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アムール川 - Wikipedia
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アムール川がわ

ロシアと中国ちゅうごくを流ながれる川かわ
曖昧さ回避 「黒竜江こくりゅうこう」はこの項目こうもくへ転送てんそうされています。中国ちゅうごくの省しょうについては「黒竜江こくりゅうこう省しょう」をご覧らんください。

アムール川がわ（アムールがわ、ロシア語ご: Амур、ラテン文字もじ転写てんしゃ: Amur）、あるいは黒竜江こくりゅうこう（こくりゅうこう、中国ちゅうごく語ご: 黑龍江こくりゅうこう、拼音: Hēilóngjiāng、満まん洲しゅう語ご:ᠰᠠᡥᠠᠯᡳᠶᠠᠨ
ᡠᠯᠠ転写てんしゃ：sahaliyan ula[1]）は、ユーラシア大陸たいりくの北東ほくとう部ぶを流ながれる川かわである。中国ちゅうごくでは別べつに黒河くろかわ、黒水くろみずなどとも呼よばれる。上流じょうりゅう部ぶの支流しりゅうを含ふくめた全長ぜんちょう4,368 kmは世界せかい8位い、流域りゅういき面積めんせきは185万まん5500 km2で世界せかい10位いである。

アムール川がわ
アムール川
アムール川鉄橋かわてつきょう（ハバロフスク橋きょう）
延長えんちょう 4,368* km
平均へいきん流量りゅうりょう 11,400 m3/s
流域りゅういき面積めんせき 1,855,000k km2
水源すいげん ヘンティ山脈さんみゃくほか
水源すいげんの標高ひょうこう -- m
河口かこう・合流ごうりゅう先さき オホーツク海かい
流域りゅういき モンゴルの旗 モンゴル
中華人民共和国の旗 中国ちゅうごく
ロシアの旗 ロシア
*:上流じょうりゅう部ぶの支流しりゅうを含ふくむ。
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地理ちり

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凍結とうけつするアムール川がわ。

アムール川がわはモンゴル高原こうげん東部とうぶのロシアと中国ちゅうごくとの国境こっきょうにあるシルカ川がわとアルグン川がわの合流ごうりゅう点てんから生しょうじ、中流ちゅうりゅう部ぶは中国ちゅうごく黒竜江こくりゅうこう省しょうとロシア極東きょくとう地方ちほうとの間あいだの境界きょうかいとなっている。ロシアのハバロフスク付近ふきんで北東ほくとうに流ながれを変かえロシア領内りょうないに入はいり、オホーツク海かいのアムール・リマン（英語えいご版ばん）に注そそぐ。リマンとは川かわの河口かこうを指さし、リマン海流かいりゅうは日本海にほんかいを流ながれる海流かいりゅうである。オホーツク海かいの流氷りゅうひょうは、アムール川がわからの流水りゅうすいにより塩分えんぶん濃度のうどが薄うすくなったことによって凝固ぎょうこ点てんが高たかくなった海水かいすいが氷結ひょうけつして形成けいせいされる。

沿岸えんがん一帯いったいのゼヤ川がわとブレヤ川がわの氾濫はんらん原ばら[2]、ヒンガンスキー自然しぜん保護ほご区く[3]および三江みえ平原へいげん[4]などはラムサール条約じょうやく登録とうろく地ちである。

流域りゅういきの都市とし

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黒河くろかわ市し付近ふきんのアムール川がわ、対岸たいがんはロシア。

アムール川がわはロシア側がわのアムール州しゅう・ユダヤ自治じち州しゅう・ハバロフスク地方ちほうと中国ちゅうごく側がわの黒竜江こくりゅうこう省しょうとの国境こっきょうを成なしており、川かわ沿ぞいの主要しゅような都市としとしてはロシアのブラゴヴェシチェンスク、ハバロフスク、コムソモリスク・ナ・アムーレ、ニコラエフスク・ナ・アムーレ、中国ちゅうごく側がわの黒河くろかわ市し・同どう江え市しなどがある。

産業さんぎょう

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アムール川がわは栄養えいようが豊富ほうふであり、サケ類るいをはじめ豊ゆたかな水産すいさん資源しげんに恵めぐまれ、これにより北海道ほっかいどうのオホーツク海かい沿岸えんがん及および沖合おきあいはよい漁場ぎょじょうになっている。一方いっぽうで2005年ねん11月13日にちに起おきた中国ちゅうごく吉林きつりん省しょう吉林きつりん市しにある石油せきゆ化学かがく工場こうじょうの爆発ばくはつ事故じこにより、支流しりゅうの松まつ花江はなえに流ながれ込こんだ有毒ゆうどくな大量たいりょうのベンゼン化合かごう物ぶつによる大だい規模きぼな汚染おせんをはじめ河川かせんの汚染おせんが深刻しんこくである。ロシア側がわアムール川がわ周辺しゅうへん住人じゅうにんは河川かせん汚染おせんを憂慮ゆうりょしておりオホーツク海かい等とうの環境かんきょう汚染おせんにより日本にっぽんも警戒けいかいしている。

歴史れきし

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清きよしに滞在たいざいしたイエズス会かい士し、Jean-François Gerbillon（1697年ねん–1782年ねん）が作成さくせいした清国きよくに全ぜん図ずのうち、アムール川がわ流域りゅういきの拡大かくだい図ず。河口かこうの小ちいさな島しまは樺太からふと北端ほくたん部ぶを描えがいたもの。

中国ちゅうごくの古代こだい王朝おうちょうでは「黒水くろみず」「弱じゃく水みず」「烏がらす桓河」などと呼よばれていたが、13世紀せいきの『遼りょう史し』においてはじめて「黒竜江こくりゅうこう」の名なが出でている。満まん洲しゅう語ごでは「サハリャン・ウラ（ᠰᠠᡥᠠᠯᡳᠶᠠᠨ
ᡠᠯᠠ　転写てんしゃ：Sahaliyan Ula、薩哈連れん烏がらす拉ひしげ、「黒くろい河かわ」の意い）」と呼よばれており、モンゴル語ごでは「ハラムレン（Хар Мөрөн/Khar Mörön、哈拉穆きよし連れん）」、ロシア語ごでは「アムール」となりこれが世界せかい的てきに共通きょうつうする呼よび名なとなっている。サハリン（樺太からふと）という島しまの名なは「サハリャン・ウラの河口かこうの対岸たいがん」にあることからつけられたとされる。

女おんな真しん族ぞく(満まん洲しゅう人じん)はこの川かわを使つかい流域りゅういき民族みんぞく（ほか、アムール河口かこうの対岸たいがんの樺太からふとに住すむアイヌ人じんなど）と、毛皮けがわなどと清国きよくに産品さんぴんを交換こうかんする取引とりひき(山やま丹に交易こうえき)を行おこなっていたが、次第しだいに東ひがしへ進出しんしゅつしてきたロシア人じんと取引とりひきや領土りょうどをめぐり争あらそいが起おこった。17世紀せいきには、ヴァシーリー・ポヤルコフやエロフェイ・ハバロフなどロシア人じんの探検たんけん隊たいがアムール川がわ流域りゅういきに侵入しんにゅうし、中国ちゅうごくの清きよしと南下なんかするロシア帝国ていこくとの間あいだの紛争ふんそう（清しん露ろ国境こっきょう紛争ふんそう、中なか: 雅まさ克かつ萨战役やく、朝あさ: 나선정벌、露ろ: Русско-цинский пограничный конфликт）が起おこった。ロシア人じんはアムール川がわ上流じょうりゅうにアルバジンの要塞ようさいを築きずいたが、清しん軍ぐんにより何なん度ども包囲ほういされ破壊はかいされた。ロシア側がわは和議わぎを求もとめ、1689年ねんのネルチンスク条約じょうやくにおいて、上流じょうりゅうの西側にしがわ以外いがいの流域りゅういきが清国きよくに領土りょうどと定さだめられた。

しかしその後ご清きよしは弱体じゃくたい化かし、ロシアは再ふたたびアムール川がわ沿ぞいの領有りょうゆうを目指めざして探検たんけん隊たいを送おくるようになる（アムール探検たんけん（ロシア語ご版ばん））。1858年ねんのアイグン条約じょうやく（璦琿条約じょうやく）、1860年ねんの北京ぺきん条約じょうやくで、清国きよくに領土りょうどの割譲かつじょう（アムール併合へいごう（英語えいご版ばん））を経へて現在げんざいの国境こっきょう線せんに定さだめられた。

その後ご、アムール川がわおよびその支流しりゅうの中なかにある多おおくの島しまや中州なかすの領有りょうゆう権けんを巡めぐって中ちゅうソ国境こっきょう紛争ふんそうが発生はっせいした。1969年ねんにはウスリー川がわで大だい規模きぼな軍事ぐんじ衝突しょうとつが発生はっせいしたが、2004年ねんに中ちゅう露ろ両国りょうこくは最後さいごまで帰属きぞくが決きまらなかったアムール・ウスリー合流ごうりゅう点てんの黒くろ瞎子島とう（大だいウスリー島とう）をはじめとするすべての地域ちいきにおける東部とうぶ国境こっきょうの確定かくてい完了かんりょうを宣言せんげんし、対立たいりつは鎮静ちんせい化かしている。国境こっきょう画定かくていに伴ともない、ロシア軍ぐんにより黒くろ瞎子島とう内うちより強制きょうせい退去たいきょさせられた元もとロシア人じん居住きょじゅう者しゃが、補償ほしょうを求もとめロシアに対たいし国家こっか賠償ばいしょう訴訟そしょうを起おこしている。

2019年ねん、国境こっきょうのアムール川がわ（黒竜江こくりゅうこう）に架かかる初はつの鉄道てつどう橋きょうである同どう江こう鉄路てつろ大橋おおはしと初はつの道路どうろ橋きょうである黒河くろかわ・ブラゴヴェシチェンスク大橋おおはしが完成かんせいした[5][6][7][8]。

洪水こうずい

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2013年ねん7月がつからはアムール川がわの流域りゅういきで多雨たうとなったことによって、以降いこう、中ちゅう流域りゅういきや下しも流域りゅういきで洪水こうずいが発生はっせいした。なお、ハバロフスクでは、2013年ねん9月がつ3日にちから2013年ねん9月がつ4日にちにかけて、808cmの水位すいいを観測かんそくした。これは、1897年ねんに観測かんそくされた最高さいこう水位すいいの642cmを上回うわまわって、観測かんそく史上しじょう最高さいこうの水位すいいであった[9]。

支流しりゅう

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アムール川がわ流域りゅういきと支流しりゅうの経路けいろ。

下流かりゅうより記載きさい

橋はしとトンネル

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アムール川がわ（ハバロフスク地方ちほう）

下流かりゅうから順じゅんに、次つぎの場所ばしょに橋はしとトンネルがかかっている。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 『満まん洲しゅう実録じつろく・巻一けんいち』 sahaliyan ula helung giyang inu, terei da šanggiyan alinci tucikebi.（sahaliyan ulaは黒竜江こくりゅうこうなり、[長ちょう]白山はくさんに其その源みなもとを発はっす）
  2. ^ “Zeya-Bureya Plains | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (1997年ねん1月がつ1日にち). 2023年ねん4月がつ8日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “Khingano-Arkharinskaya Lowland | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (1997年ねん1月がつ1日にち). 2023年ねん4月がつ8日にち閲覧えつらん。
  4. ^ “San Jiang National Nature Reserve | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2008年ねん1月がつ1日にち). 2023年ねん4月がつ8日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b “Russia Completes Construction of First-Ever Rail Bridge to China”. Moscow Times (2019年ねん3月がつ21日にち). 2019年ねん6月がつ3日にち閲覧えつらん。
  6. ^ “First Ever Russia-China Railway Bridge Completed on Amur River”. Russia Business Today (2019年ねん3月がつ22日にち). 2019年ねん5月がつ12日にち閲覧えつらん。
  7. ^ a b “ロシア・中国ちゅうごく間あいだ、越境えっきょう道路どうろ橋きょうが完成かんせい　来春らいしゅん開通かいつうへ”. CNN (2019年ねん12月1日にち). 2019年ねん12月3日にち閲覧えつらん。
  8. ^ “中ちゅうロ間あいだの道路どうろ橋きょう完成かんせい　来春らいしゅん開通かいつう、極東きょくとうで式典しきてん”. 産経さんけいニュース (2019年ねん11月29日にち). 2019年ねん12月3日にち閲覧えつらん。
  9. ^ 2013年ねん７月がつ以降いこうのアムール川がわ流域りゅういきの多雨たうについて

関連かんれん項目こうもく

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