざ之の間之あいの外がい不ふ得とく入にゅう此禁區く，奧向おくむき的てき官員かんいん也只能のう在ざい時計とけい之の間あいだ進行しんこう晤談。

大廣間おおひろま

本丸ほんまる御ご殿中でんちゅう形式けいしき和わ規模きぼ最大さいだい的てき御殿ごてん。這是一いち座長ざちょう約やく500張ちょう榻榻米まい、東西とうざい方向ほうこう長ちょう50米まい的てき巨きょ大だい建築けんちく。寬永かんえい17年ねん的てき大廣間おおひろま有ゆう一座いちざ大屋おおや頂いただき，但ただし在ざい燒やき毀後的てき重じゅう建けん過程かてい中在なかざい中央ちゅうおう處しょ設置せっち了りょう一いち個こ中庭なかにわ，屋や頂いただき高度こうど於改建けん工程こうてい中ちゅう被ひ降くだ低てい。

大廣間おおひろま用よう於舉行ぎょう將軍しょうぐん宣下せんげ、頒布はんぷ武家ぶけ諸しょ法度はっと、新年しんねん朝あさ覲等最さい為ため重要じゅうよう的てき官かん方かた活動かつどう。主要しゅよう的てき空間くうかん有ゆう上段じょうだん・中段ちゅうだん・下段げだん・二之にの間あいだ・三之さんの間あいだ・四よん之これ間あいだ，由ゆかり西北せいほく逆ぎゃく時針じしん方向ほうこう分ぶん佈。東南とうなん處しょ之の南側みなみがわ有ゆう一いち中門ちゅうもん，東側ひがしがわ的てき御駕籠おかご台だい是ぜ大廣間おおひろま權威けんい的てき象徵しょうちょう。此外，於南側がわ對面たいめん有ゆう一いち表ひょう能のう舞台ぶたい，在ざい舉行能のう劇げき的てき盛大せいだい​​慶けい典てん活動かつどう時じ，幕府ばくふ官かん方かた會かい指定してい其中一天いってん作為さくい「町まち入にゅう能のう」，並なみ在ざい這天允許いんきょ町人ちょうにん能のう夠進入しんにゅう南庭なんてい觀賞かんしょう能のう劇げき。。

白書はくしょ院いん

規模きぼ僅次於大おだい廣間ひろま的てき御殿ごてん。與あずか大廣間おおひろま中間ちゅうかん由ゆかり松まつ之の廊下ろうか作さく連れん繫，分ふん為ため上段じょうだん・下段げだん・帝みかど鑑かん之の間あいだ・連歌れんが之の間あいだ等とう主要しゅよう空間くうかん，全ぜん殿しんがり約やく有ゆう300疊じょう榻榻米まい的てき大小だいしょう。曾用於公務こうむ活動かつどう，作為さくい將軍しょうぐん接見せっけん群臣ぐんしん的てき地方ちほう，諸しょ大名だいみょう在ざい此感謝かんしゃ幕府ばくふ允許いんきょ自己じこ的てき御ご暇ひま・家督かとく・隱居いんきょ・婚姻こんいん請求せいきゅう時じ在ざい這裡謁見えっけん將軍しょうぐん。此外於新年ねん期間きかん，越前えちぜん松平まつへい家か與あずか加賀かが前田まえだ家か於此代表だいひょう幕府ばくふ會かい面めん、迎接げいせつ朝廷ちょうてい敕使和わ院いん使し時じ，使用しよう下段げだん作為さくい宴會えんかい廳ちょう。

黑くろ書院しょいん

與あずか白書はくしょ院いん之の間あいだ由よし竹ちく之の廊下ろうか作為さくい連れん繫，主要しゅよう的てき空間くうかん有ゆう上段じょうだん・下段げだん・西湖さいこ之の間あいだ・圍爐裏いろり之の間あいだ等とう約やく190疊じょう榻榻米まい大小だいしょう的てき範圍はんい。御殿ごてん的てき建築けんちく以檜ひのき木き及赤松あかまつ木き為ため材料ざいりょう所しょ建造けんぞう。用よう於將軍ぐん日常にちじょう生活せいかつ期間きかん的てき接待せったい場所ばしょ。

御座ぎょざ之の間あいだ・御ご休息きゅうそく

作為さくい將軍しょうぐん起居ききょ室しつ，前段ぜんだん由よし上段じょうだん・下段げだん・二之にの間あいだ・三之さんの間あいだ・大だい溜ため等とう構成こうせい，中段ちゅうだん的てき接見せっけん室しつ用よう於處理しょり政務せいむ，後段こうだん為ため上段じょうだん・下段げだん組成そせい的てき寢ね宮みや與あずか起居ききょ空間くうかん。中奧なかおく前段ぜんだん的てき役人やくにん原則げんそく上じょう禁止きんし進入しんにゅう，只ただ有ゆう獲得かくとく御ご目見まみ時どき才能さいのう進入しんにゅう御座ぎょざ之の間あいだ。最初さいしょ，將軍しょうぐん將はた御座ぎょざ之の間あいだ作為さくい休息きゅうそく的てき寢ね宮みや，御ご小座敷こざしき被ひ建造けんぞう為ため將軍しょうぐん的てき私人しじん空間くうかん。

御ご休息きゅうそく在ざい歷代れきだい將軍しょうぐん更迭こうてつ時じ都會とかい進行しんこう改あらため建けん，御ご小座敷こざしき的てき周邊しゅうへん也曾經歷けいれき過多かた次じ改あらため建けん。例れい如在喜き愛あい能のう劇げき的てき德川とくがわ綱吉つなよし在位ざいい時期じき，御ご休息きゅうそく的てき右側みぎがわ修築しゅうちく有ゆう一座いちざ能のう舞台ぶたい，作為さくい當時とうじ頻繁ひんぱん發生はっせい地震じしん的てき地震じしん決けつ策さく中心ちゅうしん和わ一いち個こ名めい為ため“地震じしん之の間あいだ”的てき避難ひなん場所ばしょ，設置せっち於中庭なかにわ內的兩個りゃんこ地方ちほう。其後的てき德川とくがわ吉宗よしむね反はん其道而行，將はた華美かび的てき御ご休息きゅうそく間あいだ拆除，僅於走廊ろう上じょう規ぶんまわし劃出部分ぶぶん空間くうかん用よう於起居ききょ。

大奥おおおく

更さら多た信しん息いき：大奥おおおく

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  本丸ほんまる御殿ごてん表ひょう向こう模型もけい，右みぎ起おこり為ため白書はくしょ院いん、松まつ之の廊下ろうか、大廣間おおひろま
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  白書はくしょ院いん模型もけい
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  松まつ之の廊下ろうか與あずか白書はくしょ院いん
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  本丸ほんまる御殿ごてん的てき表ひょう能のう舞台ぶたい
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  大廣間おおひろま上段じょうだん西にし面めん
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  大廣間おおひろま下段げだん西にし面めん
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  白書はくしょ院いん上段じょうだん下段げだん

二之にの丸まる御殿ごてん

1636年ねん（寛永かんえい13年ねん）建造けんぞう的てき第だい一代御殿由小堀遠州創建。表ひょう向むこう的てき機能きのう被ひ省略しょうりゃく，整體せいたい作為さくい愉樂ゆらく用途ようと。南西なんせい側がわ的てき人造じんぞう山やま與あずか後ご側がわ的てき白鳥はくちょう濠ほり相しょう連れん的てき池いけ中有ちゅうう一座いちざ能のう舞台ぶたい（或ある稱しょう水すい舞台ぶたい），從したがえ池畔ちはん對岸たいがん的てき御座ぎょざ和わ凸とつ出で並なみ懸かか於護城じょう河上かわかみ的てき釣ひとし殿どの可か觀覽かんらん全ぜん境さかい。中心ちゅうしん部ぶ分有ぶんゆう御殿ごてん群ぐん，東側ひがしがわ築ちく有ゆう池ち塘與人じん造山つくりやま、池いけ中ちゅう的てき島嶼とうしょ上じょう設しつらえ有ゆう御ご亭ちん和かず御茶屋おちゃや・御ご囲かこえ・學問がくもん所しょ及御文庫ぶんこ等とう設しつらえ施ほどこせ。

然しか而，這座御殿ごてん早はや在ざい五ご年ねん後ご就被拆除，並なみ在ざい1643年ねん（寛永かんえい20年ねん）修築しゅうちく了簡りょうけん化か版ばん的てき本丸ほんまる御殿ごてん。這座御殿ごてん在ざい明あかり曆れき大だい火中かちゅう也被燒しょう毀，殘存ざんそん遺構いこう移築いちく至いたり越谷こしがや別殿べつでん。此後，在ざい1704年ねん（寶永ほうえい元年がんねん）和わ1760年ねん（寶たから曆れき10年ねん）進行しんこう過か御殿ごてん的てき重じゅう建けん工程こうてい，但ただし在ざい1867年ねん（慶應けいおう3年ねん）再度さいど被ひ燒やき毀，從したがえ此正式しき走入はしり歷史れきし。

西之にしの丸まる御殿ごてん

和かず本丸ほんまる御殿ごてん一いち樣よう，分ふん為ため表ひょう・中奧なかおく・大奧おおおく，主要しゅよう的てき空間くうかん有ゆう遠とお待まち・殿上てんじょう間あいだ・虎とら間あいだ・大廣間おおひろま・大だい廊下ろうか・溜ため間あいだ・白木しらき書院しょいん・帝みかど鑑かん之の間あいだ・連歌れんが歌か間あいだ・山吹やまぶき間あいだ・菊間きくま・雁かり間あいだ・竹たけ間あいだ・芙蓉ふよう間あいだ・中間ちゅうかん・桔梗ききょう間あいだ・燒しょう火ひ間あいだ・躑躅つつじ間あいだ・柳やなぎ間あいだ・梅竹うめたけ間あいだ・檜ひのき間あいだ・蘇鐵そてつ間あいだ等とう房ぼう間あいだ。

該御殿どの和わ塔とう樓ろう先後せんご被ひ燒やき毀了三さん次じ：分別ふんべつ發生はっせい於1634年ねん（寬永かんえい11年ねん）、1852年ねん（嘉よしみ永なが5年ねん）和わ1863年ねん（文久ぶんきゅう3年ねん）三さん個年かねん份。 1868年ねん（明治めいじ元年がんねん）4月がつ，該御殿どの被ひ移うつり交給朝廷ちょうてい時どき是ぜ第だい四よん代だい建築けんちく物ぶつ，明治天皇めいじてんのう入城にゅうじょう後ご，這裡成なり為ため天皇てんのう居住きょじゅう的てき“皇すめらぎ城じょう” 。1869年ねん天皇てんのう於此接見せっけん奧おく匈帝國こく的てき使節しせつ團だん，已やめ更さら名めい為ため皇すめらぎ城じょう的てき御殿ごてん成なり為ため天皇てんのう會かい晤訪客きゃく的てき接見せっけん廳ちょう。當時とうじ的てき奧おく匈使節しせつ團だん將はた日本にっぽん皇すめらぎ城じょう的てき詳しょう細草ほそくさ圖ず回かい傳でん至いたる本國ほんごく。1873年ねん（明治めいじ6年ねん）5月がつ5日にち皇すめらぎ城じょう御殿ごてん又また再さい次つぎ面めん臨被燒しょう毀的命運めいうん。西之にしの丸まる御殿ごてん的てき防禦ぼうぎょ守備しゅび工作こうさく於江戶えど時代じだい由ゆかり西丸にしまる小姓こしょう組ぐみ專せん責せめ負ふ責せめ。之これ後ご的てき1888年ねん（明治めいじ21年ねん），朝廷ちょうてい在ざい西之にしの丸まる御殿ごてん的てき遺構いこう基礎きそ上うえ修おさむ建けん明治めいじ宮殿きゅうでん。

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  『江戶えど圖ず屏風びょうぶ』描繪的てき西にし之の丸まる御殿ごてん
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  元治もとはる年間ねんかん的てき西にし之の丸まる臨時りんじ御殿ごてん

已やめ隱かくれ藏ぞう部分ぶぶん未み翻譯ほんやく内容ないよう，歡迎かんげい參與さんよ翻譯ほんやく。

櫓ろ

三重みえ櫓ろ6棟むね、二に重じゅう櫓ろ10棟むね、平ひら櫓ろ4棟むね、多門たもん櫓ろ26棟むね

江戸城えどじょうは幾度いくどにも渡わたる火災かさいによって焼失しょうしつし、現存げんそんする伏見ふしみ櫓ろ・富士見ふじみ櫓ろ・巽たつみ櫓ろなども大正たいしょう期きの関東大震災かんとうだいしんさいの際さいに損壊そんかいした後のち、解体かいたいして復元ふくげんされたものであるため、櫓ろの構造こうぞうなどを考察こうさつするにあたっては、明治めいじ初頭しょとうに撮影さつえいされた写真しゃしんや絵図えず、指図さしず、文献ぶんけんなどが用もちいられている。

幕末ばくまつまで現存げんそんしていた二之にの丸まるの蓮池はすいけ巽たつみ三重みえ櫓ろ、蓮池はすいけ二に重じゅう櫓ろの二に棟むねは明治めいじ初年しょねんに接続せつぞくする箪笥たんす多聞たもん櫓ろの火災かさいが延焼えんしょうし焼失しょうしつした。

江戸城えどじょうの櫓ろは櫓門やぐらもんも含ふくめ、白しろ漆喰しっくい塗ぬり籠かご壁かべ（寛永かんえい度ど天守てんしゅ除のぞく）に、幕まく紋もんの足利あしかが二ふたつ引を現あらわす2本ほんの長押なげし形がたを施ほどこし、破風はふ・妻つま壁かべには銅板どうばんを青海あおみ波なみ模様もように張はっていた。初はつ重おもに出張しゅっちょうを設もうけて石いし落おとしとしているものが多おおい。これらの特徴とくちょうの一部いちぶは、幕府ばくふが関与かんよした二条城にじょうじょうや小田原おだわら城じょうなどの城郭じょうかくにも施ほどこされた。

初はつ重じゅう平面へいめん6間あいだ×7間あいだか7間あいだ×8間あいだを標準ひょうじゅん的てきな規模きぼとして、大だい坂城さかきや名古屋なごや城じょうにも同様どうように用もちいた。1871年ねん（明治めいじ4年ねん）に記しるされた『観み古こ図説ずせつ』には、二に重じゅう櫓ろの初はつ重じゅう平面へいめん規模きぼは最小さいしょうで4間あいだ四方しほう（書院しょいん出で二に重じゅう櫓ろ）、最大さいだいで8間あいだ×9間あいだ（乾いぬい二に重じゅう櫓ろ）、三重みえ櫓ろは6間あいだ×7間あいだから8間あいだ×7間あいだのものが記しるされている。

多聞たもん櫓ろは嘗かつては本丸ほんまる・二にノ丸まるの殆ほとんどを囲かこっていたが、時代じだいを経へるごとに本丸ほんまる西側にしがわでは塀へいへと置おき換かわっていった。

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  本丸ほんまる富士見ふじみ多聞たもん櫓ろ

隅すみ櫓ろの一覧いちらん

太線ふとせんは幕末ばくまつまで現存げんそんした櫓ろ（この内うち、現存げんそんするのは富士見ふじみ三さん重じゅう櫓ろ、桜田さくらだ巽たつみ二に重じゅう櫓ろ、伏見ふしみ二に重じゅう櫓ろ）、斜線しゃせんは1863年ねん（文久ぶんきゅう3年ねん）に焼失しょうしつした櫓ろ、またここに記載きさいされている櫓ろが一時期いちじきに全すべて存在そんざいした事ことはない。

本丸ほんまる（南端なんたんより反はん時計とけい回まわり、以下いか同おなじ）

富士見ふじみ三さん重じゅう櫓ろ、 御ご書院しょいん二に重じゅう櫓ろ、 書院しょいん出で二に重じゅう櫓ろ、遠とお侍さむらい東ひがし三さん重じゅう櫓ろ、台所だいどころ前まえ三さん重じゅう櫓ろ、汐見しおみ二に重じゅう櫓ろ、不明ふめい櫓ろ（元和がんわ度ど工事こうじ前まえ）、汐見しおみ太鼓たいこ櫓ろ（二に重じゅう櫓ろ）、梅林うめばやし櫓ろ（二に重じゅう櫓ろ）、五ご十じゅう三さん間あいだ櫓ろ（二に重じゅう櫓ろ）、乾いぬい二に重じゅう櫓ろ、菱ひし櫓ろ（三重みえ櫓ろ）、西側にしがわ二に重じゅう櫓ろ、数寄屋すきや二に重じゅう櫓ろ（嘗かつては三重みえ櫓ろ）

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  富士見ふじみ三さん重じゅう櫓ろ
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  手前てまえが書院しょいん出で二に重じゅう櫓ろ、奥おくが御ご書院しょいん二に重じゅう櫓ろ
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  乾いぬい二に重じゅう櫓ろ（左ひだりは北きた桔橋はねばし門もん）
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  数寄屋すきや二に重じゅう櫓ろ（本丸ほんまるから裏側うらがわ）

二にノ丸まる

蓮池はすいけ二に重じゅう櫓ろ、蓮池はすいけ巽たつみ三重みえ櫓ろ、寺沢てらさわ二に重じゅう櫓ろ（嘗かつては三重みえ櫓ろ）、百ひゃく人組にんぐみ二に重じゅう櫓ろ、巽たつみ奥おく三さん重じゅう櫓ろ（松倉まつくら櫓ろ）、東ひがし三さん重じゅう櫓ろ（嘗かつては二に重じゅう櫓ろ）、北きた櫓ろ（二に重じゅう櫓ろ）、不明ふめい櫓ろ二に棟むね（二にノ丸まる拡張かくちょう前まえ）

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  手前てまえ右みぎが蓮池はすいけ巽たつみ三重みえ櫓ろ、左ひだりが蓮池はすいけ二に重じゅう櫓ろ（奥おくにあるのは富士見ふじみ三さん重じゅう櫓ろ）
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  右みぎから百ひゃく人組にんぐみ二に重じゅう櫓ろ、寺沢てらさわ二に重じゅう櫓ろ、蓮池はすいけ巽たつみ三重みえ櫓ろ
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  蓮池はすいけ巽たつみ三重みえ櫓ろ、奥おくに見みえるのは巽たつみ奥おく三さん重じゅう櫓ろ（松倉まつくら櫓ろ）
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  左ひだりより巽たつみ奥おく三さん重じゅう櫓ろ、東ひがし三さん重じゅう櫓ろ

三ノ丸さんのまる

桜田さくらだ巽たつみ二に重じゅう櫓ろ、不明ふめい櫓ろ四よん棟むね

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  桜田さくらだ巽たつみ二に重じゅう櫓ろ

西にしノ丸まる

伏見ふしみ二に重じゅう櫓ろ、御ご太鼓たいこ櫓ろ

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  伏見ふしみ櫓ろ二に重じゅう櫓ろ
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  御ご太鼓たいこ櫓ろ（右みぎ上じょうの茅葺かやぶき屋根やねの櫓ろ、『江戸えど図ず屏風びょうぶ』）

西にしノ丸まる下か

日比谷ひびや櫓ろ、和田わだ倉くら櫓ろ

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  日比谷ひびや櫓ろ（『江戸えど図ず屏風びょうぶ』）
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  和田わだ倉くら櫓ろ（『江戸えど図ず屏風びょうぶ』）

門もん

外郭がいかく25棟むね、内郭ないかく11棟むね、城内きうち87棟むね

虎口ここうは、一いちの門もんである高麗こうらい門もんと二にの門もんの櫓門やぐらもんで構成こうせいされる。大坂おおさか城じょうや名古屋なごや城じょうの様ような枡形ますがたの三さん方ぽうを櫓門やぐらもん・多聞たもん櫓ろで囲かこんだ型式けいしきは江戸城えどじょうには少すくなく、完全かんぜんなのが下乗げじょう門もん、不完全ふかんぜんなものが北きた桔橋はねばし門もんにあるだけである。

櫓門やぐらもんは桁行けたゆきは15間あいだから20間あいだ、梁間はりまが4間あいだから5間あいだほどのものが建たてられ、最大さいだいでは、桁行けたゆき25間あいだ（赤坂あかさか門もん・芝口しばぐち見附みつけ新橋しんばし門もん）のものもあったが、享とおる保ほ9年ねん（1724年ねん）以降いこうは24間あいだ×5間あいだ（下乗げじょう門もん）のものが最大さいだいとなった。ちなみに、最小さいしょう規模きぼは4間あいだ×2間あいだ（山下やました門もん）である。

• 大手門おおてもん
  • 三ノ丸さんのまる大手門おおてもんは、三ノ丸さんのまる中央ちゅうおう部ぶの枡形ますがた虎口ここうに桁行けたゆき22間あいだ×梁間はりま4間あいだ2尺しゃくの櫓門やぐらもんと高麗こうらい門もんで構成こうせいされ、大だい手前てまえを繋つないだ。三ノ丸さんのまるが屋敷やしき地ちであった頃ころは下乗げじょう門もんが大手おおて門もんであり、現在げんざいの大手おおて橋きょうは大橋おおはしと呼よばれていた。江戸えど時代じだい、勅使ちょくしの参向さんこう、将軍しょうぐんの出入でいり、諸侯しょこうの登城とじょうなど、この門もんから行おこなうのが正式せいしきであった。また、ここの警備けいびは厳重げんじゅうをきわめ、10万まん石せき以上いじょうの譜代ふだい諸侯しょこうがその守衛しゅえいに勤つとむ仕つかまつし、番ばん侍さむらい10人にん（うち番頭ばんがしら1人にん、物もの頭あたま1人にん）がつねに肩衣かたぎぬを着きて、平たいら士しは羽織はおり袴はかまでひかえ、鉄砲てっぽう20挺てい、弓ゆみ10張ちょう、長柄ながえ20筋すじ、持じ筒とう2挺てい、持もち弓ゆみ2組くみをそなえ警戒けいかいにあたった。
  • 西にしノ丸まる大手おおて門もんは、手前てまえの橋場はしばに建たてられた高麗こうらい門もんとその後方こうほうの桁行けたゆき18間あいだ×梁間はりま4間あいだの櫓門やぐらもんで構成こうせいされていた。現在げんざいの皇居こうきょ正門せいもんで、高麗こうらい門もんは現存げんそんしない。

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  三ノ丸さんのまる大手門おおてもん
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  西にしノ丸まる大手おおて門もん（手前てまえ）

城門じょうもん總覽そうらん

本丸ほんまる

中ちゅう雀すずめ門もん（書院しょいん門もん、玄關げんかん前門ぜんもん）、上うえ埋うめ門もん、下した埋うめ門もん、中之なかの門もん、新門しんもん、汐見しおみ坂ざか門もん、上うえ梅林ばいりん門もん、北きた桔橋はねばし門もん、西にし桔橋はねばし門もん、柚木ゆずき門もん

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  中ちゅう雀すずめ門もん（右みぎ）、新門しんもん（左ひだり）
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  中之なかの門もん
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  上うえ梅林ばいりん門もん（奥おくの櫓門やぐらもん）
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  北きた桔橋はねばし門もん

二之にの丸まる

下乘げじょう門もん、銅どう門もん、下しも梅林ばいりん門もん、二之丸喰違門、蓮池はすいけ門もん、寺澤てらさわ門もん

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  下乘げじょう門もん
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  二之丸喰違門（前方ぜんぽう為ため藥やく醫い門もん）
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  蓮池はすいけ門もん
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  下しも梅林ばいりん門もん（最さい右側みぎがわ的てき櫓門やぐらもん、前方ぜんぽう為ため番所ばんしょ）

三之丸さんのまる

大手門おおてもん、內櫻田門さくらだもん（桔梗ききょう門もん）、平河ひらかわ門もん、不淨ふじょう門もん（帶おび郭かく門もん）、三之丸喰違門

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  大手門おおてもん
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  內櫻田門さくらだもん
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  內櫻田門さくらだもん（桔梗ききょう門もん）舊きゅう照あきら
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  平河ひらかわ門もん

西之にしの丸まる

坂下さかした門もん、西之にしの丸まる大手門おおてもん、西之にしの丸中まるなか仕切じきり門もん、西之にしの丸まる書院しょいん前門ぜんもん（西之にしの丸まる玄關げんかん前門ぜんもん、二重橋にじゅうばし）、西之にしの丸まる裏門うらもん、大田おおた門もん、山里やまざと門もん、吹上ふきあげ門もん、紅葉こうよう山下やました門もん

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  坂下さかした門もん（目前もくぜん該門的てき位置いち從したがえ原はら址し遷移せんい了りょう90度ど）
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  西之にしの丸まる大手おおて門もん（前まえ）、西之にしの丸まる書院しょいん前門ぜんもん（後ご）
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  西之にしの丸まる裏門うらもん（現げん搬遷為ため乾いぬい門もん）

內曲輪わ

竹橋たけばし門もん、和田わだ倉くら門もん、馬場先ばばさき門もん、日比谷ひびや門もん、外そと櫻田門さくらだもん、半藏門はんぞうもん、田安たやす門もん、清水しみず門もん、雉子橋門はしかど、一いち橋きょう門もん、神田かんだ橋門はしかど、常盤橋ときわばし門もん、吳服ごふく橋門はしかど、鍛冶たんや橋きょう門もん、數寄屋橋すきやばし門もん

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  竹橋たけばし門もん
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  和田わだ倉くら門もん
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  馬場先ばばさき門もん
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  日比谷ひびや門もん
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  外そと櫻田門さくらだもん
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  半藏門はんぞうもん
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  田安たやす門もん（2009年ねん7月がつ13日にち攝と影かげ）
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  清水しみず門もん（2010年ねん4月がつ5日にち攝と影かげ）
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  一いち橋きょう門もん
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  常盤橋ときわばし門もん
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  吳服ごふく橋門はしかど
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  鍛冶たんや橋きょう門もん
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  數寄屋橋すきやばし門もん

外そと曲輪くるわ

山下やました門もん、芝口しばぐち見附みつけ、幸こう橋門はしかど、虎とら之の門もん、赤坂あかさか門もん、喰くえ違たがえ見附みつけ、四谷よつや門もん、市之いちの谷たに門もん、牛込うしごめ門もん、小石川こいしかわ門もん、筋違橋すじかいばし門もん、淺草橋あさくさばし門もん、濱はま大手門おおてもん

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  山下やました門もん
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  幸こう橋門はしかど
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  虎とら之の門もん
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  四谷よつや門もん
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  市之いちの谷たに門もん
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  牛込うしごめ門もん
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  小石川こいしかわ門もん
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  筋違橋すじかいばし門もん
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  淺草橋あさくさばし門もん

番所ばんしょ

江戶城えどじょう內設有ゆう許多きょた警備けいび要員よういん執行しっこう勤務きんむ的てき值務室しつ（番所ばんしょ），但ただし目前もくぜん現存げんそん的てき只ただ剩あま以下いか三さん座ざ：大だい番所ばんしょ位い於中之の門もん的てき後方こうほう、百人番所和同心番所分別位於下乘門的後方和外側，守衛もりえ著ちょ江戶城えどじょう的てき每まい一座いちざ城門じょうもん。。

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  大番おおばん所しょ
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  百ひゃく人にん番所ばんしょ
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  同心どうしん番所ばんしょ

圖ず集しゅう

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  二之丸蓮池巽三重櫓
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  昔日せきじつ的てき江戶城えどじょう，今日きょう的てき皇居こうきょ一いち带（2019年ねん撮影さつえい）

參まいり見み

• 江戶えど幕府ばくふ
• 江戶えど時代じだい
• 二條城にじょうじょう、駿府すんぷ城じょう
• 御殿ごてん・御茶屋おちゃや
• 皇居こうきょ、皇居こうきょ東ひがし御苑ぎょえん

參考さんこう文獻ぶんけん

• Ponsonby-Fane, Richard A. B. (1956). Kyoto: The Old Capital of Japan, 794-1869. Kyoto: The Ponsonby Memorial Society.
• Schmorleitz, Morton S. (1974). Castles in Japan. Tokyo: Charles E. Tuttle Co., pg. 99-112. ISBN 0-8084-1102-4.