クリンの広場ひろば

　「村上むらかみ開ひらく新堂しんどう」から、イギリス大使たいしかん（館かん）の　よこを通とおると、

内うちぼり（堀ほり）通どおりに　面めんしたところに、

　赤あかレンガのたてものが　見みえてきます。

　げんざい（現在げんざい）、「ふくおか会館かいかん」がある・この場所ばしょに、

　江戸えど時代じだい、やすいそっけん（かんじ：安井やすい息軒そくけん）　という、

じゅがく（儒学じゅがく）者しゃのお家いえが　

あったそうです　

　かいがくろう（海うみ嶽だけ楼ろう）っていう名なの、自宅じたく＆じゅく（塾じゅく）だったそうです。

　安井やすいそっけん（息軒そくけん）は、宮崎みやざき県けんの人ひとで、

江戸えど時代じだいのおわりごろ、

ばくふ（幕府ばくふ）にも　とりたてられて

有名ゆうめいでした

とても、あたまがよく、

人格じんかくも　すぐれていました

が、

見みた目めが　きょくたん（極端きょくたん）にわるく

片目かためがつぶれてて

あばた面めん、

背せも低ひくかったので、

故郷こきょうでは　

「猿さる」とよばれて　バカにされていました

　そんな・そっけんには、ヨメ（嫁よめ）の来きてが　ありませんでしたが、

３０さいの時とき、

とうとつに　

えんだん（縁談えんだん）が　まとまります

その相手あいては、

村むら・いちばんの美人びじんの　１７才さいでした

　しかも！　もともとは、お姉ねえちゃんの方ほうに　もちこまれた・えんだん（縁談えんだん）だったのを、

お姉ねえちゃんが、

「あの人ひとだけはイヤ」

と　

ことわったあとで、

美人びじんの妹いもうとが、

「私わたしが行いきたい。」と　逆ぎゃくプロポーズしてきたのです

　周囲しゅういは、「なんで　なんで」と　さわぐ

そっけんも、

（なんで？なんで？）と　思おもう

でも、

むすめは自みずから、「息軒そくけんの妻つまになりたい。」と言いい、

けっこん（結婚けっこん）して、

若わかいながらも

しっかり家いえを　切きりもりし

そっけんの子こを　何人なんにんもうみました

　この才女さいじょづま（妻つま）は、のち、森もりおうがい（鴎外おうがい）の小説しょうせつ、

『安井やすい夫人ふじん』に　描えがかれることになります。

安井やすい夫人ふじんは、

「儒学じゅがく者しゃの妻つま」らしく、

そっけんが　出世しゅっせした後のちも

しっそ・けんやく（質素しっそ倹約けんやく）、

けんきょ（謙虚けんきょ）に　つつましく

くらしました

　夫おっとと子こどもと、弟子でしのめんどう（面倒めんどう）を見みて、

みんなにやさしくして、

ぜいたく・ひとつ　しないまま、

そっけんよりも

先さきに　死しにました

森もりおうがい（鴎外おうがい）は、

（この女性じょせい、いったい・何なになんだ）

って

気きになったらしく、

彼女かのじょの人生じんせいの　あらましを述のべた上うえで、

「結局けっきょく、この人ひとのことが　

　よくわからないんだけど、どういうことだろう？」

と

読者どくしゃに　なげかけています。

『安井やすい夫人ふじん』の一節いっせつより・・・

「お佐代さよさんは、夫おっとに仕つかえて　労苦ろうくを辞やめせなかった。

そしてその報酬ほうしゅうには、何なに物ぶつをも要求ようきゅうしなかった。

ただに服飾ふくしょくの粗あらに　甘あまんじたばかりではない。

立派りっぱな邸宅ていたくに居おりたい、とも云いわず、

旨うまい物ものを食たべたがりも、

面白おもしろい物ものを見みたがりもしなかった。

お佐代さよさんが奢侈しゃしを解ほぐせぬほどおろかであったとは、

誰だれも信しんずることが出来できない。

また、物質ぶっしつ的てきにも、精神せいしん的てきにも、

何なに物ぶつをも希求ききゅうせぬほど恬淡てんたんであったとは、

誰だれも信しんずることが出来できない。

お佐代さよさんには、たしかに尋常じんじょうではない望もちがあって、

その望もちの前まえには　一切いっさいの物ものが塵芥じんかいのごとく

卑いやしくなっていったのであろう。

お佐代さよさんは何なにを望のぞんだか。

・・・・・・。」

　同おなじく　年下とししたの美人びじんづま（妻つま）をもち、

しかし

家庭かてい内ないトラブルに　なやまされた

ぶんごう（文豪ぶんごう）には、

りかい（理解りかい）をこえた・

できる女おんな。。

　「鷗外には、お佐代さよさんのことは、理解りかいできないだろうねえ～。」

「チットは、わかるの」　「当然とうぜん♪」

（つづく）

　「滝たき廉太郎れんたろう・旧居きゅうきょ跡あと」から、そですり（袖そで摺すり坂ざか）を　歩あるいていくと、

そこは、はんぞうもん（半蔵門はんぞうもん）エリア　

　　ひときわ・長ながい、　白しろかべ（壁かべ）が、目めにつきます

　イギリス・大使たいしかん（館かん）です。

それを横目よこめに、ゆるゆる坂さかを上あがって行いくと、

　「女子じょし英学えいがく塾じゅく」の　あと（跡あと）地ちらへんに、

コンクリート・打うちっぱなしの、

一風いっぷうかわった　たてものが

見みえてきます。

それは、

　今回こんかいの、番ばん町まちさんぽ（散歩さんぽ）の　目的もくてき地ちのひとつ、「村上むらかみ開ひらく新堂しんどう」

　明治めいじ７年ねんからつづく、洋ようがし（菓子かし）店てんの　草分くさわけ

あの、

ろくめいかん（鹿しか鳴な館かん）で、

デザート作づくりを　担当たんとうした人ひとの

お店みせです

　「高級こうきゅうおもたせ」で有名ゆうめいな、こちらのクッキーは、

フラッと行おこなっても　

買かえません

つうはん（通販つうはん）でも　買かえません

ほしい人ひとは、

会員かいいんに　しょうかい（紹介しょうかい）してもらって

買かうしかありません

（※ニ階かいのフレンチレストランも紹介しょうかい制せい）

http://www.kaishindo.co.jp/products/

手作てづくりを大切たいせつにしているので、

たくさんは　作つくれない。

だから、

「一見いっけんさんは　お断ことわり」　なのです

（※京都きょうと店てんは、逆ぎゃくに一見いっけんさんＯＫ）

　しかし、それじゃあんまりだろう　ってことで、

ビル１かい（階かい）に、

そうぎょう（創業そうぎょう）家かの５代目だいめ、

山本やまもと道子みちこさんの

お店みせをおいて、

　「こちらの焼やき菓子かしは、誰だれでも買かえますよ～。」

と、

出だしています

かいしんどう（開ひらき新堂しんどう）クッキーとは

色いろも形かたちも　ちがってて、

　現代げんだい風ふうな　かんじだけど、

やっぱり・「少量しょうりょう販売はんばい」で、

きしょう（希少きしょう）で

まじめな手作てづくりです

（※写真しゃしん：マーブルクッキー）

　かいしんどう（開ひらき新堂しんどう）レストランは、ランチなら

「紹介しょうかい者しゃ」がいなくても　入いれるらしいので、

いつか行おこなってみたいなあ・・

って

クリンは、おもいます。

（つづく）

番ばん町まち文人ぶんじん通どおりから、

こうじまち（麹こうじ町まち）方面ほうめんに　

下おりていく　

とちゅう（途中とちゅう）、

　「滝たき廉太郎れんたろう・旧居きゅうきょ跡あと」を　見みつけました

ここだけ、石垣いしがきつきで、わかりやすく・リッパ　

　（・・・なんか、こうじょう（荒あら城じょう）の月つきみたいな、石垣いしがきだな～。）

クリンののうり（脳裏のうり）に、

あのメロディーが　流ながれてきました　

　「春はるこ～う～ろ～う～（高楼こうろう）の～、花はなのえん（宴うたげ）～♪

め～ぐ～る～　

さ～か～ず～き～（杯はい）、

か～げ～（影かげ）さ～して～♪

　ち～よ～（千せん代だい）の松まつが枝え～、分ぶん～け～い～でし～♪

む～か～し～（昔むかし）の光ひかり～　今いま・い～ずこ～♪」　

　たき・れんたろう（滝たき廉太郎れんたろう）が　作曲さっきょくした、「荒城こうじょうの月つき」は、

土井どいばんすい（晩翠ばんすい）の

すばらしい・さくし（作詞さくし）により、

ふきゅう（不朽ふきゅう）の名作めいさくとして

今日きょうにいたり、

　はては、めいか（銘菓めいか）まで　作つくられています

「荒あら城じょう」のモデルのひとつとされる、

ぶんご（豊後ぶんご）・「岡おか城しろ」の

めいか（銘菓めいか）・「荒城こうじょうの月つき」

は、

　外そとが淡雪あわゆきかん（羹あつもの）、中なかは黄身きみあん（餡あん）の　和生かずおがし（菓子かし）です

（この、はこの絵え、さいこう・・）　　（つづく）

　ここは、セレブな　一番町いちばんちょう

高級こうきゅうマンションの一角いっかくには、

日本にっぽん風ふう・しょくさい（植うえ栽）　　（錦木にしきぎがステキ・・）

　ならぶ・外車がいしゃたち

あきらかに、ふつうとちがう・住居じゅうきょ　

　大使たいしかん（館かん）も　たくさんあって、

　ロろーマ法王まほうおう庁ちょう　なんていうのまで、見みつけました。

「

　いや～、監視かんしカメラとかあるし、

　ここら辺べでの写真しゃしん撮影さつえいって、

　一苦労ひとくろうだわ。。」　（チット）

　「気きをつけてよ！チット」（クリン）　　「・・・・・あんたねえ。。」（チット）

（つづく）

・島崎しまざき藤村とうそん

・泉いずみ鏡花きょうか

・有島ありしま武郎たけお

・武者小路むしゃのこうじ実篤さねあつ

・永井ながい荷風かふう

・国木田独歩くにきだどっぽ

・内田うちだ百ひゃく

・与謝野よさの鉄幹てっかん・晶子あきこ・・・

　番ばん町まちゆかりの文士ぶんしは、きら星ぼしのごとく

しかし、

せんさい（戦災せんさい）で　全すべてがこわれた・この町まちに、

　今いま、かつての足たせき（跡あと）を　かんじるものは、何なにもありません。。

　せきひ（石碑せきひ）やプレートも、ほとんどないので、

マンションを見みて

木造もくぞう家かおく（屋や）を　

そうぞう（想像そうぞう）したり、

　古ふるびた石いしのへい（塀へい）や、

　　大木たいぼくのみどり（緑みどり）の枝えだに、

　おうじのおもかげ（かんじ：往時おうじの面影おもかげ）、とやらを

さぐらなければ・なりません

でも・・

うちのチットは、

　「文士ぶんしたちの文章ぶんしょうの一いち篇へんを　思おもい浮うかべると、楽たのしく歩あるけるよ」

とか、言いいます。

・・・・・・・

（一いち行ぎょうも思おもいうかばない場合ばあいは、どうすれば）　（つづく）

　名門めいもん女子高じょしこうがあつまる、番ばん町まち

そのはじまりは

明治めいじ１８年ねん、

　この辺あたりにたった、「明治めいじ女学校じょがっこう」の開ひらきせつ（設しつらえ）でした

　そこに、英語えいごの先生せんせいとして　ちゃく（着ちゃく）任まかしたのが、

しまざきとうそん（島崎しまざき藤村とうそん）でしたが、

彼かれは

まだ、

文ぶんごう（豪ごう）になる前まえの　若わかき日ひ、

ここで

女学生じょがくせいの一人ひとりに　恋こいをしちゃったらしい

　その時ときハタチ（二十歳はたち）だった・とうそんにとって、

生うまれ故こきょう（郷さと）の　

きそ（木曽きそ）には　いない

良家りょうけの才女さいじょは、

とても

まぶしく　映うつったのでしょう

　（とはいえ、自分じぶんは教師きょうし、相手あいては生徒せいと・・・。）

おもいをむね（胸むね）にひ（秘ひ）める

とうそん（藤村ふじむら）でした。

しかし、

　やがて、いいなずけ（許婚きょこん）のいる・彼女かのじょのすがたを　見みるのもつらくなり、

学校がっこうをやめて

ほうろう（放浪ほうろう）の旅たびに　

出でてしまいます

　（このへんの話はなしは、「桜さくらの実みの熟じゅくする時とき」にかかれました）

このころ、

実家じっか・しまざき（島崎しまざき）家かが　かたむき

生活せいかつのために

とうそんは

学校がっこうにもどらざるを　えなくなるのですが、

彼かれの学校がっこうでのようすは、

　「先生せんせいは燃もえ殻がら」と、教おしえ子ごから　してき（指摘してき）されるほど

冴さえなかったらしい・・

　とうそんがあい（愛あい）した・女おんな生徒せいとは、

予定よてい通どおり、いいなずけにとつぎ、

すぐに　

にんしん（妊娠にんしん）しますが、

つわりがひどくて

３ヶ月かげつで　

なんと！亡なくなってしまいました

　はげしく・ショックをうけた　とうそんは、

ふたたび学校がっこうを去さり、

ニ度どと　もどることはありませんでした。。

　きょうだん（教壇きょうだん）を去さって・４０年ねん

文ぶんぴつ（筆ふで）家かとして・名めいを成なしたとうそんが、

　６０さい（歳とし）をこえて、この番ばん町まちに　家いえを買かい、

かつて・つとめた思おもい出での場所ばしょ、

　明治めいじ女学校じょがっこうの　目めとはな（鼻はな）の先さきですごしたのは、

どういう思おもいが

あってのことだったのかな・・。

クリンたち　

いろいろ・かん（勘かん）ぐりました

（つづく）

　番ばん町まち学がくえん（園えん）通とおりぞいに見みつけた、「東郷とうごう公園こうえん」

（ニ七なな通とおりと　学園がくえん通どおりの間あいだにあり、）

　（東郷とうごう坂ざかで　つながっています）

ここは、

明治めいじ海軍かいぐんの元もとすい（帥そち）、

とうごうへいはちろう（東郷とうごう平八郎へいはちろう）

の

お宅たくのあと（跡あと）地ちです

　（・・・こないだから、ずいぶんトーゴーさんづいてるな。）

　ていたく（邸宅ていたく）は、かげも形かたちもない。

　あるのは、ふつうの広場ひろばと　ゆう（遊ゆう）具ぐだけ

　トラファルガー広場ひろばのライオンみたいなぞう（像ぞう）だけが、

ゆいいつ、

この公おおやけえん（園えん）に

いさましい色彩しきさいを　与あたえています

　チットはここで、トーゴーさんの孫娘まごむすめに関かんする、

きょうみ深ふかい話はなしを

きかせてくれましたが、

ここには

記しるしません。

　それは、若わかさが引ひきおこした、たあい（他愛たあい）もない・そうどう（騒動そうどう）であり、

にも・かかわらず、

その子この人生じんせいを

長ながく　しばるものだったからです。

　（えいゆう（英雄えいゆう）の子孫しそんはつらいよね。。）

ここに、「東郷とうごう邸てい」があった、

ということすら

やっと　うやむやになりました　　（つづく）

皿さらやしき（屋敷やしき）の町まち・番ばん町まち

　江戸えど時代じだい、江戸えどじょう（城しろ）の西にしにおかれ、

一番町いちばんちょう～六ろく番ばん町まちに

区分くわけされた　この町まちは、

　ばくふ（幕府ばくふ）直ちょくぞく（属ぞく）である、はたもと（旗本はたもと）のやしき（屋敷やしき）町まちでした

　しかし、ばくふ（幕府ばくふ）がたおれると、明治めいじ政府せいふの官員かんいんが　

引ひっこしてきて、

　やがて、そこには、「新種しんしゅの人々ひとびと」も　あつまってきました

そのグループのひとつが、

　　　学校がっこうかんけい（関係かんけい）者しゃです　　

　今いま、げんざい、番ばん町まちから九きゅう段だんには、東京とうきょうの名門めいもんとされる・女子高じょしこうが　そろいぶみし、

「番ばん町まち学園がくえん通どおり」を

形成けいせいしています

おおつま（大だい妻女さいじょ子中こなか・高だか・大だい）→　

　←東京家政学院とうきょうかせいがくいん

　　　　　女子学院じょしがくいん→　

　←千代田ちよだ女おんな学がくえん（園えん）

　ふたば（雙葉ふたば）→　　（へい（塀へい）、高たかっ・・）

　女子高じょしこう以外いがいにも、九段くだん小学校しょうがっこうや、

　　　番ばん町まち小学校しょうがっこうがあり、

　ここを出でた・子こどもたちが、こうじ（麹こうじ）町中まちなか学校がっこう・日比谷ひびや高校こうこう・一いち高だか・帝みかど大だいとすすんだのは、

そんなに古ふるい話はなしでは　

ないそうです。

（つづく）

　侍女じじょをぎゃくたい（虐待ぎゃくたい）して　のろわれた、武士ぶし・「青山あおやま播磨はりま」が

いたとされる番ばん町まち。

　江戸えど時代じだい、ここは、はたもと（旗本はたもと）の住すむ・「屋敷やしき町まち」でしたが、

　げんざい（現在げんざい）は、政治せいじ家かや大使たいしかん（館かん）員いんの住すむ「屋敷やしき町まち」に　なっています。

　　ハイソなマンションに、　

　げんじゅう・けいび（厳重げんじゅう警備けいび）な　個人こじん宅たく

　　　名門めいもんの学校がっこう・・　

　そんな、とくべつな町まちの原型げんけいが　できたのは、

明治めいじいこう（以降いこう）らしいですが、

（どんな人ひとが住すんだ、どんな町まちだったのか・・？）

　クリンたち、歩あるき回まわって　ちょうさ（調査ちょうさ）したので、次回じかいから、ホウコクします

（つづく）

　「番ばん町まち皿さら屋敷やしき」の町まちで、クリンたち、現代げんだい風ふうの皿さらやしき（屋敷やしき）を

見みつけてしまいました

　「番ばん町まち食堂しょくどう」です

　「ペザント四番よんばん町まち」というビルに入はいっている、地下ちかのレストラン・・

おそらく、

こんにち、

お菊きくさんのれい（霊れい）は

夜よな夜よな・この店みせで

お皿さらと　お札さつを、数かぞえているに　ちがいない・・。

　（すごい・おいしそうな　のろ（呪のろい）い・・）

（つづく）

　虫むしけら・同どうぜん（然しか）に　見下みくだされていた庶民しょみんが、

武士ぶしにやり返かえす、

お菊きくさんの　「井戸いどの会談かいだん」・・。

　それは、江戸えど時代じだい、じょうるり（浄瑠璃じょうるり）や　こうだん（講談こうだん）や　カブキ（歌舞伎かぶき）として

さまざま・語かたられてきましたが、

これを

大正たいしょう時代じだいに　ラブストーリーに

仕立したてて直なおしたのが、

　岡本おかもときどう（綺堂きどう）です。

この辺あたりに住すんでいたらしい・・。　（←麹こうじ町まち２丁目ちょうめ）

　はたもと（旗本はたもと）の「青山あおやま播磨はりま」は、自分じぶんの家いえに仕つかえる侍女じじょ・お菊きくと

恋仲こいなかでした

しかし、

ある日ひ、はりま（播磨はりま）に　

えんだん（縁談えんだん）が　もち上あがり、

お菊きくは　なやみます。。

　はりま（播磨はりま）の心しんを　ためそうと、わざと、青山あおやま家か・家宝かほうの皿さらを

わ（割わり）ってしまう・お菊きく

はじめは、

笑わらってゆるした・はりま（播磨はりま）も、

実じつはそれが、こい（故意こい）だとわかると

げきど（激怒げきど）

「俺おれの心しんを疑うたがいやがったかーー」

　と、お菊きくを　き（斬き）ってしまいます

カブキ（歌舞伎かぶき）では、

はりま（播磨はりま）が　残のこり９枚まいの皿さらを

一いち枚まい・一いち枚まいわり、

それを　お菊きくに

「一いち枚まい・二に枚まい・・」と

数かぞえさせる、という

どエスなシーンで　クライマックスを

むかえるそうですが。。

　「ひどい　はりま！　けっきょく・お菊きくのこと、見下みくだしてんじゃん」

（つづく）

皿さらをわった

という・ぬれ衣ぎぬで、

　主人しゅじんに手て討うちにされる・侍女じじょ

この手ての「お菊きくさん伝説でんせつ」は、

江戸えど番ばん町まちや

ばんしゅう（播州ばんしゅう）のみならず、

全国ぜんこく各地かくちに　

たくさんのこされているそうです。

研究けんきゅう者しゃたちは、

　そんな風ふうに全国ぜんこく化かした理由りゆうを、

「身分みぶん制せい社会しゃかいに不満ふまんを持もつ庶民しょみんが、

　憂うさ晴ばらしのために

　『武士ぶしをたたり家かを断絶だんぜつさせるお菊きく』

　という、

　幽霊ゆうれいを生うみ出だしたんだ」

って

考かんがえているらしい

　（・・・・・なるほど。それも一理いちりある。）

「お武家ぶけさま」という

ごく・ひとにぎりの

とっけんかいきゅう（特権とっけん階級かいきゅう）

のために、

その他た・大おおぜい（勢いきおい）が　ヘイコラしていた

江戸えど時代じだい

　げんじつ（現実げんじつ）世界せかいで　はらせぬ・うさを、

かいだん（怪談かいだん）に　たくして

はらしたい

　「あんまり・ひどいことすると、庶民しょみんだって、たたるからね」

と

お菊きくを通とおして、うったえているのです

（つづく）

クリンは、

かいだん・さんぽ（怪談かいだん散歩さんぽ）の

だい（第だい）二にだん（弾たま）

「番ばん町まち皿さら屋敷やしき」の町まちに　出でかけました

　スタートは、市ヶ谷いちがや駅えきです。

先日せんじつ歩あるいた四谷よつやのとなり、

　ここ・千代田ちよだ区くの番ばん町まちには、『皿さら屋敷やしき』という　有名ゆうめいなかいだん（怪談かいだん）がある。

　それは、こんなお話はなしです。

・・・・・・

江戸えどの番ばん町まちに、

青山あおやま播磨はりま　という旗本はたもとがいた。

この人ひとは、火付ひつき盗賊とうぞく改あらためをつとめていた　

こわもての役人やくにんで、

　処刑しょけいした盗賊とうぞくの娘むすめ・お菊きくを、侍女じじょとして自分じぶんの家いえに奉公ほうこうさせていた。

　ある日ひ、お菊きくが十じゅう枚まい組ぐみの家宝かほうの皿さらを　一いち枚まい・割わってしまう

という事件じけんがおきた。

　激怒げきどした青山あおやまは、「欠かけた皿さらのかわりに、こうしてやる」と、

お菊きくの中指なかゆびを　切きり落おとしてしまう　　（協力きょうりょく：ミニクリン）

　さらに　「手て討うちにするぞ！！」と　キレる青山あおやま

　お菊きくは、縄なわで縛しばられたまま　必死ひっしで逃にげ、

　裏うらの古こ井戸いどに、身みを投なげて死しんでしまった

その後ご、お菊きくは　主人しゅじんの非道ひどうを恨うらみながら、

　夜よな夜よな、幽霊ゆうれいになって現あらわれる・・・

　「一いち枚まい～、二に枚まい～、三さん枚まい～・・」と、

９枚まいの皿さらを　くり返がえし数かぞえる

お菊きくの声こえが聞きこえる屋敷やしきからは、

人ひとは　どんどん去さって行いき、

　青山あおやま家かは　いつしか絶たえてしまった。。

クリンでも知しってる　有名ゆうめいなお話はなしです

　れきし（歴史れきし）にくわしい・チットによると、

お菊きくの古こ井戸いど話ばなしは、

ひょうご（兵庫ひょうご）県けんで

「播州ばんしゅう皿さら屋敷やしき」という名なで　じょうるり（浄瑠璃じょうるり）になり、

江戸えどに再来さいらいして

「番ばん町まち皿さら屋敷やしき」という　こうだん（講談こうだん）として

語かたられたそうです

　市ヶ谷いちがや駅前えきまえのやすくに（靖国やすくに）通どおりから　中なかに入はいったところに

番ばん町まちがありますが、

　これは、フィクションなので、青山あおやま家かのやしき（屋敷やしき）あとは、　

さがしても見みつかりません

　でも、番ばん町まちへとのぼる坂さかには、

おびざか（帯おび坂ざか）という名なが　つけられており、

　「お菊きくが髪かみをふり乱みだし、帯おびを引ひきずりながら　この坂さかを駆かけて逃にげた」という伝説でんせつが、

まことしやかに・しょうかい（紹介しょうかい）されていました　　（つづく）

今年ことし、

クリン家かこうれい（恒例こうれい）、

夏なつのドライブ旅行りょこうは、

取とりやめになりました

　なごや（名古屋なごや）に行いく予定よていだったのですが、

チットはあさってから　おしごと

おにいちゃんのお休やすみと、

合あわせられなかったのです。。

だから、

なごや・旅たびは　

冬ふゆにえんき（延期えんき）します

　「クリン～、そんなこと、ブログ読よんでる人にんは誰だれ一人ひとり・気きにしないと思おもうけど・・。」（チット）

「・・そんなの、わからないでしょ」（クリン）

　今週こんしゅう末まつに、完全かんぜん引退いんたいが決きまっている、「寝台しんだい特急とっきゅう・北斗星ほくとせい」

昭和しょうわ末まつ年ねんに走はしりはじめた

その　ブルートレインは、

２７年間ねんかん、

　せいかん（青函せいかん）トンネルを走はしりぬけ

「上野うえの～札幌さっぽろ間あいだ」を　行いき来きして

がんばってきました

　開通かいつうの翌年よくねん、中学生ちゅうがくせいだった・うちのチットは、

北海道ほっかいどうのおばあちゃん家かから

こっちに　かえって来くるにあたり、

一人ひとりで　

ほくとせい（北斗星ほくとせい）に　乗車じょうしゃ

　その思おもい出でがよみがえったのか

このたび、

記念きねんスイーツを　買かってきました

それがこの、

「北斗星ほくとせいパッケージ入いりレーズンサンド」です

　車両しゃりょう型がたのはこ（箱はこ）の中なかから、もう一いち車両しゃりょう

この中なかに、５枚まいのバターレーズンサンド。

　２ふたつの車両しゃりょうは、れんけつ（連結れんけつ）できて、９９９円えん

　　　　　（・・・わりといいねだん。）

　「昔むかしの寝台しんだい特急とっきゅうは、寝心地ねごこちがよくなかったけど、

夜中よなか起おきたとき

停車ていしゃ中ちゅうの青森あおもり駅えきが霧きりがかっていたことや

朝方あさがた、上野うえの駅えきが近ちかづいてきて

車内しゃないが華はなやかな雰囲気ふんいきになったのは、

いまだにおぼえているわ。」

と、チットが　なつかしそうに言いいました。

　思おもい出でもれんけつ（連結れんけつ）する、おやつタイムです