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骨格 - Wikipedia

骨格こっかく

関節かんせつ結合けつごうした複数ふくすうほねおよび軟骨なんこつによって構成こうせいされる構造こうぞう

骨格こっかく(こっかく、骨骼こっかくともく)とは、関節かんせつ結合けつごうした複数ふくすうほねおよび軟骨なんこつによって構成こうせいされる構造こうぞうのことを[1]てんじて、基本きほんてき構造こうぞう一般いっぱんをいう表現ひょうげん使つかわれる場合ばあいもある。

ヒトとウマの骨格こっかく標本ひょうほん。シドニーのオーストラリア博物館はくぶつかん収蔵しゅうぞうひん

概要がいよう

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アンモナイトのから骨格こっかく一種いっしゅふくまれる[2]

骨格こっかくは、おおきくけて2種類しゅるいあり、脊椎動物せきついどうぶつ体内たいないほね中心ちゅうしんとした構造こうぞうたいであるうち骨格こっかくと、昆虫こんちゅうひとし節足動物せっそくどうぶつからだひょうおおそと骨格こっかくである[3]カメ甲羅こうら[4]貝類かいるい貝殻かいがらも、骨格こっかくの1しゅふくまれる[2][5]

骨格こっかくには2つの役割やくわりがある。1つは本来ほんらいやわらかいからだ組織そしきを、骨格こっかく支柱しちゅうとなってささえることである[5]。もう1つはからだ組織そしき保護ほごであり、脊椎動物せきついどうぶつ場合ばあい頭蓋骨ずがいこつ胸郭きょうかくのう心臓しんぞうはいなどの重要じゅうよう臓器ぞうきまもっている[3]そと骨格こっかくからだ全体ぜんたいおお防御ぼうぎょすることがだい1の機能きのうであり[6]陸上りくじょうしゅでは乾燥かんそうからまもったり[5]かたからたまご生物せいぶつへカルシウムを供給きょうきゅうするなど[7]、その生態せいたい生活せいかつ環境かんきょうなどにおうじた様々さまざま役割やくわりつ。

また骨格こっかく生物せいぶつ身体しんたいもっとかたく、リン酸カルシウムりんさんかるしうむなどの無機物むきぶつ豊富ほうふふく組織そしきであるため、化石かせきとしてのこりやすい。化石かせきによって骨格こっかく判明はんめいした場合ばあいには、すで絶滅ぜつめつした生物せいぶつが、どのような体躯たいくち、どのように生活せいかつしていたのかを把握はあくするがかりをあたえる[8]

ヒトの骨格こっかく

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ヒトの骨格こっかくしめした

進化しんか過程かていにおいて、ヒト身体しんたい骨格こっかく骨格こっかくすじ協調きょうちょうしてはたら機能きのう獲得かくとくし、直立ちょくりつそく歩行ほこうや、指先ゆびさきこまかなうごきなどをた。骨格こっかく骨格こっかくすじの2つをわせて、運動うんどうともいう[9]人体じんたい骨格こっかくやく200ほね形成けいせいされ、やく680骨格こっかくすじ接続せつぞくしている[9]近年きんねんうごきに人間にんげんらしさを追求ついきゅうするためひとがたロボット応用おうようされるケースがえている。

ほね連結れんけつ

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ヒトにおいて、ほねとつながっていないほね唯一ゆいいつしたこつだけである。そのすべてのほねは、かならなんらかのほね連結れんけつしており、骨格こっかく形成けいせいする。連結れんけつした複数ふくすうほね完全かんぜん接合はぎあわしてうごかない部分ぶぶんは、ほね結合けつごうという。これ以外いがいは、たがいがつながる部分ぶぶん可動かどうせいち、がるためや、回転かいてんするための構造こうぞうゆうする。

線維せんいせい連結れんけつには、靭帯じんたい結合けつごう縫合ほうごうくぎうえていしょくの3種類しゅるいがある。靭帯じんたいはば繊維せんいによる結合けつごうで、強靭きょうじんである。このはばとくひろ場所ばしょほねあいだまくといい、ずねこむら靭帯じんたい結合けつごうぜん腕骨わんこつあいだまく英語えいごばんなどが相当そうとうする。縫合ほうごうとは頭蓋骨ずがいこついたじょうほねあいだられる連結れんけつであり、おおくのにかわげん繊維せんいたばによってつながっており、接合せつごうせんがギザギザになる場合ばあいおおい。くぎうえ歯根しこん歯槽しそうこつあいだにある連結れんけつで、あいだ結合けつごうおこな組織そしきである歯根しこんまくがある[9]

軟骨なんこつによる連結れんけつには、(通常つうじょうの)軟骨なんこつ結合けつごう繊維せんい軟骨なんこつ結合けつごうがある。成長せいちょうのほとんどのほねには硝子がらす軟骨なんこつによる結合けつごうほねはし軟骨なんこつ)がある。胸骨きょうこつにあるたい軟骨なんこつ結合けつごうは、成長せいちょうのこ軟骨なんこつ結合けつごうの1つである。繊維せんい軟骨なんこつ結合けつごうは、恥骨ちこつしいたい結合けつごうにあり、繊維せんいしつ隙間すきま軟骨なんこつしつがある円盤えんばんじょう構造こうぞうである[9]

一般いっぱんにいわれる関節かんせつは、すべりまくせい連結れんけつてはまる。2ほんほねあいだ関節かんせつつつみかこまれた関節かんせつ腔があり、そのなかねばたびたかすべりえきちている。関節かんせつつつみすべりえき生成せいせいするすべりまくと、それをつつ緻密ちみつ頑丈がんじょう結合けつごう組織そしきけい繊維せんいまくおおう。関節かんせつ可動かどうせいは、せっするほねめん保護ほごする軟骨なんこつと、すべりえき弾力だんりょくせいすべりによって、実現じつげんしている。関節かんせつつつみ関節かんせつうごきを制限せいげんするもので、股関節こかんせつなどでは一部いちぶあつ構造こうぞう靭帯じんたい形成けいせいする。また、関節かんせつうごきにはほねはし様々さまざまかたちち、部位ぶいによっては凸凹おうとつわさった構造こうぞうられる。人体じんたい場合ばあいは2つ以上いじょう関節かんせつわさった構造こうぞう複雑ふくざつ形状けいじょう部分ぶぶん複数ふくすう箇所かしょられ、たとえばひじ関節かんせつは3つ以上いじょうほね介在かいざいする[9]

骨格こっかく部位ぶい

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ヒトの骨格こっかくは、おおきくからだみき骨格こっかくじく骨格こっかく)とからだ骨格こっかく付属ふぞく骨格こっかく)にけられる。さらに前者ぜんしゃ頭蓋骨ずがいこつ脊柱せきちゅう胸郭きょうかく肋骨あばらぼね)、後者こうしゃ上肢じょうし下肢かし分類ぶんるいされる[1][10]

頭蓋骨ずがいこつ

編集へんしゅう

からだみきもっとうえにある頭蓋骨ずがいこつは、のう保護ほごするだけでなくはなくちといった感覚かんかく呼吸こきゅうおよび消化しょうかくちそなえる。そのため複雑ふくざつ形状けいじょうつ。15種類しゅるいけい23ほねわさっており、そのほとんどは縫合ほうごうによるかた結合けつごうで、可動かどうする部分ぶぶんしも顎骨がっこつしたこつなどわずかである[11]頭蓋骨ずがいこつおおきく、上部じょうぶにあるのうつつ部分ぶぶんのう頭蓋とうがい神経しんけい頭蓋とうがい)と、眼窩がんか鼻腔びこう口腔こうくうのような臓器ぞうきがはめまれたくぼみを顔面がんめん頭蓋とうがい内臓ないぞう頭蓋とうがい)にけられる。ヒトは前者ぜんしゃ発達はったつしている特徴とくちょう[11]

のう頭蓋とうがいは、ぜん頭骨とうこつ1個いっこ頭頂とうちょうこつ2がわ頭骨とうこつ2こう頭骨とうこつ1個いっこふるいこつ1個いっこちょうがたこつ1個いっこの6しゅけい8ち、円形えんけい屋根やねたる頭蓋とうがいかんむりと、ゆかたる頭蓋とうがいそこつくる。とく頭蓋とうがいかんむりでは、それぞれのほねがギザギザのえんをかみわせた縫合ほうごうっている。頭蓋とうがいそこのう形状けいじょうわせたような凸凹でこぼこと、つながる血管けっかん神経しんけいとおるためのあながたくさんいている[11]

顔面がんめん頭蓋とうがいは9しゅけい15ほねり、うち6しゅたいになっている。主要しゅようほねは1つい上顎じょうがくこつ1個いっこしも顎骨がっこつである。上顎じょうがくこつ頬骨ほおぼねのう頭蓋とうがいぜん頭骨とうこつとのあいだ眼窩がんか前面ぜんめんを、たいあいだ鼻骨びこつ鼻腔びこう前面ぜんめんつくる。口腔こうくう上部じょうぶ上顎じょうがくこつ口蓋こうがいこつと、下部かぶしも顎骨がっこつとのあいだ形成けいせいされる[11]

脊柱せきちゅう

編集へんしゅう

脊柱せきちゅうは32~34椎骨ついこつ連結れんけつした、からだみきささえる骨格こっかくである。頚部けいぶの7つのほね頚椎けいつい胸部きょうぶの12胸椎きょうつい腰部ようぶの5腰椎ようつい骨盤こつばん部分ぶぶんせんしいしいける。成長せいちょうするとせんしいは5ほね癒着ゆちゃくして1個いっこ仙骨せんこつに、しいは3~5癒着ゆちゃくして1個いっこ尾骨びこつになる[12]。そして脊柱せきちゅう全体ぜんたいはSじょう湾曲わんきょくし、そく歩行ほこうをするためにかかるした方向ほうこう荷重かじゅう分散ぶんさんしている[13]

椎骨ついこつは、3種類しゅるい方法ほうほう接合はぎあわされている。しいあいだ円盤えんばんたてまれた椎骨ついこつあいだにあり、軟骨なんこつせい結合けつごうやくになう。中心ちゅうしんにはゼリーじょうずいかくがあり、その周囲しゅうい繊維せんい軟骨なんこつ層状そうじょうかこんでいる。ずいかくやく8わり水分すいぶんで、脊椎せきついのねじれや屈伸くっしんまたは圧力あつりょくを、液体えきたい流動りゅうどうせい吸収きゅうしゅうし、可動かどうできる状態じょうたいにする。脊柱せきちゅう全長ぜんちょうのうち1/4はしいあいだ円盤えんばんあつみである[12]椎骨ついこつしいあいだ円盤えんばん前後ぜんごには、それぞれたて靭帯じんたい密着みっちゃくし、たて方向ほうこう連結れんけつおこなう。しいゆみあいだは、弾性だんせい繊維せんい豊富ほうふなため黄色きいろえる黄色おうしょく靭帯じんたいたて連結れんけつされる。そのとげ突起とっきたて連結れんけつとげあいだ靭帯じんたい先端せんたんにあるとげじょう靭帯じんたいでつながるが、これは頚部けいぶはばひろくなるためこう靭帯じんたいともいう[12]。さらに、かく椎骨ついこつにある関節かんせつ突起とっき上下じょうげたいになり、椎骨ついこつあいだ関節かんせつ形成けいせいする[12]

脊柱せきちゅうは、文字通もじどおはしらとしてからだささえる役割やくわりゆうする。そして、そのなかには中枢ちゅうすう神経しんけいである脊髄せきずいおさまり、これを保護ほごする役割やくわりつ。また、複数ふくすう突起とっき部分ぶぶん筋肉きんにくとつながっており、からだみきうごかす役目やくめ[12]

胸郭きょうかく

編集へんしゅう

胸郭きょうかくは37ほね形成けいせいされた釣鐘つりがねじょう骨格こっかくで、心臓しんぞうはいとりかごのようにかこんでいる。胸骨きょうこつと12ほねから胸椎きょうつい、12ついほねあつまり肋骨あばらぼねけられる[14]

胸骨きょうこつ上部じょうぶからむね骨柄こつがら胸骨きょうこつたいけんじょう突起とっきの3つがネクタイのような形状けいじょうむねまえにある。これらをつなぐ軟骨なんこつは、よわいともなってほねする傾向けいこうにある。さい上部じょうぶむね骨柄こつがら正面しょうめんみがあり、肋骨あばらぼねあいだのくぼみである頸窩をつくる。このむね骨柄こつがらしたにあるおおきな胸骨きょうこつたいには、左右さゆう肋骨あばらぼねとつながる関節かんせつ肋骨あばらぼねきりこん)7ついゆうする。けんじょう突起とっきは、からだひょうからるとみぞおち部分ぶぶんにある[14]

肋骨あばらぼね胸郭きょうかく側面そくめんにある湾曲わんきょくしたほねで、発生はっせい軟骨なんこつだがほとんどの部分ぶぶん硬骨こうこつあばら硬骨こうこつ)にわる。わずかに前面ぜんめん軟骨なんこつ部分ぶぶんあばら軟骨なんこつ)がのこり、ここで胸骨きょうこつとつながっている。背面はいめんにある硬骨こうこつ肋骨あばらぼねあたま脊柱せきちゅう胸椎きょうつい)と関節かんせつつくる。肋骨あばらぼねのうちじょうから7番目ばんめまではそれぞれ胸骨きょうこつ脊柱せきちゅう双方そうほうとつながり、あばらばれる。8~12番目ばんめは、前方ぜんぽうにおいて軟骨なんこつ部分ぶぶんだい7肋骨あばらぼねつながり直接ちょくせつ胸骨きょうこつ接続せつぞくされていないため、かりあばらという。11~12番目ばんめ肋骨あばらぼね背面はいめんのみ脊柱せきちゅうとつながり、前方ぜんぽう遊離ゆうりしているため、浮遊ふゆうあばらという[14]

ヒトの場合ばあい胸郭きょうかくはい呼吸こきゅうおこなうにたり、みずかうごけないはいうごかす役割やくわり一部いちぶになっている[15]

上肢じょうし

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上肢じょうし骨格こっかくは、からだみき上部じょうぶ上肢じょうしたい)やかためるほねと、そのさきうでから手先てさきなど可動かどうせい部分ぶぶん範囲はんいとする。片側かたがわで8種類しゅるい32ほねがある[16]

上肢じょうしたい骨格こっかく代表だいひょうするほね鎖骨さこつかたかぶとこつである。鎖骨さこつむね骨柄こつがら関節かんせつむねくさり関節かんせつ)でつながり、皮下ひかすぐの位置いちにあるため、からだひょう隆起りゅうきつくる。鎖骨さこつゆるやかなSがった棒状ぼうじょうほねで、からだみき上肢じょうし骨格こっかくあいだ距離きょりもうけてうごきの自由じゆうたかめる機能きのうつ。内側うちがわ2/3と外側そとがわ1/3で断面だんめん形状けいじょう変化へんかするため、骨折こっせつしやすいほねでもある[16]かたかぶとこつぎゃく三角形さんかっけいで、かたかぶときょすじげられている。外側そとがわかく関節かんせつ窩をかいして上腕じょうわんこつとつながり、上腕じょうわんとうすじ上腕じょうわんさんとうすじ片端かたはし付着ふちゃくする[16]

かたからさき可動かどうせいたか自由じゆう上肢じょうしばれる。上腕じょうわんこつ上肢じょうし骨格こっかくちゅう最大さいだいほねであり、かたがわではかたかぶとこつ非常ひじょう可動かどういきひろかた関節かんせつでつながる。ひじがわでは、3ほんほねによるふくあい関節かんせつであるひじ関節かんせつ形成けいせいし、前腕ぜんわん回転かいてん可能かのうとする。ひじ関節かんせつさきにある前腕ぜんわんには、内側うちがわしゃくこつ外側そとがわ橈骨2ほんなら[16]

手首てくびからさきほねは、手首てくびからおおきくこつ中手なかてこつゆびこつの3グループにけられる。こつは8ほねからり、手首てくび関節かんせつ横手よこて関節かんせつ関節かんせつ)とばれ、しゃくこつ・橈骨とのあいだふねじょうこつつきじょうこつ三角さんかくこつばれる3つのほね関節かんせつ形成けいせいする。この3つにまめじょうこつくわえた4つをきんれつという。こつのこり4つはだい菱形ひしがたこつしょう菱形ひしがたこつゆう頭骨とうこつゆうかぎこつであり、これらはまとめてそとれつばれる[16]そとれつさきには中手なかて関節かんせつ(CN関節かんせつ)をかいしててのひら骨格こっかくす5ほん中手なかてこつがある。そして、かく中手なかてこつちゅう手指しゅしぶし関節かんせつ(MP関節かんせつ)をはさゆびこつつながる。MP関節かんせつこぶしにぎると外側そとがわ突出とっしゅつする、でこぼこを形作かたちづく部位ぶいである。ゆび骨格こっかくであるゆびこつは、基本きほんてきもとぶしこつちゅうふしこつ末節まっせつこつ構成こうせいされるが、親指おやゆびのみちゅうふしこつがなく、それぞれのほねかずおうじた関節かんせつ[16]

下肢かし骨格こっかくは、からだみき下部かぶ下肢かしたい)と、股関節こかんせつからさき自由じゆう下肢かし部分ぶぶん範囲はんいとする。片側かたがわで8種類しゅるい31個いっこほねがある[17]

下肢かしたい代表だいひょうするほね骨盤こつばんだが、これも複数ふくすうほねからなる骨格こっかくである。うつわじょう骨盤こつばんは、左右さゆう2まいひろしこつ前方ぜんぽうでは軟骨なんこつせい恥骨ちこつ結合けつごうでつながり、後方こうほうでは仙骨せんこつとのあいだみみかたちをしたせんちょう関節かんせつ結合けつごうしつつ、せんちょう靭帯じんたいせんとげ靭帯じんたいせん結節けっせつ靭帯じんたいの3つで強固きょうこにつながっている。ひろしこつ最大さいだい扁平へんぺいこつだが、思春期ししゅんきころまではちょうこつ坐骨ざこつ恥骨ちこつそれぞれが独立どくりつしてあり、Yがた軟骨なんこつせい結合けつごうでつながっている。これが成長せいちょうともなほねしながら融合ゆうごうし、1つのおおきなほねになる。ちょうこつ部分ぶぶん股関節こかんせつからうえかってひろがる扇形せんけいじょうち、内側うちがわのへこみ(ちょうこつ窩)でちょうささえる。外側そとがわには皮膚ひふまでしてちょうこつりょう形成けいせいし、この部分ぶぶんからだひょうかられられるだけではなく、その位置いち外見がいけんじょう容易ようい見付みつけられる。このぜんはし上前うわまえちょうこつとげばれ、からだひょう基準きじゅんてん使つかわれる。一方いっぽうこうがわ上後うえごちょうこつとげからだひょうに「ビーナスのえくぼ」とうくぼみをつく[17]坐骨ざこつひろしこつ後方こうほう下部かぶたり、全体ぜんたいはLがたがっているためかく坐骨ざこつ結節けっせつからだひょうかられることができる。恥骨ちこつひろしこつ前方ぜんぽう下部かぶたり、「く」のがたがっている。坐骨ざこつ恥骨ちこつあいだには閉鎖へいさあなばれるあながある[17]

骨盤こつばん結合けつごう外側そとがわには半球はんきゅうじょうふかくくぼんだひろしほねうすがあり、ここに大腿だいたいこつ頭部とうぶがはまって股関節こかんせつ構成こうせいしている。骨盤こつばん全体ぜんたいで、かかる体重たいじゅう脊椎せきついからあしほねつたえる支持しじ役割やくわりち、膀胱ぼうこう子宮しきゅう卵巣らんそう直腸ちょくちょうなどの骨盤こつばん内臓ないぞう保護ほごする。またヒトの骨盤こつばん性差せいさ顕著けんちょ部分ぶぶんであり、男性だんせいでは全体ぜんたいがハートがた内側うちがわせま漏斗ろうとがたなのにたいし、女性じょせいではよこ楕円だえんがた内側うちがわひろ円筒えんとうがたをしている[17]

あし骨格こっかくは、骨盤こつばんからした太腿ふとももにある大腿だいたいこつと、足首あしくびあし関節かんせつ)までつづずねにある脛骨けいこつ腓骨ひこつひざ関節かんせつかいして接続せつぞくした構造こうぞうである。大腿だいたいこつ単独たんどくでは人体じんたいもっとおおきなほねで、上端じょうたん球状きゅうじょう大腿だいたいこつあたま)がひろしほねうすにつながり、やや外側そとがわ下方かほうびる大腿だいたいこつけい下方かほうびる大腿だいたいこつたいがある。下端かたんでははばひろがり、末端まったん内側うちがわ顆と外側そとがわ顆という2つの楕円だえんがた隆起りゅうきおよびそのあいだのくぼんだ顆間窩がある。ここと対面たいめんするかたちで、脛骨けいこつ上部じょうぶ外側そとがわひろがった2つの隆起りゅうきいながら、2ほん十字じゅうじ靭帯じんたい接続せつぞくされる。おたがいのほねせっする部分ぶぶんにはそれぞれ半月はんつきばんがあり、これら全体ぜんたい内外ないがい両方りょうほうふく靭帯じんたいおおう。そして前面ぜんめんには、ぞくに「ひざのおさら」とばれるぎゃく三角形さんかっけいちか扁平へんぺい膝蓋骨しつがいこつがある[17]ずねささえるもう1ほん腓骨ひこつひざ関節かんせつ直接ちょくせつ関与かんよしておらず、そのほねあたま外側そとがわがわふく靭帯じんたい付着ふちゃくするかたち連結れんけつする平面へいめんてきずねこむら関節かんせつ構成こうせいしている[17]

あしほねは、あしこつちゅうあしこつゆびこつの3グループに区分くぶんされる。あしこつ脛骨けいこつ腓骨ひこつあし関節かんせつ形成けいせいする距骨と、そのした後方こうほうしてかかと形成けいせいしつつアキレス腱あきれすけんとつながるかかとこつがある。この2つはあし構成こうせいするほかほねくらべて非常ひじょうおおきい。2つのあしこつ前方ぜんぽう接続せつぞくする5ほん管状かんじょうこつちゅうあしこつであり、あしゆびほねであるゆびこつとの仲立なかだちをする。これらあしほねすじつよ結合けつごうしており、あし内側うちがわ脛骨けいこつからびる三角さんかく靭帯じんたいささえられながら、あしゆみとい われるアーチ土踏つちふまず)を形成けいせいする。これは直立ちょくりつそく歩行ほこうおこなさい衝撃しょうげき分散ぶんさん緩和かんわ吸収きゅうしゅう機能きのう[17]

ヒト以外いがい脊椎動物せきついどうぶつ骨格こっかく

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哺乳類ほにゅうるい

編集へんしゅう
 
トマス・ヘンリー・ハクスリー進化しんかについてべた『自然しぜんにおける人間にんげん位置いち』の口絵くちえ類人猿るいじんえんとヒトの骨格こっかく比較ひかくしている。ゴリラ(みぎから2番目ばんめ)とヒト(もっともみぎ)を比較ひかくすると、ゴリラのナックルウォークの特徴とくちょうとヒトの直立ちょくりつ歩行ほこうとの対比たいひ理解りかいやすい。
 
カリフォルニアアシカ全身ぜんしん骨格こっかく標本ひょうほん

哺乳類ほにゅうるい骨格こっかくは、ほねかずというてんからすると、ほぼ200ほどであり、それほどたね[13][18]構造こうぞうにもおおきな差異さい[13]頚椎けいついかずアリクイナマケモノのぞすべて7であり[13]胸椎きょうつい哺乳類ほにゅうるい全体ぜんたいでは9~24おおくのたねでは12~16である[13]腰椎ようつい全体ぜんたいで2~9、おおくで12~16[13]仙骨せんこつ基本きほんてきに2だが、一部いちぶでは尾骨びこつくわわり6たねもある[13]。しかしながら、個別こべつほねおおきさや接続せつぞくする角度かくどなどは多様たようであり、それぞれの特徴とくちょうゆうしている[18]鎖骨さこつはヒトなど霊長れいちょうるいモグラコウモリのように前肢ぜんし活発かっぱつうごかすたね特徴とくちょうてき部位ぶいである[13]哺乳類ほにゅうるいにおいてゆび基本きほんてきに5ほんであり、ゆう蹄類りょうはし退化たいかしたものである[13]

現生げんなま哺乳類ほにゅうるいしも顎骨がっこつこつのみでち、あご関節かんせつこつ鱗状りんじょうこつからる。生物せいぶつがくによる化石かせき分析ぶんせきによると、爬虫類はちゅうるいあご関節かんせつ関節かんせつこつおよび方形ほうけいこつは、小型こがた関節かんせつ機能きのうからはずれ、みみ小骨こぼねへと変化へんかしたとかんがえられている[19]化石かせき分類ぶんるいじょうでは、この特徴とくちょう哺乳類ほにゅうるい識別しきべつする指標しひょうとされてきた[19]

霊長れいちょうるいであるゴリラの骨格こっかくには、前足まえあし)をついてあるくナックルウォークをおこなうための特徴とくちょうられる。うでさきしゃくこつと橈骨はヒトのそれよりもふとく、2ほん間隔かんかくひろい。ここには強力きょうりょく骨格こっかくすじゆうし、身体しんたいささえる役目やくめ対応たいおうする。また上半身じょうはんしんまえかたぶけさせているため、くびおも頭部とうぶささえるためのつよ靭帯じんたいつ。この靭帯じんたい接続せつぞくする場所ばしょとして、頚椎けいついうしろのとげ突起とっきがヒトにくらべておおきくしている[20]

イヌネコはそれぞれに獲物えものらえるための骨格こっかくゆうしている。イヌはオオカミ同様どうよう追跡ついせきするためにはしりやすい直線ちょくせんてき四肢ししほねち、距離きょり把握はあくしやすいように眼窩がんかまえく。ネコの背骨せぼねはライオンと同様どうよう脊椎せきつい11番目ばんめほね突起とっきちいさく、そこからした突起とっきぎゃく下半身かはんしんから上半身じょうはんしんがわている。この構造こうぞうによって、背骨せぼね柔軟じゅうなんげることが可能かのうとなり、しずかにしのびながら獲物えもの接近せっきんできる[21]ジャイアントパンダササをつかむため、5ほんゆびとはべつたわわがわ種子しゅしこつ副手ふくしゅこつがそれぞれ巨大きょだいしてした部分ぶぶんつくっている。これはそれぞれ「だい6のゆび」「だい7のゆび」とばれる[20]

クジラ骨格こっかくには退化たいか消失しょうしつした部位ぶいおおい。おも水中すいちゅう生活せいかつ適応てきおうするため、外見がいけんじょうの頸部をくしからだ紡錘形ぼうすいけいとなり、さかなちか姿すがたをしている。それにわせて骨格こっかく変化へんかし、後肢あとあし退化たいかさせ、わずかな痕跡こんせきのこして骨盤こつばん消失しょうしつしている[22]前肢ぜんしむねひれ変化へんかし、おおきさを確保かくほするためにゆびこつかずやした[22]魚類ぎょるいことなり、根本こんぽん尾骨びこつ伸長しんちょうられるのみで[23]尾鰭おびれには骨格こっかく[22]おなうみせい哺乳類ほにゅうるいでも後肢あとあし由来ゆらいでない尾鰭おびれそなえるのは海牛うみうしるいであり、アシカアザラシ尾鰭おびれ後肢あとあし変化へんかしたものである[23]

鳥類ちょうるい

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卵生らんせい生物せいぶつのうちで、鳥類ちょうるいのようにかたからゆうするたまごたねは、から主成分しゅせいぶんであるカルシウムをほね貯蔵ちょぞうしている。繁殖はんしょくめすにわとりは、ほねの12パーセントをたまごから流用りゅうようする。そのため、大腿だいたいこつなどにカルシウムを貯蔵ちょぞうする骨髄こつづいこつ発達はったつさせる[7]

鳥類ちょうるいつばさ方法ほうほうおも移動いどう方法ほうほうとしたため、これに適合てきごうした骨格こっかくつ。その特徴とくちょうの1つは骨格こっかく軽量けいりょうであり、そのためにほね空洞くうどう形成けいせいされていたり、ほね癒着ゆちゃくさせて運動うんどうせい犠牲ぎせいにしつつも筋肉きんにくはぶいてかるさと強度きょうど両立りょうりつさせている。とく腰部ようぶでは、胸椎きょうつい一部いちぶから腰椎ようついせんしいしいそしてひろしこつ融合ゆうごうし、軽量けいりょうこし仙骨せんこつ形成けいせいしている。また頭骨とうこつ一部いちぶがくちばしにわり、尾骨びこつ融合ゆうごうみじかくなっているてんも、軽量けいりょう貢献こうけんする[7]。もう1つの特徴とくちょうは、飛翔ひしょうのための形状けいじょうであり、つばさ稼動かどうさせる筋肉きんにく付着ふちゃくする上腕じょうわんこつみじかふと発達はったつし、またむねがわでは胸骨きょうこつ前方ぜんぽう竜骨りゅうこつ突起とっきというしが存在そんざいする。鎖骨さこつ融合ゆうごうしてV字形じけいじょうとなり、ばたきにおうじてがったりもどったりすることで、サスペンションの役割やくわりたしている[7]

しかし、ばないとりはし鳥類ちょうるい)ではこれらの機能きのう退化たいかられる。ダチョウかたほね退化たいかして癒着ゆちゃくし、竜骨りゅうこつ突起とっきうしなわれている。一方いっぽうで、後肢あとあし大腿だいたいこつ空洞くうどうく、重力じゅうりょくから巨体きょたいささえるために堅牢けんろうである[7]

鳥類ちょうるいつばさおおくの羽根はねつくられ、ゆびこつちいさく退化たいか融合ゆうごうしている。哺乳類ほにゅうるいながらおなじく動物どうぶつであるコウモリつばさまく構成こうせいされ、それをささえるためだい2-5ゆびびてささえる構造こうぞうち、文字通もじどおこうもりがさのようにりたためるためつばさげるとき空気くうき抵抗ていこうらすことができる[24]。 かつてそら進出しんしゅつした爬虫類はちゅうるいであるつばさりゅうつばさ中空ちゅうくうの1ほんゆびこつだい4ゆび)でぜんえんささえるのみであり、飛行ひこうこまかくコントロールできなかったとのかんがえもある[24]

爬虫類はちゅうるい

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哺乳類ほにゅうるいくらべると、爬虫類はちゅうるい骨格こっかく多様たようである[18]一般いっぱんに、肋骨あばらぼねこしにまであるため、胸部きょうぶ腹部ふくぶ区別くべつがつけられない[25]うであしたね骨格こっかく基本きほんてき哺乳類ほにゅうるい鳥類ちょうるいおなじだが、おおくは四肢ししからだから水平すいへい方向ほうこうびる骨格こっかくち、地面じめんうようにあるくことから「爬虫類はちゅうるい」と命名めいめいされた[25]脊椎せきついも頸椎がうえ湾曲わんきょくする[13]

ヘビおおきな獲物えもの丸呑まるのみするために、しも顎骨がっこつ左右さゆうかれ靭帯じんたいだけで接続せつぞくされ[25]、また方形ほうけいこつ鱗状りんじょうこつ可動かどうさせられるためあごに2つの関節かんせつがあるような構造こうぞうつため[25]くちおおきくけられる。また胸骨きょうこつたず[25]肋骨あばらぼね柔軟じゅうなんせい[26]どくたないボアコンストリクター獲物えものをしっかりむために強固きょうこ頭蓋とうがいゆうするのにたいして、どくハブでは頭蓋とうがい貧弱ひんじゃくである[25]やわらかい関節かんせつかいする200から400もの椎骨ついこつち、筋肉きんにく靭帯じんたいでつながれることで、特有とくゆうのしなやかなうごきを可能かのうとする[25]

カメ甲羅こうらは、皮膚ひふした発達はったつしたかわこつ連結れんけつしたもの[25]、これが背骨せぼね肋骨あばらぼね一体化いったいかした特徴とくちょうてき骨格こっかく[4]。またくびなかんで収納しゅうのうするため、頚椎けいついたて方向ほうこうおおきくげられる[4]脊椎動物せきついどうぶつ一般いっぱんことなり。かたかぶとこつ鎖骨さこつ烏口からすぐちこつ肋骨あばらぼね内部ないぶにあるてん特徴とくちょうの1つで、前肢ぜんし甲羅こうら内部ないぶ収納しゅうのうできる[25]

トカゲなかにはれて外敵がいてきからまもたねがいる。これは、特定とくていしいにあるれやすい部分ぶぶんである、きりめんはずれることによって実現じつげんさせており、関節かんせつはずれるわけではない[25]

ワニは頸部にも肋骨あばらぼねゆうし、またかわこつうろこあいまってかた表皮ひょうひ構造こうぞうつため、胴体どうたい柔軟じゅうなんせいける。これにたいして、には可動かどうせい関節かんせつゆうし、とく左右さゆうおおきくることができる[25]

両生類りょうせいるい

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両生類りょうせいるいもまた、多様たよう骨格こっかく[18]爬虫類はちゅうるい鳥類ちょうるい哺乳類ほにゅうるい陸上りくじょう生活せいかつ適応てきおうするなかで、椎骨ついこつしいたいにおいてがわしいこころおおきく発達はったつさせて、重力じゅうりょくにあらがいからだささえるための強度きょうどている。そしてあいだしいこころ退化たいか縮小しゅくしょうしている[27]脊柱せきちゅう直線ちょくせんてき魚類ぎょるいたいして胸椎きょうつい腰椎ようつい部分ぶぶんうえ方向ほうこう湾曲わんきょくしている[13]。しかし、変態へんたいまえでは水中すいちゅう生活せいかつする両生類りょうせいるいでは、あいだしいしん椎骨ついこつささえる主要しゅようである[27]

カエル跳躍ちょうやく移動いどうする方法ほうほう適応てきおうしており、あしほねがそれぞれが極端きょくたんながく、脛骨けいこつ腓骨ひこつ融合ゆうごう[26]、これをささえるちょうこつ発達はったつしている[28]前肢ぜんししゃくこつと橈骨が融合ゆうごうし、かた周辺しゅうへん複雑ふくざつ構造こうぞうつ。これらは着地ちゃくち衝撃しょうげきやわらげる効果こうかつとかんがえられる[28]跳躍ちょうやく邪魔じゃまになる退化たいかし、尾骨びこつは1ほん棒状ぼうじょうとなって体内たいないおさまっている。脊椎せきついかずすくないためみじか柔軟じゅうなんせいき、また肋骨あばらぼねたない[28]

魚類ぎょるい

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魚類ぎょるいには、サメなどの軟骨なんこつ魚類ぎょるいと、その硬骨魚こうこつぎょるいなどがある。からだ骨格こっかく軟骨なんこつ構成こうせいされるサメだが、だけはかた組織そしき形成けいせいされている[29]硬骨魚こうこつぎょるいリン酸カルシウムりんさんかるしうむからつくられるかた骨格こっかくつものの、浮力ふりょくつよ作用さようする水中すいちゅう生活せいかつするため、重力じゅうりょくえるまでのつよさを必要ひつようとせず、ぎゃくみず抵抗ていこう低減ていげんするために流線型りゅうせんけいる。数多かずおおほねへん複雑ふくざつわさった頭部とうぶに、むねひれなどかたたい関節かんせつ直接ちょくせつつながっている。脊椎せきついこつからは上下じょうげなが突起とっきがわ神経しんけいとげはらがわ血管けっかんとげ)がび、脊柱せきちゅうはし尾骨びこつ尾鰭おびれうごかす筋肉きんにく付着ふちゃくする。魚類ぎょるいにはこれらとべつに、おもからだのバランスをるための背鰭せびれはらひれ構成こうせいする骨格こっかく場合ばあいおお[30]

おも脊椎動物せきついどうぶつ骨格こっかく重量じゅうりょう

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脊椎動物せきついどうぶつにおいて、体重たいじゅうめる骨格こっかく重量じゅうりょう比率ひりつは、一般いっぱん大型おおがた動物どうぶつほどおおきく、体躯たいくささえるために頑丈がんじょう骨格こっかく必要ひつようことしめしている[31]

動物どうぶつ 骨格こっかく重量じゅうりょう(%)
ガン   13.3
ニワトリ   11.7
スズメ   8.4
ミソサザイ   7.1
ゾウ   25.0
カバ   20.0
ウシ   20.0
ヒツジ   20.0
ブタ   18.0
ヒト   15.0
イヌ   14.0
ライオン   13.0
ネコ   11.5
ゼニガタアザラシ   11.0
ウサギ   9.0
イエハツカネズミ   8.4
トガリネズミ   7.9

そと骨格こっかく

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石灰せっかいしつがい骨格こっかく

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そと骨格こっかくたね様々さまざまにある。石灰せっかいしつかたそと骨格こっかくそなえるたねは、貝類かいるいほかにもサンゴ甲殻こうかくるいフジツボたまきがた動物どうぶつ棲管うであし動物どうぶつからウニからばんとげなどおお存在そんざいする[5]。なお、貝類かいるいなかにはから外套がいとうまくおおっている種類しゅるいもある[5]脊椎動物せきついどうぶつうち骨格こっかくうであし動物どうぶつ骨格こっかくリン酸カルシウムりんさんかるしうむからつくられるのにたいし、軟体動物なんたいどうぶつおおくがそと骨格こっかく炭酸たんさんカルシウム主成分しゅせいぶんとする[32]

キチンしつがい骨格こっかく

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甲殻こうかくるいなどは、キチンそと骨格こっかくとして利用りようしている[33]

その用法ようほう

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生体せいたいかんする用法ようほう

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かく細胞さいぼう細胞さいぼうしつにおいても、内部ないぶタンパク質たんぱくしつ微小びしょうかんなどからなる、そのかたちささえる網目あみめじょうたばじょうなどの構造こうぞうがあり、それらを細胞さいぼう骨格こっかく(サイトスケルトン)と[34]。また、生体せいたい組織そしきから細胞さいぼうしょう器官きかんいたるまでの様々さまざま場所ばしょ構造こうぞう支持しじするタンパク質たんぱくしつ総称そうしょうして骨格こっかくタンパク質たんぱくしつという。哺乳類ほにゅうるい巨視的きょしてき組織そしきささえるコラーゲンエラスチンなど、昆虫こんちゅうクチクラ支持しじするレシリン英語えいごばん細胞さいぼうないではミクロフィブリル英語えいごばんアクチンスペクトリン、さらに分子ぶんしあいだでの共有きょうゆう結合けつごうのためのジスルフィドなどがこれにたる[35]

軟体動物なんたいどうぶつなかには、あたまあしかたまりうごかすさいに、筋肉きんにく使つかうのではなく、内部ないぶほら部分ぶぶん血液けつえきたす方法ほうほうおこな種類しゅるいがある。この体液たいえき圧力あつりょく変化へんか静水せいすい力学りきがくてき骨格こっかくばれる[36]

メタファーとしての用法ようほう

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片仮名かたかなスケルトン記載きさいした場合ばあいは、英語えいごの"skeleton"とは、一般いっぱん使用しようされる意味いみまったことなるので注意ちゅうい必要ひつようである。とくに、iMac以降いこうは、そとから透明とうめいにして、内部ないぶ構造こうぞうえるようにした機械きかいてき製品せいひんなどを、日本語にほんごの「ける」との語呂合ごろあわせからそうぶようになった。

出典しゅってん

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  1. ^ a b Bogart & Ort (2011)、p.5、1.イントロダクション たいかべ構造こうぞう 骨格こっかく
  2. ^ a b ニュートンムック「ほね」、p.128-129、アンモナイトの骨格こっかくから
  3. ^ a b ニュートンムック「ほね」、p.6-7、ほねなにのためにあるのだろう?
  4. ^ a b c ニュートンムック「ほね」、p.90-91、カメはいつから甲羅こうらをもっているのか?
  5. ^ a b c d e 佐々木ささき(2010)、pp.111-112、だい2しょう 貝殻かいがら形態けいたい、2.1 軟体動物なんたいどうぶつ貝殻かいがら、(1)貝殻かいがら存在そんざい意義いぎ
  6. ^ ニュートンムック「ほね」、p.94-95、さん葉虫はむしっていた「そと骨格こっかく」とは?
  7. ^ a b c d e 東野とうのら、p.143-149、鳥類ちょうるい
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  9. ^ a b c d e 解剖かいぼうがくだい2はん、p.160-163、骨格こっかくけい
  10. ^ 解剖かいぼうがくだい2はん、p.169、だい10しょう 運動うんどうけい/II. 全身ぜんしん骨格こっかく 全身ぜんしん骨格こっかく
  11. ^ a b c d 解剖かいぼうがくだい2はん、p.198、だい10しょう 運動うんどうけい/II. 全身ぜんしん骨格こっかく 5.頭蓋骨ずがいこつ
  12. ^ a b c d e 解剖かいぼうがくだい2はん、p.169、だい10しょう 運動うんどうけい/II. 全身ぜんしん骨格こっかく 1.脊柱せきちゅう
  13. ^ a b c d e f g h i j k だい泰司やすじ(1998)、p.46-55、3.運動うんどうけい 3.1骨格こっかく (1)全身ぜんしん骨格こっかく
  14. ^ a b c 解剖かいぼうがくだい2はん、p.177-179、だい10しょう 運動うんどうけい/II. 全身ぜんしん骨格こっかく 2.胸郭きょうかく
  15. ^ 長尾ながお 大志ひろし監修かんしゅう)『ぜんぶわかる呼吸こきゅう事典じてん』 p.18、p.19、p.65 成美せいびどう出版しゅっぱん 2020ねん1がつ1にち発行はっこう ISBN 978-4-415-32787-7
  16. ^ a b c d e f 解剖かいぼうがくだい2はん、p.179-187、だい10しょう 運動うんどうけい/II. 全身ぜんしん骨格こっかく 3.上肢じょうし骨格こっかく
  17. ^ a b c d e f g 解剖かいぼうがくだい2はん、p.187-197、だい10しょう 運動うんどうけい/II. 全身ぜんしん骨格こっかく 4.下肢かし骨格こっかく
  18. ^ a b c d ニュートンムック「ほね」、p.8、動物どうぶつたちの骨格こっかく
  19. ^ a b 疋田ひきた(2002)、p.49-50、だい2しょう 爬虫類はちゅうるい起源きげん 4.たんゆみるい興亡こうぼう哺乳類ほにゅうるい
  20. ^ a b ニュートンムック「ほね」、p.10、全身ぜんしん骨格こっかく 霊長れいちょうるい
  21. ^ ニュートンムック「ほね」、p.12-17、全身ぜんしん骨格こっかく 食肉しょくにくるい
  22. ^ a b c 東野とうのら、p.162-163、哺乳類ほにゅうるいくじら
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  28. ^ a b c 東野とうのら、p.139-140、両生類りょうせいるい
  29. ^ 東野とうのら、p.138、軟骨なんこつ魚類ぎょるい
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  34. ^ 生化学せいかがく辞典じてんだい2はん、p.534 【細胞さいぼう骨格こっかく
  35. ^ 生化学せいかがく辞典じてんだい2はん、p.496 【骨格こっかくタンパク質たんぱくしつ
  36. ^ 佐々木ささき(2010)、pp.113、だい3しょう 軟体解剖かいぼう、3.3 筋肉きんにくけい、(1)軟体動物なんたいどうぶつ筋肉きんにくけい

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 河野こうの邦雄くにお伊藤いとう隆造りゅうぞう坂本さかもと裕和ひろかず前島まえじまとおる樋口ひぐちかつら ちょ財団ざいだん法人ほうじん 東洋とうよう療法りょうほう学校がっこう協会きょうかい へん解剖かいぼうがくだい2はん』(だい2はんだい1さつ医歯薬出版いしやくしゅっぱん、2006ねんISBN 4-263-24207-6 
  • 生化学せいかがく辞典じてんだい2はん』(だい2はんだい6さつ東京とうきょう化学かがく同人どうじん、1995ねんISBN 4-8079-0340-3 
  • Bruce Ian Bogart, Victoria H. Ort ちょ佐藤さとうひろし大谷おおやおさむ小澤おざわ一史かずし村上むらかみとおる やく『インテグレーテッドシリーズ 3 解剖かいぼうがく発生はっせいがく』(だい1はんだい1さつ東京とうきょう化学かがく同人どうじん、2011ねんISBN 978-4-8079-1645-0 
  • 『ビジュアルブック こつ骨格こっかくからさぐもののふしぎ』水谷みずたにひとし監修かんしゅう)、ニュートンプレス〈ニュートンムック Newton別冊べっさつ〉、2010ねんISBN 978-4-315-51874-0 
  • 湯沢ゆざわ英治えいじ写真しゃしん)、東野とうのあきらてんぶん構成こうせい)『BONES 動物どうぶつ骨格こっかく機能きのう早川書房はやかわしょぼう、2008ねんISBN 978-4-15-208933-5 
  • 疋田ひきたつとむ爬虫類はちゅうるい進化しんか東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2002ねんISBN 4-13-060179-2 
  • だい泰司やすじ紀之のりゆき哺乳類ほにゅうるい生物せいぶつがく形態けいたい東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、1998ねんISBN 4-13-064232-4 
  • 大隈おおくま清治きよじ『クジラはむかしりくあるいていた』(だい1はんだい1さつPHP文庫ぶんこ、1997ねんISBN 4-569-56998-6 
  • 佐々木ささきたけしさとし貝類かいるいがく』(だい1さつ東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2010ねんISBN 978-4-13-060190-0 
  • 編集へんしゅうちょう水谷みずたにひとしニュートン2007ねん11がつごう雑誌ざっし07047-11」、ニュートンプレス、2007ねん 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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