コンピュータグラフィックス とアニメーション の一部 いちぶ である。3次元 じげん コンピュータグラフィックス を使 つか ったものが増 ふ えているが、2次元 じげん コンピュータグラフィックス によるものは帯域 たいいき 幅 はば が小 ちい さくリアルタイムのレンダリングが必要 ひつよう な場合 ばあい によく使 つか われている。アニメーションとしての表示 ひょうじ はコンピュータ上 じょう で行 おこな う場合 ばあい もあるが、映画 えいが などの他 ほか のメディアで利用 りよう する場合 ばあい もある。映画 えいが の場合 ばあい はこれを CGI(Computer Generated Imagery )とも呼 よ ぶ。
動 うご いているように見 み せかけるため、コンピュータディスプレイ に1つの画像 がぞう を表示 ひょうじ すると素早 すばや く別 べつ の少 すこ しだけ変化 へんか した画像 がぞう を表示 ひょうじ する。この技法 ぎほう はテレビ や映画 えいが で動 うご いているように見 み せるのと同 おな じ方法 ほうほう である。
コンピュータアニメーションは、立体 りったい 模型 もけい を使 つか ったストップモーション・アニメーション や平面 へいめん のイラストを使 つか った普通 ふつう のアニメーションをデジタル化 か したものと言 い うことができる。3次元 じげん アニメーションでは、物体 ぶったい (模型 もけい )はコンピュータディスプレイ 上 うえ に作 つく られ、3次元 じげん の人物 じんぶつ には仮想 かそう 骨格 こっかく を使 つか う。2次元 じげん の人物 じんぶつ のアニメーションでは、物体 ぶったい 群 ぐん (イラスト)が別途 べっと 用意 ようい され、透明 とうめい なレイヤを使 つか い、仮想 かそう 骨格 こっかく を使 つか うこともある。そして、手足 てあし 、目 め 、口 くち 、衣服 いふく などを骨格 こっかく に付与 ふよ し、人間 にんげん (アニメータ)がキーフレーム を作成 さくせい する。キーフレーム間 あいだ の差異 さい はコンピュータが自動的 じどうてき に計算 けいさん する。この処理 しょり をトウィーニング またはモーフィング と呼 よ ぶ。最後 さいご に、アニメーションがレンダリング される。
3次元 じげん アニメーションでは、モデリングが完了 かんりょう してから全 ぜん フレームを描画 びょうが する必要 ひつよう がある。2次元 じげん アニメーションでは、描画 びょうが はキーフレームを描 えが く工程 こうてい であり、キーフレーム間 あいだ の補間 ほかん (トウィーニング)は必要 ひつよう に応 おう じてレンダリングする。リアルタイムでない場合 ばあい 、描画 びょうが したフレーム群 ぐん は映画 えいが のフィルムやデジタルビデオ などの各種 かくしゅ フォーマットに変換 へんかん される。リアルタイムにフレームを描画 びょうが し、そのままエンドユーザーに提示 ていじ する場合 ばあい もある。インターネット 経由 けいゆ で低 てい 帯域 たいいき 幅 はば のアニメーションを転送 てんそう する場合 ばあい 、エンドユーザー側 がわ のコンピュータ上 じょう のソフトウェア(Adobe Flash や X3D )がリアルタイムのレンダリングを行 おこな う。一方 いっぽう 、高 こう 帯域 たいいき 幅 はば のアニメーションは事前 じぜん にデジタルビデオ形式 けいしき に記録 きろく しておき、ストリーミング 方式 ほうしき で転送 てんそう する。
コンピュータアニメーションの例 れい
右 みぎ のアニメーションでは、まず画面 がめん を黒 くろ などの背景 はいけい 色 しょく で塗 ぬ りつぶす。次 つぎ に山羊 やぎ を画面 がめん の右 みぎ に描 えが く。そして、画面 がめん を再 ふたた び背景 はいけい 色 しょく で塗 ぬ りつぶし、山羊 やぎ を前 まえ より若干 じゃっかん 左 ひだり の位置 いち に描 えが く。これを繰 く り返 かえ すと、山羊 やぎ はゆっくり右 みぎ から左 ひだり へ移動 いどう して見 み える。繰 く り返 かえ しの速度 そくど が十分 じゅうぶん 速 はや ければ、山羊 やぎ がスムーズに左 ひだり に動 うご いているように見 み える。この方法 ほうほう は映画 えいが やテレビの動画 どうが でも使 つか われている。
この例 れい は物体 ぶったい の位置 いち をずらすものだが、大 おお きさや形状 けいじょう や照明 しょうめい や色 いろ を変化 へんか させるようなより複雑 ふくざつ な変換 へんかん を行 おこな うには、単 たん に再 さい 描画 びょうが を繰 く り返 かえ すだけでなく、ある程度 ていど の計算 けいさん とレンダリング の技術 ぎじゅつ を要 よう する。
目 め と脳 のう に物体 ぶったい がスムーズに動 うご いていると錯覚 さっかく させるには、画像 がぞう を毎秒 まいびょう 12枚 まい のフレームレート (fps)以上 いじょう の速 はや さで描画 びょうが する必要 ひつよう がある(フレームとは1枚 まい の完全 かんぜん な静止 せいし 画像 がぞう である)。毎秒 まいびょう 70フレーム以上 いじょう になると、脳 のう の知覚 ちかく 限界 げんかい に達 たっ し、それ以上 いじょう リアリティやスムーズさが向上 こうじょう しなくなる。毎秒 まいびょう 12フレーム未満 みまん では、多 おお くの人々 ひとびと がフレームの切 き り替 か わりに気 き づいてしまう。一般 いっぱん 的 てき な手描 てが きのアニメーションは毎秒 まいびょう 15フレーム程度 ていど (日本 にっぽん のテレビアニメ は8フレーム程度 ていど が主流 しゅりゅう )にしてセルの描画 びょうが 枚数 まいすう を抑 おさ えているが、これはアニメの様式 ようしき 化 か した描 えが き方 かた だからこそ可能 かのう なことである。コンピュータアニメーションの生成 せいせい する画像 がぞう はそれよりもリアルであるため、もっとフレームレートを上 あ げないとリアリティを生 う み出 だ せない。
素早 すばや くフレームを入 い れ替 か えるとスムーズに動 うご いて見 み えるのは「残像 ざんぞう 」現象 げんしょう があるからである。目 め と脳 のう は瞬間 しゅんかん ごとの画像 がぞう を記憶 きおく し、それらを自動的 じどうてき に平滑 へいかつ 化 か している。映画 えいが は一般 いっぱん に毎秒 まいびょう 24フレームで、連続 れんぞく 的 てき な動 うご きとして見 み せるにはその程度 ていど で十分 じゅうぶん である。
.gif 形式 けいしき の2次元 じげん アニメーション。棒 ぼう 人間 にんげん の静止 せいし 画 が をキーフレームとして動 うご きを生成 せいせい している。
ほとんどの3次元 じげん コンピュータアニメーションシステムでは、アニメーターはまず骨格 こっかく や棒 ぼう 人間 にんげん のような単純 たんじゅん 化 か したもので人物 じんぶつ を表現 ひょうげん する。骨格 こっかく モデルの各 かく 部分 ぶぶん の位置 いち はanimation variables( アニメーション変数 へんすう の意 い )またはAvars で定義 ていぎ される。人間 にんげん や動物 どうぶつ を描 えが く場合 ばあい 、骨格 こっかく モデルは実際 じっさい の骨格 こっかく と対応 たいおう していることが多 おお いが、同 おな じ手法 しゅほう (骨格 こっかく とそれを覆 おお う表面 ひょうめん )を他 た の動 うご く物体 ぶったい の描画 びょうが に使 つか うこともあり、例 たと えば顔面 がんめん の描画 びょうが に使 つか われる(別 べつ の手法 しゅほう もある)。映画 えいが 『トイ・ストーリー 』のキャラクター ウッディには全部 ぜんぶ で700のAvarsを使 つか っているが、そのうち100のAvarsは顔面 がんめん 用 よう である。コンピュータはレンダリング 時 とき に骨格 こっかく を描画 びょうが するわけではなく、骨格 こっかく モデルを使 つか って人物 じんぶつ の向 む きや位置 いち を正確 せいかく に計算 けいさん し、それを使 つか って画像 がぞう に描画 びょうが する。従 したが って、Avarsの値 ね を変化 へんか させていけば、人物 じんぶつ に動 うご きを与 あた えることができる。
リアルな動 うご きを得 え るための Avarsの値 ね の生成 せいせい 方法 ほうほう はいくつかある。古 ふる くはアニメーターがAvarsを直接 ちょくせつ 操作 そうさ した。全 ぜん フレームでAvarsを設定 せってい するのではなく、いくつかの戦略 せんりゃく 的 てき 時点 じてん のフレームについてだけAvarsを設定 せってい し、それ以外 いがい はコンピュータに補間 ほかん させる。これをキーフレーミング という。キーフレーミングではアニメーターが動 うご きを制御 せいぎょ できる。これは、手描 てが きのセルアニメ の手法 しゅほう をデジタルに持 も ち込 こ んだものと言 い える。
対照 たいしょう 的 てき に、モーションキャプチャ という比較的 ひかくてき 新 あたら しい手法 しゅほう では実写 じっしゃ の動 うご きを利用 りよう する。モーションキャプチャでコンピュータアニメーションを動 うご かす場合 ばあい 、実際 じっさい に画像 がぞう 処理 しょり のためのマーカーを身 み に着 つ けた人間 にんげん がアニメ化 か されるキャラクターのようにシーンを演 えん じる。マーカーの動 うご きをビデオカメラ を使 つか ってAvarsとして記録 きろく し、記録 きろく されたAvarsをコンピュータ上 じょう でアニメ化 か されたキャラクターに適用 てきよう する。
どちらの手法 しゅほう も一長一短 いっちょういったん であり、2007年 ねん 現在 げんざい 、ゲームや映画 えいが の制作 せいさく ではどちらかの方法 ほうほう を採用 さいよう するか、場合 ばあい によっては両方 りょうほう を組 く み合 あ わせて用 もち いる。キーフレームアニメーションは、人間 にんげん が演 えん じるのが困難 こんなん または不可能 ふかのう な場合 ばあい に適 てき しており、モーションキャプチャは人間 にんげん の演者 えんじゃ の微妙 びみょう な動 うご きも再現 さいげん できる。例 たと えば2006年 ねん の映画 えいが 『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 』では、俳優 はいゆう ビル・ナイ がデイヴィ・ジョーンズ というキャラクターを演 えん じた。ナイ自身 じしん は映画 えいが には顔 かお を出 だ していないが、彼 かれ の演技 えんぎ を記録 きろく することで微妙 びみょう な動 うご きや表情 ひょうじょう などがそのキャラクターに付与 ふよ されている。従 したが って、モーションキャプチャはリアルな振 ふ る舞 ま いや動 うご きが必要 ひつよう な場合 ばあい に適 てき しているが、演 えん じるキャラクターは単 たん に衣装 いしょう や特殊 とくしゅ メイクでは実現 じつげん できないものである。
コンピュータアニメーションは、コンピュータとアニメーションソフトウェアで作成 さくせい する。アニメーションソフトウェアの例 れい として、Art of Illusion 、Poser 、Bryce 、Maya 、Anim8or 、Blender 3D 、trueSpace 、LightWave 、3ds Max 、SOFTIMAGE XSI 、Adobe Flash (2次元 じげん )などがある。これら以外 いがい にも様々 さまざま な製品 せいひん があり、ターゲットとする市場 いちば によって価格 かかく も様々 さまざま である。低 てい 価格 かかく の製品 せいひん でも印象 いんしょう 的 てき なアニメーションを作 つく れるが、一般 いっぱん 的 てき なパーソナルコンピュータではレンダリング の過程 かてい で多大 ただい な時間 じかん を要 よう する。そのため、ゲームでは家庭 かてい 用 よう の一般 いっぱん 的 てき な価格 かかく 帯 たい のパーソナルコンピュータでもレンダリングができるよう、解像度 かいぞうど やポリゴン数 すう の上限 じょうげん を低 ひく くして制作 せいさく する傾向 けいこう がある。その場合 ばあい 、写実 しゃじつ 的 てき なアニメーションは望 のぞ めない。
映画 えいが やテレビやゲームのムービー部分 ぶぶん は、写実 しゃじつ 的 てき なアニメーションが多 おお い。そのような(フルハイビジョン画質 がしつ である1080i や、4K解像度 かいぞうど 画質 がしつ など)高 こう 品質 ひんしつ のアニメーションを家庭 かてい 用 よう のパーソナルコンピュータ上 じょう で作 つく ろうとすると、2015年 ねん 現在 げんざい でも相当 そうとう の時間 じかん はかかる。そこで、画像 がぞう 処理 しょり に特 とく 化 か した強力 きょうりょく なワークステーション を何 なん 台 だい も使 つか う。グラフィックスワークステーションは2個 こ から4個 こ のプロセッサを搭載 とうさい し、レンダリング 性能 せいのう も強化 きょうか されている。多数 たすう のワークステーションをネットワークで相互 そうご 接続 せつぞく したものを、レンダーファーム と呼 よ ぶ。このような設備 せつび を使 つか うことで、全編 ぜんぺん がコンピュータアニメーションの映画 えいが でもだいたい1年 ねん から5年 ねん の期間 きかん で制作 せいさく できる(この期間 きかん はレンダリングにかかる時間 じかん だけではない)。1台 だい のワークステーションは2000ドルから16000ドル程度 ていど で、高価 こうか なものほど最新 さいしん 技術 ぎじゅつ が採用 さいよう されていて高速 こうそく である。ピクサー・アニメーション・スタジオ のRenderMan は、映画 えいが 用 よう アニメーション制作 せいさく に広 ひろ く使 つか われているソフトウェアであり、競合 きょうごう するソフトウェアとしてドイツ製 せい のMental ray がある。ピクサーの公式 こうしき サイトでは5000ドルから8000ドルでRenderManを販売 はんばい している。Linux 、macOS 、Windows 上 うえ で動作 どうさ し、MayaやSoftimage XSIといったアニメーションプログラムと共 とも に使用 しよう する。その他 た に映画 えいが 用 よう デジタルカメラ 、モーションキャプチャ 機材 きざい 、クロマキー 機材 きざい 、編集 へんしゅう ソフトウェア、プロップ などといった機材 きざい や設備 せつび を映画 えいが などの制作 せいさく に使用 しよう する。
コンピュータアニメーションの課題 かだい の1つとして、人間 にんげん を実写 じっしゃ のように描 えが くということが挙 あ げられる。コンピュータアニメーションを使 つか った映画 えいが に登場 とうじょう するキャラクターは、動物 どうぶつ だったり(『ファインディング・ニモ 』、『アイス・エイジ 』、『森 もり のリトル・ギャング 』)、ファンタジー的 てき なキャラクターだったり(『シュレック 』、『モンスターズ・インク 』)、擬人 ぎじん 化 か された機械 きかい だったり(『カーズ 』、『ロボッツ 』、『ウォーリー 』)、マンガ的 てき 人物 じんぶつ (『Mr.インクレディブル 』、『カールじいさんの空 そら 飛 と ぶ家 いえ 』、『ルイスと未来 みらい 泥棒 どろぼう 』)だったりすることが多 おお い。映画 えいが 版 ばん 『ファイナルファンタジー 』は実写 じっしゃ のように人間 にんげん を描 えが こうとした最初 さいしょ のコンピュータアニメーション映画 えいが とされる。しかし、人間 にんげん の体 からだ や動 うご きなどは極 きわ めて複雑 ふくざつ であり、人間 にんげん のリアルなシミュレーションにはまだ課題 かだい が多 おお い。この分野 ぶんや での最終 さいしゅう 目標 もくひょう の1つは、実写 じっしゃ レベルのリアルな人物 じんぶつ を生成 せいせい し、ソフトウェアのみで映画 えいが を製作 せいさく できるようにすることである。映画 えいが を見 み た人 ひと が、それがコンピュータアニメーションなのか実写 じっしゃ なのかわからないレベルになれば、目標 もくひょう を達成 たっせい できたと言 い えるだろう。
現在 げんざい 、3次元 じげん コンピュータアニメーションは、写実 しゃじつ 的 てき な方向 ほうこう 性 せい とそれとは反対 はんたい の方向 ほうこう 性 せい に分 わ かれている。写実 しゃじつ 的 てき な方向 ほうこう 性 せい のコンピュータアニメーションは、実写 じっしゃ のような写実 しゃじつ 性 せい を求 もと める方向 ほうこう (モーションキャプチャ で動 うご きをつけるのが典型 てんけい 的 てき )と様式 ようしき 化 か した写実 しゃじつ 性 せい の方向 ほうこう がある。実写 じっしゃ 的 てき 写実 しゃじつ 性 せい は『ファイナルファンタジー』が達成 たっせい しようとした方向 ほうこう であり、将来 しょうらい 的 てき には『ダーククリスタル 』のようなファンタジー映画 えいが を人形 にんぎょう やアニマトロニクスを使 つか わずに実現 じつげん することになると考 かんが えられる。『アンツ 』は様式 ようしき 化 か した写実 しゃじつ 性 せい の方向 ほうこう の例 れい であり、将来 しょうらい 的 てき には『ティム・バートンのコープスブライド 』のようなストップモーション・アニメーションを代替 だいたい する可能 かのう 性 せい がある。これらはいずれも完璧 かんぺき には至 いた っていないが、今 いま も進化 しんか し続 つづ けている。
写実 しゃじつ 性 せい を求 もと めないマンガ的 てき な方向 ほうこう は、既存 きそん のアニメーションを発展 はってん させ、3次元 じげん 化 か したようなもので、ナイン・オールドメン の伝統 でんとう を受 う け継 つ いでいる。写実 しゃじつ 的 てき コンピュータアニメーションのフレームは写真 しゃしん のようであり、マンガ的 てき コンピュータアニメーションのフレームは絵画 かいが のようである(より単純 たんじゅん な見 み た目 め を生成 せいせい するトゥーンレンダリング とは異 こと なる)。
2次元 じげん コンピュータアニメーションでは、動 うご く物体 ぶったい を「スプライト 」と呼 よ ぶ。スプライトは対応 たいおう する位置 いち を持 も つ画像 がぞう である。スプライトの位置 いち をフレーム毎 ごと に微妙 びみょう に変化 へんか させ、それによって動 うご きをつける。以下 いか の擬似 ぎじ コード は、スプライトを左 ひだり から右 みぎ に移動 いどう させるものである。
var int x := 0, y := screenHeight / 2;
while x < screenWidth
drawBackground()
drawSpriteAtXY (x, y) // 背景 はいけい 上 じょう に描画 びょうが する
x := x + 5 // 右 みぎ に動 うご かす
最近 さいきん のコンピュータアニメーションでは、動 うご きをつけるのに別 べつ の技法 ぎほう を使 つか っている。最 もっと も多 おお いのは、複雑 ふくざつ な3次元 じげん ポリゴン を数学 すうがく 的 てき に操作 そうさ し、それにテクスチャマッピング を施 ほどこ し、照明 しょうめい などの効果 こうか を与 あた え、最終 さいしゅう 的 てき な完全 かんぜん なイメージをレンダリング する。アニメーションの動 うご きを作成 さくせい するのに洗練 せんれん されたグラフィカルユーザインタフェース を使 つか うこともある。別 べつ の技法 ぎほう として、規則 きそく 的 てき な形状 けいじょう にブール演算 えんざん を実施 じっし するCSG表現 ひょうげん で物体 ぶったい を定義 ていぎ する方法 ほうほう があり、任意 にんい の解像度 かいぞうど でも正確 せいかく なアニメーションを生成 せいせい することができる。
木製 もくせい の平 たい らな壁 かべ で囲 かこ まれた部屋 へや の真 ま ん中 なか に灰色 はいいろ のピラミッドがあるという単純 たんじゅん なイメージを考 かんが えてみよう。ピラミッドには照明 しょうめい が当 あ たっていて、表面 ひょうめん に輝 かがや いている点 てん がある。壁 かべ 、床 ゆか 、天井 てんじょう はそれぞれ単純 たんじゅん なポリゴン(この場合 ばあい は矩形 くけい )である。矩形 くけい の頂点 ちょうてん の位置 いち は X、Y、Z の3つの値 ね で定義 ていぎ される。X は左右 さゆう の位置 いち 、Y は上下 じょうげ の位置 いち 、Z は奥行 おくゆ きを表 あらわ す。視点 してん に最 もっと も近 ちか い壁 かべ は4つの点 てん (それぞれに X, Y, Z の値 ね がある)で定義 ていぎ される。以下 いか はその壁 かべ の定義 ていぎ を表現 ひょうげん したものである。
(0, 10, 0) (10, 10, 0)
(0,0,0) (10, 0, 0)
視点 してん から最 もっと も遠 とお い壁 かべ は次 つぎ のようになる。
(0, 10, 20) (10, 10, 20)
(0, 0, 20) (10, 0, 20)
ピラミッドは5つのポリゴンで構成 こうせい される。矩形 くけい の底辺 ていへん と4つの三角形 さんかっけい の側面 そくめん である。このイメージを描 えが くため、コンピュータは3次元 じげん のデータで定義 ていぎ されたものを2次元 じげん の画面 がめん に投影 とうえい するための計算 けいさん をする。
まず、どの地点 ちてん から見 み た情景 じょうけい を描 えが くか、すなわち視点 してん を決 き める。ここでは部屋 へや の中 なか の床 ゆか より若干 じゃっかん 高 たか い位置 いち に視点 してん を設定 せってい し、正面 しょうめん にピラミッドがくるようにする。コンピュータはまず、どのポリゴンが見 み えるかを計算 けいさん する。近 ちか い壁 かべ は視点 してん の後 うし ろにあるため、全 まった く表示 ひょうじ されない。またピラミッドの反対 はんたい 側 がわ の面 めん は隠 かく れていて見 み えない。
次 つぎ に各 かく 点 てん を画面 がめん 上 じょう に遠近 えんきん 法 ほう を考慮 こうりょ して投影 とうえい する。遠 とお くにある壁 かべ は画面 がめん 上 じょう では近 ちか い壁 かべ よりも小 ちい さくなる。壁 かべ が木製 もくせい に見 み えるように木目 もくめ のテクスチャをその上 うえ に描 えが く。このときに使 つか う技法 ぎほう としては「テクスチャマッピング 」が一般 いっぱん 的 てき である。木目 もくめ のパターンを壁 かべ の見 み た目 め の形状 けいじょう に合 あ わせて変形 へんけい した上 うえ でタイル(または壁紙 かべがみ )のように並 なら べる。ピラミッドは灰色 はいいろ なので、その表面 ひょうめん は単 たん に灰色 はいいろ にする。しかし、照明 しょうめい の効果 こうか を再現 さいげん する必要 ひつよう がある。照明 しょうめい が当 あ たっている面 めん は明 あか るくし、影 かげ になっている部分 ぶぶん は暗 くら くする。
以上 いじょう のようにして完全 かんぜん な情景 じょうけい を画面 がめん 上 じょう に描 えが く。ピラミッドの位置 いち を表 あらわ す値 ね を徐々 じょじょ に変化 へんか させると、ピラミッドが動 うご いているように見 み せることができる。
全編 ぜんぺん CGIによる短編 たんぺん 映画 えいが は1976年 ねん ごろから制作 せいさく されていた。その後 ご 特 とく にSFX の技法 ぎほう としてのコンピュータアニメーションの一般 いっぱん 化 か により、特 とく にアメリカを中心 ちゅうしん として映画 えいが でのコンピュータアニメーションが急激 きゅうげき な発展 はってん を遂 と げた。最初 さいしょ のテレビ向 む けの完全 かんぜん なコンピュータアニメーションのシリーズは『リブート 』(1994年 ねん )、最初 さいしょ の映画 えいが は『トイ・ストーリー 』(1995年 ねん )である。その後 ご の2000年代 ねんだい までの主 おも な作品 さくひん を以下 いか に列挙 れっきょ する。
YouTube などのサイトでは、ユーザーが自作 じさく の動画 どうが を投稿 とうこう できる。そこに Windows ムービーメーカー などのユーティリティを使 つか った自作 じさく のアニメーションを投稿 とうこう するアマチュアのコンピュータアニメーターが増 ふ えている。プロ用 よう のアニメーションソフトウェアにも試用 しよう 版 ばん があり、制限 せいげん 付 つ きで教育 きょういく 目的 もくてき や非 ひ 商用 しょうよう 目的 もくてき で使 つか うことができる。フリーウェア のアニメーションソフトウェアも存在 そんざい する。最 もっと も簡単 かんたん なアニメーション制作 せいさく 法 ほう としては、GIF フォーマットによるアニメーション があり、専門 せんもん サイトでなくとも容易 ようい に公開 こうかい できる。
建築 けんちく においても、3次元 じげん アニメーションモデルを使 つか うことがある。従来 じゅうらい 、手描 てが きの絵 え で設計 せっけい をイメージ化 か していたが、それよりも正確 せいかく なイメージが得 え られる。コンピュータアニメーション化 か することで、建築 けんちく 物 ぶつ と周囲 しゅうい の環境 かんきょう や周辺 しゅうへん の建物 たてもの との関係 かんけい を把握 はあく することが可能 かのう になる。