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アニメーション - Wikipedia

アニメーション

連続れんぞくして変化へんかする複数ふくすう静止せいし画像がぞうによりうごきをつく映像えいぞう手法しゅほう

アニメーション英語えいご: Animation)は、動画どうが(どうが)ともばれ、コマりなどによって、複数ふくすう静止せいし画像がぞうによりうごきをつく技術ぎじゅつ連続れんぞくして変化へんかするものにより発生はっせいするかりげん運動うんどう利用りようした映像えいぞう手法しゅほうである[1]略語りゃくごはアニメ。

Weare
10フレーム/びょうのアニメーション(gifアニメ
うえのアニメーションはこの6しゅのコマで構成こうせいされる

語源ごげん 編集へんしゅう

Animation(アニメーション)は、ラテン語らてんご霊魂れいこん意味いみするAnimaアニマ)に由来ゆらいしており、生命せいめいのないうごかないものにいのちあたえてうごかすことを意味いみする[2]映画えいが誕生たんじょうし、フィルムうえに1まいずつ描画びょうがしてうごきを表現ひょうげんしていたものを実写じっしゃ区別くべつしてAnimated Cartoonとしょうしていたが、やがてAnimationとぶようになった[3]

日本にっぽんにおける導入どうにゅう訳語やくご変化へんか 編集へんしゅう

明治めいじすえ国外こくがいから短編たんぺんアニメーション輸入ゆにゅう上映じょうえいされ、「凸坊でこぼうしん画帖がじょう」とだいされて公開こうかいされた。これが最初さいしょアニメーション日本語にほんごやくともみなされる。

黎明れいめい国産こくさんアニメだい1ごうとしてはながく、映画えいが雑誌ざっし『キネマレコード』1917ねん大正たいしょう6ねん)7がつごうに、天然色てんねんしょく活動かつどう写真しゃしん株式会社かぶしきがいしゃてんかつ)が東京とうきょう浅草あさくさキネマ倶楽部くらぶ同年どうねん1がつ上映じょうえいしたとの記述きじゅつがあり、作品さくひんめいは「芋川いもかわむくさん玄関番げんかんばんまき」(下川しもかわ凹天さく)の可能かのうせいたかいとされてきた。これにたいして、ドイツの研究けんきゅうしゃどう作品さくひん公開こうかいは4がつで、てんかつ下川しもかわ制作せいさくした「凸坊でこぼうしん画帖がじょう 名案めいあん失敗しっぱい」が1917ねん2がつ初旬しょじゅん上映じょうえい先行せんこうするとの異説いせつ提起ていき。さらにアニメ研究けんきゅう渡辺わたなべやすしらが『活動かつどう写真しゃしん雑誌ざっし』1917ねん3がつごうに、同年どうねん1がつ下川しもかわさく凸坊でこぼうしん画帖がじょう いもすけ猪狩いかりまき」が封切ふうぎられたとあることを指摘してきしたが、フィルム現物げんぶつ記録きろく発見はっけんなため、いまだに確定かくていしていない[4]

アニメの主流しゅりゅうである商業しょうぎょうようセルアニメーションは、映画えいが場合ばあいは「漫画まんが映画えいが」、テレビ場合ばあいは「テレビ漫画まんが」とばれていたが、今日きょうでは「Animation」をそのままカタカナにやくした「アニメーション」、りゃくして「アニメ」とばれている。「動画どうが」は、日本にっぽん最初さいしょアニメーション制作せいさく専門せんもん会社かいしゃである日本にっぽん動画どうが株式会社かぶしきがいしゃ設立せつりつくわわったアニメーターせいおか憲三けんぞうによる提唱ていしょうで、アニメーション日本語にほんごやくとして使つかわれ、そのアニメーション業界ぎょうかい団体だんたい多数たすう加盟かめいしている社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽん動画どうが協会きょうかいや、制作せいさく工程こうていでの原画げんが動画どうがとしてなどにも使つかわれている。さらにさかのぼると、「線画せんが」「漫画まんが」「」という呼称こしょうがあったという。

線画せんがから動画どうが 編集へんしゅう

映画えいがのクレジットとう記録きろくでは、1930年代ねんだいは「線画せんが」がほとんどであった。「線画せんが」の概念がいねんには、「せん」による「」という意味いみがあり、実写じっしゃ映画えいが使つかわれる地図ちず、グラフや図表ずひょうなどを意味いみすることがあった。スタッフはアニメーションだけでなく、地図ちず、グラフやひょう字幕じまくなどもえがくことがあった[5]

1940年代ねんだいは「線画せんが」と「動画どうが」が混在こんざいし、だい世界せかい大戦たいせんこうは、ほとんど「動画どうが」が使つかわれるようになった。

1943ねんアニメーションりの実写じっしゃ映画えいが『ニッポンバンザイ』(朝日あさひ映画えいがしゃ)では、「線画せんが」が使つかわれている[6]同年どうねんのフルアニメーション映画えいが『くもとちゅうりっぷ』[7]では、「動画どうが」がクレジットに使用しようされ、製作せいさく松竹しょうちく動画どうが研究所けんきゅうじょとなっている。1944ねん、それまで「線画せんが」を使用しようしていた朝日あさひ映画えいがしゃも、『フクちゃんの潜水せんすいかん』で「動画どうが」のクレジットをれる[8]

1947ねん日本にっぽん動画どうがしゃ設立せつりつ製作せいさくされた『すてねこトラちゃん』でも、「動画どうが」がクレジットとして使つかわれた[9]

1948ねん7がつ5にち参議院さんぎいん労働ろうどう委員いいんかいで、東宝とうほう労働ろうどう問題もんだいかんする報告ほうこくのなかで、「動画どうが」が使用しようされている[10]

漫画まんが映画えいが・テレビまんがからアニメへ 編集へんしゅう

1960年代ねんだいから1980年代ねんだいころまでは、アニメーション映画えいが興行こうぎょうの『東映とうえいまんがまつり』やテレビアニメの『まんが日本にっぽんむかしばなし』など、「まんが」が使つかわれている。当時とうじ世代せだいひとは、いまでもアニメのことを「漫画まんが映画えいが」「テレビまんが」「TVマンガ」とぶことがある。また、主題歌しゅだいかCDしゅうなどでは2000年代ねんだいにおいても現行げんこう作品さくひんしてアニメーション特撮とくさつ一括いっかつしてテレビまんがと事例じれいもある(日本にほんコロムビア混載こんさいCD「テレビまんがだい行進こうしん」シリーズなど)。

1980年代ねんだい以降いこうは、テレビや映画えいがなどの映像えいぞうぶつである動画どうがの「アニメ」と、印刷物いんさつぶつなど静止せいしの「漫画まんが」は区別くべつされて呼称こしょうされるようになり、アニメーションを「漫画まんが」とする用例ようれい衰退すいたいしていった。

うごかしかたによる分類ぶんるい 編集へんしゅう

詳細しょうさいかく記事きじ参照さんしょう

日本にっぽんにおいては毎年まいとし制作せいさくされるアニメーションのほとんどがセルアニメに分類ぶんるいされる[11]はその使用しようする素材そざいによって区分くぶんされ、人形にんぎょうアニメ、ペーパーアニメ、きアニメ、シルエット(影絵かげえ)アニメ、千代紙ちよがみアニメ、ピンボードアニメ、クレイ(粘土ねんど)アニメ、CGアニメなどがある[11]。なお現在げんざいセルアニメは制作せいさく工程こうていデジタルにより同様どうよう映像えいぞう効果こうかるのにセル使用しようせずに制作せいさくされている[11]

平面へいめん素材そざい 編集へんしゅう

セルアニメーション
うごかない背景はいけいうえに、セルばれる透明とうめいなフィルムシートじょう部分ぶぶんてき描写びょうしゃ変化へんかさせてうごきをえがいたかさねて撮影さつえいする(多重たじゅう合成ごうせいする場合ばあいマルチプレーン・カメラ使用しようする)。うごかない部分ぶぶんえが必要ひつようはなく、分業ぶんぎょう容易よういなため、商業しょうぎょうようアニメーション主要しゅよう制作せいさく手法しゅほうとなった。一般いっぱんアニメといえばこのセルアニメのことをしている場合ばあいおおく、3DCGをメインとしたアニメセルアニメのような構図こうず演出えんしゅつ構成こうせいされたものをセルルックという。セルとばれるのは、かつては実際じっさいセルロイドもちいたため。
1990年代ねんだい以降いこうは、パソコンなどコンピュータの発展はってん普及ふきゅうともない、紙上しじょうえがかれた原画げんがスキャナーんで、セルアニメーション彩色さいしき背景はいけい合成ごうせい過程かていをコンピュータでおこなデジタルアニメしている。液晶えきしょうタブレットが普及ふきゅうはじめると、紙上しじょうではなく直接ちょくせつパソコンない制作せいさくソフトでえがくデジタル作画さくが環境かんきょう登場とうじょうする。また後述こうじゅつCGアニメーション併用へいようされることもある。パソコンと制作せいさく管理かんりようソフトの性能せいのう向上こうじょうで、アニメ制作せいさく容易よういになっている。
かみアニメーション
キャラクターのもちいて背景はいけいうえいてコマりする。影絵かげえアニメーションはバリエーションの1つ。
うごきにおうじてキャラクターごとを1つ1つえが場合ばあいと、キャラクターのをあらかじめ関節かんせつなどかくパーツにけてうごかしながらコマりする場合ばあいがある。
セルアニメーション登場とうじょうする以前いぜんさかんにもちいられ、日本にっぽんでは1923ねん前後ぜんごから使つかわれはじめた。1930年代ねんだいなかばにアメリカでは、セルアニメーション移行いこうしていたが、セルが高価こうかだったため、日本にっぽんでは安価あんかアニメーション主流しゅりゅうであり技術ぎじゅつ高度こうど発達はったつした。セルアニメーション普及ふきゅうしたのちユーリ・ノルシュテインルネ・ラルーなどのアニメーション作家さっかもちいている。
ペーパーアニメーション
かみえがく、ぞくパラパラマンガで、かさわせが使つかえないため、うごかない背景はいけいやキャラクターまですべて1まいずつえが必要ひつようがある。アニメーション歴史れきしでは最初さいしょ使つかわれたが、分業ぶんぎょう困難こんなんなため、多人数たにんずうによる量産りょうさんかず、商業しょうぎょうてきにはセルアニメーションにってわられる。画材がざい自由じゆうえらべる利点りてんから、アートせいつよアニメーション作家さっか作品さくひん使つかわれたり、かみ画材がざいさえあればいいというハードルのひくさから、個人こじん制作せいさくアマチュアアニメ使つかわれる技法ぎほうである。
ピンスクリーン
すうまんほんはり照明しょうめいて、そのかげ明暗めいあんつくられた白黒しろくろをコマりしていく。ピンボードともう。特殊とくしゅ技法ぎほうで、アレクサンドル・アレクセイエフジャック・ドゥルーアンなど使つか作家さっかかぎられている。

上記じょうきのほか、油絵あぶらえ黒板こくばんチョークえがいたいわえがいたなどをコマりするなどの様々さまざま手法しゅほうがある。

立体りったい素材そざい 編集へんしゅう

人形にんぎょうアニメ
人形にんぎょうなど立体りったいぶつすこしずつうごかしながらコマりする。パペットアニメーションともばれる。人形にんぎょう材質ざいしつ種類しゅるいぬの粘土ねんどなど多種たしゅ多様たよう陶器とうき人形にんぎょうもの関節かんせつをつけてうごかすセラミックドール・アニメーションとうもある。
クレイアニメ
粘土ねんどもちいてつくられた造形ぞうけいぶつをコマりしていく。素材そざい粘土ねんどしつなため、コマごとに自由じゆう造形ぞうけいぶつのポーズを変化へんかさせることもできる。
ピクシレーション
実写じっしゃ人間にんげんなどをコマりする。

上記じょうきのほか、砂絵すなえ毛糸けいといてつくったや、平面へいめんけた粘土ねんどをコマりするなど、様々さまざま技法ぎほう存在そんざいする。

カメラをもちいない手法しゅほう 編集へんしゅう

カメラレス・アニメーション
投射とうしゃフィルムに直接ちょくせつえがく。そのうち、現像げんぞうみのくろのフィルムをっかいてえがくものはシネカリグラフ、透明とうめいなフィルムに直接ちょくせつえがくものをフィルム・ペインティングという。
CGアニメーション
CG(コンピュータグラフィックス)により、撮影さつえいのプロセスをることなく、かくコマの静止せいし画像がぞう順番じゅんばん作成さくせいして、一連いちれん動画どうが仕上しあげる手法しゅほう上記じょうきのサンプル画像がぞうも、パソコンじょう作成さくせいしたCGアニメーションとえる。

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ 大人おとならない?ぞくふしぎ現象げんしょう事典じてん』2023ねん、マイクロマガジンしゃ、p.96
  2. ^ アニメ・マンガで地域ちいき振興しんこう P.230
  3. ^ 山口やまぐち康男やすお日本にっぽんのアニメちょんふみ - 世界せかいせいした日本にっぽんアニメの奇跡きせき』テン・ブックス、2004ねん、22ぺーじISBN 978-4886960115
  4. ^ 読売新聞よみうりしんぶん朝刊ちょうかん2017ねん2がつ14にち文化ぶんかめん記者きしゃノート/国産こくさんアニメ100ねん まぼろしだい1さく
  5. ^ べいぐん管理かんりでの製作せいさく(せいさく)とフィルムの接収せっしゅう線画せんが発注はっちゅうしょ」の説明せつめい参照さんしょう広島ひろしま平和へいわ記念きねん資料しりょうかんバーチャル・ミュージアムない参照さんしょう
  6. ^ 『ニッポンバンザイ』日本にっぽん映画えいがデータベース
  7. ^ 『くもとちゅうりっぷ』日本にっぽん映画えいがデータベース
  8. ^ 『フクちゃんの潜水せんすいかん日本にっぽん映画えいがデータベース
  9. ^ 『すてねこトラちゃん』日本にっぽん映画えいがデータベース
  10. ^ 1948ねん7がつ5にち参議院さんぎいん労働ろうどう委員いいんかいだい16ごうでの柴田しばた義彦よしひこ労働ろうどう委員いいんかい專門せんもんいん発言はつげんから。国会こっかい議事ぎじろく検索けんさくシステム
  11. ^ a b c 山口やまぐち康男やすお日本にっぽんのアニメちょんふみ - 世界せかいせいした日本にっぽんアニメの奇跡きせき』テン・ブックス、2004ねん、23-26ぺーじISBN 978-4886960115

参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

  • 山村さんそんだかよし『アニメ・マンガで地域ちいき振興しんこう東京法令出版とうきょうほうれいしゅっぱん、2011ねん4がつISBN 978-4809040610 
  • 萩原はぎはら由加里ゆかり:「正岡まさおか憲三けんぞうとその時代じだい -「日本にっぽんアニメーションのちち」の戦前せんぜん戦後せんご」,あおゆみしゃISBN 978-4-7872-7374-1 (2015ねん3がつ27にち).
  • 渡辺わたなべやすし松本まつもと夏樹なつき、フレデリック・S・リッテン(わけ中川なかがわゆずる)、企画きかく監修かんしゅう一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽん動画どうが協会きょうかい『アニメNEXT_100』:「にっぽんアニメそうせい」、集英社しゅうえいしゃISBN 978-4087816877(2020ねん3がつ5にち)。
  • 山口やまぐち康男やすお日本にっぽんのアニメちょんふみ - 世界せかいせいした日本にっぽんアニメの奇跡きせき』テン・ブックス、2004ねんISBN 978-4886960115

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう