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アセラ・エクスプレス

アセラ・エクスプレス（英語えいご: Acela Express）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの旅客りょかく鉄道てつどう公社こうしゃ「アムトラック」が運行うんこうする、ボストン - ニューヨーク - フィラデルフィア - ワシントンD.C.を結むすぶ高速こうそく鉄道てつどうである。名称めいしょうは"Acceleration"（加速かそく）と "Excellence"（優秀ゆうしゅう）を合あわせた造語ぞうごである。[5][6]

アセラ・エクスプレス
アセラ・エクスプレス
概要がいよう
種類しゅるい 都市とし間あいだ高速こうそく鉄道てつどう
地域ちいき ボスウォッシュ圏けん（北東ほくとう回廊かいろう）
前身ぜんしん メトロライナー
運行うんこう開始かいし 2000年ねん12月11日にち (2000-12-11)
現げん運営うんえい者しゃ アムトラック
路線ろせん
起点きてん マサチューセッツ州しゅうボストン
停車ていしゃ地点ちてん数すう 12
終点しゅうてん ワシントンD.C.
営業えいぎょう距離きょり 457マイル (735 km)
平均へいきん所要しょよう時間じかん 6 3⁄4 時間じかん[1]
運行うんこう間隔かんかく 一いち日にち20本ほん[1][2]
列車れっしゃ番号ばんごう 2100–2290
車内しゃないサービス
クラス First Class
Business Class
身障者しんしょうしゃ対応たいおう 対応たいおう
座席ざせき ビジネスクラス:4列れつ
ファーストクラス:3列れつ
食事しょくじ ファーストクラスで提供ていきょう
荷物にもつ 持もち込こみ手荷物てにもつのみ、受託じゅたく手荷物てにもつサービスなし
技術ぎじゅつ
軌間きかん 4 ft 8 1⁄2 in (1,435 mm) 標準軌ひょうじゅんき
運行うんこう速度そくど 150 mph (240 km/h) (top)[3]
170 mph (110 km/h) (avg.)[4]
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運行うんこう系統けいとう図ず

アセラは北米ほくべい大陸たいりくで最もっとも高速こうそくな列車れっしゃであり、最高さいこう時速じそく150マイル（240 km/h）に達たっするが、その速度そくどが出だせるのはルート全体ぜんたい735 kmのうち80.3 kmに過すぎない[7]。高速こうそく運行うんこうが可能かのうな区間くかんは、主おもにペンシルベニア駅えきからユニオン駅えきの364 km区間くかんであり、最短さいたん所要しょよう時間じかんは2時じ間あいだ45分ふん、平均へいきん速度そくどは132 km/hであった[2]。

歴史れきし

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自動車じどうしゃ大国たいこくであるアメリカでは大都市だいとし近郊きんこう区間くかんを除のぞけば鉄道てつどうの旅客りょかくは少すくなく、大都市だいとし間あいだの移動いどうは主おもに飛行機ひこうきが使用しようされている。アムトラックはアメリカ東部とうぶを中心ちゅうしんに路線ろせんを持もち、これまでもニューヨーク - ワシントンD.C．間あいだを結むすぶ特急とっきゅう列車れっしゃなどを運行うんこうしていたが、ビジネス客きゃくの利用りようが多おおかった「メトロライナー」以外いがいの列車れっしゃでは利用りよう者しゃ低迷ていめいにあえいでいた。

そこで起死回生きしかいせいを狙ねらってアメリカで最もっとも人口じんこうが密集みっしゅうする地域ちいきを結むすぶ北東ほくとう回廊かいろうのボストン - ニューヨーク - ワシントンD.C.間あいだに高速こうそく列車れっしゃを走はしらせる計画けいかくが浮上ふじょうした。それが2000年ねんに運行うんこうが開始かいしされたアセラ・エクスプレスである[8]。

アセラが2016年ねんに上あげた収益しゅうえき5億おく8,500万まんドルは、アムトラックの総そう収入しゅうにゅうの25%に相当そうとうする[9]。なおアセラの運転うんてん開始かいし後ごも細々こまごまと（ワシントンD.C. - ニューヨーク間あいだで）運転うんてんされていた「メトロライナー」[10]は2006年ねん10月27日にちの最終さいしゅう運行うんこうをもって全廃ぜんぱいとなった。ちなみに最さい晩年ばんねんの「メトロライナー」は平日へいじつ1往復おうふくの運転うんてんとなっていた。

運行うんこう形態けいたいと設備せつび

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全体ぜんたい的てきに老朽ろうきゅう化かした在来ざいらい線せんで1830年代ねんだいの設備せつびも残のこるが、路線ろせんの近代きんだい化か工事こうじは継続けいぞく的てきに行おこなわれている。交差こうさする道路どうろは立体りったい化かされており踏切ふみきりは非常ひじょうに少すくない。

ワシントンD.C. - フィラデルフィア - ニューヨーク間あいだは複々線ふくふくせんの区間くかんが多おおく、最高さいこう速度そくど215 km/h程度ていどで225マイル（約やく360 km）を最速さいそく2時じ間あいだ47分ふんで結むすぶ。ニューヨーク - ニューヘイブン - ボストン間あいだはニューヨーク近郊きんこうで通勤つうきん列車れっしゃの本数ほんすうが多おおいため大幅おおはばな徐行じょこうを余儀よぎなくされているが、最高さいこう速度そくど240 km/hに対応たいおうしている区間くかんもあり、231マイル（約やく370 km）を最速さいそくで3時じ間あいだ23分ふんで結むすんでいる。

座席ざせきはファーストクラスとビジネスクラスのみからなっており、他たの列車れっしゃのエコノミークラスとは値段ねだん、サービス両面りょうめんで差さをつけている。公衆こうしゅう無線むせんLANも使用しよう可能かのう。カフェ車くるまも連結れんけつされている。ファーストクラスでは他たのアムトラックの寝台しんだい車しゃ同様どうよう、食事しょくじ及および酒さけを含ふくむ飲のみ物ものがサービスされる。アセラ車内しゃない販売はんばい限定げんていサンドイッチも人気にんきが高たかい。

  •  
    ビジネスクラス
  •  
    車内しゃないで談話だんわする副ふく大統領だいとうりょうジョー・バイデン（2009年ねん）
編成へんせい[11][12]
号車ごうしゃ — 1 2 3 4 5 6 — 計けい
用途ようと 電源でんげん車しゃ ファーストクラス ビジネスクラス
(quiet car) 		カフェ ビジネスクラス ビジネスクラス
(end car)		 電源でんげん車しゃ N/A
重量じゅうりょう（ショートトン） 102.0 71.0 69.5 68.5 69.5 71.0 102.0 623.0
重量じゅうりょう（ロングトン,M3トン） 91.1ロングトン; 92.5 t 63.4ロングトン; 64.4 t 62.1ロングトン; 63.0 t 61.2ロングトン; 62.1 t 62.1ロングトン; 63.0 t 63.4ロングトン; 64.4 t 91.1ロングトン; 92.5 t 556.2ロングトン; 565.2 t
定員ていいん N/A 44 65 N/A 65 65 N/A 304

車両しゃりょう

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車両しゃりょうの選定せんていでフランスの「TGV」、ドイツの「ICE」、スペインの「タルゴ」、イタリアの「ペンドリーノ」、スウェーデンの「X2000」といったヨーロッパの高速こうそく列車れっしゃが候補こうほに上あがり、「ICE」や「X2000」は実際じっさいに試運転しうんてんまで行おこなわれたが、最終さいしゅう的てきにはTGVの技術ぎじゅつをベースにした車両しゃりょうが導入どうにゅうされた。車両しゃりょうの製造せいぞうはカナダのボンバルディアとフランスのアルストムの企業きぎょう連合れんごうが行おこなった。

沿岸えんがん部ぶを走はしるという特性とくせいから、車体しゃたいはステンレス無む塗装とそうとなっている。

現在げんざいアムトラックは新型しんがた車両しゃりょうの導入どうにゅうを計画けいかく中ちゅうである[13]。 次期じき新型しんがた車両しゃりょうの製造せいぞうメーカーはアルストムに決定けっていした[14]。アヴェリア・リバティと呼よばれる動力どうりょく集中しゅうちゅう方式ほうしきのタイプで、2023年ねん秋あきの営業えいぎょう運行うんこう開始かいしを目指めざしている[15]。 しかし老朽ろうきゅう化かした線路せんろに問題もんだいがあるとして営業えいぎょう運行うんこう開始かいしは延期えんきされ2024年ねん以降いこうの予定よていである[16]。　試験しけん走行そうこうは2020年ねんに開始かいししており[17]、全ぜん編成へんせいを置おき換かえる予定よていである。

  •  
    上面うわつら写真しゃしん（2001年ねん）
  • 150マイル（240 km/h）通過つうかを撮影さつえい
  •  
    2023年ねんより運行うんこう開始かいし予定よていのアヴェリア・リバティ

停車駅ていしゃえき

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ボスウォッシュ圏けんの人口じんこう密度みつど。黒くろ線せんは鉄道てつどう路線ろせん

アセラ・エクスプレスの停車駅ていしゃえきは、以下いかの通とおりである。途中とちゅう14駅えきに停車ていしゃするが、一部いちぶの列車れっしゃしか停車ていしゃしない駅えきは、アスタリスク（*）でマークしている。接続せつぞくの詳細しょうさい、及および他たの列車れっしゃの停車駅ていしゃえきは北東ほくとう回廊かいろうを参照さんしょう。

停車駅ていしゃえき 州しゅう
ボストン南みなみ駅えき (MBTA) マサチューセッツ州しゅう
バック・ベイ駅えき (MBTA)
ルート128駅えき (MBTA)
プロビデンス駅えき (MBTA) ロードアイランド州しゅう
ニューロンドン駅えき* コネチカット州しゅう
ニューヘイブン・ユニオン駅えき*
スタンフォード駅えき*
ニューヨーク・ペンシルベニア駅えき ニューヨーク州しゅう
ニューアーク・ペンシルベニア駅えき ニュージャージー州しゅう
メトロパーク駅えき（英語えいご版ばん）*
トレントン駅えき*
フィラデルフィア30丁目ちょうめ駅えき ペンシルベニア州しゅう
ウィルミントン駅えき デラウェア州しゅう
ボルチモア・ペンシルベニア駅えき（英語えいご版ばん） メリーランド州しゅう
ボルチモア・ワシントン国際こくさい空港くうこう駅えき*
ワシントン・ユニオン駅えき ワシントンD.C.

問題もんだい点てん

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事故じこや定時ていじ性せいの低ひくさで毎年まいとしのように議会ぎかいの槍玉やりだまに上あがっているアムトラックの起死回生きしかいせいの切きり札ふだとして登場とうじょうしたアセラ・エクスプレスではあったものの、いくつかの問題もんだいが生しょうじている。

所要しょよう時間じかん
前述ぜんじゅつのように在来ざいらい線せんを走はしる高速こうそく列車れっしゃであるため、線形せんけいの影響えいきょうで高速こうそく化かに限界げんかいがある。
故障こしょう
アメリカでは数少かずすくない高速こうそく列車れっしゃであるためか、部品ぶひんの亀裂きれつなどによってたびたび全ぜん列車れっしゃが原因げんいん究明きゅうめいのために運行うんこう停止ていしに陥おちいっている。
2002年ねん8月がつ15日にちには横よこ揺ゆれ吸収きゅうしゅう装置そうちに亀裂きれつが発見はっけんされ、全ぜん車両しゃりょう無む期限きげん運行うんこう停止ていしとなった他ほか、2005年ねん4月がつ15日にちにはブレーキディスクに亀裂きれつが発見はっけんされ、運行うんこう停止ていしとなった。いずれの事例じれいも原因げんいん究明きゅうめい後ごには運転うんてんを再開さいかいしている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b “Northeast Corridor Boston–Washington Timetable”. Amtrak (2019年ねん3月がつ4日にち). 2019年ねん4月がつ26日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b “Northeast Corridor New York–Washington Timetable”. Amtrak (2019年ねん3月がつ4日にち). 2019年ねん4月がつ26日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2019年ねん4月がつ26日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “Acela Express Overview”. Amtrak. 2015年ねん4月がつ21日にち閲覧えつらん。
  4. ^ “Acela Express, United States of America”. Railway Technology. 2014年ねん9月がつ3日にち閲覧えつらん。
  5. ^ “Acela”. Corporate Design Foundation. 2008年ねん10月がつ11日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2009年ねん5月がつ2日にち閲覧えつらん。
  6. ^ Vantuono, William (April 1, 1999). “Amtrak's vision: Today, the Northeast. Tomorrow America”. Railway Age. http://www.accessmylibrary.com/coms2/summary_0286-31922649_ITM 2009年ねん8月がつ29日にち閲覧えつらん。. 
  7. ^ “Northeast Corridor Employee Timetable #5”. National Railroad Passenger Corporation (Amtrak). p. 110 (2014年ねん10月がつ6日にち). 2020年ねん11月12日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2017年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  8. ^ 「Overseas Railway Topics」『鉄道てつどうジャーナル』第だい35巻かん第だい5号ごう、鉄道てつどうジャーナル社しゃ、2001年ねん5月がつ1日にち、120頁ぺーじ。 
  9. ^ “Amtrak FY16 Ridership & Revenue Fact Sheet”. Amtrak (2017年ねん4月がつ17日にち). 2017年ねん11月20日にち閲覧えつらん。
  10. ^ 全盛期ぜんせいきの1980年代ねんだいからはアムフリート型がた客車きゃくしゃ編成へんせいを使用しようしAEM-7形かたち電気でんき機関きかん車しゃが牽引けんいんする客車きゃくしゃ列車れっしゃに変更へんこうされた。
  11. ^ “Acela Express”. Trainweb.org (2001年ねん2月がつ). 2012年ねん6月がつ18日にち閲覧えつらん。
  12. ^ Perren, Brian (April 1998). TGV Handbook, Including Eurostar (2nd ed.). Harrow Weald: Capital Transport Publishing. pp. 156. ISBN 9781854141958. OCLC 47037025. https://www.worldcat.org/oclc/47037025 
  13. ^ 「米べいアムトラック：高速こうそく鉄道てつどう「アセラ」の全ぜん車両しゃりょう入いれ替かえを計画けいかく」『ブルームバーグ』、2012年ねん12月14日にち。2023年ねん1月がつ16日にち閲覧えつらん。オリジナルの2023年ねん1月がつ16日にち時点じてんにおけるアーカイブ。
  14. ^ “Alstom tipped to win Amtrak high-speed train contract”. RailUK. 2023年ねん1月がつ16日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2015年ねん10月がつ5日にち閲覧えつらん。
  15. ^ Luczak, Marybeth. “Acela Trainsets: Amtrak Reveals Interiors, New Revenue Service Date (UPDATED)”. Railway Age. 2022年ねん12月30日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん5月がつ13日にち閲覧えつらん。
  16. ^ “アムトラックの最新さいしん高速こうそく列車れっしゃ｢アセラ｣を見みてみよう…運行うんこう開始かいしは2024年ねんに再さい延期えんき”. 2023年ねん9月がつ23日にち閲覧えつらん。
  17. ^ “New Amtrak Acela fleet introduction delayed”. International Railway Journal. 2022年ねん7月がつ5日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん6月がつ5日にち閲覧えつらん。

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