(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ウォッチメン - Wikipedia

ウォッチメン』(原題げんだい: Watchmen)は、DCコミックスより出版しゅっぱんされたアメリカン・コミックスグラフィックノベル。1986ねんから1987ねんにかけてぜん12かんリミテッド・シリーズ英語えいごばんとして出版しゅっぱんされ、1987ねんにはぜん1かんにまとめられ単行本たんこうぼんされた。作者さくしゃは、ライターのアラン・ムーア作画さくがデイブ・ギボンズ英語えいごばんカラリストジョン・ヒギンズ英語えいごばん

ウォッチメン
Watchmen
出版しゅっぱん情報じょうほう
出版しゅっぱんしゃDCコミックス
形態けいたいリミテッド・シリーズ英語えいごばん
掲載けいさい期間きかん1986ねん9月 - 1987ねん10がつ
はなしすう12
主要しゅようキャラロールシャッハ英語えいごばん
Dr.マンハッタン英語えいごばん
コメディアン英語えいごばん
ナイトオウル英語えいごばん
シルクスペクター英語えいごばん
オジマンディアス英語えいごばん
製作せいさくしゃ
ライターアラン・ムーア
アーティストデイブ・ギボンズ英語えいごばん
着色ちゃくしょくジョン・ヒギンズ英語えいごばん
編集へんしゅうしゃレン・ウェイン英語えいごばん
バーバラ・ケセル英語えいごばん

日本にっぽんでは、1998ねんメディアワークスより、石川いしかわ裕人ひろと秋友あきとも克也かつやおき恭一郎きょういちろううみほう紀光のりみつによる訳書やくしょ『WATCHMEN』が刊行かんこうされた。そのながらく絶版ぜっぱん状態じょうたいであったが、2009ねん2がつ28にち小学館しょうがくかん集英社しゅうえいしゃプロダクションより再刊さいかんされた。

概要がいよう

編集へんしゅう

作者さくしゃのアラン・ムーアはあらたにスーパーヒーロー創造そうぞうするにあたり、現代げんだい不安ふあん反映はんえいさせてスーパーヒーローの概念がいねんだつ構築こうちくすることをこころみた。ムーアは主要しゅよう人物じんぶつを6とおりの「はん社会しゃかいせい」を表現ひょうげんするキャラクターとして創造そうぞうし、そのいずれがもっと道徳どうとくてき理解りかい可能かのうであるかの決定けってい読者どくしゃゆだねている[1]ほんさく主要しゅよう登場とうじょう人物じんぶつは、1980年代ねんだい初頭しょとうにDCがチャールトン・コミック英語えいごばんから権利けんり取得しゅとくした一連いちれんのスーパーヒーローが原型げんけいとなっている。なお、ほんさくではコスチュームを犯罪はんざいたたかものを「スーパーヒーロー」とんでおり、おおくのヒーローがいわゆる「ちょう人的じんてき能力のうりょく」をっていない。

ほんさくはヒーローコミックであると同時どうじに、スーパーヒーローが実在じつざいするアメリカの社会しゃかい想定そうていした歴史れきし改変かいへんSFでもある。1938ねんはじめてスーパーヒーローが姿すがたあらわしたことで分岐ぶんきてん発生はっせいし、作中さくちゅうでは世界せかいかれらの存在そんざいにより以下いかのような劇的げきてき影響えいきょうけていることがしめされる。

物語ものがたり開始かいし時点じてんでは、1977ねんに「キーン条例じょうれい」とばれる法律ほうりつ制定せいていされてスーパーヒーローによる自警じけいだん活動かつどう非合法ひごうほうとなったことを背景はいけいに、スーパーヒーローという存在そんざいすで警察けいさつ民間みんかんじんから敵対てきたいされるようになっている。そのため、ヒーローのおおくは引退いんたいしているが、「Dr.マンハッタン」と「コメディアン」とはアメリカ政府せいふ認可にんかしたエージェントとして活動かつどうしている。とくにDr.マンハッタンの存在そんざいはアメリカにソビエトを上回うわまわ戦略せんりゃくてき優位ゆういせいあたえており、両国りょうこくあいだ緊張きんちょうたかめている。物語ものがたりはコメディアンが何者なにものかによって殺害さつがいされる場面ばめんからはじまる。

ほんさくは12のしょうから構成こうせいされ、だい1しょう矢印やじるしのような血痕けっこん付着ふちゃくしたスマイリーフェイスマークのバッジの極端きょくたんなクローズアップからはじまる。この血痕けっこんかたちのイメージは物語ものがたりつうじてなんかえされ、だい2しょう以降いこうは1149ふんからはじまり深夜しんや00ふんいた世界せかい終末しゅうまつ時計とけい彷彿ほうふつとさせる黄色きいろ時計とけい文字もじばんからはじまる。かくしょうのタイトルはしょうおわりでしめされる引用いんようぶんからの抜粋ばっすいであり、この引用いんようぶんではそのしょうでの出来事できごと暗示あんじされる。最終さいしゅうしょうのぞかくしょうまつには、キャラクターの背景はいけい設定せっていかれらによって世界せかいけた影響えいきょう様々さまざま側面そくめんから記述きじゅつする架空かくう文書ぶんしょふくまれている。これらの作中さくちゅうない資料しりょう引退いんたいしたスーパーヒーローの自伝じでん新聞しんぶん記事きじ雑誌ざっしのインタビュー記事きじ警察けいさつ資料しりょう精神せいしん報告ほうこくしょなどからの抜粋ばっすいという形式けいしきをとっており、『ウォッチメン』の世界せかいるのに有効ゆうこうであるととも世界せかいかんにリアリティをあたえている。

タイトルおよびテーマは、ユウェナリスの『風刺ふうし詩集ししゅう英語えいごばんだい6へん女性じょせいへの警告けいこく」からの抜粋ばっすい由来ゆらいする[2]

  • ラテン語らてんご原語げんご
noui consilia et ueteres quaecumque monetis amici,

"pone seram, cohibe".
sed quis custodiet ipsos custodes
cauta est et ab illis incipit uxor

— Iuvenalis、Saturae VI l.346-349[3]
  • 英訳えいやく
I hear always the admonishment of my friends:

"Bolt her in, and constrain her!"
But who will watch the watchmen?
The wife arranges accordingly, and begins with them

— Juvenal、Satires 6 l.346-349[4]
  • 日本語にほんごやく
わたしとも忠告ちゅうこくつねく。

彼女かのじょかんぬきけ、拘束こうそくせよ!」
しかし、だれ見張みはりを見張みはるのか?
つま手筈てはずととのえて、かれらとことはじめる

— ユウェナリス、『風刺ふうし詩集ししゅう英語えいごばんだい6へん l.346-349

制作せいさく背景はいけい

編集へんしゅう

1985ねん、DCコミックスはチャールトン・コミックから一連いちれんのキャラクターの権利けんり取得しゅとくした[5]当時とうじムーアは、かつて1980年代ねんだい初頭しょとうに『ミラクルマン』シリーズでおこなったように、みずからの改革かいかく可能かのうなキャラクターを登場とうじょうさせたストーリーの執筆しっぴつかんがえていた。アーチー・コミック前身ぜんしんMLJコミックのマイティ・クルセイダーシリーズがこの計画けいかく使用しようできるかもしれないとムーアはかんがえており、星条旗せいじょうきをモチーフにしたコスチュームをにまとった愛国あいこくヒーローで、FBIの諜報ちょうほういんでもあるザ・シールドの死体したい港湾こうわん発見はっけんされることからはじまる殺人さつじんミステリーのプロットをあたためていた。読者どくしゃ見覚みおぼえのあるキャラクターを使つかうことで、「読者どくしゃがこれらのキャラクターたちにリアリティをかんじ、おおきなおどろきと衝撃しょうげきけ」さえすれば、最終さいしゅうてき使用しようするキャラクターたちだれであろうとかまわないとムーアはおもっていた[6]。ムーアはこの着想ちゃくそうもちいてチャールトンのキャラクターを登場とうじょうさせた企画きかくしょ『Who Killed the Peacemaker』(『だれがピースメーカーをころしたか』)をつく[7]、DCの編集へんしゅうちょうディック・ジョルダーノにいきなりおくけた[5]。ジョルダーノはこの企画きかく採用さいようしたが、チャールトンのキャラクターを使用しようするというあんには反対はんたいした。ムーアは「かねのかかったキャラクターたちが、んだり役立やくだたずにされてわってしまうことに、DCは気付きづいたんだ」とべている。ジョルダーノはそのわりに、オリジナルキャラクターを使用しようして企画きかくつくなおすようムーアを説得せっとくした[8]最初さいしょのムーアはオリジナルのキャラクターでは読者どくしゃ感動かんどうこせないとかんがえていたが、のちかんがえをあらためた。ムーアは「結局けっきょくわたし代用だいようとなるキャラクターを充分じゅうぶん描写びょうしゃすれば、かれらはある意味いみ見慣みなれた存在そんざいとなり、かれらの外見がいけんはあるしゅのスーパーヒーロー一般いっぱんおもこさせるものとなること気付きづいた。そして、それはうまくいった」とべた[6]>。

過去かこ作品さくひんでムーアとんだ経験けいけんのあるアーティストのデイブ・ギボンズは、ムーアがある作品さくひん構想こうそうんでいることをききつけた。自分じぶん参加さんかしたいとべたギボンズに、ムーアはストーリーの概略がいりゃくおくった[9]。ギボンズはジョルダーノにムーアが企画きかくしたシリーズの作画さくが手掛てがけたいとつたえた。ジョルダーノはギボンズにムーアの意向いこうはどうかとたずね、ギボンズがムーアも自分じぶん作画さくがのぞんでいるとこたえたことで、ギボンズは参加さんかすることになった[10]。カラリストのジョン・ヒギンズの風変ふうがわりな作風さくふうこのんでいたギボンズは、ヒギンズをこの企画きかくさそれた。ヒギンズはギボンズの近所きんじょんでおり、2人ふたりは「(作画さくがについて)かたったり、うみえて手紙てがみおくりあうよりは親密しんみつ近所きんじょづきあいをしていた」[7]。ジョルダーノが監修かんしゅうしゃとしての地位ちいまる一方いっぽうで、レン・ウェインが編集へんしゅうしゃとしてくわわった。ウェインとジョルダーノの両者りょうしゃ企画きかくから距離きょりき、やがて企画きかくはなれた。ジョルダーノは「そもそも、アラン・ムーアの校正こうせいができるやつがいるかね?」とべている[5]

企画きかく許可きょかたムーアとギボンズは、ギボンズの自宅じたくでキャラクターの創造そうぞうと、物語ものがたりない詳細しょうさい社会しゃかい環境かんきょう構築こうちく着想ちゃくそうもととなるアイデアについての議論ぎろんおこなった[8]2人ふたりとく影響えいきょうけたのは、『MADにおける『スーパーマン』のパロディ『スーパーデューパーマン』である。ムーアは「我々われわれはスーパーデューパーマンの180反対はんたい目指めざした――喜劇きげきてきではなく、劇的げきてきな」とかたった[8]。ムーアとギボンズは、「まったあたらしい世界せかいきる、なつかしいお馴染なじみのスーパーヒーローたち」の物語ものがたりかんがした[11]。ムーアの意図いとしたのは「ある程度ていど重厚じゅうこうさと密度みつどそなえたなにか。わば、スーパーヒーローばん白鯨はくげい』だ」とべた[1]。ムーアは登場とうじょう人物じんぶつ名前なまえ説明せつめいおもいたが、その外見がいけん詳細しょうさいはギボンズにまかせた。ギボンズはえてそのでキャラクターのデザインはせず、わりに「いたときにそれをやった。(中略ちゅうりゃく)おそらくスケッチだけで2、3週間しゅうかんかった」[7]。ギボンズはかれのキャラクターたちえがやすいようにデザインした。ロールシャッハが一番いちばんりのキャラクターだったとギボンズはかたっている。その理由りゆうについて「えがかねばならないのは帽子ぼうしだけだ。帽子ぼうしさええがければきみにもロールシャッハはえがける。はただかお輪郭りんかくえがいてくろインクのみをなんてきらせば、それでロールシャッハの出来上できあがりだ」とべた[12]

DCの作品さくひん『キャメロット3000』が原因げんいん直面ちょくめんしていた出版しゅっぱん延期えんきけようと、ムーアはすぐさま原作げんさく執筆しっぴつ着手ちゃくしゅした[13]。ムーアはだい1原作げんさく執筆しっぴつしていたときに「わたしは6ぶんのプロットしかかんがえていなかった。我々われわれは12作品さくひん契約けいやくしていたというのに!」とべた。ムーアがかんがえた解決かいけつさくは、物語ものがたり本筋ほんすじ登場とうじょう人物じんぶつ過去かこ出来事できごとを、かくはなし交互こうごあつかうというものであった[14]。ムーアはギボンズにたいして非常ひじょう詳細しょうさい原作げんさく執筆しっぴつした。ギボンズは「『ウォッチメン』だい1原作げんさくは、行間ぎょうかんのぎっしりまったタイプ原稿げんこうで101ページはあったとおもう。かくコマの説明せつめいあいだ空行くうぎょうはなくて、かくページのあいだにさえ空行くうぎょうがなかった」と回想かいそうしている[15]原作げんさくると、ギボンズはすぐに原稿げんこうにページすうんだ。「もしゆか原稿げんこうとしたりしたら、ただしい順番じゅんばんならべなおすのに2にちはかかるだろうからね」とかたった。作中さくちゅうのセリフとキャプションや具体ぐたいてき場面ばめん描写びょうしゃには、マーカーでしるしけられた。「マーカーでせん箇所かしょ見極みきわめるだけでも、ちょっとしたいち仕事しごとだったよ」とかたった[15]。ムーアは詳細しょうさい原作げんさくわたしていたが、かくコマの説明せつめいはしばしば「これはきみ作画さくがにはかないかもしれない。一番いちばん上手うまくいくやりかたでやってくれ」という注意ちゅういきでわっていた。それにもかかわらず、ギボンズはムーアの指示しじ忠実ちゅうじつ実行じっこうした[16]。ギボンズは『ウォッチメン』世界せかい視覚しかくにあたって、ムーア自身じしんのちになるまで気付きづかなかったような、背景はいけいこまかい描写びょうしゃ多数たすう挿入そうにゅうした[1]。ムーアは調査ちょうさちゅう疑問ぎもんかくはなしふくまれる引用いんようぶんについてたずねるため、ときおり友人ゆうじんであるニール・ゲイマン連絡れんらくった[14]

その意思いしにもかかわらず、1986ねん11月に、ムーアは制作せいさくおくれをみとめざるをなくなった。だい5がニューススタンドにならんでいるときに、ムーアはまだだい9原作げんさくいていた[15]。ギボンズは制作せいさくおくれの最大さいだい原因げんいんは、かれがムーアの原稿げんこうときの「細切こまぎれのかた」だったとべている。ギボンズによれば制作せいさくチームのペースはだい4あたりからおくれがちになり、これ以降いこう徐々じょじょにギボンズはムーアから、「いちすうページぶん原作げんさくしかわたされなくなった。3ページぶん原作げんさくをアランからって作画さくがし、それがわりかけると、アランに電話でんわしてう。『エサをくれ!』するとアランがつぎの2〜3ページぶんか、ひょっとしたら1ページぶんときによっては6ページぶん原作げんさくおくってくる」[17]りがせまると、ムーアはタクシーで50マイルをばしてギボンズに原稿げんこうとどけた。後半こうはんかくはなしでは、ギボンズは時間じかん節約せつやくのためにつま息子むすこにワクせんくのを手伝てつだわせた[14]。オジマンディアスがロールシャッハの奇襲きしゅうふせ場面ばめんでは、ギボンズがセリフを1ページにおされなかったため、ムーアはやむなくオジマンディアスによるナレーションをけずった[18]

制作せいさくおわりに近付ちかづいたころに、ムーアはこの作品さくひんがテレビドラマ『アウター・リミッツ』のいちエピソード「ゆがめられた世界せかい統一とういつ」(原題げんだいThe Architects of Fear)に似通にかよったものとなりつつあること気付きづいた[14]。ムーアとウェインは結末けつまつ変更へんこうについて論争ろんそうし、ムーアが勝利しょうりおさめたものの、最終さいしゅうばなしではこのドラマが作中さくちゅう登場とうじょうするテレビのなか放送ほうそうされているコマがあり、ほんさく影響えいきょうけたことを、さりげなくみとめている[16]

1985ねん10月、ニューヨーク市警しけいエドワード・ブレイクというおとこころされた事件じけん調査ちょうさしていた。警察けいさつ解決かいけつをあきらめたものの、条例じょうれいはんしていまもなおヒーロー活動かつどうつづけているロールシャッハ/ウォルター・コバックスはさらに調査ちょうさ継続けいぞくすることにした。ロールシャッハはブレイクの正体しょうたい政府せいふ所属しょぞくするスーパーヒーロー・コメディアンだとり、「この事件じけんはヒーローりである」という仮説かせつて、引退いんたいしたもと相棒あいぼう代目だいめナイトオウル/ダン・ドライバーグちょう人的じんてき能力のうりょくつが人間にんげんせいうしないつつあるDr.マンハッタン/ジョン・オスターマンかれ恋人こいびとである代目だいめシルクスペクター/ローリー・ジュスペクツィク成功せいこうした実業じつぎょうであるオジマンディアス/エイドリアン・ヴェイトらかつて「クライムバスターズ」としてともたたかった仲間なかまたちに警告けいこくはっするも、かれ警告けいこくしんけるものすくなかった。

コメディアンの葬儀そうぎ、テレビの討論とうろん番組ばんぐみ出演しゅつえんしたDr.マンハッタンは、記者きしゃダグ・ロスから自身じしん身体しんたいからはっせられる放射線ほうしゃせん友人ゆうじん同僚どうりょうがん原因げんいんとなっていることを指摘してきされる。Dr.マンハッタン自身じしんもその指摘してき困惑こんわくするなか、アメリカ政府せいふがこれを事実じじつみとめてしまったことで、Dr.マンハッタンは地球ちきゅうはなれることをえら火星かせいテレポートする。Dr.マンハッタンはアメリカ最大さいだい兵器へいきでもあったため、かれ失踪しっそう好機こうきたソビエトはアフガニスタンに侵攻しんこう世界せかい情勢じょうせい悪化あっか一途いっと辿たどる。さらにオジマンディアスの暗殺あんさつ未遂みすい事件じけんがおこり、ロールシャッハの懸念けねん現実味げんじつみはじめる。ロールシャッハはかつてのスーパーヴィランであるモーロック・ザ・ミスティック/エドガー・ジャコビ接触せっしょくするなど秘密裏ひみつり調査ちょうさすすめるが、自身じしんわなにかけられモーロック殺害さつがい容疑ようぎ投獄とうごくされてしまうのだった。

Dr.マンハッタンの失踪しっそうにより政府せいふ給料きゅうりょうこと出来できなくなったシルクスペクターは、ナイトオウルのいえせる。きでこいちた2人ふたりはコスチュームをにつけて自警じけいだん活動かつどう再開さいかいする。そのなかでロールシャッハのせつしんはじめていたナイトオウルはシルクスペクターを説得せっとくしてロールシャッハの脱獄だつごく手助てだすけする。チームとして本格ほんかくてきにヒーロー活動かつどうはじめようとしていた3にんだったが、火星かせいたび自分じぶん人生じんせいかえったDr.マンハッタンがあらわれ、シルクスペクターにたいして彼女かのじょ人類じんるい運命うんめいにぎっているとり、彼女かのじょともなってふたた火星かせいにテレポートする。2人ふたり口論こうろんがやがて人間にんげん価値かちについての議論ぎろん発展はってんするなか、コメディアンがシルクスペクターの母親ははおやであるサリー・ジュピター(初代しょだいシルクスペクター)たいするレイプ未遂みすい事件じけんこしたすうねん合意ごういした性行為せいこういおこなったこと、コメディアンはシルクスペクターの生物せいぶつがくてき父親ちちおやであるという事実じじつあきらかになる。人間にんげん感情かんじょう人間にんげん関係かんけい複雑ふくざつさ、そして人間にんげん誕生たんじょう奇跡きせきせい反映はんえいしたこの発見はっけんは、Dr.マンハッタンに人間にんげんへの関心かんしん再燃さいねんさせふたた地球ちきゅうもどることを決意けついする。

地球ちきゅうのこされたナイトオウルとロールシャッハは調査ちょうさつづけ、Dr.マンハッタンの「犠牲ぎせい」になった人物じんぶつ全員ぜんいん、かつて「次元じげん開発かいはつしゃ」につとめていたこと、ころにオジマンディアス暗殺あんさつ依頼いらい仲介ちゅうかいをしたのは「ピラミッド宅配たくはい会社かいしゃ」だということめる。これらの関係かんけい調しらげるためオジマンディアスのちからりようとヴェイトしゃかう2人ふたりだったが、そこにはだれもいない。仕方しかたなくヴェイトしゃのデータベースにアクセスすると、次元じげん開発かいはつしゃとピラミッド宅配たくはい会社かいしゃはいずれもヴェイトしゃ子会社こがいしゃであることが判明はんめいする。オジマンディアスこそが黒幕くろまくである可能かのうせい辿たどいた2人ふたりは、南極なんきょくにあるオジマンディアスの秘密ひみつ基地きち「カルナック」の存在そんざいあばき、真実しんじつるため南極なんきょくかう準備じゅんびすすめる。この時点じてんでロールシャッハは、それまでの調査ちょうさ記録きろくすべてをまとめた日記にっき地元じもと右翼うよくけい新聞しんぶん『ニュー・フロンティアズマン』郵送ゆうそうする。

ナイトオウルとロールシャッハは「カルナック」に到着とうちゃくし、ついにオジマンディアスと対峙たいじする。2人ふたり攻撃こうげきなんなくかわしたオジマンディアスは自身じしん計画けいかくについてかたはじめる。かく戦争せんそうによる世界せかい滅亡めつぼううれいていたオジマンディアスは、「地球ちきゅうがいからの侵略しんりゃくしゃ」という人類じんるいにとっての共通きょうつうてきつくこと敵対てきたいする国家こっか同士どうしむすびつけることを画策かくさくみずか巨大きょだいなエイリアンを創造そうぞうし「エイリアンの侵略しんりゃくによりニューヨーク市民しみん半分はんぶんころされた」と偽装ぎそうするという計画けいかくくわだてていたのだった。そして、その実現じつげんのために強大きょうだいかつ予測よそく不能ふのうなDr.マンハッタンを「放射線ほうしゃせんによるがん」のうわさを流布るふさせて排除はいじょし、ロールシャッハによる計画けいかく妨害ぼうがい警戒けいかいして、みずからの暗殺あんさつ未遂みすい偽装ぎそうして「ヒーローり」のあやまった仮説かせつ補強ほきょうし、モーロック殺害さつがいつみせて逮捕たいほさせた。コメディアンはかれ計画けいかくちかづきぎたため、オジマンディアスによって殺害さつがいされたのだった。真実しんじつり「ともかく、だい惨事さんじまえ阻止そしできてかった」と安堵あんど表情ひょうじょうかべるナイトオウルにたいし、オジマンディアスは「わたしむかし漫画まんがほん悪役あくやくではないんだ。妨害ぼうがいされる可能かのうせいすこしでもあるなら、計画けいかくかすとおもうかね?」「35ふんまえ実行じっこうしたよ」といいはなつ。

Dr.マンハッタンとシルクスペクターが地球ちきゅうもどると、ニューヨークでは悪夢あくむのようなだい惨事さんじこっていた。人々ひとびと大量たいりょうし、まち崩壊ほうかい、そしてまちなかには遺伝子いでんし操作そうさによってされたクトゥルフのような巨大きょだい怪物かいぶつ死骸しがいよこたわる。Dr.マンハッタンは自身じしん能力のうりょく制限せいげんされていること気付きづき、南極なんきょくからはっせられるタキオン辿たどって2にんはテレポートする。オジマンディアスは南極なんきょくあつまった一同いちどうに「宇宙うちゅうから侵略しんりゃく脅威きょうい直面ちょくめんしたアメリカとソビエトは戦争せんそう中止ちゅうしし、共通きょうつう脅威きょうい対抗たいこうするために電撃でんげきてき和解わかいおこなった」とのニュース放送ほうそうせ、「やったぞ!」と歓喜かんきなみだながす。ほとんどのもの世界せかい平和へいわまもるためにオジマンディアスの陰謀いんぼう国民こくみんから隠蔽いんぺいすることに同意どういしたが、唯一ゆいいつロールシャッハのみは「わらわせるな」「世界せかいほろんでも絶対ぜったい妥協だきょうはしない」と同意どうい拒絶きょぜつする。ロールシャッハはDr.マンハッタンにめられるも「めたいなら自分じぶんころすしかない」といいはなち、Dr.マンハッタンはかれ気化きかさせて殺害さつがいする。

オジマンディアスはDr.マンハッタンに「最後さいごにはわたしのしたことはただしかったんだよな?」とくが、Dr.マンハッタンは「最後さいごなど存在そんざいしない」といいのこし、あらたに価値かち見出みいだした生命せいめい創造そうぞうするために永久えいきゅう地球ちきゅうる。ナイトオウルとシルクスペクターはあらたな身分みぶんれ、恋愛れんあいつづける。

ニューヨークでは『ニュー・フロンティアズマン』編集へんしゅうちょうが、あたらしい政治せいじ情勢じょうせいのためソビエトにたいする批判ひはんてき記事きじけず、記事きじに2ページぶんあないてしまったことなげく。かれ助手じょしゅ適当てきとう記事きじつくるよう命令めいれいし、助手じょしゅはクランク・ファイルから記事きじつくろいはじめる。編集へんしゅうしゃから「悲惨ひさん人生じんせいなかで、せめていちぐらい責任せきにんって意味いみのある仕事しごとをしてみろ!」と叱責しっせきされた助手じょしゅ山積やまづみになったクランク・ファイルの頂上ちょうじょうにあるロールシャッハの日誌にっしちかづいて物語ものがたりわる。

そして、最終さいしゅうページでは12しめしたかく戦争せんそうまでの『のこ時間じかん』がゼロになった、あるいはかく戦争せんそうの『可能かのうせい』がゼロになった世界せかい終末しゅうまつ時計とけい象徴しょうちょうてきえがかれる。

登場とうじょう人物じんぶつ

編集へんしゅう

クライムバスターズ

編集へんしゅう
ロールシャッハ/ウォルター・ジョゼフ・コバックス(Rorschach/Walter Joseph Kovacs
ほんさく狂言回きょうげんまわ違法いほう活動かつどうつづけている唯一ゆいいつのヒーロー。ちょう能力のうりょくこそたないものの、かつて体操たいそう競技きょうぎやアマチュア・ボクシングに才能さいのうせた身体しんたい能力のうりょく武器ぶきとする。また、おのれ正義せいぎかん異常いじょうなまでに忠実ちゅうじつであり、そのかたニーチェ提唱ていしょうした精神せいしんてき超人ちょうじん」にちかい。その行動こうどう暴力ぼうりょくてきであり、すくなくとも2けん殺人さつじん容疑ようぎけられており、正当せいとう防衛ぼうえい殺人さつじんが5けんはある。1977ねんにキーン条例じょうれい制定せいていされたときは、連続れんぞく強姦ごうかん死体したいに「ことわる!」というメッセージをえて警察けいさつしょまえ放置ほうちした。
フェドーラ帽子ぼうし灰色はいいろのスカーフ、茶色ちゃいろトレンチコート同様どうよういろかわ手袋てぶくろ紫色むらさきいろのストライプ、まったみがかれていないエレベーターシューズ、そしてロールシャッハ・テストおもわせる意匠いしょうのマスクをコスチュームとしている。マスクは白色はくしょく生地きじはさまれたくろ液体えきたい圧力あつりょくねつ反応はんのうして流動りゅうどうして模様もようわる「インクブロットマスク」。その、ガスあつでフックを発射はっしゃするワイヤーガン[ちゅう 1]日記にっき携帯けいたいしており、捜査そうさじょうきょう自警じけい活動かつどう内容ないよう記録きろくしている[ちゅう 2]
正体しょうたい身長しんちょう167cm、体重たいじゅう64kgの赤毛あかげ無表情むひょうじょう男性だんせいとしてしめされる[ちゅう 3]無職むしょくであり、普段ふだんは「The End is Nigh(終末しゅうまつちかい)」とかれた看板かんばんってまちちゅう徘徊はいかいしている。かれ自身じしんみにくかおわりに、覆面ふくめんを「本当ほんとうかお」だとしている[ちゅう 4]風呂ふろはいらず、洗濯せんたくもせず、部屋へや掃除そうじしないため、非常ひじょう不潔ふけつ本人ほんにんまった改善かいぜんするはない。)。また、はげしい右翼うよく主義しゅぎしゃであり、幼少ようしょう経験けいけんから女性じょせい性行為せいこうい嫌悪けんおかんいている。
幼少ようしょうまずしい母子ぼし家庭かていそだち、売春ばいしゅん生計せいけいてていた母親ははおやからは虐待ぎゃくたいけていた。その自身じしんこした暴力ぼうりょく沙汰ざたがきっかけで児童じどう養護ようご施設しせつられることとなり、そこで様々さまざま分野ぶんや才能さいのうせるとともに社会しゃかいせい回復かいふくみとめられ、出所しゅっしょ縫製ほうせい工場こうじょう勤務きんむする。1964ねん3がつ、かつて顧客こきゃくであった女性じょせいキティ・ジェノヴィーズ)が殺害さつがいされたこと、大声おおごえたすけをもとめる彼女かのじょだれけようとしなかったことをったことで人間にんげん本性ほんしょう関心かんしん破廉恥はれんちなクズだとさとり、キティのドレスの残骸ざんがい[ちゅう 5]でマスクを作成さくせい、ヒーローとして活動かつどう開始かいしする。
活動かつどう開始かいし当初とうしょ理性りせいたもった模範もはんてきなヒーローであり、1975ねん以前いぜん犯罪はんざいしゃ重傷じゅうしょうわせた記録きろくく、ころさず拘束こうそくした犯人はんにんとともにロールシャッハテストの模様もよういたカードをのこ警察けいさつわたすというスタイルであった。また、1960年代ねんだい代目だいめナイトオウルとチームをんでギャングとたたかっていた。しかし、1975ねん発生はっせいしたブレア・ロッシュ少女しょうじょ誘拐ゆうかい事件じけんをきっかけにかれ変貌へんぼうする。容疑ようぎしゃおとこ追跡ついせきしたさき小屋こやおとこ少女しょうじょころして死体したいいぬわせた証拠しょうこつけたコバックスは、衝動しょうどうてきいぬあたま包丁ほうちょうはたり、かえってきたおとこいぬ死体したいまどからげつけ、手錠てじょうをかけてストーブの灯油とうゆはなった。人間にんげん社会しゃかいたいしていていたわずかな希望きぼうくだかれたコバックスは「まれわり、無意味むいみ白紙はくし世界せかい自分じぶんかんがえをしるそうと決意けつい」、なかみずからの価値かちかん極端きょくたんなまでにぜんあく二分にぶんし、あく做したものを徹底的てっていてきだんずるロールシャッハとなった。
モデルは、スティーブ・ディッコ創造そうぞうした「ミスターA(Mr. A)」。鋼鉄こうてつのマスクに背広せびろとフェドーラぼうけたミスターAは自分じぶん倫理りんりかん過酷かこくなまでに忠実ちゅうじつなクライムファイターであり、かれ現場げんばのこしていく「ぜん」のしろと「あく」のくろ二分にぶんされたカードはいかなる倫理りんりてき灰色はいいろ領域りょういきゆるさないというその信念しんねん象徴しょうちょうしている。「このスティーブ・ディッコの典型てんけいてきなキャラクター―へん名前なまえち、「K」ではじまる名字みょうじち、奇妙きみょうなデザインのマスクをこうむっている―を再現さいげんしよう」とこころみたとムーアはかたっている[19]。また、おなじくディッコによって創造そうぞうされた「クエスチョン(Question」も、ロールシャッハのモデルとして使用しようされている[6]
コミック研究けんきゅうのブラッドフォード・W・ライトは、ロールシャッハの世界せかいかんとは「かれ由来ゆらいとなったインクのみをもちいたこころ理学りがくテストのように、くろしろ様々さまざまかたちっても、けっして灰色はいいろじりことがない」ものだとべている。ロールシャッハにとって世界せかい偶然ぐうぜん支配しはいされた場所ばしょであり、ライトによればこの世界せかいかんがロールシャッハに「『モラルの欠落けつらくした世界せかい』へおもうがままに『みずからデザインした模様もようなぐらせて』いる」理由りゆうだという[20]
Dr.マンハッタン/ジョナサン・“ジョン”・オスターマン(Doctor Manhattan/Jonathan "Jon" Osterman
イントリンジック・フィールドの実験じっけんしつきた事故じこにより超人ちょうじんてき能力のうりょくた、ほんさくにおける唯一ゆいいつ超人ちょうじん。あらゆる原子げんしおもうがままに操作そうさできる能力のうりょくつ。また、時間じかん超越ちょうえつしているため自分じぶん体験たいけんした過去かこ現在げんざい未来みらい事象じしょうすべ同時どうじ認識にんしきしている。その一方いっぽうで、ちょう人的じんてき能力のうりょく影響えいきょうけて徐々じょじょ人間にんげんせい喪失そうしつしているが、そのことまわりの人間にんげん理解りかいされていないため、以前いぜん恋人こいびとともすれちがいののちわかれ、現在げんざい恋人こいびとであるローリー(代目だいめシルクスペクター)とのなか悪化あっかしつつあり孤立こりつふかめている。
全身ぜんしん水色みずいろで、体毛たいもう一切いっさいない。がく水素すいそ原子げんしをモチーフにしたマークをえがいている。デビュー当初とうしょくろいボディスーツを着用ちゃくようしていたが、年月としつきるにつれて面積めんせき減少げんしょうし、レオタードじょう、パンツ、ビキニパンツとなり、最終さいしゅうてきには全裸ぜんらとなる[ちゅう 6]
キーン条例じょうれい制定せいていベトナム戦争せんそう勝利しょうりみちびいた功績こうせきくわえ、ソビエトにたいする抑止よくしりょく国防こくぼうようとして活動かつどう許可きょかされた。その技術ぎじゅつによってアメリカの文明ぶんめいおおきく発展はってんしており、現代げんだいしのぐほどの数々かずかずしん技術ぎじゅつ存在そんざいする。これはのスーパーヒーローの装備そうびひんにも影響えいきょうおよぼしている[ちゅう 7]
モデルは「キャプテン・アトム(Captain Atom)」である。キャプテン・アトムはロケットの爆発ばくはつ事故じこ原子げんし分解ぶんかいされたことからスーパーパワーをれたヒーローで、自分じぶんかくエネルギーを周囲しゅうい人間にんげん警告けいこくする原子げんしマークのコスチュームを着用ちゃくようしている。ムーアの原案げんあんじょうでは、キャプテン・アトムはかく戦争せんそう恐怖きょうふ体現たいげんするキャラクターであったが[6]、ムーアはDr.マンハッタンにたいしては、かれがキャプテン・アトムでかんがえていたとき以上いじょうの「量子力学りょうしりきがくてきスーパーヒーロー」の要素ようそくわえている。
また、当時とうじのスーパーヒーローがかれらのオリジンにたいして科学かがく考証こうしょういていたのにたいし、ムーアはDr.マンハッタンの構築こうちくたって原子核げんしかく物理ぶつりがく量子力学りょうしりきがくかんする考証こうしょうこころみた。ムーアは、量子力学りょうしりきがくてき宇宙うちゅうきる人物じんぶつ遠近えんきん法的ほうてき視点してん時間じかん知覚ちかくせず、それはかれ人間にんげん関係かんけいかた影響えいきょうおよぼすであろうとかんがえたが、『スタートレック』のスポックよう感情かんじょうなキャラクターを創造そうぞうするのはけたいとのぞみ、Dr.マンハッタンにある程度ていどの「人間にんげんてき習慣しゅうかん」をのこすことで、そこからストーリーがすすむにつれ徐々じょじょ人間にんげんせいうしなっていくさまえがいた[1]
ギボンズはムーアにたいし、かつて自身じしん創造そうぞうした全身ぜんしん青色あおいろのキャラクター「ローグ・トルーパー(Rogue Trooper)」をもとに、Dr.マンハッタンの皮膚ひふ色調しきちょうにはそのモチーフをさい利用りようしようと提案ていあん、ムーアはその提案ていあん採用さいようした。それにより、ギボンズはコミックの色彩しきさい設計せっけいなかでDr.マンハッタンがけユニークなキャラクターになったとかたっている[21]一方いっぽうのムーアは、DCが全裸ぜんら登場とうじょう人物じんぶつ許可きょかするかどうか確信かくしんてず、Dr.マンハッタンの描写びょうしゃには苦心くしんしたこと回想かいそうしている[22]。ギボンズはマンハッタンの全裸ぜんら上品じょうひん作画さくがすることこころみ、正面しょうめんえがくタイミングを慎重しんちょう選択せんたくし、読者どくしゃがすぐにはそれと気付きづかないような、ギリシャ彫刻ちょうこくふうの、「つつしふかい」男性だんせいかれあたえたとしている[23]
1989ねんにサム・ハムが執筆しっぴつした採用さいよう映画えいが脚本きゃくほんでは、ヴェイトの最終さいしゅう目的もくてきを「過去かこのオスターマンを殺害さつがいしDr.マンハッタンの出現しゅつげんふせぐこと」としており、Dr.マンハッタンがヴェイトを殺害さつがいしたとき歴史れきし変更へんこうされ、オスターマンはDr.マンハッタンに変貌へんぼうしないことになる、というストーリーであった[24][25]
コメディアン/エドワード・モーガン・ブレイク(The Comedian/Edward Morgan Blake
キーン条約じょうやく制定せいてい活動かつどうしている政府せいふ公認こうにんのヒーロー。「ミニッツメン」の発足ほっそく当時とうじからヒーローとして活動かつどうしており、当初とうしょはギャングとたたかっていたが、太平洋戦争たいへいようせんそうベトナム戦争せんそう従軍じゅうぐんして政府せいふにコネをつくり、イランアメリカ大使館たいしかん人質ひとじち事件じけん解決かいけつするなど工作こうさくいんとして活動かつどうしていた。また、ウォーターゲート事件じけん追跡ついせきしていた記者きしゃ殺害さつがいし、ジョン・F・ケネディ暗殺あんさつした張本人ちょうほんにんであることが示唆しさされている。失踪しっそうしたフーデッド・ジャスティスの行方ゆくえ任務にんむにもついており、公式こうしきには失敗しっぱいしたと記録きろくされているが、発見はっけん殺害さつがいしたうえ成果せいかいつわったとも推察すいさつされている。
みずからの暴力ぼうりょく衝動しょうどうたすためにヒーローとなるような過激かげき粗暴そぼう人物じんぶつだが、それゆえに「20世紀せいきという時代じだいパロディ」となることをえらんだ。かつてサリーをレイプしようとしたことがあり、ホリス・メイソン(初代しょだいナイトオウル)の自伝じでんでそれが暴露ばくろされた。そのためローリーから敵視てきしされているが、その事件じけん合意ごういした性行為せいこういおこなっており、そのさいにできた子供こどもこうのローリーであることがかされる。
ミニッツメン時代じだいのコスチュームはかおをドミノマスクでかくしたうすぬの黄色きいろいコスチュームだった。任務にんむちゅう負傷ふしょうしたのちかわせいのフルフェイスマスクと星条旗せいじょうきをアレンジしたかわせいのボディアーマーに変更へんこうしている。また、スマイリーフェイスマークのバッジを愛用あいようしており、コメディアンのよごれたバッジはほんさくのシンボルである。
死亡しぼうするやく1週間しゅうかんまえ任務にんむからの帰還きかん途中とちゅう地図ちずじょう記載きさいされていないしま発見はっけんし、はん政府せいふ組織そしき拠点きょてんであるとうたがとうつも、そこですすめられるオジマンディアスの計画けいかく全貌ぜんぼう目撃もくげきしてしまう。オジマンディアスによる「史上しじょう最大さいだい悪質あくしつなジョーク」をたりにしたコメディアンは精神せいしんのバランスをくずし、モーロックのもとをおとずいかなみだする。そして、その一部始終いちぶしじゅう監視かんししていたオジマンディアスに殺害さつがいされてしまう。
コメディアンの原型げんけいとなっているのは、チャールトン・コミックに登場とうじょうする平和へいわためなら暴力ぼうりょくいとわないという主義しゅぎつスーパーヒーロー「ピースメーカー(Peacemaker)」であり、さらマーベル・コミックのCIA諜報ちょうほういんヒーロー「ニック・フューリーNick Fury)」の要素ようそくわえられている。ムーアとギボンズは、コメディアンを「巨体きょたい怪力かいりきあたえられたジョージ・ゴードン・リディてきなキャラクター」とかんがえていた[6]
代目だいめナイトオウル/ダニエル・“ダン”・ドライバーグ(Nite Owl II/Daniel "Dan" Dreiberg
フクロウをモチーフにしたコスチュームをまとうヒーロー。かつてはロールシャッハの相棒あいぼうとして活躍かつやくしていたが、キーン条例じょうれい制定せいていとも引退いんたいしていた。引退いんたい鳥類ちょうるいかんする論文ろんぶん科学かがく寄稿きこうしている。また、先代せんだいのホリス・メイソンやロールシャッハとのあいだには友人ゆうじん関係かんけいつづいている。
子供こどもころから騎士きし物語ものがたりやヒーローにあこがれており、銀行ぎんこうであったちち遺産いさん装備そうびととのえ、メイソンが引退いんたいすると許可きょか名前なまえ襲名しゅうめいしてデビューした。ステルス機能きのうくわえて火炎かえん放射ほうしゃやミサイル、機関きかんほう搭載とうさいした飛行船ひこうせんオウルシップ・アーチー[ちゅう 8]小型こがたレーザーホバーバイク各種かくしゅ防護ぼうごふくくらゴーグルを使用しようする。また、ベルトには様々さまざま装備そうびひん収納しゅうのうされたポーチがそなわっており、リモコンを使つかってアーチーを遠隔えんかく操作そうさすることなども可能かのう
みずか引退いんたいみちえらんだものの、いま情熱じょうねついださえんでいたためインポテンツであったが、ローリーとの再会さいかいなどをてヒーロー活動かつどう再開さいかいするにつれてかつてのかがやきをもどす。
モデルは「代目だいめブルービートル/テッド・コード(Blue Beetle II/Ted Kord)」。コードは先代せんだいであるダン・ギャレット(Dan Garrett)の遺志いしぎ、代目だいめブルービートルとして、昆虫こんちゅうがた飛行船ひこうせんまわし、みずか発明はつめいした武器ぶきたたかうヒーローだった。正体しょうたい新人しんじん警官けいかんである先代せんだいのギャレットは、初代しょだいナイトオウルであるホリス・メイソンのモデルにもなっている[6]。リチャード・レイノルズは自著じちょ『Super Heroes: A Modern Mythology』において、ナイトオウルの行動こうどう様式ようしきにはDCの「バットマン」とよりおおきな共通きょうつうてんられるとべている[26]。ジェフ・クロックによれば、ドライバーグの普段ふだん姿すがたは「中年ちゅうねんたっした性的せいてき不能ふのうクラーク・ケント連想れんそうさせる」[27]。ギボンズはドライバーグを「自分じぶん趣味しゅみ過度かど没頭ぼっとうする、漫画まんがマニアの少年しょうねん」だとかんがえていた[28]
オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイト(Ozymandias/Adrian Veidt
卓越たくえつした頭脳ずのうち、世界せかいもっとかしこおとこばれる。すぐれたアスリートでもあり、その身体しんたい能力のうりょく至近しきん距離きょり発射はっしゃされた銃弾じゅうだん素手すでめられるほどたかい。金色きんいろのヘッドバンド、マント、むねかざりのついたチュニックというコスチュームを着用ちゃくよう現役げんえき時代じだいはドミノマスクでかおかくしていたが、引退いんたいにコスチュームをさいには素顔すがおのままである。
かつてはアレキサンダー大王だいおうあこがれてユーラシア大陸たいりく放浪ほうろうしたが、かれ失敗しっぱいしたことさとると今度こんどラムセス2せいまなんだ。名前なまえの「オジマンディアス」は、ラムセス2せいのギリシャめいにちなんだものである。キーン条約じょうやく制定せいてい以前いぜん人気にんきたもったまま引退いんたいしたため市民しみんから賞賛しょうさんされている人物じんぶつでもあり、その知名度ちめいどかしてヴェイトしゃ世界せかいてき企業きぎょうにまで成長せいちょうさせた。
南極なんきょく巨大きょだい秘密ひみつ基地きち「カルナック」を保有ほゆうしており、Dr.マンハッタンの発明はつめいひん実用じつようして様々さまざま研究けんきゅうへと投資とうしすることでアメリカを発展はってんさせている。この成果せいかでもある遺伝子いでんし操作そうさされたねこ動物どうぶつブバスティスをともなっており、これは現役げんえき時代じだいには存在そんざいしていなかったが、オジマンディアスのアニメなどではとも活躍かつやくしているなど、かれのトレードマークとして認識にんしきされている。
その頭脳ずのうにより世界せかい滅亡めつぼうさせかねないかく戦争せんそう勃発ぼっぱつ間近まぢかせまっているという結論けつろんみちびしたオジマンディアスは、これを阻止そしするため「人類じんるいにとっての共通きょうつうてき」をつくこと敵対てきたいする国家こっか同士どうしむすびつけるということを画策かくさくする。まず、ヒーローとしての絶頂ぜっちょうみずか引退いんたいすることでその事業じぎょう優位ゆういすすめ、莫大ばくだいとみ名声めいせいきず最先端さいせんたん技術ぎじゅつにした。さらに計画けいかくすすめるための拠点きょてんとしてしまげ、そこへ世界中せかいじゅうすぐれた科学かがくしゃ芸術げいじゅつちょう能力のうりょくしゃなどを結集けっしゅうさせ、ちょう能力のうりょくしゃ脳髄のうずいから培養ばいよう膨大ぼうだいりょう情報じょうほうんだ強大きょうだいのう移植いしょくした巨大きょだいなエイリアンを創造そうぞうしそれをニューヨークへ転送てんそう。テレポートされた生物せいぶつ転送てんそうちゅうぬか転送てんそうさき爆発ばくはつするという問題もんだいてんかしてニューヨークをおそい、爆発ばくはつによってななかったものをその爆発ばくはつによって発生はっせいした精神せいしん波動はどう衝撃波しょうげきはによっていたらせ、衝撃波しょうげきはでもななかったものにはかい幻覚げんかくにより精神せいしん異常いじょうこさせる。そしてそれを「エイリアンの侵略しんりゃくによりニューヨーク市民しみん半分はんぶんころされた」と偽装ぎそうするという計画けいかくであった。
モデルは「サンダーボルト(Thunderbolt)」。ヒマラヤのラマ僧院そういんそだてられ古代こだい賢者けんじゃ秘術ひじゅつさづけられたキャラクターであり、ムーアは「のうぜん領域りょういき使用しようすることで肉体にくたい精神せいしん完全かんぜん活用かつようできるようになった」という設定せってい感銘かんめいけていた[6]。ギボンズは「ヴェイトの最悪さいあくつみひとつは、ある意味いみのこりの人類じんるい見下みくだ嘲笑ちょうしょうしていることなんだ」とべている[29]。2008ねんにヴェイトは『フォーブスえらぶ「架空かくうだい富豪ふごうベスト15」のだい10にランクインした[30]
代目だいめシルクスペクター/ローレル・ジェーン・“ローリー”・ジュスペクツィク(Silk Spectre II/Laurel Jane "Laurie" Juspeczyk
初代しょだいシルクスペクターことサリーのむすめであり、彼女かのじょによってスーパーヒーローとしての英才えいさい教育きょういくほどこされて成長せいちょうするとシルクスペクターのいだ。しかし、ローリーは「おやけられた」と反発はんぱつしている。また、母親ははおやがブレイクをにくんでいないことたいしていかりをいだつづけている。現在げんざい引退いんたいしてDr.マンハッタンの恋人こいびととして同棲どうせいしているが、かれ価値かちかんれることができず、関係かんけい悪化あっかしている。
黒色こくしょくボンデージのようなコスチュームに、とおった黄色おうしょく上着うわぎ、ハイヒールを着用ちゃくようする。
映画えいがばんにおいてはコスチュームがおおきくことなり、黄色おうしょくくろのボンデージふうスーツに、長手ながてぶくろ、ロングブーツ。現役げんえき時代じだいは、髪型かみがたもポニーテールにえている。
彼女かのじょとDr.マンハッタンの関係かんけいは、キャプテン・アトムとその恋人こいびと「ナイトシェイド(Nightshade)」の関係かんけいているが、主要しゅよう人物じんぶつとはことなり、シルクスペクターはチャールトンに特定とくていのモデルキャラクターをっていない。登場とうじょう人物じんぶつなか女性じょせいヒーローの必要ひつようせいかんじたムーアは、「ブラックキャナリーBlack Canary)」や「ファントムレディ(Phantom Lady)」のようなアメコミヒロインから着想ちゃくそうてシルクスペクターをえがいた[6]IGN紹介しょうかいされている2003ねんかれたデビッド・ヘイターによる映画えいが『ウォッチメン』草稿そうこうでは、ローリーのせいはジュピターであり、コードネームはスリングショットであった[31]

ミニッツメン

編集へんしゅう
フーデッド・ジャスティス(The Hooded Justice
1930年代ねんだい、コミックブック『スーパーマン』のだいいちごう発売はつばいとほぼどう時期じき登場とうじょうした世界せかい最初さいしょのコスチュームヒーロー。
1938ねん10がつ、カップルをおそった暴漢ぼうかん撃退げきたいしたことで新聞しんぶんげられると、さらにその翌週よくしゅうスーパーマーケットをおそった強盗ごうとうだんをたった一人ひとり鎮圧ちんあつし「フードをこうむった正義まさよし(The Hooded Justice)」として一躍いちやく有名人ゆうめいじんとなり、そのときにつけていたくろいフルフェイスフード、ロープ、あかいケープをコスチュームとしてヒーロー活動かつどうはじめる。1940 - 1950年代ねんだいのヒーローブームをし、自身じしんのデビューを相次あいついで活動かつどうはじめたヒーローたちと「ミニッツメン」を結成けっせいしその一員いちいんとしても活躍かつやくした。1950年代ねんだい共産きょうさん主義しゅぎしゃりのさい政府せいふからの身分みぶん開示かいじ要請ようせい拒否きょひして失踪しっそうした。
ゲイ極度きょくどサディストでもあり、キャプテン・メトロポリスとは恋人こいびと同士どうしだった。しかし、かれ暴力ぼうりょくてき傾向けいこうから倦怠期けんたいきおちい破局はきょくした。だい世界せかい大戦たいせん以前いぜんにはナチスを賞賛しょうさんする発言はつげんもしていたという。フーデッド・ジャスティスの失踪しっそう調査ちょうさをオジマンディアスがおこなったさい、それを妨害ぼうがいするかたちでコメディアンが接触せっしょくはつ敗北はいぼくきっしたことでオジマンディアスがコメディアンにうらみをいだくきっかけとなった。
正体しょうたいは、フーデッド・ジャスティスの失踪しっそうどう時期じき失踪しっそう死亡しぼう確認かくにんされたサーカスの怪力かいりきおとこロルフ・ミュラーと推察すいさつされるが真偽しんぎ不明ふめい。ミュラーは移民いみんけいひがしドイツじんであり、共産きょうさん主義しゅぎしゃであった。コメディアンのレイプ未遂みすい阻止そししたことから、うらみをいていたかれ射殺しゃさつされたとも推察すいさつされている。
ドラマばんではその正体しょうたい黒人こくじん警官けいかんウィル・リーブスであり、人種じんしゅ差別さべつ主義しゅぎしゃからその素性すじょうかくすために白人はくじんヒーローのふりをしていたが、KKKとのたたかいにミニッツメンが協力きょうりょくしてくれなかったために引退いんたいしたと設定せっていされた。しかしつま妊娠にんしんさせた既婚きこんしゃであるにもかかわらずキャプテン・メトロポリスとも恋人こいびととなるりょう性愛せいあいものであるというてんや、黒人こくじん警官けいかんであるウィルが人種じんしゅ差別さべつ政策せいさくおこなうナチスを絶賛ぜっさんするとおもえないてん同僚どうりょう警官けいかんであるナイトオウル1せいがまったく正体しょうたいづかなかったてん原作げんさく報復ほうふくおこなったとおもわれるコメディアンおよび調査ちょうさおこなった人類じんるい最高さいこう天才てんさいであるオジマンディアスらも正体しょうたいつかめなかったことになるてんなど、数々かずかず矛盾むじゅんしょうじている。
ナイトオウル/ホリス・メイソン(Nite Owl/Hollis T. Mason
1930年代ねんだい登場とうじょうした最初さいしょのヒーロー。正義せいぎかんから警察官けいさつかんとなり、コミックブック『スーパーマン』にあこがれ、フーデッド・ジャスティスの活躍かつやく影響えいきょうけてみずからもヒーローとなった。のちにフーデッド・ジャスティス、初代しょだいシルクスペクター、コメディアン、キャプテン・メトロポリス、ダラー・ビル、モスマン、シルエットらとともにチーム「ミニッツメン」の創立そうりつメンバーとなる。1960年代ねんだい自身じしん時代遅じだいおくれだとさとって引退いんたいし、現在げんざい自動車じどうしゃ修理しゅうり工場こうじょう経営けいえいしている。かれ自伝じでん仮面かめんしたで(UNDER THE HOOD)』は作中さくちゅう世界せかいにおけるヒーローについての重要じゅうよう資料しりょうとなっている。
現役げんえき時代じだい手足てあし自由じゆうにしたかわよろい鎖帷子くさりかたびらのコスチュームを着用ちゃくようかおはドミノマスクでかくしていた。コスチュームを作成さくせいする過程かてい様々さまざま試行錯誤しこうさくごかえしており、はしてきに『ウォッチメン』のヒーローが如何いか現実げんじつてき滑稽こっけい存在そんざいかを象徴しょうちょうする人物じんぶつでもある。
シルクスペクター/サリー・ジュピター(Silk Spectre/Sally Jupiter
マネージャーのローレンス・シュクスナイダーとともにヒーローの商業しょうぎょうてき価値かち見出みいだし、往年おうねんめい女優じょゆうらとならセックスシンボルとしても活躍かつやく。ブレイク(コメディアン)によるレイプ未遂みすいやシュクスナイダーとの結婚けっこん引退いんたいした。むすめにヒーローとしての英才えいさい教育きょういくほどこして代目だいめシルクスペクターとしてデビューさせた。現在げんざいはシュクスナイダーと離婚りこんし、カリフォルニアに移住いじゅうして静養せいようちゅうである。
当初とうしょはローリーとおな黄色おうしょくくろ基調きちょうとしたコスチュームを着用ちゃくようしていた。当初とうしょ化学かがく知識ちしきによってつくったばくだん使つかっていたが、あやまって火傷かしょうって以来いらい素手すでたたかうようになる。この火傷かしょうかくすために片腕かたうでだけの長手ながてぶくろ装着そうちゃくするようになると、事情じじょうらない市民しみんからはよりエロティックだと評判ひょうばんになった。
キャプテン・メトロポリス/ネルソン・ガードナー(Captain Metropolis/Nelson Gardner
「ミニッツメン」の発起人ほっきにん。アメリカぐん海兵かいへいたい所属しょぞくしていた経験けいけんから、より戦術せんじゅつてき戦略せんりゃくてき方法ほうほう犯罪はんざいたたかうべきだとかんがえてヒーローの組織そしき模索もさくしていた。「ミニッツメン」以降いこうも1966ねんにはしん世代せだいのヒーローをあつめ「クライムバスターズ」を結成けっせいする。カナダ空軍くうぐん訓練くんれんけつつ長年ながねんわたってヒーロー活動かつどう継続けいぞくするも、1974ねん交通こうつう事故じこ死亡しぼうした。
頭髪とうはつ口元くちもと露出ろしゅつするマスクを着用ちゃくようしていた。あか航空こうくうふくのようなコスチュームとあおいマントをまつわっていた。
ダラー・ビル/ビル・ブラディ(The Dollar Bill/William Benjamin "Bill" Brady
1940ねんに25さいでデビューしたヒーロー。カンザスの花形はながた運動うんどう選手せんしゅであり、きわめて純粋じゅんすい善人ぜんにんだった。大手おおて銀行ぎんこうのおかかえヒーローとしてやとわれる。しかし、デザインを重視じゅうしした実用じつようせいいコスチュームだったため、1946ねん銀行ぎんこう強盗ごうとうたたかったさい、マントが回転かいてんドアにはさまってうごけなくなり至近しきん距離きょり射殺しゃさつされた。
口元くちもと露出ろしゅつするフルフェイスマスクを着用ちゃくようしていた。星条旗せいじょうきおもわせるあおいスーツ、あかいマント。むねにはおおきくドルマークがえがかれている。
モスマン/バイロン・ルイス(The Mothman/Byron Alfred Lewis
のような格好かっこうをし、だい口径こうけい拳銃けんじゅう駆使くししてたたかうクライムファイター。だい富豪ふごう御曹司おんぞうしであり、ヒーローブームをって暇潰ひまつぶしにスーパーヒーローとなった。精神せいしんてき不安定ふあんていところがあり、1950年代ねんだい共産きょうさん主義しゅぎしゃりのさいおこなわれたきびしい取調とりしらべでアルコール中毒ちゅうどくへとおちいる。その、メインしゅう精神せいしん病院びょういん入院にゅういんした。
をモチーフにした派手はで色彩しきさいのコスチュームを着用ちゃくよう背中せなかには巨大きょだいはねそなわっており、これで短距離たんきょりならば滑空かっくうすることが可能かのうだった。
シルエット/ウルスラ・ザント(The Silhouette/Ursula Zandt
オーストリア上流じょうりゅう階級かいきゅう出身しゅっしんで、ナチスの迫害はくがいからのがれてアメリカに移住いじゅうした。その出自しゅつじから、フーデッド・ジャスティスとはなかわるかった。チャイルドポルノの製作せいさくしゃ摘発てきはつするなどの活躍かつやくをしていたが、1946ねんレズビアンであったこと発覚はっかくして「ミニッツメン」のイメージをまもためにチームから追放ついほうされて引退いんたいする。しかし、6週間しゅうかんにかつての宿敵しゅくてきリクイデイターに自宅じたく襲撃しゅうげきされ、恋人こいびともろとも殺害さつがいされた。
胸元むなもとのあいた、くろいスーツのようなコスチュームを着用ちゃくようこしにはあかおびいていた。

スーパーヴィラン

編集へんしゅう
モーロック・ザ・ミスティック/エドガー・ジャコビ(Moloch The Mystic/Edgar William Jacobi
かつての有名ゆうめいなヴィラン。
17さいでステージ・マジシャンとしてデビューしたのちまたた暗黒あんこくがい顔役かおやくにまでのしがった。様々さまざま悪事あくじはたらき、ヒーローたちとも幾度いくど対決たいけつしたが、やがてドラッグや詐欺さぎ売春ばいしゅんクラブ経営けいえいなどの"平凡へいぼんな"犯罪はんざいしゃちぶれていった。Dr.マンハッタンとも対決たいけつしたが、最終さいしゅうてきにはコメディアンによって逮捕たいほされ、懲役ちょうえきけいとなる。出所しゅっしょ犯罪はんざいからき、「次元じげん開発かいはつしゃ」に勤務きんむ定年ていねん退職たいしょくしたいまは、ちいさなアパートでひっそりとらしているが、末期まっきガンをわずらっている。
ステージの衣装いしょうのようなタキシードをていた。通常つうじょう人間にんげんくらべて、若干じゃっかんながらみみとがっている。
スクリーミング・スカル
40年代ねんだい暗躍あんやくしたヴィラン。
初代しょだいナイトオウルらと対決たいけつしたが、最終さいしゅうてき逮捕たいほされ、刑務所けいむしょ服役ふくえきちゅう改心かいしんした。宗教しゅうきょうみちへとすすみ、結婚けっこんして子供こどもを2にんもうけた。現在げんざいはホリス・メイソンの近所きんじょらしており、かれとは住所じゅうしょ電話でんわ番号ばんごう交換こうかんしている。
骸骨がいこつ覆面ふくめんとフードを着用ちゃくようしていた。
キャプテン・アクシス
40年代ねんだい暗躍あんやくしたヴィラン。
むねおおきくかぎ十字じゅうじはいったドイツの軍服ぐんぷく着用ちゃくよう原作げんさくではかた眼鏡めがね映画えいがばんではガスマスクを装備そうびしている。
スペースマン
40年代ねんだい登場とうじょうしたヴィラン。
詳細しょうさい不明ふめい宇宙うちゅうふくのようなコスチュームを着込きこみ、光線こうせんじゅう本物ほんものかは不明ふめい)を使つかいミニッツメンと対決たいけつした。
モブスター
40年代ねんだい登場とうじょうしたヴィラン。
詳細しょうさい不明ふめい様々さまざまなマスクをこうむった部下ぶか多数たすうれていた。
往年おうねんのギャングスターのようなコスチュームであり、ドミノマスクをこうむっている。
キャプテン・カーネイジ
60年代ねんだい登場とうじょうしたヴィラン。
マゾヒストであり、ヒーローになぐってもらうために宝石ほうせきてん強盗ごうとうなどの犯罪はんざいかえしていた。最終さいしゅうてきにはロールシャッハによってエレベーター・シャフトにとされたが、その生死せいし不明ふめい
トワイライト・レディ
60年代ねんだい登場とうじょうした犯罪はんざい女王じょおう
違法いほう売春ばいしゅんやポルノなどせい風俗ふうぞく関係かんけい犯罪はんざいかえしており、代目だいめナイトオウルとのあいだにはロマンスもあったが、最終さいしゅうてき逮捕たいほされた。
SMのコスチュームとバタフライマスクをけている。武器ぶきとしてむち装備そうびしていた。
アンダー・ボス
60年代ねんだい登場とうじょうした有名ゆうめいなギャング。ロールシャッハの宿敵しゅくてき
下水道げすいどう拠点きょてんかまえていたが、ロールシャッハによって逮捕たいほされた。
ジミー・ザ・ギミック
60年代ねんだい登場とうじょうしたヴィラン。ロールシャッハの宿敵しゅくてき
キング・オブ・スキン
60年代ねんだい登場とうじょうしたヴィラン。ロールシャッハの宿敵しゅくてき
ビッグフィギュア(Big figure
60年代ねんだい活動かつどうしていた有名ゆうめい大物おおものギャング。
ロールシャッハおよびナイトオウルの活躍かつやくによって組織そしき壊滅かいめつして逮捕たいほされた。現在げんざい終身しゅうしんけいとなってシンシン刑務所けいむしょ服役ふくえきちゅうだが、囚人しゅうじんたち配下はいかとして自由じゆう振舞ふるまっている。
ロールシャッハへの復讐ふくしゅう計画けいかくしており、ロールシャッハがシンシン刑務所けいむしょ収監しゅうかんされたため、囚人しゅうじん暴動ぼうどうこすことで復讐ふくしゅう実行じっこううつした。小人こどもしょうわずらっており、通常つうじょう人間にんげん半分はんぶんほどの背丈せたけしかない。

その登場とうじょう人物じんぶつ

編集へんしゅう

評価ひょうか

編集へんしゅう

1988ねんだい1かいアイズナーしょうにて「Best Writer」「Best Writer/Artist」「Best Finite Series/Limited Series」「Best Graphic Album」などの部門ぶもん受賞じゅしょう同年どうねんヒューゴーしょうでは、特別とくべつ部門ぶもんの「Other Forms部門ぶもんえらばれた。コミック作品さくひんでは唯一ゆいいつグラフィックストーリー部門ぶもん以外いがい部門ぶもんでヒューゴーしょう受賞じゅしょうしている。また、2005ねんにはコミック作品さくひんでありながら『タイムの「1923ねん以降いこう発表はっぴょうされた長編ちょうへん小説しょうせつベスト100」に選出せんしゅつされている[32]

ほんさくは、フランク・ミラーの『バットマン: ダークナイト・リターンズ』やアート・スピーゲルマンの『マウス――アウシュヴィッツをきのびた父親ちちおや物語ものがたり』などとともに、アメリカン・コミックス史上しじょうにおける「モダン・エイジ」の代表だいひょうてき作品さくひんかぞえられ、当時とうじ「コミックばなれ」がすすんでいた成人せいじん読者どくしゃふたたびこのジャンルにもどした作品さくひんであるとなされている。

コミックやアニメーション作品さくひんかんするオンライン百科ひゃっか事典じてんDon Markstein's Toonopedia』を運営うんえいするドン・マークスタインは、ほんさく功績こうせきを「『マルタのたか』が推理すいり小説しょうせつにおいておこない、『シェーン』が西部せいぶげきにおいてったことを、『ウォッチメン』はコミックでおこなった。ジャンル内外ないがいのすべての読者どくしゃたいしてゆたかな読書どくしょ体験たいけん提供ていきょうする読物よみものとして、ほんさく以前いぜんにはフィクション低級ていきゅう形式けいしきなされていたコミックという出自しゅつじ超越ちょうえつした。」と表現ひょうげんしている[33]

書誌しょし情報じょうほう

編集へんしゅう

日本語にほんごやく

編集へんしゅう
  • ウォッチメン(主婦しゅふ友社ともしゃかん1998ねん10月発売はつばいISBN 978-4073096900
  • ウォッチメン(小学館しょうがくかん集英社しゅうえいしゃプロダクションかん[34]2009ねん2月発売はつばいISBN 978-4796870573
  • ウォッチメン オフィシャルフィルムガイド(小学館しょうがくかん集英社しゅうえいしゃプロダクションかん[35]、2009ねん2がつ発売はつばいISBN 978-4796870580
  • ロールシャッハ(小学館しょうがくかん集英社しゅうえいしゃプロダクションかん、2023ねん1がつ発売はつばい

原語げんごばん

編集へんしゅう

メディア展開てんかい

編集へんしゅう

2009ねんザック・スナイダー監督かんとくによる映画えいがウォッチメン』が全米ぜんべいでは2009ねん3月6にち日本にっぽんでは3月28にち松竹しょうちく東急とうきゅうけい公開こうかいされた。

2012ねんから2013ねんにかけて、ほんさく前日ぜんじつたんとなるミニシリーズ『ビフォア・ウォッチメン英語えいごばんぜん4かん出版しゅっぱんされた。

2017ねんから2019ねんにかけて、正式せいしき続編ぞくへんとなる『ドゥームズデイ・クロック英語えいごばん』がぜん12かん出版しゅっぱんされた。原作げんさくをジェフ・ジョーンズ、作画さくがをゲイリー・フランクがつとめている。『ウォッチメン』の世界せかいは、ながらくDCユニバースとは無関係むかんけいとされていたが、2016ねん刊行かんこうされた『DCユニバース:リバース』において、両者りょうしゃ地続じつづきであることが示唆しさされ、ほんさくはじめてクロスオーバーし、バットマンやスーパーマンなどが登場とうじょうする。

2019ねんには、ドラマ『ウォッチメン』がHBOで放送ほうそうされた(ぜん9)。コミックばん続編ぞくへんとなっているが、『ドゥームズデイ・クロック』とはことなる独自どくじ内容ないようである。日本にっぽんでは2020ねんスター・チャンネル放送ほうそうされ、Amazonプライム・ビデオでも配信はいしんされた[36]

2017ねん7がつにワーナー・ブラザースは、R指定していとなるアニメ映画えいが製作せいさく発表はっぴょうした[37]。2024ねん6がつ13にち、ティザー映像えいぞう公開こうかいされ、作品さくひんが2さくになることがかされた[38][39]前編ぜんぺんである "Watchmen: Chapter I" のリリースは、デジタルばんが2024ねん8がつ13にちBlu-rayおよび4K UHDばんが8がつ27にちとされた[40]

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ ナイトオウルの開発かいはつしたもの。
  2. ^ この日記にっき下書したがきと本物ほんものの2つがあり、下書したがきを携帯けいたいして本物ほんものはアパートの床下ゆかしたかくしている。
  3. ^ 身長しんちょうひくいため、ロールシャッハの状態じょうたいではシークレットブーツをいて誤魔化ごまかしている。
  4. ^ ロールシャッハは「かがみてもえられるよう、あたらしいかおつくったんだ」とべている。
  5. ^ キティはこのドレスを不気味ぶきみだとってらなかった。
  6. ^ これはかれ人間にんげんせい喪失そうしつ示唆しさしている。
  7. ^ 完全かんぜん公害こうがい電気でんき自動車じどうしゃをはじめ、ロールシャッハのマスク、ナイトオウルの飛行船ひこうせんなど。
  8. ^ 作中さくちゅう世界せかいではもっと一般いっぱんてき飛行ひこう移動いどう手段しゅだんである。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b c d Eno, Vincent; El Csawza. "Vincent Eno and El Csawza meet comics megastar Alan Moore". Strange Things Are Happening. May/June 1988.
  2. ^ Solypsys (2009ねん3がつ19にち). "Who will watch the watchmen?" (英語えいご). Urban Dictionary. 2017ねん3がつ12にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2017ねん3がつ12にち閲覧えつらん
  3. ^    (ラテン語らてんご) Saturae (Iuvenalis, Bucheler)/Liber II/Satura VI#345, ウィキソースより閲覧えつらん 
  4. ^    (英語えいご) Juvenal and Persius/The Satires of Juvenal/Satire 6#346, ウィキソースより閲覧えつらん 
  5. ^ a b c Eury, Michael; Giordano, Dick. Dick Giordano: Changing Comics, One Day at a Time. TwoMorrows Publishing, 2003. ISBN 1893905276, p124
  6. ^ a b c d e f g h Cooke, Jon B. "Alan Moore discusses the Charlton-Watchmen Connection". Comic Book Artist. August 2000. 2008ねん10がつ参照さんしょう
  7. ^ a b c "A Portal to Another Dimension". The Comics Journal. July 1987.
  8. ^ a b c Jensen, Jeff. "Watchmen: An Oral History (2 of 6)". Entertainment Weekly. Oct 21, 2005. 2006ねん5がつ28にち参照さんしょう.
  9. ^ "Watching the Watchmen." TitanBooks.com. 2008. 2008ねん10がつ15にち参照さんしょう
  10. ^ Eury, Michael; Giordano, Dick. Dick Giordano: Changing Comics, One Day at a Time. TwoMorrows Publishing, 2003. ISBN 1893905276, p110
  11. ^ Kavanagh, Barry. "The Alan Moore Interview: Watchmen characters". Blather.net. October 17, 2000. 2008ねん10がつ14にち参照さんしょう
  12. ^ "Illustrating Watchmen". WatchmenComicMovie.com. October 23, 2008. 2008ねん10がつ28にち参照さんしょう
  13. ^ Heintjes, Tom. "Alan Moore On (Just About) Everything". The Comics Journal. March 1986.
  14. ^ a b c d Jensen, Jeff. "Watchmen: An Oral History (3 of 6)". Entertainment Weekly. Oct 21, 2005. 2008ねん10がつ8にち参照さんしょう
  15. ^ a b c Stewart, Bhob. "Synchronicity and Symmetry". The Comics Journal. July 1987.
  16. ^ a b Amaya, Erik. "Len Wein: Watching the Watchmen". Comic Book Resources. September 30, 2008. 2008ねん10がつ3にち参照さんしょう
  17. ^ Stewart, Bhob. "Dave Gibbons: Pebbles in a Landscape". The Comics Journal. July 1987
  18. ^ Young, Thom. "Watching the Watchmen with Dave Gibbons: An Interview". Comics Bulletin. 2008. 2008ねん12月12にち参照さんしょう.
  19. ^ Stewart, Bhob. "Synchronicity and Symmetry". The Comics Journal. July 1987.
  20. ^ Wright, Bradford W. Comic Book Nation: The Transformation of Youth Culture in America. Johns Hopkins, 2001. ISBN 0-8018-7450-5, p272-73
  21. ^ "Watchmen Secrets Revealed". WatchmenComicMovie.com. November 3, 2008. 2008ねん11月5にち参照さんしょう
  22. ^ "A Portal to Another Dimension". The Comics Journal. July 1987.
  23. ^ Kallies, Christy. "Under the Hood: Dave Gibbons". SequentialTart.com. July 1999. 2008ねん10がつ12にち参照さんしょう
  24. ^ Daniel Manu (2008-10-16). "Alan Moore endorsed Watchmen Movie... in 1987". Television Without Pity. 2008ねん10がつ25にち参照さんしょう
  25. ^ Hughes, David (2002-04-22). "Who Watches the Watchmen? – How The Greatest Graphic Novel of Them All Confounded Hollywood". The Greatest Sci-Fi Movies Never Made. Chicago Review Press; updated and expanded edition Titan Books (2008). ISBN 1556524498; reissue ISBN 978-1845767556.
  26. ^ Reynolds, Richard. Super Heroes: A Modern Mythology. B. T. Batsford Ltd, 1992. ISBN 0-7134-6560-3, p. 32
  27. ^ Klock, Geoff. How to Read Superhero Comics and Why. Continuum, 2002. ISBN 0-8264-1419-2, p. 66
  28. ^ Gibbons, "Watchmen Round Table: Moore & Gibbons" in David Anthony Kraft's Comics Interview (1988), p. 47
  29. ^ "Talking With Dave Gibbons". WatchmenComicMovie.com. October 16, 2008. 2008ねん10がつ28にち参照さんしょう
  30. ^ Ewalt, David M. "The Forbes Fictional 15 No. 10 Veidt, Adrian". Forbes.com. December 18, 2008. 2009ねん1がつ17にち参照さんしょう
  31. ^ Stax. "The Stax Report: Script Review of Watchmen." IGN. September 9, 2004. 2009ねん3がつ5にち参照さんしょう
  32. ^ All-TIME 100 Novels TIME.com 2010ねん1がつ11にち
  33. ^ Don Markstein's Toonopedia: Watchmen Don Markstein's Toonopedia 2020ねん12月15にち閲覧えつらん
  34. ^ WATCHMEN ウォッチメン”. 2018ねん4がつ19にち閲覧えつらん
  35. ^ 映画えいが公式こうしきガイドブック「WATCHMEN ウォッチメン Official Film Guide」”. 2018ねん4がつ19にち閲覧えつらん
  36. ^ ウォッチメン - スターチャンネル
  37. ^ Watchmen Is Getting an R-Rated Animated Adaptation”. CBR.com (April 13, 2017). June 9, 2017てんのオリジナルよりアーカイブJune 9, 2017閲覧えつらん
  38. ^ Cripe, Michael (June 13, 2024). “We Just Got a Surprise First Look at the Upcoming Watchmen Animated Films”. IGN. June 14, 2024閲覧えつらん
  39. ^ Perine, Aaron (July 22, 2023). “New Watchmen Movie Announced”. Comic Book. July 22, 2023てんのオリジナルよりアーカイブJuly 22, 2023閲覧えつらん
  40. ^ Vejvoda, Jim (July 10, 2024). “Watchmen Chapter I: Exclusive Trailer, Voice Cast, Boxart and Release Date”. IGN. July 10, 2024閲覧えつらん

外部がいぶリンク

編集へんしゅう